入社理由も仕事内容も異なる3名の若手社員

宮部 「まずは、それぞれの入社年と仕事内容について簡単に紹介しましょう。私は2017年入社で、現在ハイブリッド電気自動車系の効率向上のための解析を行っています。対象は、パワーエレクトロニクス、モーター、トランスミッション領域です。簡単に言うと、燃費(電費)効率を上げるための仕様を検討していますね」

岸本 「私は2017年入社で、現在の業務は次世代運転支援機能向けのECU(Electronic Control Unit)開発です。ECUというのは車両に搭載されている様々な機能や装置を制御するためのコンピュータで、私はハードウェアとソフトウェアの基盤部分の開発を担当しています」

織田 「私は2015年に入社し、現在はシャシー開発課の調達グループに所属しています。シャシーという自動車の足回りを支える部品の調達先・コスト・商流*等を選定することが主な業務内容となります」

*「商的流通」の略で、生産から消費活動までの一連の流れで、商品の所有権を移転していく売買活動の流れを指す。 

宮部 「現在の仕事内容も経歴もそれぞれ違いますし、入社理由もきっと異なりますよね。私は、Hondaの愚直に良いモノを作っていきたいという風土に惹かれて入社しました。もともとF1に興味を持って工学エンジニアに憧れたのですが、工学を学んでいくうちに良いモノなら何でも作ってやろうというHondaの気概や柔軟性、事業の幅広さに惹かれて入社したいなと思ったんですよね」

岸本 「私はもともと情報系出身で、実を言うとクルマにはあまり興味がありませんでした。就職活動の際に、自分の作っている製品を多くの人に使っていただけることがやりがいにつながると考え、BtoCの会社を調べていました。そこでクルマ以外の製品もたくさん出しているHondaが目に留まったんです。

挑戦という言葉をすごく大切にしていて、新しいことにチャレンジできる環境なのではないかと感じたことも理由のひとつですね」

織田 「父親が日系メーカーに勤務していた関係で、中華圏に約13年間住んでいました。
日本の製品が国を跨いで現地の方々に支持されている光景を見てきた中で、“良い製品は国を越えて評価される”ということに、純粋に感動しました。そういった経験から、自然と日系メーカーや日本を代表する自動車産業を視野に入れた就職活動を行いました。その中でも特に自由で情熱的な社風に惹かれ、Hondaへの入社を決めました」

岸本 「入社時点では、開発の領域を目指しているわけではなかったんですか?」

織田 「そうですね。今までの学業分野から、開発志向というより、海外志向が強かったため、配属面談時は、海外営業を第一志望にしておりましたが、開発領域に関わる購買部門へ配属となりました。結果として、海外との関わりも多い業務環境となっておりますが、正直、入社後に自身が開発領域の仕事をするというイメージはできていませんでしたね*」

*現在Hondaでは新卒採用において、事務系・技術系ともに職種別採用制度を導入しており、採用のタイミングで初期配属先の職種が決定する「総合職職種別採用コース」と、入社後に初期配属先の職種が決定するコース「総合職ポテンシャル採用コース」から選択して応募することが可能となっている。

若手社員の挑戦を後押しする環境で、成長を実感しながら働く

宮部 「皆さん、入社前後で感じたギャップなどはありましたか?私は入社前から個性的な社員が多いんだろうと予想していましたが、やはり予想通りでした。

こだわりを持っている人がたくさんいるので、吸収すべきところはしつつ、自分の意志を強く持っていないと上手く立ち振る舞えない場面もあると感じました。私はもともと我が強いほうではあったんですが、Hondaに入社してからさらに鍛えられた気がします(笑)」

岸本 「確かに、個性的で癖が強い人は間違いなく多いですよね(笑)。私が感じたギャップは仕事の進め方です。入社前は、クルマのような複雑なシステムを開発するので、システマチックに開発を進めていくと思っていました。しかし、入社して業務に携わると、開発の大枠が決まってはいるものの、現場で作り上げたものクルマに組み込んでいく、というようなボトムアップな進め方が多いことに驚きました。

入社直後で右も左もわからない状態でも、先輩のサポートがありつつも他部門の方からはプロフェッショナルとして扱われ、どんどん質問されるんです。長い歴史のある会社なのに、現場中心の考え方が残っているというギャップがおもしろいと感じました」

織田 「業務面だと、自身が開発の世界に飛び込むというイメージが持てていなかったため、担当する領域や部品が、そもそも自動車のどこに搭載されて、どのような機能を持つのかという基礎的な部分からのスタートでした(笑)。設計担当の方と図面や仕様書を基に議論を重ねたり、お取引先の部品製造工場を訪問したり、経験を通じて徐々に自分自身の業務について理解を深めることができました。

