これまで以上に新規事業に挑戦したい
──これまでの仕事内容について教えてください。
鈴木 「新卒でコンサルティングファームに入社し、7年間在籍していました。素材エネルギー本部という部署で電力・ガス、素材・化学業界を担当し、最終的にはマネージャーとして働いていました。在籍期間中は、長期かつ大規模なプロジェクトから、少人数で取り組む2〜3カ月の短期プロジェクトまで幅広く経験しました。
さらに、ストラテジー、デジタル、テクノロジーといった別部署の方々とのチーム組成が多く、経験したテーマも全社改革からシステムアーキテクチャ設計までさまざまなものでした。2021年4月にイグニション・ポイントに転職してからは、より新規事業にコミットする割合が増えたと実感しています。日々、非常に刺激的でおもしろいです」
──大手コンサルティングファームでマネージャーとして活躍されていた鈴木さんですが、なぜ転職をしようと思い立ったのでしょうか。
鈴木 「自分が予想していた以上に組織が大きくなった、というのはきっかけの1つとしてあります。前職の在籍当時、200名程度だった部署は5年ほどで1,000名以上に増え、売上も何十倍にもなりました。すさまじい成長速度の波でしたが、その後、分業体制が細かく決められ、個々のスキルが最適化・固定化されていきました。
たしかにグローバルで数十万人の従業員を抱える大手コンサルティングファームでは、非常に効率的なしくみですが、その人の能力が1つの領域に特化してしまうという側面もあります。私自身は幅広いテーマに対応していた方でしたが、お客様から専門外のことを聞かれた際に『専門のチームに確認します』という状況は、自分が理想とするコンサルタント像からは遠いことに気づいたのが、転職を思い立った理由です。
近年ではDXの流行もあり、コンサルティングファームの役割も変化してきました。戦略・構想策定のみでバリューを出すことができた時代は過ぎ去り、2023年4月現在は将来のビジョンに沿っていかに計画・実行とその効果検証を高速で回し、成果創出につなげられるかという、質と速度がより求められるようになりました。そうした時代の変化に適応できるコンサルタントになりたい、という想いもありました」
これからのコンサルタントは、総合格闘家でないと生き残れない
──転職を考える中で、イグニション・ポイントを選んだ理由とは何でしょうか。
鈴木 「イグニション・ポイントに決めた理由は2つあります。1つめは、面接の際に聞いた『これからは、戦略とデジタル技術の両方を備えた“総合格闘技”ができるコンサルタントでなければ生き残れない』という話に共感したことです。当社は、他ファームよりも少数精鋭でのデリバリー体制のため、一人ひとりの個の力を最大限に伸ばすべく、人材育成に力を入れています。必然的に自らの管掌範囲は広くなりますが、戦略的に将来を描きつつ、技術的な中身や制約も理解して提案・実行できる環境があると思いました。
2つめは、自社で事業開発も行っており、コンサルティング業務一辺倒ではないという点に魅力を感じたことです。大手コンサルティングファームであっても、事業提携やジョイントベンチャーを設立することはよくある話ですが、自分たちでリスクも取って事業投資を行う会社はなかなかありません。これは前職で歯がゆい思いをしていた部分でもあるので、決め手の1つになりました」
──転職する際に不安はありませんでしたか。
鈴木 「正直に言うと、『大手コンサルティング会社の社員』という肩書きを失うことが不安でした。ただそれよりも、自分のスキルの幅が狭くなる、もしくは今後の成長の速度が遅くなってしまうことの方が怖かったんです。また、入社当時のイグニション・ポイントは、前職入社時の部署人数よりも少なく、『あの成長速度の波にもう一度乗れたら楽しいのではないか』という期待もありました」
──実際にイグニション・ポイントに入社して、ギャップはありましたか。
鈴木 「入社前にやりたかったことができなかった、というネガティブなギャップはまったくありませんでした。むしろ、新しい領域を次々と任せてもらい、適度なプレッシャーはありつつ自由に働けていると感じます。
イグニション・ポイントは、仕事と趣味がごっちゃになって楽しそうに仕事をしている人が多い印象です。もちろん、プロジェクト単位で利益がどのくらい出ているのかといった視点は重要なことですが、それ以上に『どうしたら世界・社会がおもしろくなるか』を追求している場面をよく目にします。目先のバリューにとらわれず、中長期的なスパンでの発想を持っている部分がとても好きです」
自分の考えを「さらされる」環境で楽しめるか
──鈴木さんの仕事のやりがいや、大切にしていることは何ですか。
