経歴も転職理由も異なる3人。だが、マリン事業部に貢献したい想いは同じ

Hondaの高い技術力を駆使して開発された船外機を取り扱っているのが、マリン事業部です。マリン事業部の事業企画課に所属する坂爪と嶋本、そして営業課に所属する小塩は、それぞれ異なる領域を担当しながら連携して日々の業務を進めています。

坂爪 「以前所属していた営業課では、国内販売特約店や海外の現地法人、ディストリビューター(販売代理店)のような外部とのコミュニケーションを取りつつ、社内の工場やサービス部門と連携をして生産や販売、在庫の管理、販売の後方支援を行っていました。

事業企画課も海外との連携は取りますが、どちらかと言えば研究開発部門や工場部門と連携することが多いですね。事業戦略立案や商品開発をするため、連携しながら製品やサービスを作り上げていきます」

嶋本 「船外機は海外での需要が特に高いので、海外の現場にいる人たちの声を聞いて研究開発する必要があります。現地のニーズを把握する窓口の役割を果たし、事業戦略や商品開発へ繋げていくのが、事業企画課ですね」

偶然にも同い年の3名は、それぞれ異なる経歴を持ちながらも、「マリン事業に貢献したい」という共通した想いを持ってHondaに転職しました。

坂爪は、大学院を卒業してから航空機のエンジンを卸す商社に入社しました。1年半商社で働いてから転職を決め、Hondaの説明会に参加します。そして説明を聞くなかで最も魅力を感じた部署が、マリン事業部だったのです。

坂爪 「当時の説明会で出会った個性的でカッコいい先輩社員から海外での仕事経験を聞き、とても華やかで魅力的だと感じました。それまで海に深い関わりはなかったのですが、転職するなら新しい領域も良いと思い、マリン事業部に応募し採用されたんです。入社後は2年間営業を担当し、2021年4月に事業企画課に異動しました」

嶋本は、大学を卒業後、自社養成社員として外航海運会社に入社しました。国家資格の取得後は貨物船内で生活し、機械の運転と整備作業を行う外航船舶の機関士を務めていました。しかし、6年間勤務するなかで、引退するまで機関士を続けることが自分の幸せなのか改めて考えるようになります。

就職活動時にはHondaから内定をもらっていたこともあり、『Hondaに就職していたらどうなっていたんだろう』という想像をするようになりました。

嶋本 「船乗りとして物流を絶えさせることなく日本に物を運ぶ仕事は、非常にやりがいがありました。しかし、ふと、自分がいた爪痕を世の中に残すのもおもしろいんじゃないかと思ったんです。そして下船したタイミングで転職活動をした結果、Hondaのマリン事業部に採用が決まりました」

小塩は大学を卒業後、自動車部品メーカーで営業をしていました。5年ほど営業部隊の最前線に立ってお客様に接していましたが、いつのまにかお客様よりも上司や他部署の顔色を伺って仕事をしている自分に気づき、違う世界で働く選択肢を考えるようになります。

小塩 「前職でのキャリアも活かしながら今までとは違う世界で働ける所はないかと思い、転職活動をしていました。そこで見つけたのがHondaのマリン事業部だったんです。勤務地には特にこだわっていませんでしたが、出身である静岡県の浜名湖近くだったので、働きやすいとも感じましたね」

未経験でも学びながら働ける。マリン事業部の仕事のおもしろさ

経歴も仕事内容も異なる3人ですが、それぞれマリン事業部の仕事におもしろさを感じています。

小塩 「営業課は海外営業と国内営業の2つに分かれていて、私は国内営業を担当しています。国内営業は実際に現場に足を運んでお客様の困りごとを調査したり、販売促進のためイベントの企画や運営をしたりしています。

国内営業のおもしろさは、幅広いお客様と接してそれぞれに合わせた営業を行った結果、お客様に信頼してもらえることですね。『何かあったらとりあえず小塩に電話してみよう』と思ってもらえる関係性を築けたときは、辛い場面があっても乗り越えてやってきてよかったなと思えます」