今でも勉強の日々で苦労する点も多々ありますが、自動車メーカーの購買担当として、“モノづくり”の第一線で働けていることは、非常に貴重な経験だと感じています。

皆さんも入社後苦労されたことはたくさんあると思いますが、成長を実感した出来事などはありますか?」

宮部 「『ホンダテクニカルフォーラム』という社内イベントでの経験ですね。このフォーラムでは、四輪だけでなく二輪やライフクリエーション、航空事業など世界中の事業所から代表者が集まって技術的な報告をします。

私は、入社3年目に四輪の開発効率向上のためのモータ設計シミュレーションの統合について報告をしました。そこで質疑応答や他事業の方と技術的なディスカッションができたときは、自身の成長を実感しましたね」

岸本 「Hondaでは、社歴が浅いうちからどんどん挑戦させてもらえますよね。私も成長のきっかけは、入社して最初のプロジェクトでした。世界初のレベル3の条件付き自動運転車となった『レジェンド』が最近発売されましたが、この自動運転ユニットの開発に携わったんです。一部機能の設計を担当させてもらえたことで、大きく成長できたと思います。

設計するためには、技術的な要素だけでなく、なぜそのシステムが必要なのか、誰と連携しないといけないのかなど様々な角度からの検討が必要です。何回もブラッシュアップすることで、知識を深めることができました」

織田 「私も、社歴が浅い時期の挑戦が成長に繋がったと実感しています。入社3年目の頃、海外トレーニーに選ばれ、北米オハイオ州のトランスミッションを作る工場で、購買・調達の部品デリバリー業務を半年間経験しました。

現地を訪れる前は、北米はシステマチックに統制されているイメージを持っていたのですが、実際には、負荷が高い生産体制を敷かなければ部品供給が追いつかないお取引先がいる状況でした。

私が配属された部署の役割責任は「部品の安定調達」だったため、現地アソシエイトとお取引先の製造現場に頻繫に足を運ぶことで、『現場で何が起きているのか』といった生の情報を基にした原因解析を行いました。

また、限られた駐在期間ではありましたが、『どうすれば現状の改善に繋がるのか』を相手の目線に立って検討し続けてきたおかげで、現地アソシエイトとの連携を深めることができたと感じております。

現在は、戦略企画やコスト低減を行う業務がメインとなっていますが、お取引や関係部門と利害が不一致となってしまう恐れのある場面もあります。そんな時に双方の落としどころを探すなど、相手と目線を合わせた仕事の進め方を意識できるようになったのは、北米での経験が大きく活かされているからだと感じます」

個性的でプロフェッショナルなメンバーが集まる環境

宮部 「皆さん、仕事にやりがいを感じる瞬間はどのようなときですか?私は大きく2つありまして、まずは今までより良い仕様を提案できたときです。直接お客様の役に立てるような価値を創出できたと感じ、モノづくりの会社ならではのやりがいがあると思いますね。

もうひとつは、現場に即した知識や経験を貯められることです。考える人と作業をする人が分かれている会社も多くあると思うんですが、Hondaは現場・現物・現実の三現主義を大切にしているので、自分の頭の中で考えていることと実際がどう違って、そのギャップをどのように乗り越えていくべきかという分析を自身で繰り返すことができます。そこにやりがいを感じますね」

岸本 「私も2つあって、ひとつはプロジェクトが終わったタイミングです。量産開発に携わっているとプロジェクトの期間が数年単位ととても長いのですが、自分が携わった製品が世に出ることにやりがいを感じられますね。

もうひとつは短期的なことですが、自動車の開発において不具合があると人命に関わったり、お客様の不便に繋がるので、絶対に抜け漏れがないように何日でも何週間でもかけて不具合を洗い出します。そうしてきちん不具合を直せたときには、達成感がありますね」

織田 「先ほど申し上げたように、様々な関係区と調整を進める場面が多いのですが、コストや仕様で意見が相反するシーンに陥った際に、建設的な整合ができたときにやりがいを感じます。

このような泥臭い業務の一つひとつが、新機種開発の実現に繋がっていると思います。なかなか日々の業務では実感しにくいですが、実際に製品として発売された時はやはり嬉しいですね」

宮部 「やりがいを感じられる仕事ができるのも、チームメンバーなど周りのおかげですよね。Hondaには本当に個性的な人たちが集まっていると感じます。技術的にとても優秀な方が集まっているのでディスカッションをするだけで自分が成長する感覚がありますが、白熱しすぎてまとまらないこともよくあります (笑) 」

