初配属で広報担当に
コミュニケーション本部広報宣伝部に所属する宮崎 詩織。初配属が広報というのは、伊勢半グループにとって異例の出来事でした。
彼女は現在、企業広報を担当しています。会社の外に向けて発信する社外広報と、社員に向けて発信する社内広報が主な業務です。そのかたわらで、自ら社員インフルエンサーとなりSNSでの発信やYouTubeチャンネルに出演するなど、幅広く活躍しています。
宮崎 「社外へ向けた広報活動では、業界紙をはじめとするメディア対応や、一般の方が目にする伊勢半グループHPの管理など。社内広報では、社内報の作成・発行、また社内行事の様子を取材し、レポートをイントラネット(社内のネットワーク)で公開するといった業務をしています。
社員インフルエンサー活動としては、Instagram、Twitterを通した発信や、自社で運用している『KISSME PR チャンネル』というYouTubeに出演し、KISSMEの商品を紹介しています」
多岐に渡る業務を担い、多忙ながらも常にはつらつとしている宮崎。仕事をする上で意識していることは、「無理だ」「できない」などと自分で決めつけないことだと話します。
宮崎 「たとえば『これは広報にはできない』と、仕事を区切ることはせず、まずは『どうしたらできそうか』を考えるようにしています。入社して最初の配属で広報に入るのは、伊勢半グループとしては異例のこと。大きな期待をされていると同時に、チャンスを与えられたと思っています。だからこそ、自分で限界を決めるようなことはしたくないんです」
就職活動に対するネガティブイメージを覆した、“顔採用、はじめます。”の衝撃
会社からの期待を背負いながらも、社員インフルエンサーという立ち位置を見事にこなす宮崎。もともと人の前に出るのが特別得意だったわけではなく、入社前はごく普通の大学生でした。
宮崎 「もともと化粧品やメイクが好きだったこともあり、化粧品に携わる仕事に就くことを目標としていました。そのため、就職活動では化粧品会社を中心に考えていました」
しかし、就職活動そのものに対しては、決して前向きではなかったといいます。“画一的”“個性がなくなる”といった否定的なイメージが、宮崎の中で強く印象づいていました。
宮崎 「就職活動が始まると、みんな同じようにスーツを着て、黒髪にして、長い髪はまとめて、面接では採用されるために用意してきたことを話す——そんな印象を持っていました。大学の先輩たちを見ていても、キラキラしてかっこいい人たちがたくさんいたのに、就職活動が始まった途端、みんな個性がなくなっていくように見えたんです」
これから何十年も働く会社に対して、自分らしく正直でありたい——そう思っていた宮崎の目に留まったのが、“顔採用、はじめます。”の取り組みでした。
宮崎 「Instagramで“顔採用、はじめます。”の広告を見たときの衝撃は、今でも忘れられません。強烈なコピーに思わず『何これ!』と手が止まりました。『顔採用』という、ネガティブに捉えられがちなワードが全面的に打ち出されており、それでいて内容をよく読んでみるととても共感できることが書いてある。運命めいたものまで感じて、『こういう会社で働きたいな』と強く思いました。
そして、企業についてきちんと調べていくと、歴史がある企業ということがわかったことに加え、ヒロインメイクやヘビーロテーションなど、自分が愛用している化粧品の会社ということを知りました。商品に愛着をもって仕事ができるということも入社の決め手となり、その後即エントリーしました。選考では、就活生だけでなく、その場にいた伊勢半グループの社員も含め、全員がそれぞれ思い思いの服装で参加していました。就活生向けのアピールとして主張するだけでなく、社員一人ひとりが“私らしさを、愛せる人へ。”というKISSMEのコーポレートメッセージを体現している。みんな伊勢半グループのことが好きで働いているんだろうなと、今度は言葉でなく肌で感じました」
無事に内定が決まり、コロナ禍の2020年4月に入社。宮崎の広報人生は“自分を知ってもらうこと”から始まりました。
宮崎 「入社後最初のハードルとなったのは、200年近くある会社の歴史を深く理解することと、『私は伊勢半グループの広報の宮崎です』と社内外に知ってもらうことでした。私はもともと人見知りをするタイプで、自分を出していくことはそこまで得意ではありませんでした。
最初は先輩の後ろについていくばかりでしたが、お会いした方とどんな話をしたかを軽くまとめたり、先輩がどのようなことに気を配ってコミュニケーションをとっているか聞いてみたり。自分なりに考えて勉強していくうちに、だんだんと社内外の方とのコミュニケーションのコツがわかっていきました」
2年目を迎え、現在広報として感じているのが、伝えることの難しさ。広報の大きな役割の一つは伝えることですが、扱う言葉ひとつで、相手が受け取る印象は大きく変わります。
宮崎 「上司の方や先輩など、本当にいろんな方に助けていただいています。いい表現が見つからず、私が悩んだときは『こう伝えた方がわかりやすいよね』など、私の目線に立ってアドバイスをしてくれます。広報は、コミュニケーションが特に重要となる仕事ばかり。だからこそ、相手の立場になって物事を捉え、『自分がしてもらうとうれしいことは何か』を意識して行動しています」