坂爪 「私はHondaに入社して海外営業を担当しました。デスクワークが中心のなかでも、浜松にある細江船外機工場の地の利を生かし、現地・現物・現実の三現主義を大事にして業務に取り組んでいました。海外からの問い合わせも浜松にいる生産や研究部門のスペシャリストに実機を確認しながら聞くことができます。

また、海外の新興国担当として、アジア地域の現場に赴き、製品の使われ方や困りごとの吸い上げをしました。現地に行くとより多くのお客様に使っていただいている実感を得ることができて嬉しいですね」

嶋本 「私も坂爪と同じく事業企画課にいますが、担当プロジェクトは異なります。Hondaの新商品開発では営業職も開発プロジェクトの一員であり、事業企画課のメンバーが『営業目線』の役割を担っています。海外の営業部門と開発プロジェクトの橋渡しをしたり、商品の特徴・優位性をまとめた資料の用意や収益性の計算などを行ったりしています。

ですが、担当しているプロジェクト自体の期間が長いため、入社してから1年の今は道半ばの状況です。自分が関わっているものを製品として世の中に届けるフェーズにはまだ到達していません。今は、その達成感は素晴らしいんだろうなと夢見て仕事をしているところです」

マリン事業部は扱っている製品も特殊なため、専門外で入社した場合は用語がわからず苦労することもあります。

小塩 「私は、今までの生活で船外機に触れる機会は多くありませんでした。その一方で、私のお客様はクルマでいうディーラーのようなところで実際に製品を修理している方々なので、製品に関して非常に詳しいです。使われている部品の名前も最初はわからなかったので、お客様が話される内容を理解することが大変でした」

しかし、マリン事業部は未経験でも学びながら働ける環境が整っています。

嶋本 「私は船乗りをしていたので営業職の経験はありませんでしたが、周りの方に支えていただきながら、なんとかやれています(笑)。

知らない用語が出てきても、周りの方に聞けば皆さん嫌な顔をせずに教えてくれます。困っていると誰かが助けてくれる職場環境なのは、中途採用者にとってありがたいですね」

また、休みの日にはマリン事業部ならではの楽しみに触れながら、実務経験を積むことができるといいます。

小塩 「船外機のエキスパートを育成する目的で、事業部でボートを所有しています。ボートに乗る機会を増やすことで、経験をしながら製品そのものやお客様の使い勝手・ニーズについて学ぶことが目的です」

坂爪「この前はみんなでボートを借りて釣り大会に出ました」

実際に現場に行ってボートに乗ってみると、どんなお客様が使っているのか、どういう使い方をしているのか、身を持って実感できるといいます。

嶋本 「事業部で持っているボートのほかにも、クラブ活動でレンタルできる小さいボートがあるんです。3人で一緒に借りて遊んだり、浜名湖を走ったりするのが楽しくて。小回りが効く、効かないなど、実際に乗ってみることで、ボートによる違いがわかります」

実際に現場に足を運び、物を触りながら操作性やシチュエーションを学ぶ。Hondaが大切にしている 三現主義が揃った環境下で、3人は楽しみながら、得た経験を仕事に活かしています。

若手の提案を受け入れてくれる職場で、モチベーションを持って働く

マリン事業部で働く魅力のひとつに、若手でも考えて提案すれば受け入れてもらえることが挙げられます。

坂爪 「中古艇を綺麗にして再び走らせるレストアを、自分たちが成長するための研修として企画し上司に提案した結果、受け入れてもらえました。ベテランの方にアドバイスをもらいながら企画を進めていますが、成長に必要なことであれば、自分たちの思い通りにチャレンジできるのはマリン事業部の良いところだと思います」

嶋本 「販売店さんとコミュニケーションを図ることも目的の一つですが、そもそも『ボートについてもっとよく知りたい』という若手の自発的な提案を受け入れて、お金がかかるけどやる意味があると判断してくれたんです。個人の想いを真摯に聞いてくれる風土は、間違いなくありますね」

恵まれた職場環境でも、やはり仕事が大変だと感じることはあります。しかし3名は、それぞれの原動力を大切にしながら奮闘しているのです。

嶋本 「Hondaの製品を指名買いしてくれるお客様の姿を見て、自分もお客様の期待にお応えする製品をつくる手助けができているのかなと思います。それだけでも、転職してよかったと感じますね。

