間に立って “通訳”する。担当者とユーザーの橋渡し役を担う仕事

▲コンサルティング事業本部の井上

2021年現在、私は大手グローバル企業のSAPの導入・運用に関するプロジェクトに参画しています。

プロジェクトは2期目に入り、今年度はグループ会社にSAPを導入するために動くのが私の仕事です。このプロジェクトに参加したのは、2020年7月ごろからです。導入パートナー会社様とユーザーの意見を取りまとめ、意思決定のお手伝いをしてきました。

SAPコンサルタントは、プロジェクトの成功に欠かせない存在です。私の主な業務は、意思決定や課題の明確化・対応策などに関する資料作り、システムのエンドユーザーへの機能・操作説明などです。 

特に力を入れているのが、資料づくりです。この資料は、社内の情報システム部の担当者がSAPを実際に使う担当者に対してシステムの仕組みや使い方などを伝えたり、その前段階として導入パートナー会社様から齟齬なく情報を受け取ったりする上で重要なものになります。 

もちろん、情報システム部のご担当者様は、会社の業務と従来から使っていたシステムについての理解が深いです。しかし、技術面にあまり詳しくないユーザーに対して新システムを説明する場合に、導入パートナー会社様からのシステマチックな情報を上手く理解できないことがあるのです。 

だからこそ、もっとかみ砕いてわかりやすく説明できる人間が必要になります。通訳の仕事をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。両者の橋渡し役として、より伝わりやすい資料を作れるように心がけているのです。 

コロナ禍で顔を合わせる機会が減りメールでのやり取りが中心になった今、メールだけでは意思疎通が難しい部分もありますが、そのような状況の中でも文章をかみ砕いてわかりやすく表現することを意識しています。 

また、新しく導入するシステムと現在使っているものとで操作感や機能に大きな乖離がある場合、拒否反応を起こしてしまうエンドユーザーもおられます。

そもそもシステムに関わる人には、データを作る人とデータを見る人がいます。SAPはどちらかと言うと、データを見る人に優しいシステムだと感じます。そんな中で、データを作る方であるエンドユーザーに従前のシステムよりも良いところを伝えるのは難しいと感じています。「今使っている機能は、SAPになったらどうなるのか」、「そもそもSAPを導入して何が実現できるのか」という声をいただくこともあるのです。 

お客様の疑問を解消し安心して受け入れていただくためにも、一人ひとりの言葉にしっかり耳を傾けながら、全体像を見渡して、プロジェクトにおける優先順位を都度認識合わせしながらコミュニケーションすることを心掛けています。

さらに、相対するお客様にはさまざまな背景があることを想像しながら適切な説明方法を模索するなど、対応方法を工夫するようにしています。  

このように、橋渡し役としてさまざまな方と関わる機会が多い中で大切にしているのは、雰囲気を読み取ることです。入社して1年ほどですので、業務面でできることはまだ限られていますが、周りの人が働きやすいように行動することを心掛けています。

未経験で飛び込んだSAPコンサルの世界──楽しみながら自発的に成長する

▲INTLOOP入社前の井上

私は音楽大学を卒業しており、ITは全くの未経験でした。

SAPコンサルタントの仕事に魅力を感じた理由は、働きながら新しい知識を吸収できるイメージがあったからです。何もわからないまま入社したというのが正直なところです。 

入社後2カ月間、ITの基礎からしっかりと研修をしてもらったのですが、仕事のイメージはまだまだ想像できませんでした。

しかし、2020年6月にプロジェクトに参画してから、点と点が線で結ばれたような感覚が出てきました。もともと音楽をやっていく中でも、目の前で見て学ぶ機会が多かったので、実務を通して「こういうものなんだ」と肌感覚で納得することができたのです。 

仕事をはじめて一番苦労したのは、専門用語ですね。初めのうちは、会議のときに何を話しているのかもまったくわかりませんでした。そうした専門用語を覚えるために、自分で単語帳を作って勉強していました。 

そこから1~2カ月ほど経って、少しずつ用語にもなじんできて、全体の流れがおぼろげに理解できるようになっていきました。しっかり理解できるようになったのは、年明けごろのことだったと思います。 

そうしてある程度単語が理解できるようになり、次はSAPのシステムに関する理解を深めようと考えました。

資料づくりなどのスキルをすぐに身につけることは難しいですが、SAPのシステムはお客様ごとに組まれているので、導入パートナー会社様の次に理解できるようになろうと思ったのです。そのため、時間を見つけてはSAPを操作し、誰よりも長く実機に触って勉強するようにしました。

