ストーリーを伝えて北陸の商品を全国に届けるECモールに成長させる

北國銀行で従業員組合の執行委員を務める清水 正博。普段は兼務出向するグループ会社が運営するECモール「COREZO(コレゾ)」の企画を担当しています。

「COREZO」は「みんなでつくる、北陸のモノ・コト発掘サイト」をコンセプトに掲げ、単にモノを売るだけの通販サイトではなく、“銀行グループだからできる”特集・体験など商品に付加価値をつけたコトを売っています。商品・事業開発などビジネス機会を創出させる参加・共創型の新しい通販サイトなのです。

COREZO(コレゾ) これぞ北陸のいいモノ・いいコト発掘サイト‎

清水は「COREZO」の立ち上げから関わっています。

清水 「過去に大手ECサイトへの出店を経験したことがあるお客様もいらっしゃいましたが、出店費用が高く、ECサイト運営を行う上で必要なITスキルが不足していたため、出店を断念するお客様もいらっしゃいました。また、全国の競合他社と同じ土俵で戦うことになるので、商品が埋もれてしまいやすいことも課題でした」

こうした理由から、ECサイトへの出店に二の足を踏んでいるお客様が当地においても多い状態でした。

そこで、北陸エリアを地盤とする北國銀行の取引先に特化したECモールをつくり、月額費用を抑えて出店のサポートを行うことを決めました。ECサイトに参入しやすい環境を提供し、お客様の販路拡大のサポートをするために、「COREZO」を開始したのです。

銀行員とは異分野の仕事にも思えますが、支店での経験が活かせる部分も多いと言います。

清水 「初めはまったく別の会社に来たかのようでしたが、担当のお客様との対話を通じて、支店勤務の際に事業に対する思いや商品に対する思いなどを聞いていた経験と通じる部分がありました」

 「COREZO」では、作り手の想いを大切にし、大手ECモールとの差別化を図るための戦略に取り組んでいます。

清水 「商品の価格や配送スピードだけ見ると、大手のECモールには勝てません。出店者の熱い思いや商品完成までのストーリーを伝えていくことが、ブランドの価値になると思います」

地元の出店者様のファンをつくり、全国に商品広めていく──そのミッションを掲げ、邁進しています。

執行委員の仕事を通じて知った、考え方の“多様性”の大切さ

北國銀行での清水のもうひとつの顔は、2018年から兼務する従業員組合の執行委員。現在、副執行委員長を務めています。しかし、清水が執行委員になるきっかけは、本人が自ら進んでやりたいというものではありませんでした。

清水 「執行委員に入った理由は、正直に言いますと同期に誘われて、断れなかっただけです(笑)」

清水の心境に変化をもたらしたのは、執行委員で実施した「チーム力向上研修」でした。この研修は「組合はどういう存在であるべきなのか、組合活動をなぜ行うのか」といった点について執行委員が話し合うというもので、自分たちらしい従業員組合のあり方を作っていく場となりました。

清水 「執行委員が建前上『組合員のために』という前に、自分自身が幸せであることが大事だと感じました。仕事を優先して家族のために頑張っていても、家族の時間がなくなったら、極端な例では離婚にいたってしまうかもしれない。そんなことになったら、本来何のために働いているのかがわからなくなってしまいますよね。

一方で、家族との時間を優先して、仕事やスキルアップの時間を確保できないケースもあると思います。

私のチームでは、自分らしさや自分の幸せは、みんな違っていて当然であり、それぞれを認めて自分らしく生きられる会社を実現することが、執行委員のミッションではないかという結論になりました」

この研修を通じて、“行員が生き生きと働けるような企業風土づくりをする”という従業員組合のミッションが決定。清水自身も、「家族との時間を大切にしたい」という価値観に気づくことができたと言います。

こうした従業員組合の取り組みは、普段の業務にも役立っているといいます。

清水 「“多様性”という言葉がよく使われますが、考え方は人によって違って当然です。ECモール関連の業務は、初めて取り組む業務が多いので、フラットにさまざまな意見が出てきます。年齢も性別も、これまで過ごしてきた環境も違うので、意見がバラバラになるのはある意味当然ですよね。

人の意見を遮るのではなく、さまざまな考え方の中からどれが良いのか答えを出していくことが大切だという点は、どちらの仕事も同じだと思います」

組合の活動に参加することでの変化

北國銀行の従業員組合では、支部ごとに執行委員がレクリエーションを企画しています。七尾支部長でもある清水は座禅やアロマキャンドル作り、しめ縄作り、ピザ作り体験、といったさまざまなレクリエーションの企画に携わってきました。

業務外のプライベートの時間を割くこともありましたが、組合活動に徐々にやりがいを感じられたと語ります。

清水 「これまで銀行の業務の中で、自分で考えてイベントを企画するということはなかったので、貴重な経験になっています。

参加した方から『良かったよ』『また来るね』と声を掛けられると、『やってよかったな』と実感します。行員や行員のご家族が参加して、会話しながら楽しんでいる様子を見ていると、自分はイベントの企画が好きなんだなあとつくづく思います。

休日にも時間を割くなど、準備などで大変なこともあるのですが、ひとりではなく、執行委員のメンバーみんなで進めています。同じ方向を向いている仲間がいるから心強いですね」

従業員組合でのレクリエーションの企画の経験も、普段の業務であるECモールの運営に役立っていると清水は語ります。

清水 「従業員組合のレクリエーションでは、『これをやったら人が集まるのでは?』と考えられるものを企画していますが、実際に来てもらえるのか不安に思うことも少なくありません。相手があるのはECモールも同じで、単に担当者が好きなものを集めても売れないでしょうし、つまらないサイトになってしまうと思うんです。

ECモールでは、全国の消費者の方々のニーズはどのようなものなのか、どういったことが喜ばれるかをお客様と一緒に考えて企画をしています。この部分もレクリエーションの企画と一緒ですね」

執行委員の活動で得た考え方や実際の業務は清水にとって大きな財産となっています。

新たな人事制度導入で自分のキャリアを考えるツールにもなる従業員組合

従業員組合の執行部に入ったことは、自分自身にとって大きなプラスになったと清水はこれまでを振り返ります。

清水 「私自身、最初は組合のことをあまり知らなかったので、執行委員の活動のイメージを持てていませんでした。でも、実際には執行委員になったことで、多くの収穫がありました。自分の人生観として“家族との時間を大事にしたい”という気づきがありました。

それに銀行では経験できないレクリエーションの企画にチャレンジできたことで、仕事上で好きなことに関わることができましたし、想いを共有して一緒に走れる仲間もできたのはとても大きな収穫ですね」

清水自身に変化があっただけでなく、北國銀行自体も大きな変化の時を迎えています。

北國銀行は人事制度の変更に舵をきり、自身のキャリアプランについて、主体的に決めていく制度に変わっていきます。

清水 「これまでは会社が決めたキャリアを進んでいけば良かった。でも、今後は自分でキャリアをつかんでいかなければなりません。“自分は何をしたいのか”という問いへの答えがすべての社員にとって重要になってきます。でも、自分自身のことを考えるのは意外と難しいのではないでしょうか。

そこで、従業員組合が開催しているセミナーで学ぶこともひとつの指針作りになりますし、イベントに参加し組合員同士が話し合うことで、自分自身を見つめ直すこともできます。

従業員組合の活動が、組合員自身のキャリアを考えるきっかけ作りの場になる。そういう場所にしていきたいですね」

そう意気込みを語る清水。

清水は今後も、従業員組合の執行委員として自分自身が得た有意義な経験をもとに、従業員組合の目的や執行部に参加して得たことを伝播させるべく前進していきます。