メイドインジャパンの船外機の開発に自分が携わり、製品が世の中に出ていくというイメージが、私の原動力です。数年後誰かに会って仕事内容を聞かれたとき、自分はこの製品を作ったメンバーのひとりだと言えるようになるのが今から楽しみです」

小塩 「私の原動力となっているのは、お客様からの信頼です。私の直接のお客様は販売店の方なのですが、最近、『製品の使い方について教えて欲しい』と連絡があって、私が先生となり勉強会をしました。

その後、販売店の方から『あのとき教えてくれたことが役立ってお客様に喜んでもらえた』と連絡がきたんです。そういうことがあると、大変でも頑張って良かったと思います」

坂爪 「私は事業企画課で、広報・訴求をメインに担当しています。私たちが取り扱っている製品はまだ世間的に知名度が高くないので、少しでも製品や取り組みについて多くの方に知ってもらい、Hondaマリンのファンが今以上に増えることがモチベーションですね。今は知り合いに関わっている製品の話をしてもあまりピンときていないので、Hondaマリンと言ったらわかるくらいまで知名度を上げたいという気持ちが頑張る原動力になっています」

新たな市場に踏み込み、Hondaマリンをより発展させたい

会社内でも二輪や四輪に比べると知名度が高くなく、歴史の長さやクオリティの高さがあまり浸透していないHondaのマリン製品。しかし、コロナ禍でマリン事業は勢いに乗っています。

嶋本 「コロナ禍において密を避けながら楽しむことができるマリンレジャーが注目されています。その結果、船外機艇の販売数が非常に伸びているんです。ところが世界中で船外機の供給が追いつかず、ボートを販売したくても販売できない状況が続いています。

船外機をお求めになるお客様にはご迷惑をおかけしている状況なので、可能な限り迅速に供給不足を解消できるように動いているところです。特に海外営業担当者は、工場の生産計画の方と密にコミュニケーションを取っていますね」

人気の拡大に伴い、マリン事業部では現在新たな市場を開拓する動きが活発化しています。

嶋本 「新規開発は、今まで踏み込めていなかったお客様に訴求する方向で考えています。コロナ禍で販売が好調ですが、一過性の部分も少なからずあるので、現状に満足して喜ぶだけでなく、企画として新しく進めていこうとしているんです」

坂爪 「今までお客様ではなかった層へのアピール方法も私が担当しているところです。これまで通りのPR方法だけではどうしても頭打ちになってしまうので、今までボートに触れていなかった人たちにどのように訴求して一緒に楽しむことができるかを考えています」

マリン事業部でそれぞれの役割を全うすべく奮闘している3名は、日々の業務に尽力するだけでなく、目標も見据えて行動しています。

嶋本 「私はコロナ禍の2020年5月に入社したので、海外に関わる仕事をしていながら海外の市場に行けていません。そのため、日本では目にするのですが、自分が携わった製品が世界でどう使われているのかは、データや古い写真でしか見えていないんです。

だからこそ海外に足を運び現場を知ることが、今の目標ですね。ワールドワイドにしっかりと実情を捉えたうえで世の中に船外機を送り出す手伝いがしたいです」

坂爪 「私は今携わっている広報の仕事のほかに、マーケティングの仕事もしたいと思っています。市場の情報をもとに製品開発や情報発信を効率的に進めるための仕組みを整えたいと考えています。今後誰でもできるようにするために、まずは私が広報・訴求やマーケティングのプロになりたいです」

小塩 「2021年現在、国内のフィールドに出ていく営業担当者は私を含めて数名しかいません。そのなかに、あの人に聞けば何でもわかるというエキスパートがいます。私もできる限りその方に近づけるように、まずは努力しようと思います。少ない人数で日本の営業活動をしているので、早く一人前になりたいですね」

「マリン事業のさらなる成長のため尽力する」という共通の想いを持ちながら、それぞれの担当領域で成長を続ける若手社員たち。

長い歴史を紡いできたHondaマリンが今後どのような成長を見せるのか、彼らの腕の見せどころです。