日本のPMOコンサル市場を作り上げた男

▲シニアバイスプレジデント/事業統括の田口

長年にわたってPMO関連の仕事に携わってきた田口 正剛。そのキャリアの始まりは、20年以上前にまでさかのぼります。 

新卒入社した会社で大規模プロジェクトのPMOとして数多の経験を積んだ田口ですが、その当時、日本において「PMO」というワードはまだ耳馴染みのないものでした。 

田口 「1998年にPMI日本支部が設立され、プロジェクトマネジメントの普及活動が始まりました。そして、2000年にプロジェクトマネジメントの日本語書籍が出版され、私はその書籍に出会ってからPMOの専門家になる、と決意し、PMO専門のコンサルをやりたいと先輩/上司に言い続けていました。

周囲からは、そんな職種は無いと一蹴される状況でしたが、諦めずに必要性を説いていたら、そこまで言うならやってみろと、先輩がPMOの案件を取ってきてくれるようになりました」

そこから3年ほど経つと、徐々にPMOという役割が浸透し始めるようになりました。PMOが関与したプロジェクトの成功率が高くなった事例が続いたことも理由のひとつです。 

そうした追い風を受け、2005年に創業された会社に創業メンバーとして参画し、PMOサービスの提供をスタートしました。そしてPMOという新しい職種の人材を積極的に募集し、日本におけるPMOコンサル市場を開拓していきました。 

そして2016年。田口は次のアクションとして、自分が立ち上げから関わった企業を離れ、INTLOOPへ参画しました。 

田口 「INTLOOPの創業直後のプロジェクトに私も外部コンサルタントとして参画していた経緯から創業時から知っていました。当時はフリーランスコンサルタントはまだ然程居ない時代でしたが、コンサルタントが増えていた時代背景もあり確実に成長する事業モデルだなと思っていました。

ですが創業から10年間は少数精鋭のコンサル会社となっていたため、外から見ていた者としては、日本最大規模のフリーランスコンサル事業を持っているのに成長機会を逃しているなと思っていました。そんな中、林社長と再開した際に16年から第2の創業として成長に舵を切りたいと相談を受け、成長の伸びしろが沢山残っている会社の第2創業に参画する事を決意しました」

参画した田口が就いたのは、フリーランスコンサル事業の責任者。あえて自身の武器であるPMOという仕事から離れる選択をしたのです。 

フリーランスコンサル事業を5年で約10倍に成長させ軌道に乗せた田口に、新たなチャレンジが舞い込みます。PMOコンサルビジネスの拡大に注力していくことになったのです。 

田口 「INTLOOP社員が対応するコンサル事業は、日本最大規模のフリーランスコンサルの活用ができるため、大手コンサルファームと同様に総合コンサルティングファームとして活動をしていました。

総合コンサルファームなので、PMOだけをフォーカスする事はなかったのですが、INTLOOPで扱うコンサル業務はPMO的なタスクも半分程度を占めているのが実態だったのです。それならば、PMO市場を作り上げてきた自負を持つ私自身が、INTLOOPにはPMO人材が多数在籍していることを伝えなければと考えるようになりました」

新時代のPMOニーズに対応するための新組織

再びPMOの領域に携わることになった田口。まずはINTLOOPでPMOの新組織を作ることを目標のひとつにしています。 

そもそもINTLOOPには、業務コンサルを担当する「コンサルティング事業本部」、DXのサービスを提供する「DX事業本部」そして「テクノロジーソリューション事業本部」という3種類のデリバリー部門があります。そんな中、田口が目指すのは、それらの部門に横串を指すマトリクス型の組織なのです。 

田口 「一般的には、PMOはリーダー・サブリーダー・メンバーの3層で定義するのがセオリーとされています。しかし、INTLOOPには日本最大規模となる6,000人以上のPMOフリーランス人材を確保しており、その中にもコンサル系出身やSIer出身と多彩な人材がいます。

その強みをより活かすためにも、クライアントの細かな要望にタイムリーに応えられることをアピールしていかなければなりません。そのためには、社内の組織の横のつながりを強化し、クライアントの細かなニーズに応えていくための体制づくりが必須です」

田口がこのように考えるのは、PMOが定着することによって生じたクライアント側のニーズの変化を感じているからでもあります。 

田口 「2000年代の黎明期から2010年代の発展期を見てきた私から見ても、2020年代のクライアント要求はより高度でニッチなものになってきています。PMOを設置することがもはや当たり前のようになってきた現在では、PMOに加えて業務コンサルの知見やITの知見など、プラスαのスキルを持つPMOが求められるようになっているのです。