岸本 「先輩は頼りになるし、いつもたくさんサポートしてもらっていますね。大きな会社なので、部署が違うとルールや開発のやり方も違うケースもあるのですが、皆さんプロフェッショナルなので『ここだけは譲れない』という考えを持っている。それでも共に開発を進めることができているのは、すごいことだなと思います」

織田 「同僚も先輩もプライドを持って仕事をしていて、尊敬できる方が多いです。皆、『ここは自分の責任範疇でこれが正義だ』と自信を持って業務に臨み、やり遂げていると感じます。そういった仕事の姿勢は格好良いと感じますし、日々自分も学んでいます」

若手でも裁量が大きいHondaで、それぞれの目標に向かって突き進む

岸本 「これまでの自分の仕事を振り返ってみると、Hondaの魅力は一人ひとりの裁量が大きく、やりたいと思ったことをやらせてもらえることだと思います。若いうちから任せてもらえて、やったことは必ず自分の糧になると感じますね。皆さんは、Hondaの魅力はどのような点にあると思いますか?」

宮部 「私も、一人ひとりの意志を大事にするのがHondaの魅力だと思います。くじけそうになることもありますが、諦めなければ最終的には個人の想いを尊重してくれる会社だと感じますね」

織田 「確かに手を挙げて自ら発信すればその意見を尊重してくれる企業風土だと感じますね。

また私は、本質を考える思考プロセスを身につけられたことが、Honda経験で得られた一番の財産だと考えています。仕事を離れた日常でも、例えばニュースで『なぜその事象が起きているのか?』と考える癖がつけられたことは、自分の人生で大事な素養になっていると感じます」

宮部 「Hondaの魅力を踏まえたうえで、どんな人がHondaに向いているのか考えてみたんですが、私は意志と好奇心の強い人が向いていると思います。『意志のないところに道は開けない』という言葉の通り、常に意志を求められる風土だと感じますね。

あとは好奇心ですが、私は“Serendipity”(セレンディピティ)という言葉が好きなんです。直訳すると、『思わぬものを偶然に発見する才能』です。どこに発見の種があるかわからないから、どんなことにも目を向けたり、全力を尽くすことができる人が、新たな価値を発見したり発明ができたりするのではないかと感じています」

岸本 「向き不向きといえるのかわかりませんが、私が一緒に働きたいなと思うのはやる気がある人です。やる気さえあれば、個性的なメンバーたちが教えてくれますね。個人を重んじる会社でもあるので、自分から動かないと何も得られません。

他には、間違っていてもいいから自分なりの答えを出せる人ですね。何らかの答えを出して進めていかなければ開発はできないので、正しいか間違っているかは置いておいて「こう思う」と言える人がいいなと思います」

織田 「私は入社後、Hondaには物事を本質的に掘り下げて考え、自分なりの解を見つける人が多いと感じました。入社1年目から自分の頭で考えて決めることを本当に求められるので、そういったことが苦にならない人がHondaに向いているのかもしれないと思いますね」

宮部 「皆さんそれぞれ別の部署で経験を積んでいますが、今後の展望などはありますか?」

織田 「日々刺激を受けている先輩方のように、私も尊敬される購買担当を目指したいです。また、皆様に愛される製品を何度も出してきた歴史の長い会社で働いているので、その歴史を今後も紡いでいけるように、自身の業務に尽力していきたいと思います」

岸本 「私は現在量産機種の開発に携わっていますが、毛色の違う要素技術*の研究や新しいモビリティなど、先を見据えたプロジェクトに関わりたいと考えています。会社の方向性としてもある程度リスクを取って新しい技術を取り入れたり新しいモノを作っていったりする方向に進んでいるため、個人としても取り組んでいきたいですね」

*製品を構成する要素に関する技術。製品の開発に必要な基本技術。 

宮部 「私は、人々の創造性をもっと発揮できるようなクルマを作りたいです。人は何かしたいと思ったら、もっとハードル低くはじめても良いんじゃないかと思っていて。現代は情報過多で、インプットしている時間が長いと思うんです。だからこそ、自分自身がやりたいと思ったことを後押しできるような乗り物や装置を作る人になりたいと思います。

あとは、アメリカ出張に行ったとき、会食した取引先の方の女性のパートナーから『私はHondaの製品がすごく好きで、いつも感動しているんだ。ありがとう頑張ってね』と言ってもらえたことがあったんです。そんなふうに言ってもらえる商品を作り、そう言ってくれるお客様をこれからもずっと大事にしていきたいと思います」

入社理由や仕事内容は異なるものの、3人に共通しているのは、Hondaで叶えたい目標や自分の意志を持っていること。たくさんの個性が集まるHondaというフィールドの中で、これからもそれぞれの目標に向かって、自ら道を切り拓いていきます。