「テクノロジーコンサルタント」が私のキャリアスタート
私のキャリアは、総合系コンサルティングファームからスタートしました。当時は、大手損害保険会社の合併プロジェクトにおいて、PMO(Project Management Office:プロジェクト・マネジメント・オフィス)として数年がかり、予算は数百億円というとんでもなく大規模なプロジェクトを担当していました。
多少プログラミングをかじってはいたものの、このような大規模なものをどうやって作るのか……と毎日必死になって頭を捻らせていたのを覚えています。
諸先輩方に助けてもらいながら「コンサルタントとは」、「論理的思考とは」、「日本語とは」、「ドキュメンテーションとは」といったコンサルタントとして必要不可欠な基礎知識を叩き込むと同時に「PMOとは」、「システム開発とは」といったテクノロジーに関する専門知識も吸収していきました。
ジュニアスタッフ時代からすばらしい経験をさせてもらったことでコンサルティングに自信がついてきました。その後、さまざまなプロジェクトに関わっていく中で、より「経営に関わりたい」という強い想いを抱くようになり、社内転職を決意したんです。
そして、これまでの「大規模PMOやSI系テクノロジーコンサルタント」から「ビジネスサイドの経営コンサルタント」への転身を果たしました。ジュニアスタッフを脱した当時の私は、生意気にも仕事に手ごたえを感じていました。「きっと、この転身もうまくいく」。そう確信を持って臨んだのですが、そこで苦労を味わうとになりました。
苦労の社内転職を乗り越え、新たに芽生えたチャレンジ精神
転身した先で待ち受けていたもの。それは、システム開発に向けたロジカル第一な考え方だけでなく、現場の営業やその先の見えないステークホルダー、さらにはお客様の声などの多種多様な変数が混ざり合う中で変革を成し遂げなければならないという、私にとって未到の挑戦でした。
まず、アサインされたのは全社規模のDX案件。自身のテクノロジー領域の知見を活かすことができる環境でしたが、「経営コンサル」という新たな視点で関わるには、すべて一から学び直す必要がありました。
専門書籍を読み漁り、クライアントのビジネスをより理解するためにさまざまな勉強会に参加。上司には、週次で夜中までフォローアップしてもらうこともありました。
当時、先人の教えとして叩きこまれた「100負けて1勝つ」という姿勢。小さな失敗が続くと諦めてしまう人もいると思いますが、100回負けても最後の101回目に勝てば勝ちです。
大事なのは、恐れずにできるだけ多くの失敗をして、うまくいかなかったときはなぜ失敗したか学ぶことです。実践と学びの往復を積み重ねていけば、いつか必ず大きく成長するときがきます。
この教えを忠実に守って必死に食らいついたことで、無事にクライアントからの評価を勝ち取り、業界初のAIプロダクトを無事に開発。なんとかプロジェクトも成功することができました。さらに、このプロジェクトのおかげでマネージャーへ昇格できました。
正直、社内転職は非常に苦労しましたが、結果として業界初案件などやりがいのあるプロジェクトに携われ、ビジネスサイドの経営コンサルタントとしても独り立ちし始めました。そして、挑戦を続ける中で「独立して事業を立ち上げたい」、「より新しいプロジェクトにチャレンジしてみたい」という想いがますます強くなっていきました。
しかし、いざ次のキャリアを模索してみると、今さらながら「そもそも新規事業って何をすれば良いのかもわからない」ことに気がつきました。そんなときに出会ったのが、イグニション・ポイントの「バリューインキュベーションユニット」でした。
イグニション・ポイント「バリューインキュベーションユニット」の実態
ここで、「バリューインキュベーションユニット」についてご説明します。当社のコンサルティング事業本部は、5つのユニット(チーム)に分かれています。私が在籍する「バリューインキュベーションユニット」は、事業環境が複雑になっている中、クライアントの企業価値の最大化をめざして「ファイナンス」×「ストラテジー」×「エグゼキューション」という3つのケイパビリティを活用し、非連続性の価値創造やバリューアップを実施しています。
ここであれば、私が経験したことのない新規事業の経験を積めるだけでなく、コンサルティングの新たなドメインの開拓にもチャレンジできる。そう考えて2021年にジョインしましたが、ここでも高い壁が立ちはだかりました。
新しい領域のコンサルティングにチャレンジするも、ファイナンスの知見がない私にとっては取り扱う言葉や論点のどれもが「?」の連続でした。これまでの経験を思ったように活かせず、バリューが出せない日々が続きました。
そこで、試したのが「志向の転換」です。ファイナンス知見や戦略的思考をいちから学びなおす好機ととらえました。実際にリスキルに取り組んでみると、幸いにも当社がとても学び直しやすい環境だということがわかりました。
バリューインキュベーションユニットでは、戦略ファームやコンサルBIG4のFAS、金融機関など多種多様な専門性を持つメンバーが集まり、密にコミュニケーションをとる機会も多く、経験やスキルを積極的に共有する場も設けられています。
たとえば、下記のような取り組みを実施しています。
・月次の定例会議で各プロジェクトの学びを共有、ディスカッションしながら振り返る
・ファイナンス、ストラテジー、エグゼキューションの3軸を伸ばすためのケイパビリティトレーニングをスタッフおよび管理職合同で定期的に開催
・ユニットリードによるトレーニングを定期的に開催
トレーニングが充実しているファームは数多くあると思いますが、メンバー間でのインタラクティブな交流により「しみじみ感のある」トレーニングを密度・頻度ともに高いレベルで実現できている点で特徴的だと思います。
またイグニション・ポイント全体でも、成長支援プログラム「IGP University」のもと、MBA/MOT含め100種類にのぼる資格取得支援や教育研修制度が用意されており、成長に大きく寄与してくれています。
https://www.ignitionpoint-inc.com/recruit/careerdevelopment/support/
「成長したい」人にオススメしたい、イグニション・ポイントでのリスキル
ここまで、私のコンサルタントとしてのキャリア経過を読んでいただき、ありがとうございます。
本記事を読まれている方には、コンサルタントから他分野のコンサルタントへの転職はもちろん、事業会社からコンサルタントへの転身などリスキルをともなうキャリアアップをめざしている方が多いのではないかと思います。
ご想像されているかとは思いますが、これまでの専門知識を活かしつつ新たな目標に向けてリスキルに取り組むことは容易ではありません。精神的にも肉体的にも負荷がかかるチャレンジだと思います。
そういった新たな領域へのチャレンジにおいて、当社はさまざまな面でサポートしてくれるのでリスキルには最高の環境だと言えます。
私は、自己研鑽のため、プロジェクトでバリューを発揮しながら日ごろからリスキルを続けるように心がけています。バリューインキュベーションユニットには知識面、精神面およびプロジェクトデリバリー面でも支え合えるメンバーがおり、成長に向けて挑戦する姿勢を尊重しています。こうした文化がチーム全体に根づいている点が、われわれのユニットの強みだと考えています。
さまざまな才能を持った方とさらに多方面の知見を蓄え、成長しながらコンサルティング業界に新たなドメインを打ち出したい。
そんなチャレンジに心惹かれる方、過去の私のように「コンサルタントとして今のポジションのままで良いか」と悩まれている方にとって、われわれバリューインキュベーションユニットはとても興味深い経験を得られる場ではないかと思います。
(記事の内容は2022年12月執筆当時のものです)