学資保険をリニューアル!お客さまから選ばれる魅力的な学資保険をめざして
今回の学資保険改定の主なポイントは、契約種類の新設と戻り率(※)の改善です。
(※お払い込みいただく保険料総額に対する、受け取れる学資金の割合)
より短期間で保険料の払い込みを終えたいというニーズに応えるべく、これまでの12歳払込済の商品よりもさらに短い、10歳払込済の商品を販売開始しました。契約種類を新設したのは、昨今の教育環境やニーズの変化に対応するためだったと言います。
吉本 「近年では中学受験のために塾通いを始めるご家庭も増えていることから、『塾通いなどでお金がかかり始める前に保険料を払い終えていたい』というニーズが増えています。こうしたニーズを踏まえて、小学校を卒業する12歳よりも少し早い、10歳で払い込みを終える契約種類を新設することにしました」
また、契約種類を新設しただけでなく、従来の商品と比べて戻り率を改善しています。
吉本「かんぽ生命では、2014年4月に学資保険『はじめのかんぽ』を発売して以降、多くのお客さまに支持されてきました。ただ、市場環境の変化や低金利の影響で、昔のように戻り率が100%を上回ることができず、払い込んだ保険料に比べて受け取る満期保険金が少ないという状況が続いていました。
学資保険は“保障性”がある商品のため、保険期間中に契約者が万が一お亡くなりになった場合などは、それ以降の保険料の払い込みが免除されます。学資保険には定期預金や投資信託などにはない“保障性”という魅力があるのですが、お客さまにご満足いただくためには戻り率を向上させ、商品の魅力をより高めていく必要があると以前から課題認識していました」
学資保険を通して、一人ひとりのライフプランに寄り添えるきっかけになれば
戻り率の向上のためには、商品の収益性を下げる必要がありました。
吉本 「保険料は、保障や満期保険金のお支払いのためにいただく純保険料と、お手続きやお支払いに係るコストなど、会社を運営するための経費としていただく付加保険料によって構成されています。今回の改定においては、付加保険料を下げることで、戻り率を上げています。そのため、商品の収益性は以前のものより下がっているんです」
なぜ収益性を下げてまで、商品改定を実現したのか。それは、学資保険をきっかけに、一人でも多くのお客さまの人生に寄り添っていきたいという想いからでした。
吉本 「『結婚や出産を経て初めて保険に加入したのが学資保険だった』という方も多く、学資保険はお客さまにとって身近な保険商品の一つです。一人でも多くの方にかんぽの学資保険を知っていただきたいですし、魅力的に感じてほしいと思っています。学資保険以外にも、さまざまなライフステージに寄り添える商品を用意しているので、とにかく、かんぽ生命を知っていただきたい、という想いの詰まった商品となっています」
かんぽ生命の学資保険は保有契約数No.1(※)で、業界の中でもブランド力のある商品。これまでも多くのお客さまにかんぽ生命の学資保険を選んでいただき、それが継続的なお付き合いにつながっていったように、「学資保険に加入したことをきっかけに、お客さまの人生に今後も寄り添っていくことができれば」と吉本は話します。
(※出典:インシュアランス生命保険統計号 令和4年版)
吉本 「学資保険の加入をきっかけに、保険そのものにも興味を持っていただけたらなと思っています。教育資金の準備以外にも、ライフステージに応じてその人に合った保障を備えておく必要があると考えているので、保険のことを知る一つのきっかけになればいいなと。
郵便局はお客さまにとって身近にある存在だと思いますので、新しい学資保険に興味を持たれた方は、ぜひ一度商品のお話を聞いていただけたらうれしいです」
きっかけは、お客さまの声。フロントライン社員との活発な議論が改定の鍵に
このような商品改定のきっかけとなったのは、お客さまから寄せられる生の声。吉本もふたりの子どもを持つ父親であり、学資保険の必要性は身をもって感じていると言います。
吉本 「お客さまからいただいたご感想やご要望は常に分析していますが、学資保険の戻り率の改善要望は以前から寄せられていました。
私自身、子どもが生まれたときにかんぽ生命の学資保険に加入した親の立場でもあり、とても思い入れがある商品です。私の子どもはまだ小学生なので、これから教育や受験にたくさんのお金がかかります。一家の大黒柱として働く中で、もし私が事故や重い病気で働けなくなってしまうなど、万が一のことがあったらどうしよう?と、親として数多くの不安を抱えています。
私と同じようにご不安を抱えている方の助けになればと思い、力を入れて取り組んできました」
学資保険の改定を検討し始めたのは2021年の冬ごろ。そこから、約1年をかけ実現に至りました。
吉本 「まずは市場ニーズ調査を行ったり、社内システムの開発コストを確認したりしながら企画を進めていきましたが、中でも保険料水準を決定するにあたっては、期限ぎりぎりまで検討を続けることになりました。
より多くのお客さまにお選びいただけるよう保険料を安くすると、1件当たりの収益性は低下するといったように、相互に影響しあうさまざまな要素を考慮する必要があったため、複数の保険料案の中からどの水準が最適かを、経営陣も含めて何度も議論を重ねました」
