お客さま一人ひとりの保険のお悩みに寄り添いたい。コロナ禍で生まれた新サービス

新型コロナウイルス感染症の影響で、お客さまと直接お会いしてお話を伺うのが難しい状況となった2020年。お客さまの保険に関するお悩みを解決するには、どうすればいいのだろう――デジタルサービス推進部に所属している大水 滋仁は、悩んでいました。

大水 「もともと、お客さまのお悩みについてWebサイト上で解決をサポートするチャットボットは導入していました。ただ、チャットボットでお客さまのお悩みを解決するには、どうしても限界があって。

もっとお客さま一人ひとりのお悩みをじっくりお聴きし、寄り添えるサービスをご提供できないかと考える中で、コロナ禍によって一般化したWeb会議システムに注目したんです」

大水は、2020年10月から業務設計を行い、12月にオンライン保険相談サービスの試行を開始しました。

大水 「お客さまがWebサイトから日時を予約し、Web会議形式でかんぽ生命の担当者とつなぎ、人と直接会わなくても保険について相談できるサービスをリリースしました。でもリリース直後は、なかなか予約が入らなくて……。

そもそもニーズがないのかなと焦りもしましたが、トライアルアンドエラーを繰り返した結果、今では毎日予約が入るほど人気のサービスになっており、お客さまに大変ご好評いただいています」

お客さまの保険に関するお悩みや疑問を解消するオンライン保険相談サービス。オンラインならではの気軽さが好評を博しています。

大水 「当社では、お客さまに保険についてご相談いただく際は、直接お会いすることがほとんどです。お客さまに郵便局にお越しいただいたり、お客さまのお宅に訪問させていただいたりすることは、人によってはハードルが高いと感じられるかもしれません。

また、実際に対面で長時間お話しするとなれば、途中で疲れてしまうお客さまもいらっしゃるのではないでしょうか。オンライン保険相談サービスなら、家にいながら空いた時間に話ができて、短ければ20〜30分という短時間で終了します。お客さまのペースで相談する時間や場所を選択いただけるので、お忙しい方や気軽に相談したい方にとって大きなメリットのあるサービスになったと思っています。

また、電話と違って、担当者の顔を見ながらご相談いただける安心感がありますし、画面上で資料やWebサイトをお客さまと共有できるので、より分かりやすくご説明することができます」

このサービスの目的は、あくまでお客さまのお悩みを解決すること。保険に加入していただくことがゴールではないので、新規契約のための営業活動は行っていません。お客さまのお悩みに応じて、商品内容などを十分にご理解いただくことに重点を置いてご説明しています。

大水 「ありがたいことに多くのお客さまにご利用いただけたことで、お客さまのニーズの傾向が少しずつ見えてきたところです。これからお客さまのニーズをもっと的確に捉えて、お客さまによりよいサービスをご提供していきたいと思っています」

自ら志願し、業務改革を先導。お客さま本位の支払事務確立へ

大水は、郵政民営化前、かんぽ生命が日本郵政公社だった2006年に入社。入社後は仙台の事務センター(現サービスセンター)に配属され、保険証券の再発行業務を担当しました。その1年後、東京本社の支払サービス改革推進本部から人員募集がかかります。大水は興味を持ち、自ら志願しました。

大水 「支払サービス改革推進本部では、当時、社会的な問題になっていた保険金の不払い問題(※)を検証し、適切な対策を講じることがミッションでした。この問題をきっかけに『お客さまからご請求があったものだけを支払えばいい』という考え方ではなく、お客さまからご請求がなくても会社が気づいてお支払いをしたり、お客さまに積極的に請求のご案内をしたりと、お客さま本位の支払事務へと転換していきました。

大変な業務ではありましたが、そこで新しい仲間と出会えたのは大きかったですね。3年間在籍し、自身の成長を実感することができました」

※保険金の不払い問題……2005年に発覚した、数多くの保険会社がお客さまに保険金を支払わなければならない事案や事故に対して正当な理由なくお支払いしていなかった問題。この問題を契機に各保険会社は、保険金支払管理態勢の改善・強化等が求められるようになった。

その後は、支払管理部(現保険金部)に異動。ここでは、バックオフィスの改革に着手します。

大水 「実は、保険金の不払い検証をやっていたときに感じていた課題がありました。それは、紙面上のやりとりが多くデジタル化が進んでいないこと。保険金の不払い検証は、紙の請求書類をすべて再点検する必要がありました。

でも、それではあまりに効率が悪い。そこで、紙をスキャンして画像化し、データとして処理できるようにしてから検証するようにしました。余談ですが、当時パートナーとして参画いただいていた企業の方から、『すべてのスキャンした紙の総量を試算してみたら、富士山3つ分の高さになりました』と言われたときは驚きましたね。その経験を活かし、そもそもの支払事務を紙ではなく、データ化して行う『イメージワークフロー』の導入に着手しました」

全国には、郵便局で受け付けた請求書類を処理するサービスセンターが5箇所にあります。これらのサービスセンター業務のうち、保険金等をお支払いする業務を対象に、まずは請求書類をスキャンします。記載された内容をテキストデータ化することで、書類や記載内容を端末上に表示しながら保険金の審査等を進められる業務フローに変えていったのです。

大水 「当時は、全国5拠点のサービスセンターごとに処理手順の違いやローカルルールがあり、これらを統一していくことが大きな課題でした。これまでの何十年間ものノウハウが作り上げてきた業務を変更する必要があったので、数年かけて業務フローを整えました。

