研究員の新たな価値創造をサポートしたい

出光興産の次世代技術研究所では、グローバルな観点で将来有望な成長分野に対して市場ニーズを先取りし、社会の環境変化に素早く対応しながら技術の革新と融合による研究開発を進めています。コーポレート研究所として、高機能材事業および気候変動対策を中心に既存の各事業部門の中長期的な課題解決や、新規事業の創出につながる技術開発をミッションとしています。

平野は次世代技術研究所の管理課に所属しており、研究所のスタッフ部門の一員として経理や総務、業務効率化などに取り組んでいます。

平野 「研究所のサポート全般を担うことで、研究員がクリエイティブな時間を創出できるように努めています。陰ながらのサポートではありますが、次世代技術研究所から新たな価値を創造する一翼を担えればと思いながら日々仕事をしています」

平野は入社以来、研究所のスタッフ部門に所属し、最初は現場に近い研究室の事務系スタッフとして働いていました。

平野 「研究員のすぐ近くで働いていたからこそ、研究員がどのような想いで研究に取り組んでいるかを肌身で感じる場面が多く、研究員を支える立場として自分には何ができるか考えてきました。

研究員の方々を近くで見ていると応援したい気持ちが湧いてくるため、それを原動力として動いている形ですね。働きやすさや働きがいなど、周囲の人々が生き生きと働くためにはどうすれば良いか考えています」

サポート役として、周囲の人に貢献したい。その想いは、出産を機に強まったと平野は感じています。

平野 「当時は制度や環境が今ほど整っていませんでしたが、上司や同僚が理解のあるサポートをしてくれたおかげで、何とか仕事と家庭を両立させることができました。周囲の方の協力に対する感謝が根底にあるからこそ、自分にできることでお世話になった皆さんに還元していきたいという想いを持っています。

子育てをしながら働く経験を先駆けた身として、今後子育てをする方にとって、より働きやすい環境が整えられるよう、自身の経験や反省を提言していくことも私の役割のひとつだと今では思っています」

関係者を巻き込み、段階を踏みながら、システムの統一を実現

出光は、全社員が働き方改革に取り組む「DTK(だったらこうしよう)プロジェクト」を進めています。DTKプロジェクトは2019年4月の統合新社誕生をきっかけとしてはじまりましたが、次世代技術研究所では、プロジェクトがはじまる前から業務効率化に取り組んでいました。

平野 「次世代技術研究所では、2018年度に所全体でワーキンググループを作って、業務効率化の課題を抽出し、検討を進めていました。

その後組織統合に伴い改善箇所が増え、どこから着手しようか考えていたところ、タイミングよく次世代技術研究所もDTK活動に参加することになりました。その結果、組織としてよりスムーズに業務改革に取り組めると感じましたね」

DTKプロジェクトのなかで平野が担っている案件のひとつが、システムの統一です。

平野 「もともと経理を担当していたことから、購買や経費精算に関するシステムの統一と効率化からはじめました。

統合前の各社のルールをすり合わせながらひとつに集約するように進めていった形です。ただ統一するだけでなく、もう少し改善を図れないかと考えていたため、これまでの様式を見直し、電子化できるところは切り替えて、ペーパーレス化を進めていくなどの改善を行ないました」

これまでのフローを変更すると、利用者である現場の方は慣れるまでに時間や手間がかかってしまいがちです。それでも納得して使ってもらえるよう、平野は関係者を巻き込んで段階を踏みながら進めることを意識していました。

平野 「独自の考えでフローを変更したりシステムを統合したりするのではなく、関係部署のメンバーを集めて知恵を絞り、改善案を作りました。その後、所長や副所長にも説明し、室課長にも意見をもらい、フィードバックを反映させながら各々の承認段階を経てシステムを作り上げました。

システム完成後は、はじめてシステムを扱う方向けの説明会も実施しました。新たなルールをメールで連絡するだけで終わってしまうと、日々の業務のなかで見逃してしまう可能性もありますし、親切な対応ではないと思ったのです」

説明の場を設けつつ、スタッフ部門で平川便利帳と呼ばれるイントラサイトも作りました。どのようなルールで処理をするべきか、困ったときに一覧で見られるものです。新たなルールが追加されるたびに便利帳もアップデートしながら、いつでも最新の情報が確認できるようにしています。

互いを尊重しつつ成果実現を目指すDTKプロジェクト

次世代技術研究所では、決裁や承認の仕組みも見直しました。決裁権限表をよりわかりやすく使いやすいものに改善するため、重複しているものがないか関係者を集めて見直しながら、シンプルな内容に整えていったのです。

今まで紙で行なっていた審議を受けるための回議書ワークフローも、電子化しました。

平野 「次世代技術研究所では7月から全社に先駆けて電子化ワークフローの運用を開始しましたが、この取り組みが成功し、10月には全社統一で導入されることになりました。

システムを変えたりワークフロー化したりというところは、本社の情報システム部、経営企画部、経理部の方々に相談し、支援をもらって作り上げているので、関係部署のみなさんに感謝の気持ちを持っています」

平野は、DTKプロジェクトという体制に関わらず、各人がお互いを尊重しつつ成果の実現のためにベストを尽くしていくことが大切だと考えています。

平野 「DTKをやってくれて助かったという意見はもちろん、否定的な意見も私は大切にしています。

これまでのワークフローや手続きを変えると、便利になるとはいえ変更による負担が出てしまったり、面倒だと思ったりするのも事実です。それらも含めて思っていることを素直に言ってもらえるのは、ありがたいことだと思います。

それは良いことばかりではなく、悪いことも含めてざっくばらんにみなさんがフィードバックをしてくれることが、ネクストアクションにつながるからです。発言自体はネガティブなものもあるかもしれませんが、どうしたら解決できるのか改めて考えていくことが、まさにDTKだと思います。『だったらこうしよう』と次につなげていくことが、1番重要ですね」

改革に伴い混乱が生じないよう、整理を進めたい

平野が仕事をするうえで大切にしているのは、信頼感とスピードです。

平野 「常日頃気をつけながら生活や仕事をしているのですが、今後も信頼感やスピードを大切にしていきたいと思っています。上司や同僚、他部署の仲間たちに支えられて今のシステムや体制を整えられたので、感謝の想いも抱えながら仕事を進めるようにしています」

統合という大きなきっかけにより、両社の想いを踏まえながらプロジェクト推進を意識してきた平野。「平野さんがいてくれたから、安心していろんなことを進められたよ」と言ってもらえるよう、橋渡しの役割を目指してDTKプロジェクトを担当しているのです。

しかし、精力的に活動をする平野も、DTKプロジェクトについて気がかりな点があります。

平野 「新型コロナウイルス感染症の影響もあり、社内の電子化が驚異的な速度で進んでいるのは本当に素晴らしいことです。一方、スピードが速い分整理ができていないところもあり、今後は混乱も出てくるのではないかと懸念しています。

それぞれの役割を担うみなさんが社員のことを考えてさまざまなツールを作っているのですが、それをありのまま投げてしまうだけでは活用しきれないと思います。そのため、情報システム部をはじめとする関係部署に相談しながら、整理も進めていけたらと考えています。

困りごとを感じる場面をなくしていけるよう、今後も深く入り込んで対応や調整をしていきたいと思います」

次世代技術研究所で周囲のサポートをするだけにとどまらず、全社の働き方改革であるDTKプロジェクトでも社員のため真剣に活動する平野。彼女のように陰ながら環境を整える社員によって、出光が今後歩む道は明るく照らされることでしょう。