自治体向けシステム運用設計のマネージャーとして活躍

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中途経験者採用で入社して13年。宇都は、自治体向けシステム運用設計プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャー(PM)として携わっています。

宇都 「当社が所属している日立システムズグループが受注した、自治体向けOAシステムの運用設計プロジェクトに参画しています。私の役割は、自治体業務に必要な端末、各種サーバー、アプリケーション等の業務基盤の更改に伴う、運用設計および端末設計のプロジェクトマネジメント。メンバー10名、受注規模1億円以上のプロジェクトをマネジメントしながら、お客さまにサービスを提供しています」

PMとしてメンバーを牽引する彼は今、3つの価値観を大切にしています。

宇都 「働く上で大切にしている一つめの価値観は、仕事に対して前向きに楽しむこと。これはかつてネットワーク設計・構築に携わっていたころ、メンバーと協力してトラブルを解決していく中で学んだことです。

二つめの価値観は、いつまでも新鮮な気持ちでいること。“常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションに過ぎない”というアインシュタインの言葉がありますが、私も自分の常識にとらわれず、人の意見を謙虚に聞くようにしています」

そして、三つめの価値観は、「基本と正道、損得よりも善悪」だと宇都は語ります。

宇都 「『基本と正道、損得よりも善悪』は日立グループが掲げる価値観のひとつなのですが、私も深く共感しています。こうした企業が掲げるミッション・ビジョンなどの理念は形骸化しがちですが、日立グループは本当に利益よりも社会的意義や社員の成長を優先して仕事を受注・アサインするなど理念を体現している会社だと感じています。私もマネージャーとして難しい決断を迫られる場面がありますが、そうしたときには常に正道を選ぶことに決めています」

探究心の強さを生かし、エンジニアとして着実にキャリアアップ

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今ではPMとして部下に規範を示す立場となった宇都ですが、入社時のIT知識はほとんどゼロ。それまではバンドでエレキギターを弾いていました。

宇都 「エンジニアになる前はバンド活動に熱中しており、音楽で生計を立てていきたいと本気で考えていました。そんなある日、ふとしたきっかけでITエンジニアという仕事について知り、コンピューターの専門家として活躍している姿に心を惹かれました。

もともとギタリストとして技術的な探求心が強かったので、関心の対象がコンピューターに移ったという感じです。最初は別の会社でシステム開発業務を経験したのですが、その中で日立システムズエンジニアリングサービスのチームとも一緒に働く機会があり、他のチームと比べてチームとしての一体感があるのを見て驚きました。

とにかくメンバー同士の会話が活発で、何か課題に直面するたびに、上司や若手の垣根を越えて忌憚なく意見交換をしているのです。自分もぜひこの会社で働いてみたいと思い、転職しました」

「仕事なので、大変なことはもちろんある。それでも日立システムズエンジニアリングサービスのエンジニアは、仕事を楽しんでいる」。その印象は、入社後も変わりませんでした。

宇都 「当社には約2,000人の社員がいるのですが、困ったときには遠慮なく上司に相談ができることはもちろん、役員クラスとも話す機会があります。そういう風通しの良い社風だから、チーム内のコミュニケーションも取りやすく、いわゆる心理的安全性が高い職場だと思います」

風通しの良いチームに恵まれ、ネットワーク設計構築の分野で頭角を表していった宇都。リーダーとしてメンバーのマネジメントを行うようになったのは、入社5年目のころでした。

宇都 「上司と相談しながらチーム体制を整えたり、新しく加わったエンジニアの能力を最大化するためのマネジメントを考えたりすることで、徐々にリーダーとしてのスキルを磨いていきましたね」

技術とマネジメントのスキルアップには、会社の教育制度の充実が大きかったとも宇都は語ります。シチュエーショナルリーダーシップ理論(SLⅡ)で学んだ、メンバーの成長段階や状況に合わせた指導や支援を実践することで、仕事に対する価値観の変化が起こります。

宇都 「大規模なプロジェクトは、自分一人の力では成功させることができません。メンバーが力を発揮できる環境をつくることこそが、最も大事なのだと気づきました。そのために私が心がけているのは、前向きに仕事ができる雰囲気づくり。

たとえばお客さまに厳しい指摘を受けて落ち込んでいるメンバーがいたら、『大丈夫だよ 』と声をかける。お客さまのご意見は真摯に受け止めつつも、仕事の中で良くできたところを見つけて認めていこう、とメンバーにはよく話しています」

