「生きづらさ」からの脱却──唯一無二は、“おもろい”

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▲幼いころの中村少年

——幼少期は、どのような性格だったのでしょうか?

他人に自分を合わせるような“他人軸”を重視していたため、周りへの気遣いができると言われるような子どもでした。父親が単身赴任でほとんど家にいない中、家庭内では女性複数人に対して男性は末っ子で長男の私だけという少し特殊な環境で育ちました。また、転校も多かったからか、周囲から孤立しないためにもなるべく馴染まないといけないと感じていました。

——学生時代のターニングポイントを教えてください。

大学入学以降、他人と違うことのユニークさを“おもろい”に替えてしまう京都大学特有の文化に触れたことが大きかったと思っています。それまで、“他人軸”で生きることに生きづらさを抱えていた私にとって、“自分軸”の方が“おもろい”という価値観は、新鮮で素敵なことに思えました。 

結果として、大学時代は“自分軸”で興味を持ったことにいろいろチャレンジしました。学業では、専攻していた経済・経営学以外に、社会学、文化人類学、哲学、人文科学系などの講義も積極的に受けていました。学外では、塾講師や通信キャリア販売代理店でのスマートフォン販売営業、接待飲食店のボーイのアルバイトなども経験しました。

——学生時代に力をいれたことはなんですか?

ゼミでの活動と、塾講師としての仕事です。

まず、ゼミでは「ロジカルシンキング」を専攻していました。具体的には、企業分析やフィールドワークを通した模擬的なコンサルティングワークです。たとえば、大学3年時に4人チームを作って約半年にわたるプロジェクトを行いました。実際に京都のお店に協力してもらい、今抱えている問題を発見・特定し、それに対する解決策を提案するのが課題です。

私は、チームリーダーとしてお店の選定・交渉から、ヒアリング、問題発見〜解決策の検討、対外的なプレゼンテーションと一連のワークをメンバーと一緒になって作り上げていきました。とてもハードな内容でしたが、メンバーの協力のおかげでお店の方にも満足していただける提案ができました。

また、塾講師として大学3〜4年にかけての2年間、不登校経験のある生徒さんに対して個別にレクチャーを行っていました。それまで、生きづらさを抱えていた私を支えてくれた家族や友人、塾講師の方々のように「今度は自分が誰かを支える立場になりたい」と思っていたことがきっかけです。複雑な事情が絡みあった生徒の現状と、どのような大学に行きたいかという将来像のギャップを埋めるため、講師としてだけではなく身近な相談相手となれるように接していました。

自身のビジョンを実現するため──社会人としての第一歩を踏み出した

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▲大学のシンボルである、時計台とクスノキの前で撮影した集合写真

——就職活動時の軸について教えてください。

自身の描くビジョンに近づけるか、新規事業系のテーマに関われるか、裁量の大きさの3点です。

まず、過去の経験を踏まえて、自らが思い描く理想の社会実現という目標を掲げています。そのビジョンに近づけるようなスキルが身につく業種・職種が良いと思って就職活動をしていました。

次に、新規事業系のテーマに関われるかについて。1点目の思い描くビジョンを実践していくために、将来的には自身で事業の立上げや運営に携わっていきたいと考えています。そのため、新規事業の企画から実行までの過程すべてに関われる企業が良いと考えていました。

最後に、裁量の大きさについて。先の2点の軸の早い実現化のためにも、企業で積み重ねた経験をより多く自分の血肉と化すべく、入社後からどんどんプロジェクトを任せてもらえるような裁量が大きい企業へのジョインを希望していました。

——イグニション・ポイントへの入社における決め手について教えてください。

先にもお話ししたように、自身の就職活動における「3つの軸」と照らし合わせて、そのどれもに合致したことが入社の決め手となりました。

まず、コンサルティングという手法を身につけることで、自身の抱くビジョンに近づけるのではないかと思い、以前からコンサルタントを志望していました。というのも、ゼミや塾講師の経験から「複雑な事情が絡みあう現状を理解し、将来的な目標を設定した上でギャップを埋めるための解決策を検討する」といった、問題解決の代表的なプロセスは汎用性が高いと理解していたからです。曖昧なビジョンを明確にすることで、複数業界を俯瞰して見ることができる点も魅力的でした。

また、配属されたストラテジーユニットは新規事業系のテーマが多く、かつ入社当時の規模や組織風土から裁量を持って働けると思ったため、入社を決めました。

心の成長痛を乗り越えて、自らのスキルを磨いていく

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——2023年2月現在の所属ユニット、業務内容について教えてください。

ストラテジーユニットで、主に新規事業の企画・立案や、マーケティングをテーマとしたプロジェクトに従事してきました。新規事業企画では、ビジョン策定から戦略立案、事業企画や収支計画、PoC計画などをワンストップにご支援しています。

——入社して苦労したこと、大変だったことは何ですか?

裁量の大きさです。先の就職活動の軸でお話しした通り、自分で望んだ環境ではあったものの、いざその環境に身を置いてみると自身のスキル不足を痛感し、想像以上に大変でした。

当時は、マネージャー直下でスタッフ1人という体制でプロジェクトに従事していました。ツール操作のスキルから、コミュニケーション能力や論点・仮説設定のスキルまで、ありとあらゆるスキルが不足しており、とにかく必死で働いていました。この経験があったからこそ、自身でやり切るというグリット力や、どんなスキルも短期間で一定して身についてきたと実感しています。

今後のビジョン──“思いやり”を持った、新規事業のスペシャリストに

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——仕事をする上で、大事にしている価値観を教えてください。

大事にしている価値観は、“思いやり”です。“思いやり”には、他人の思考や感情を理解しようとする姿勢と、理解したことを丁寧かつ迅速に行動に移すという2つの側面があると思います。

入社してからの経験を踏まえると、クライアントのお気持ちを汲めないと、より良い問題解決やコミュニケーションは生まれないことがわかりました。また、限られたリソース内でできるだけわかりやすく、迅速にアウトプットができないと、クライアントに納得してもらい、快く動いてもらうことはできないということにも気づかされました。まだまだこれからですが、これらの要素を意識し、日々の業務に従事して自分のスキルを伸ばしていきたいと思っています。

——これからのキャリアの展望についてお聞かせください。

企画から運営までをクライアントと一緒に伴走できる、そんな新規事業のスペシャリストになりたいと思っています。 

短期的には、新規事業をテーマにしたプロジェクトに積極的に関わり、各業務を完遂できるよう従事していきたいと考えています。欲を言えば、新規事業のローンチや運営まで携われるようになるのが当面の目標です。

そして、自身のビジョンの実現に向けて自ら事業を立ち上げ、運営するというライフワークを最終的な目標として掲げ、活動していきたいです。