鈴木 「大手の看板がなくとも、チームそして私を信頼して仕事を依頼していただけるお客様と働けることに、まず大きな喜びを感じます。同時に、自分の発言や行動がお客様に与える影響の大きさを考えると、自然と責任感と覚悟が湧いてきます。
仕事をする上で常に考えていることは、『お客様にとって最も良い選択肢とは何か?』です。たとえば、事業戦略上A、B、Cという案があるときに、『Aをやりたい』とお客様が言ったとしても、『〇〇の市場成長規模や技術進歩を考えると、今はAではなく、Bを先にやるべきです』など、お客様にとってより良い選択肢を率直に伝えるようにしています。
お客様からも、『事業パートナーとしてどんどん意見を言ってほしい』と言ってもらえています。そうした期待に応えるおもしろさがあります」
──イグニション・ポイントでコンサルタントとして働くとしたら、どのような人が向いていると思いますか。
鈴木 「イグニション・ポイントのコンサルタントは、常に『さらされ』ます。毎回、少数精鋭のチームでお客様と向き合うため、先方の担当者・役職者、ひいては役員の方たちに対し、自分で考えたアウトプットを自分の言葉で説明して、実行していかなければいけません。お客様との距離が非常に近いため、良くも悪くもダイレクトにアウトプットの評価を受ける。それが『さらされる』と表現した意図です。
裁量の大きさや責任の幅が想像以上に大きいため、それを楽しむことができる人、覚悟を決めて自分にとって良い機会だと捉えられる人にとっては、とても成長できる環境だと思います。私自身、前職では随分と上長たちに守ってもらっていたのだと痛感していて、『上長たちであれば、どのようなフィードバックをくれるだろうか』と頭の中でシミュレーションを行うことが身につきました」
──成長と痛みは、表裏一体であると。
鈴木 「その通りです。本当に成長したいと願うなら、その責任と覚悟を担う必要があります。たとえば私の場合は、データサイエンスの知見が欲しかったため、最初はシニアコンサルタントとして入社しましたが、2カ月後にはマネージャーに、その半年後にはシニアマネージャーに昇格しました。
昨今の大手コンサルティングファームでは大量採用を行っているため、権限が割り振られにくいと若手の間では言われています。イグニション・ポイントは若手であろうと新卒であろうと、お客様の前では1人のコンサルタントとして前に出てもらうため、そうした状況に物足りなさを感じている人にとっては、おすすめです」
コンサルティングは、自分の人生をゆたかにするための手段
──鈴木さんは、育休を取られていましたが、会社とはどのような関わり方をされていましたか。
鈴木 「もともと、優先順位の第1位は家族というのが私たち夫婦の考え方だったため、会社に『育休を取らせてほしい』と話したところ、二つ返事でOKをもらいました。
とはいえ、まったく仕事から離れることは不安があったため、『社内ポータルの整理やナレッジシェアのしくみづくりを手伝います』と社長に提案したところ、『それは良いから休め』と強く反対されました。
実際に子どもが生まれてみると、片手間で仕事をする余裕がまったくなかったため、結果的に仕事をしないという選択をして良かったと思っています。子どもの成長を支えてくれた妻と、わが家のライフステージの節目を応援してくれたメンバーには、本当に感謝しています」
──今後の展望を教えてください。
鈴木 「やりたいことは2つあります。1つめは、お客様と一緒に新しい事業やサービスを立ち上げること。2つめは、今後、大学院で経営学を専門的に学ぶこと。MBAはもちろん、経営学の中でも人とのコミュニケーションに焦点を当てた研究をしたいと考えています。これは、私がもともと他人とは異なる思考をすることが多く、他人の気持ちや考えを理解するのに時間がかかるタイプだったことに気づいたのがきっかけでした。
イグニション・ポイントに入社する際に、『大学院に行きたいので、支援をしてほしい』と社長に話したら、『今はそういった制度はないけれど、サポートする』と言ってもらえたため、長期的にはアカデミックの世界に戻りたいと考えています。ちなみにその後、正式な会社の制度としてMBA支援制度もできたため、仕事と並行して改めて勉強を始めています」
──人生の目標も見据え、よりゆたかなキャリアになっていきそうですね。これからイグニション・ポイントに転職を考えている方に対してメッセージをお願いします。
鈴木 「イグニション・ポイントは、コンサルタントの経験が活かせるだけでなく、自社事業や投資事業にもコミットできる、急成長中の非常におもしろい会社です。役割の幅が広いぶん相応の責任も負いますが、自分ができることを増やしたい、世の中をおもしろくしたいと思っている方には最高の環境だと思うので、ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです」
(記事の内容は2022年8月執筆当時のものです)