常にやり抜く姿勢を持てるチームづくりをめざす

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「任された仕事へのプライドと、エンジニアとしてのインテグリティ(品格)を保つため、物事をポジティブに捉えて前進する」というポリシーを貫き、今もそれをメンバーに伝えている宇都。このポリシーが確立したきっかけは、ネットワークエンジニア時代のあるプロジェクトでした。

宇都 「あるネットワークシステムの運用に携わっていたとき、トラフィック制御が設計通りに動作しないトラブルに直面したことがありました。設定を調べてみると、とくに間違ったところは見当たりません。そこでチームが一丸となり、問題解決に取り組みました。ひたすら仮説を立てては検証するという作業を繰り返し、3日後にようやくトラブルは解消。

今では考えられないような強行スケジュールで本当に大変でしたが、お客さまからは『助かりました、ありがとうございました』と声をかけていただけましたし、チームメンバー一同『うまくいったね』と喜び合えました。この問題解決を通じて、仕事への責任感が芽生え、技術者としての誇りを持ち、やり抜く姿勢が固まったのだと思います」

その姿勢を示してくれたのは、当時のリーダーでした。

宇都 「私たちのリーダーは、どれだけ大変なときにも絶対にへこたれず、諦めずにやり抜く人でした。その姿を見ていたからこそ、メンバーにも自覚が生まれ、最後まで仕事に打ち込めたのだと思います。今も私はあのとき得た教訓を忘れずにマネジメントをしています」

幾多のプロジェクトを経て、リーダーとして成長した今、宇都はマネジメント業務ならではのやりがいを心から楽しんでいると言います。

宇都 「今の私にとって一番のやりがいは、後輩が成長していく姿を見ること。自分の経験を生かして後輩の成長に貢献できることに、何より大きな喜びを感じます。メンバーの自主性を尊重しつつ、悩みや不安に寄り添う。自分の意見や経験を押し付けず、相手にとって何が最適かを考え、マネジメントしています」

お客さまと未来を語り合えるエンジニアをめざして

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最後に今までのキャリアで印象に残っていることを聞くと、入社10年ほどで日立システムズエンジニアリングサービスが所属している日立システムズに出向したときのことを語ってくれました。

宇都 「プライムの立場として経験を積み、その経験を当社に持ち帰って技術を伝えるというミッションを与えていただき、『会社からの期待』を感じました。実際にプロジェクトに参画すると、それまでのネットワーク分野からインフラ全体を対象としたスキルチェンジと、新たなメンバーとコミュニケーションを築く点で、苦労とやりがいの両方を味わえました。2年間の出向期間満了後、当社にテクニカル トランスレーション(TT)していく中で、組織の成長に貢献している実感を覚えています」

現在、日立システムズエンジニアリングサービスに入社して13年目。さまざまな経験を経た宇都は、会社が新たなフェーズに向けて変化しつつあることを感じています。

宇都 「これまでの当社はお客さまに最も近いラストワンマイルに位置し、良質な技術力を駆使してお客さまの要望に沿ったシステムを開発してきました。しかし今後は、これまで培ってきたナレッジや経験を生かして、お客さまのビジネス戦略にまでリーチするようなサービスを提供できる企業へと変わっていきます。現場でも徐々に、提案型の仕事が増えています」

このような自社の変化を受けて、宇都もまた、新しいエンジニア像を追い求めるようになりました。

宇都 「今後の社会は、人が行っているオペレーションは自動化されていき、人にしかできないことが求められると思います。たとえば、お客さまと共に事業の未来について語り合い、新たな技術を取り入れながら、お客さまの事業成長に貢献できるソリューションを開発・提案していくことなどです。私自身もそういった働き方をめざしていきます」

PMとして成長する上で、優秀なメンバーの拡充は欠かせません。宇都にとって、即戦力として活躍してくれる経験者入社のエンジニアに求めるもの、そして彼らに伝えたいメッセージとは。

宇都 「社会全体でイノベーションに向けた機運が高まっている今、エンジニアには現状に対して疑問を持ち、より良く変えていく発想が必要だと思います。日立グループには、国内でトップクラスの品質を追求する厳しい一面もあり、それは今後も変わることがないでしょう。

その一方で、社外で培った異なる価値観や技術を持つ人が加わり、“One ES”として一丸になりイノベーションに取り組める懐の深さが、当社にはあります。新卒や経験者採用、学歴を理由としたいわゆる評価の差を感じたこともありません。私自身も経験者採用での入社ですが、ここまで成長できました。ぜひ、いっしょに仕事を楽しみましょう」