社員だから伝えられることがある。社内インフルエンサーとしての自覚と責任
社員インフルエンサーの活動の中で、宮崎の印象に強く残っているのは、YouTubeチャンネルに出演したこと。『KISSME PR チャンネル』の動画にKISSMEの社員として登場。ヘアメイクアップアーティストのアドバイスを受けながら、自らメイクを実践し、メイクHOWTO動画として公開しました。
宮崎 「社員だからこそ伝えられることはたくさんあると思っていて。今はSNSも発達して、さまざまなユーザーがアカウントを持って自由に発信されています。そんな中で、KISSMEの社員であることは、自分のアイデンティティでもあり、強みにもなり得ると思いました」
ポイントは、プロの方にメイクをしてもらうのではなく、あくまで宮崎が“自分で”メイクをすること。動画のコンセプトについて、宮崎はこう話します。
宮崎 「私自身はメイクのプロでもないし、美容部員でもなく、動画を見てくださるユーザーに限りなく近い存在です。だからこそ、観る人に『私にもできるかも』と、親近感を持っていただけるのではないかと考えています」
また、KISSMEのブランドを横断的に紹介することも大きなポイントだと語ります。
宮崎 「KISSMEが展開するブランドは、それぞれ公式SNSアカウントがあったりして、ブランドごとに分かれて情報発信しています。KISSME PRのYouTubeや社員インフルエンサーとしての発信では、“ヒロインメイクのマスカラとkissのアイシャドウを使うのがおすすめ”など、ブランドの垣根を越えて紹介することができます。ブランドをクロスさせた発信をすることで、ユーザーと商品との新たな出会いのきっかけになれたらと思っています」
YouTubeのメイクHOWTO動画は、たくさんの人に視聴いただき、再生回数は約7万回(2022年3月時点)。動画に出演したことは、思わぬ形で宮崎にも良い影響をもたらしました。
宮崎 「動画が公開されたあと、社内の方に声をかけてもらえることが多くなりました。私が入社したときはすでにコロナ禍だったので、なかなか名前を覚えてもらう機会がなくて。あの動画が出たことで、“広報の宮崎 詩織”という存在が少しずつ広まっている感じがします」
“広報の宮崎 詩織”として、伊勢半グループ内外で目覚ましい活躍を見せ始めている彼女。
広報として気をつけていることや大切にしていることを語ります。
宮崎 「他方、企業・個人問わず、“炎上”の多い現代社会。会社の顔として外に出ていくことが多い広報担当として、リスクに対しても人一倍慎重な行動を意識しています。
言葉選びもそうですし、このアクションに炎上リスクはないのか、社会的に問題ないか、会社としてこれを発信するのは正しいことなのか……。課内で話し合いながら、慎重に進めています。決して楽な作業ではないかもしれませんが、そうしたリスクから会社や商品を守ることも広報の大切な仕事。責任感をもって取り組んでいます」
個性は消さなくていい──ここは、自分を大切にする人が集まる場所
“顔採用、はじめます。”で伊勢半グループに惚れ込み、入社以降高いモチベーションを維持しながら広報の業務に取り組んでいる宮崎。実際に社員として働いてみて、ますます会社に対して魅力を感じているといいます。
宮崎 「積み重ねてきた歴史は、ゆるぎないものです。200年近くもの歴史を持つ企業の中で働けていることは、自分にとって誇りでもあります。伊勢半グループで働く魅力は、そうした長く尊い歴史があることと、その中で“顔採用、はじめます。”をはじめとする革新的且つ独創的な新しい取り組みをどんどんやっていけることです」
そんな伊勢半グループに向いているのは、どんな人なのか?宮崎はこう答えます。
宮崎 「自分を大切にできる人だと思います。“私らしさを、愛せる人へ。”と掲げている企業らしく、伊勢半グループの社員はみんな自分の仕事に誇りを持っていて、自己肯定感も高い人が多いように感じます。それでいて、お互いを否定せず認め合う、とても温かい企業だと思います。
また、風通しが良く、「やりたい」と言ったことはちゃんと拾い上げてくれる環境にあります。就職活動のときから思っていましたが、個性は消さなくていい。むしろ個性を大切にすることが、自分を大切にすることだと思っています」
現在入社2年目。目下の目標は、1日でも早く“伊勢半グループの顔”になること
宮崎 「まだ私は入社2年目ですが、私にしかできないオリジナリティのある広報ができるよう努力し、1日でも早く会社の顔になれるように、日々精進したいです。また、自身も心動かされた“顔採用、はじめます。”などを展開する、“KISSME PROJECT”に参画することも目標の1つです。
社員インフルエンサーの活動では、自分が持つZ世代の感覚と、伊勢半グループの社員であるというアイデンティティを最大限に活かしていきたいと思っています。世の中を見渡せばたくさんの化粧品があり、選択肢の多い市場です。そんな中で、私たち広報の発信や取り組みによって、『伊勢半グループの商品を使ってみよう』とお客様に思っていただけたら嬉しいですね」
社会人となり、今まで以上にありのままの自分を輝やかせているように見える宮崎。それができるのはきっと、今いるこの場所だからこそ。今後、彼女はその輝きを社内外へと連鎖させていくことでしょう。