原油外航部の仕事の魅力は、ダイナミックに進められること

出光興産の原料調達を担う部署である原油外航部に所属する小林は、化学原料課の課長を務めています。部長以下40名前後の原油外航部のなかで、化学原料課は主に石油化学製品の原料となるナフサの調達をするための配船業務を担当しています。

小林 「1995年に出光興産に入社してからの私のキャリアでは、原油調達部門に所属していた期間が1番長いです。原油を輸入して製油所を介してサービスステーション(SS)まで運び、お客様に供給するフローの根元の部分をやりたいと、もともと思っていたので、自分が携わりたい仕事ができていると感じています。

原油外航部の中にはアブダビとドーハの事務所もあり、グローバルな環境で仕事を進めています。中東に出張して交渉し調達することも多いのですが、そのダイナミックさもこの仕事の魅力ですね」

業務一本化を進めるため、それぞれの役割を明確にして行動

小林は通常業務を遂行しながら、2019年7月からはじまった出光興産の全社員で取り組む業務フロー・働き方改革であるDTK(だったらこうしよう)プロジェクトに参画してきました。前線に立ち、リーダーシップを発揮しながら変革を進めてきたのです。

2019年4月に経営統合して生まれた新社の業務を効率化するために、DTK推進室が決めた最初のテーマは、「業務一本化」でした。それを聞いた小林は、自部室でも旧社業務で重複する部分があったことから、まずは業務一本化のために動きはじめたのです。

小林 「統合前に両社で行なっていた業務を一本化するにあたり、まずは両社の仕事内容の見える化を実行しました。そのうえで、どの業務を一本化するのかを洗い出し、仕事の中身一つひとつを見ていったのです。

たとえば、原油調達に付随してさまざまな資料を作成しますが、旧社同士で同じような資料を作っているものがありました。それらを一本化する事で効率化しました」

日常業務を遂行しながら一本化業務を進めるのは、小林自身だけでなく部室のメンバーにも負担をかけてしまいます。掛け声だけでは改革が進まないと思った小林は、まず自分が率先して一本化業務を進めることに注力しました。

小林 「DTK活動や通常業務を進める際、リーダーとして心がけているのは、旗振り役や方向を示す役など正しく役割分担し、それぞれの役割を明確にすることです。私は能動的に行動することで、部室のメンバーを率いる役割を担いました。

メンバー間で『この人はこういう役割だ』とお互いにわかったうえで仕事をすることで、メンバーもついてきてくれていると思います」

丁寧な仕分けにより、コロナ禍での最適なコミュニケーション方法を確立

業務一本化の目途がついたあと、小林は部の「一体感醸成」に着手しました。DTK推進室から示された5つの改革の方向性をベースに、自部室流にアレンジして取り組んでいます。その中でも原油外航部では、特にコミュニケーション改革と業務プロセス改革に注力しています。

小林 「まず、コミュニケーション改革に関しては、コロナ禍での最適なコミュニケーション方法の確立を目指しました。

新型コロナウイルス感染症の流行に伴う在宅勤務の浸透により、対面でのコミュニケーションが取れなくなってしまいました。従来どおり会社に出社して顔を合わせて業務遂行するか、はたまた新しい働き方にシフトするかなど、部内のDTKメンバーで検討を重ねました。

DTK推進室からこの課題へのアプローチ方法のアドバイスをもらいながら、日常コミュニケーション一つひとつをすべて整理し、『部下から上司へのコミュニケーション』『部全体のミーティング』『OJT』など、コミュニケーションスタイルを4つに分類しました。

そのなかで顔を合わせてやるべきもの、オンラインでやるべきものと仕分けし、原油外航部としてのコミュニケーションの方針を立案しました」

結果、社員に新しく仕事を覚えてもらう場面やお客様が望んでいる事象に関しては、オンラインでは済ませられないものもあったことから、感染予防対策を行ったうえでの対面をメインとしました。また、上司と部下の面談に関しても、キャリアの相談などはオンラインでもできますが、対面でしか伝わらないものもあります。このように、言葉や資料だけではお互いに深く理解できないものは、対面にしました。

小林 「なかには、すべてのコミュニケーションを対面に戻したいと考えている方もいました。しかし、実際にオンラインミーティングツールを活用して会議を実施し、オンラインに否定的な方にも使いこなしてもらうようにすることで、『オンラインでも大丈夫』という意識を持ってもらい、後戻りしないように工夫しましたね。

こうして、この会議はオンライン、この面談は対面とシチュエーションごとに一つひとつ部のなかにルールを浸透させていきました。反対意見は、特に出なかったです。みんな『このままの働き方でいいのか?』と疑問を抱いていたので、スムーズに改革が進んだのだと思います」

コミュニケーション改革を推進したことにより、会議自体も効率的になりました。不要な会議をなくしたり、時間を短縮したりしたからです。さらに、予想外のメリットもありました。

小林 「オンライン会議を取り入れたことで、対面会議だったときは会議に参加できなかった中東事務所の人たちともオンタイムでミーティングできるようになりました。その結果、中東事務所の人たちが本社の仕事をつかみやすくなったというメリットもありましたね」

リーダーが考える、今後行なうべき改革と理想の働き方

原油外航部内のコミュニケーション方法を確立し、先頭に立って効率化を進めている小林。コロナ禍で今までとは違うコミュニケーションを取らなければならないなかで、今後はどのような時間の使い方をすべきか考えていく必要があると感じています。

小林 「2021年現在、当部では『成果を上げるコミュニケーション』を意識すべきタイミングに差しかかっていると思います。たとえば、エネルギーシフトを見据えた当社の進むべき方向性の検討などに時間を割くべきです。若い人と話しているときも、部のなかには海外に目を向けている人が多いと感じるので、そういった事象にも時間を充てていきたいと思います」

コミュニケーション改革をメインに進めてきたことから、業務プロセス改革はこれからが本番です。

小林 「業務一本化を実現したあとに、やめるべき業務の特定と残すべき業務を整理して、効率化を実現したいと考えています。効率化に際しては、デジタル活用も念頭に置き、当部での適用も検討するつもりです。その実現に向けて、まずは業務をきちんと調べ、どのようなプロセスで何がボトルネックかなどを特定したいと考えています。

また、固定観念にとらわれている部分があると思うので、まずはそこを整理したいと思っています。たとえば、ハンコ文化には上の人の承認を押印という形で得られる安心感がありますが、それは仕事を進めるうえで本当に必要なことなのか、整理していきたいですね」

DTK活動は2021年3月がひとつの区切りとなっていますが、今後もこの精神を止めることなく追求していきたいと小林は考えています。

小林 「現在はいろいろなツールがありどこでも働けるので、新しい方向に進んでいると肌で感じています。一方、対面が有効である点も大切にしたうえで、オンラインと対面を上手に使い分けるのが重要だと思います。どのような形態であっても“人と人のつながり”は重要であり、それが成果に結びついていくのが理想ですね」

これまで進めてきた改革に満足せず、常に次のステップを意識しながら行動している小林。

自ら先頭に立ちメンバーを率いるその背中には、新たな道へと向かう出光の未来を背負っています。