ですから、在籍しているPMOにはPMO以外のスキルを磨けるだけでなく、 多様性のあるキャリアパスを用意していきたいと感じています」

PMO市場の変化、そしてクライアントからの期待に応えるべく、戦力を募っているタイミングなのです。

INTLOOPのPMOプロジェクトの具体例

▲会議中の田口

INTLOOPでのPMOプロジェクトにおいて田口は、INTLOOPのPMOサービスならではの価値提供を進めています。

田口 「PMOの定義は、各社毎に異なると思いますが、長年見てきた中で敢えて定義するとしたら“プロジェクト成功の為に必要なマネジメントタスクを遂行する役割”と言えると思っています。その中には、PMBOK®ベースの各種マネジメントタスクを遂行する事は当たり前として、その中で特に重要なリソースマネジメントについて、他社のPMOだと毎回ジレンマに陥っているはずです。

よく起きている問題として、体制図の中に長期間に渡って必要な要員がTBD(不在)状態のチームが複数個所あり、開発会社の責任者に対して、定例会議等でいつ埋まるのかと催促するだけの役割になっているPMOが非常に多いのが実態です。それって開発会社からすると鬱陶しいだけのPMOになっており、私もPMOだけをしていた際は、プロジェクト成功請負人とは到底言えないなと思いながら従事していました。

一方、INTLOOPのPMOは、開発会社のPG/SE等必要な要員を探せないで困っている際は、日本最大規模のフリーランス登録DBの中からプロフェッショナル人材をご紹介する事も可能となっており、真のプロジェクト成功請負人と言える状態になります。その結果、お客様・開発会社・弊社共に三方良しな状態にする事が可能となっています」

複数の会社が参加するプロジェクトでは、このようなトラブルが生じやすいため、INTLOOPにはトラブルの発生を未然に防ぐという役割があります。実際に、こうした意思疎通に関するトラブルを解決した事例も決して少なくなかったのです。 

このように、INTLOOPとしてクライアントに手厚いサービスを提供するために、田口は正社員のPMOの人数を増やすことも大切だといいます。 

田口 「INTLOOPには、プロジェクトの人材面について、空いた穴をすぐに埋められるという強みがありますが、これだけでしたらフリーランスのPMOでも十分に可能です。しかし、今後求められるのは、やはり『プラスαができるPMO』ですから、スキルを磨くための向上心のある正社員を増やすことは非常に重要だととらえています」

『事業創造カンパニー』を目指し、新たな道へ

▲INTLOOPの新本社

田口はINTLOOPの将来についても、明確なビジョンを持っています。 

田口 「将来に渡ってコンサル事業が根幹である事は変わらないのですが、コンサル事業以外にも様々な事業も展開していく事で、成功や失敗を実際に体験し、その知見をお客様にもLOOPするモデルを構築しようとしています。机上の空論ではなく、自分達で成功失敗を繰り返した結果産れたノウハウで、お客様の課題解決をしていくモデル以上の説得力あるコンサル支援は無いと思っています。

その事業を100個創出していく事を目標にし、2030年を目処に1000億企業を目指そうとしています。数年後には世間からは『事業創造カンパニー』と呼ばれるような会社になると思っています。

そのひとつがPMO事業です。この目標を達成するためには、『PMO+○○』として、クライアントのさまざまなニーズに応えていくことが今後の課題になるでしょう。ですから、多種多様な分野に特化した人材を育てる必要がありますし、プラスαの人材も求めていかなければなりません」

大きな目標を掲げるINTLOOPですが、そこに向かって社員が充実したキャリアを歩めるよう、支援していくと田口は語ります。 

田口 「INTLOOPは多様性に満ちたキャリアを築ける会社であるべきだと考えています。たとえば、PMOをやっているとマネジメントの観点からプロジェクトを見ることが多くなり、ゆくゆくは自分でも新規事業を立ち上げたいと考える方が増えてくるのは自然な流れです。

ですから、INTLOOPとしては、新しい事業責任者というキャリアパスを選択肢として提示できるように準備しておくことが重要だと考えています」

そしてその先に目指すものとは── 

田口 「PMOをより広い分野へ拡大していけば、自然と多種多様な分野と関わることになるので、もしかすると周囲から見れば何をしている会社なのかわからない、ということになるかもしれません。

ですが、ひとつの分野に限定しないことこそが会社としての可能性を広げることになると考えているので、何か新しいことをやりたいという人のための受け皿のような存在にINTLOOPがなっていければ、という想いがあります。

PMOを生涯にわたって極めていきたいという方に限らず、PMOになりたくて転職を考えているものの、いずれは他のキャリアも考えていきたいという方にも、良いキャリア形成のサポートができるのではないかと考えています」

所属するコンサルタントが日々研鑽するINTLOOP。それぞれのコンサルタントが自分にしかできないことを見つけ、そしてその集大成として『事業創造カンパニー』を実現する。そのためにも田口はPMOの歴史を紡ぎ続けるのです。