刺激的な生活を夢見て

とにかく目立ちたい。周囲からの注目を集めて、褒められたい。

自らの描く理想の姿に対して貪欲に行動し、現実のものにしてきた古川。
幼少期から学生時代の自分自身を次のように振り返りました。

末っ子だけど、兄には負けたくない。
学校の文化祭ではバンドを組んで、ボーカルとして全校生徒の前で歌いたい。
野球部ではピッチャーをやりたい。
学級委員もやりたいし、生徒会もやりたい。

古川 「具体的な夢はありませんでしたが、周囲から『すごい!』と褒められたかったんです。今、振り返ってみると、承認欲求の塊ですよね(笑)。でも、周りの人たちから褒められると嬉しいから目立つ行動をしていたし、そのための努力は惜しみませんでした」

こうした学生生活を過ごした古川でしたが、就職活動を迎えて改めて自身のキャリアについて考えた際、志向したのは「海外で働く」ことでした。

古川 「海外で働くチャンスがある会社に行こうと思い、海外売上比率の高い自動車部品メーカーの日本特殊陶業㈱に入社を決めました。特に、自動車部品の中でも新興国で成長著しい内燃機関の部品を扱っている会社だったのも魅力でした。なぜ海外なのかというと、異なる文化の中で日本では味わえない刺激が欲しかったんです」

自らの欲に忠実な古川ですが、その欲の矛先は「承認」だけではなく、様々な視点を吸収しながら成長することへと変化し、社会人としてのキャリアを歩むことになったのでした。

人生をかけてやりたいことは何か?

海外で働くこと(=刺激的なキャリア)を目指して自動車部品メーカーに新卒入社した古川でしたが、結果として希望する海外勤務を叶えることはできませんでした。

配属されたのは新規事業開発を担う部署で、BtoBのマーケティング施策や、新製品開発のための協業先を探すことが仕事でした。

古川 「新規事業の開発に向けて動く中で、環境にも恵まれ、多くの重要な仕事を任せてもらいました。しかし、重要な仕事ではあるものの、自分の理想とするキャリアを描いたとき、自分自身が作り上げたものでもっと社会にダイレクトにインパクトを与える仕事がしたいと考えるようになったんです」

世の中を作る仕事がしたい。
社会が変わっていく瞬間を最前線で確かめたい。

新卒入社して4年目の夏、古川は転職を決意したのでした。

EveryGoのエリア拡大──革新は若手から起こそう!

自分の仕事で社会に影響(インパクト)を与えたい──

古川 「転職活動を行うなかで、イノベーションが起きそうなHondaの社風に惹かれました」

社内で意見を出し合う「ワイガヤ」や、組織全体を通してボトムアップのカルチャーが根付いており、自分らしい働き方ができそうだと直感的に感じたのです。

古川 「入社後、Hondaのこうした文化を実感するタイミングはすぐに訪れました。『これ、古川が決めて!』と言われたり、会議の場でも積極的な発言がしやすかったり。即断即決でスピーディに物事が決まっていくので、気持ちよさを感じることが多かったですね」

しかし、こうした心地よさとやりがいの一方で、次第に責任は大きくなっていきます。

現在、古川はHondaのカーシェアサービス「EveryGo」のサービス拡大のプロジェクトに関わっています。

古川 「2017年の11月に東京・横浜・大阪の3つの拠点で始まったこのサービスも、市場での成長に合わせて拡大していくことで顕著な成果が見え始めています」

EveryGoは、Hondaが関係会社とフランチャイズ契約を結び、運用してもらうビジネス。
古川は2019年の冬頃から関係会社を回り、新たなエリア展開を開始したのでした。

古川 「2020年3月の福岡、11月の愛知でのサービス開始を担当しました。エリア拡大に際して、関係会社とフランチャイズ契約を結び、フランチャイジーの方々が自ら運用を回せるよう、マニュアルや運用フローを構築してきました。

初対面の方々と良好な関係を構築しつつ、日夜、書店に通っては参考になりそうな書籍を読み漁ったり、社内の知見をかき集めたり、走りながらフローをブラッシュアップして展開していくのは大変でした」

HMSはEveryGoにて新たなパートナーと連携しながら更に新たな価値を生み出し、世の中をより良くしていこうという意思があります。

この意思を遂行するため、古川はHMSに出向となり、EveryGoのさらなる拡大を担うこととなったのでした。

失敗は怖い。でも、恐れない。それは、未来のために

2021年現在、EveryGoをモビリティサービスとして今後拡大していくミッションを担う古川。
大きく2つのミッションを掲げています。

古川 「一つは、フランチャイジーとの役割責任を、地域ニーズに対応できるように再構築すること。更なる拡大を目指す上では、エンドユーザーのニーズ、利用実態とフランチャイジーの事業性、競争環境を加味して展開出来るようにすることが必要です。直近では一部の地域で達成した成果を他地域にも展開する等、教育・評価制度を構築しています。

もう一つは、顧客満足度の向上です。一般的にシェアリングサービスでは稼働が向上すると満足度が下がりやすい傾向にあります。サービス拡大をしていきながらも、利用者の満足度を同時に上げていく施策が必要です。お客様からのご要望や調査結果等、見えている課題を解決するだけではなく、アンテナを高く持ち、今後の世の中がどうなっていくか先読みをした施策が求められています」

こうした目の前のミッションを語る古川ですが、さらに先の未来を見据えた「種まき」も行っています。

古川 「将来的には、EveryGoのような新しいモビリティサービスを次々と生み出していくような仕事をしていきたい。今持っているミッションの延長線上には、革新的なモビリティサービスのヒントが眠っているはずです。
EveryGoの拡大を担いながらも次なる一手を発掘していくことも重要だと考えています」

学生時代“自分が1番”という考えが強かった古川ですが、社会人生活で考えに変化が生まれてきました。

古川 「自分が1番という考え方だけでは、周りの人は動いてくれませんし、周りの人に動いてもらえないとHondaとして世に新たなことを生み出せないこともあります。

仕事は社内外のチームでやるものだと思うので、お互いのWin-Winな関係を構築しなければ、成果は得られないと気づかされました。ただ、目立ちたいという部分を捨てた訳ではなく、社会に新たなサービス、影響を与えたいという想いが一層強くなっているのも事実。自分のやりたいことや、ありたい姿はさらに具体的なものになっています」

ビジョン実現のために、Win-Winの関係を構築すること。
一見遠回りに見えても、チームの総力が成果を最大化する。

そのためには「失敗を恐れないことも欠かせない」と追加します。

古川 「もちろん労力が少なくて合格点のパフォーマンスが出せることは良いことですし、気を抜いているとそういった選択をしてしまいがちなんですが、それだけでは革新的なサービスは生まれないと思っています。勝率100%の75点を目指すのではなく、勝率50%でも200点を目指すことが重要で、それを支える風土がHondaにはあると思っています。

無難にこなすのではなくて、新しいことでも200点を目指して思いっきりチャレンジしていきたいと思っています」

失敗は決してダサいものではありません。

むしろHondaでは先人たちが多くの失敗をしたからこそ、歴史に名を残すような革新的なプロダクトが生まれている。新しいものを生み出す過程がどんなに泥臭くても、前を向いて歩み続けること。

そして、自らの思いを言葉にして、新しい未来を自ら引き寄せる。

古川もまた、その未来を実現すべく動き続ける、一人なのです。