こうした一連の商品改定プロセスの中で有益だったのが、社内ワーキンググループの存在です。ワーキンググループは、今後の商品開発に多角的な視点を取り入れながら取り組むために、商品開発部のメンバーだけでなく、お客さまに保険をご案内する保険コンサルタントや、支店・エリア本部などフロントラインのメンバーを全国各地から集めて組成したものです。
吉本 「ワーキンググループのメンバーに商品の改定案を投げかけて、意見を聞いたり一緒に議論したりしました。商品開発部のメンバーだけで商品設計を考えていると、『これがいいはず』と思っても、フロントラインの意見とは食い違いが生じることもあり、検討し直すこともありました。
また、複数の選択肢の中からひとつを決めなくてはならないときに、自分たちだけでメリット・デメリットを考慮するだけでは、なかなか決め切れないことも多くありました。そんなとき、直接お客さまの声を聞いているフロントラインの方々から意見を聞くことで、意思決定の助けになったんです」
実際に、契約種類を新設する際には、ワーキンググループで活発に議論が交わされたと言います。
吉本 「10歳払込済とする契約種類の新設にあたって、これまで販売していた12歳払込済の契約種類も残しておくかどうかという点が議論になりましたが、ワーキンググループのメンバーの意見が、意思決定する上で大きな助けになりました。ワーキンググループのメンバーの意見でも、残しておいた方がお客さまの選択肢が増えて良いという意見と、選択肢が多すぎるとかえってお客さまを迷わせてしまうのではないかと意見が割れたんです。
どちらの選択もメリット・デメリットがあり、悩んだところですが、ワーキンググループのメンバーの意見の中では『お客さまを迷わせてしまうのでは』という意見が多数派だったことと、12歳と10歳では商品の差別化がそれほどできなかったことから、12歳払込済の契約種類を廃止することとしました」
学資保険の改定議論に携わったメンバーといつでも意見交換できるネットワークができたことは、吉本にとって今後も心強い存在になりそうです。
吉本「相談したいことがあればいつでも頼れる関係性をこのメンバーと築けたことは、自分にとってかけがえのない財産になったと感じています。ワーキンググループは月1回の頻度で開催していましたが、次の開催まで待てないときは、個別に電話して意見を聞いたこともありました。参加してくれたメンバーは、これから新しく商品を検討する際にも頼りになる存在です」
常にお客さまの声を分析しながら、半年に1回のスパンで商品改定を行う
商品開発部には、50名ほどのメンバーが在籍しています。保険料の計算を担う商品数理担当、保険商品の制度設計を担う商品開発担当、商品リーフレットなどを作成する営業ツール開発担当など、役割を分担して商品開発に励んでいます。
吉本がかんぽ生命に入社したのは2010年。アクチュアリー職として入社し、主計部に配属されました。そこで決算業務に従事した後、2015年に商品開発部に異動になりました。
吉本 「異動後しばらくは商品数理担当として、2017年10月から発売された医療特約『その日からプラス』や、先進医療特約の保険料額の計算などを行ってきました。2021年4月からは商品開発担当として、商品の制度設計など商品の企画をする業務に携わっています。
以前から、お客さまに選んでいただける商品づくりに携わってみたいという想いがあったので、日々やりがいを感じています」
お客さまにかんぽ生命を知っていただき、選んでいただくために、商品開発部では今回の学資保険に限らず、定期的に商品改定や商品開発を行っています。
吉本 「最近では商品の改定を約半年に1回のペースで実施しています。たとえば2022年4月には『もっとその日からプラス』という新医療特約の販売を開始し、10月には保険が満期を迎えたときに、健康状態の告知をせずに保障をご継続いただける契約更新制度を導入しました。これからも新しいサービスをご提供していきます」
現状に満足せず、常にお客さまの声を分析しながら、積極的に改善を重ねている商品開発部。商品開発の道のりには、メンバー間の連携が欠かせません。
吉本 「商品開発部は、誰もが意見を言い合えて相談し合える、オープンでフラットな雰囲気の部署です。今回の改定は当社にとって前例のない検討事項も多く、どのようにすればより良くなるのかをチームで知恵を絞って考えました。上司部下問わず、皆で画面を見て議論しながら、商品改定のプロセスで必要とされる資料をつくっていく場面もありました」
魅力的で、お客さまに喜んでいただける保険商品を届けるために、これからも商品開発部の歩みは止まりません。
吉本 「今後は、死亡保障や医療保障などの基本的な保障に加え、たとえば高齢者の介護・資産承継ニーズに応える商品など、幅広いラインナップをご用意できたらと考えています。もちろん新しい商品を開発するハードルは高いのですが、お客さまのさまざまなライフステージに寄り添えるよう、魅力的な商品を取り揃えていくことが、商品開発部の役割だと考えています。
これからも、お客さまに選ばれる商品やフロントラインの社員が進んでお客さまにご案内したくなるような商品を開発していきたいです」