全国のサービスセンターの社員に本社に来てもらい、一緒に企画を行ったり、我々がサービスセンターを訪問して現場の様子を確認したり。結果的に、すべての拠点で統一された新たな業務フローを導入することができました」

自ら感じた課題から新しい仕組みを導入し、全国規模での改善を実現しました。データ化することで大幅な事務の効率化につながり、進捗管理も容易になりました。また、仙台で受け付けた請求書類を福岡で処理するといったロケーションフリーな対応もできるようになったのです。

大水 「でも私、このような頭で考える仕事はあまり得意ではないんです。実は、学生時代は消防士になりたくて、目指していた過去もあります。なんというか、頭脳派より体力派なんですよね。だからこそ、考えるよりもまずは全速力で走り出してみる。勢いの良さは、ほかの人よりもあるかもしれません」

バックオフィスから営業現場へ。チームリーダーとして自分だからできることに集中

バックオフィスの業務改革を無事に成功させたあと、大水は北陸エリア本部に異動。保険営業の現場に近い場所で働き始めます。まずは、エリア内の販売実績の推進・管理を2年間担当。そして3年目からは金沢支店のパートナー部に異動し、保険販売を担う代理店の支援を務めました。

大水 「かんぽ生命の販売代理店は、郵便局です。私の仕事は、実際に郵便局を訪問しながら、営業支援を行うというものでした。販売実績の進捗を見ながら、営業促進に向けた企画を行います。お客さまと直接関わる営業部門の皆さんと日々触れ合うことは、会話の中で、お客さまがどんなことを感じているのかが伝わってきますので、これまでバックオフィスにいた自分としては新鮮でしたね」

お客さまの声が聞こえてくる現場での業務に、これまでにないおもしろさを感じます。しかし一方で、バックオフィスでの経験が長かったからこその苦労もあったといいます。

大水 「いざ営業の現場に立ってみたら、保険営業に関する言葉が全然わかりませんでした。現場ではいろいろな言葉が飛び交っていますが、思えばずっとバックオフィス側での業務を行ってきたので営業の世界の言葉を知らなくて……。最初はそれがわからなくて苦労しました。

そんな状態なのに、私は管理者の次の役職でチームをまとめる重要なポジションでした。現場の方々は、営業経験も豊富な方ばかり。営業の知識もなく本社から来た私を見て『頼りない』と思われたんじゃないかな」

保険の基礎知識は身につけていたものの、現場では自ら掴みにいかないと得られない情報がたくさんある。大水は焦りました。

大水 「とにかく、自分にできることはなんだろうと考えました。短い在籍期間では、営業の知識や経験は現場の方々には、どうやっても敵わない。そこで、営業の知識や経験で追いつこうとするのではなく、自分にできないことはできるメンバーに任せて、チームリーダーとして自分に求められている役割に集中することに切り替えました。

バックオフィスでの経験が長いからこそ、現場の方々には見えていないものが自分には見えるはず。そう考えました」

これまでの経験を前向きに捉え、自分の価値を発揮しながら営業現場での業務に携わったことは、大水の経験値を大きく広げました。

CX向上のためのDX推進。お客さまの「嬉しい」をやりがいに、仕事を楽しみ続けたい

そして2019年には、再び東京本社に異動。以来デジタルサービス推進部にて活躍しています。本社でデジタルを活用した新たなサービスの導入に関われると知り、自ら挙手したことが異動のきっかけです。

大水 「私は入社してから何度も自分で希望を出して異動をしていますね。当社は社内公募が多いですし、毎年、社員申告書に希望する部署を記載して上司に想いを伝えられる環境があります。この環境を積極的に活用して、いろいろなことに挑戦させてもらった結果が今のキャリアにつながっています」

興味のある仕事は自ら掴み取る。そんな大水のスタイルの原点には「仕事を楽しみたい」というシンプルでまっすぐな想いがあります。

大水 「私が新たな職場に自ら希望するのは、仕事をずっと楽しみ続けるためです。同じ仕事を続けているより、環境を変えて何か新しいものを創っていくことにチャレンジするほうが、私にとっては楽しいんですよ。たとえそのときは苦しくても、振り返ってみると楽しかったなと思うことがほとんどですね」

そんなチャレンジ精神のもとで現在取り組んでいるのが、オンライン保険相談サービスです。

大水 「今の部署はデジタルサービス推進部という名前ですが、私としては、CX(お客さま体験価値)向上のためのDXと考えています。今取り組んでいるオンライン保険相談サービスもCX向上の一環ですね。どうやったらお客さまに喜んでもらえるか、どうやったらお役に立てるかを追求したいです」

オンライン保険相談サービスでは、かんぽ生命の担当者とお客さまが1対1で話をします。サービスの検証として実際のやりとりを見守る中で、お客さまのリアルな声をCX向上のヒントにしているのです。

大水 「お客さまを身近に感じられる仕事は、やっぱりやりがいがありますね。『これ良いね』とか『こういうサービスがあればよかったのに』とかさまざまな声をいただくので、積極的にかんぽ生命のサービスに反映していきたいと考えています。

お客さまが『嬉しい』と思ってくれることが、1番のやりがいです。消防士を目指していた若い頃からずっと変わらないのですが、私は、誰かの役に立ちたい、誰かが喜ぶ仕事がしたいといつも思っています」

持ち前の行動力と情熱で、かんぽ生命にさまざまな改革を起こしてきた大水。これまでの経験を武器に、かんぽ生命の次世代のチャレンジャーとして、これからもお客さまのために挑戦を続けます。