具体的には、データの不具合調査です。SAPは会計および販売・購買・生産などのロジスティックの統合パッケージとなるため、 最初にデータを登録する段階で、データごとの紐づけに齟齬があったり、こちらが想定していない操作をユーザーが行ったりすると、データ全体に不具合が発生するのです。

そうした紐付けミスや操作ミスをいち早く発見したり、ミスが起きないようにユーザーのデータを調査していく中で、SAPに対する理解が深まっていきました。

不具合が発生したときにネガティブな気持ちになる人もいると思いますが、私は「これだ」という原因を突き止められた瞬間に、すごく楽しいと感じるんです。自身の成長を実感することもできるので、どんどんとSAPにのめり込んでいきました。

努力と周りのサポートでここまで成長できる。見える景色が大きく変わった

▲INTLOOP入社1年目の井上

私の直属である先輩社員は、ミスしても決して怒らない方です。最初はできる業務を任せてくれ、徐々に難易度を上げるような形で、成長をさせてくれました。

トップダウンで指示を出すわけではなく、議論を交わしながら物事を進めてくれたため、私自身の頭で考える思考力も身に付いたと感じています。 

知識も経験もない状態でしたが、こうしたサポートを受けながら、SAPを触り、エクセルでのデータ分析ができるようになり、データ不備も指摘できるようになっていきました。一歩ずつステップアップしてきたことで、だんだんと自信も付いてきています。 

最近は、システム開発におけるミーティングの中でも、お客様に対して提案できるようになりました。ユーザーに一番近い立場で各種タスクを推進してきたため、常にユーザー目線で「この画面にこの機能を追加するともっと使いやすいですよ」といったアドバイスができるようになりました。 

サポートしているお客様から「助かったよ」という言葉をいただけることはとても嬉しいですね。また、プロジェクトに参加している導入パートナー会社様と共に一つの仕事をやり遂げた瞬間にもやりがいを感じています。

導入パートナー会社の方々は、コンピュータやシステムを製造・販売するITの専門家なので、未経験だった自分が信頼され、意見を求められるようになると、成長実感を持てました。コンサルタントとしてはまだまだですが、存在意義を少しだけ見出だせた瞬間です。

こうして自分がステップアップするにつれて、見える景色も変わります。入社したころの自分にはなかった発想や視点が出てきた気がしています。

とはいえ、初心を忘れたくはないと思っているので、素直な気持ちを忘れずにもっと自分を高めていきたいですね。

ユーザーに寄り添いながら舵を取る。理想のSAPコンサルタントを目指して

▲会議中の井上

INTLOOPには、コンサル系出身やSIer出身、SAPを含むパッケージ会社出身など、 多彩なコンサルタントがそろっています。フリーランスのコンサルタントもいらっしゃるので、異なるバックグラウンドを持っている方々と関わる中で、多くの刺激を受けています。 

私はもともとITやシステムに接点がない経歴だったので、この仕事に向いているかどうかもわからなかったのですが、自ら学んだり、様々な人から学びを得たりする中で、仕事の楽しさに目覚めています。 

今後の目標としては、一人ひとりのユーザーに寄り添いながら、プロジェクトの舵をしっかり取ることができたらいいなと考えています。

プロジェクトを最後までやり抜き、自分が実施したこと・貢献できたと思っていることに対し、お客様からはもちろん、指導を頂いた先輩社員、共に推進してきた当社フリーランスコンサルタント、導入パートナー会社様など、プロジェクトで関係した皆さんから「ありがとう」と言われることを目指していきたいと思います。

開発当初で、システムが形になっていないときはユーザーの方々も問題点を意識していないことが多いです。目に見えない課題をうまく引き出して計画を立てることが重要なので、ユーザーに寄り添いながら、話ができるようになりたいですね。

その上で、プロジェクトの舵をしっかり取るのが、理想のコンサルタントの姿だと思っています。

システムに関わる人には、データを入れる人とデータを見る人の両方が存在します。どちらかに偏ると、全体像を俯瞰して見たときに良い方向性ではなかったり、一部だけの満足に留まってしまったりします。

そういう場合のために、どちらの意見もしっかり傾聴し、単なる折衷案や妥協案ではない、プロジェクトの目的を実現するための案を自分なりに提案する力を磨いていきたいです。そして、プロジェクトを成功へ導くための舵をとることができるような存在になりたいと思っています。

実は、今の上司がまさにそうしたタイプのコンサルタントです。プロジェクトを成功させ、関わってきた人たちが喜ぶことにコミットできる人間になることが私の夢でもあり今後の目標です。

関わる一人ひとりの言葉によく耳を傾けながら、プロジェクトの舵を取れるようなSAPコンサルタントになっていきたいです。