自分に適した職種を模索し出会った、エンジニアという職業

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大学時代には文学部に所属し、歴史を学んでいたという水口。しかし、好奇心旺盛で向学心の強い彼女は、専攻の学問のみならず多岐にわたる活動に取り組んでいました。

水口 「私は新しいことを学ぶのが好きで、興味を持ったことは迷わずやってみる性格です。学部では歴史を専攻し、博物館学芸員と図書館司書の勉強をしていましたが、副専攻でメディアについて勉強するなど、専門外の講義も積極的に受講していました。

プライベートでは、ふと思い立っては小旅行に出かけたり、音楽や美術に関するイベントに行ったり。アルバイトも数多く経験しました」

就職活動で最初に志望していたのは新聞社。その後、食品メーカーなどを中心に選考を受け、順調に内定を得ることができました。しかし、歴史や美術を好み、知識習得に意欲を持つ水口は、もっと自分に適した仕事があるのではないかと迷いを感じるように。そこでキャリアセンターや就職エージェントに相談した結果、勧められたのがSE(システムエンジニア)でした。

水口 「SEという職種を、そのとき初めて正確に知りました。パズルを解くようにシステムを作ると同時に、多くの人と話しながらプロジェクトを進めるという仕事内容に惹かれ、IT企業の選考も受け始めたのです」

数あるIT企業の中で日立システムズエンジニアリングサービスを選んだ決め手は、「ほど良い自由が感じられる社風」だったと水口は振り返ります。

水口 「何もかも自由なITベンチャーはちょっと自分には合わないと思いましたし、ガチガチに規則が決まっている会社も、自分らしく働けないと感じました。その点、当社の選考で出会う人たちは私が話すことを笑顔で聞いてくれたし、とても社会的意義の高い仕事を誠実にこなしている会社でもあります。自由の中にも規律を感じられる社風に惹かれて、入社を決めました」

システムと人間を結ぶ「通訳」をめざして

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IT初心者として入社した水口でしたが、勉強したいという欲求が人一倍強い彼女にとって、新入社員研修は知識欲を満たす刺激的な時間でした。

水口 「3カ月間の基礎研修で基本的な知識をひと通り学んだ後、6カ月間のモノづくり研修に進みました。モノづくり研修は実際にシステム開発を体験するというもので、プログラミングが初めてだった私はついていくのに必死。

でも、習得した知識を使って書いたプログラムが動くのは楽しいもので、うまくいったときは達成感がありました。同期の仲間も想像以上に明るい人が多く、会社の雰囲気にはすぐになじむことができました」

研修を終えた後は、ある自治体の介護保険と後期高齢者医療保険を取り扱うシステムの運用保守プロジェクトに参画。お客さまである自治体職員と関わりながら、システムのバージョンアップやカスタマイズ作業、問い合わせ対応などを担当しています。

水口 「自分でコードを書くことはあまりなく、お客さまと会話することが多い仕事です。問い合わせの多いシステムの使い方について、私がした説明を聞いて『よく分かりました、ありがとうございます』と納得いただけたときには、人の役に立てている、と感じることができます」

水口が仕事にあたって大切にしているのは、お客さまが分かりやすい言葉で話すことだと言います。

水口 「システムの運用保守には専門的な知識が必要ですが、難しいことをそのまま伝えてもお客さまには理解していただけません。相手の立場やITリテラシーに合わせて、話し方を工夫しています。正確に決まった処理だけを行うシステムと、複雑な感情を持つ人間との間を結ぶ、通訳のようなイメージですね」

分からないことを素直に聞くことが、プロの第一歩

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自治体職員との信頼構築に、日々やりがいを感じている水口。しかし配属当初はコミュニケーションがうまくいかず、苦労した時期もありました。

水口 「現場のプロジェクトに配属されたばかりのころは、自治体の業務やシステムへの理解が浅い状態でした。当然、電話でお問い合わせを受けても、お客さまの話が理解できません。お客さまの話と私の認識が食い違い、対応が長引いてしまうといったことも起こりました」

なぜうまくいかないのか。考えていくうちに、水口はあることに気づきます。ITのプロとして必要なことは「人に助けを求めないこと」ではなく、むしろ「積極的に助けを求めること」なのではないか、と。

水口 「それまでは、自分はITの専門家なのだから、そう簡単に人に質問してはいけないと思い込んでいました。とくに、お客さまから教えてもらうのは恥ずべきことだと。でも、そのやり方ではいつまでたっても成長できないということが分かってきました。

そこであるとき、職員の方に思い切って『それはどういうことなんでしょうか。教えてください』と素直に質問したのです。すると、思いのほか親切に説明していただき、すぐに疑問は解消しました。それ以降は、分からないことがあればお客さまにも同僚にも、素直に質問して知識を身につけるようになりました」

水口は見る見るうちに知識を深め、やがてお客さまからの信頼も獲得。今では名実ともにシステムの専門家として頼りにされ、水口を指名する問い合わせも増えました。

水口 「積極的に質問をするようになってからは、チームの中でも仕事がしやすくなりました。先輩方は想像以上に面倒見が良い方ばかりで、聞けば何でも丁寧に教えてくれます。そうしてコミュニケーションがとれるようになってからは、私も『新人』ではなく、チームの一員としてみんなに貢献できるようになれました」

市民の暮らしに貢献し、社会につながれるやりがい

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入社後約3年を経て、システム運用・保守のプロとして着実にスキルアップした水口。プロとしての自覚が芽生えるとともに、日立システムズエンジニアリングサービスならではの仕事の意義にも目覚めつつあります。

水口 「当社は官公庁や自治体といった公的機関のシステムを手掛ける仕事が多く、現に私が運用しているのも自治体のシステムです。数万人の市民に関わるプロジェクトだけに、社会的な意義を強く実感できます。

例えば、自分が運用しているシステムで作られた書類が各家庭に届き、生活を支える役に立っている。そう思うと、やりがいと同時に、ミスが許されない責任の重さも感じます。また、自治体のシステムは国の方針とも密接に連動しているので、国家や社会との距離が近い仕事でもあります」

自分の頭で考えながら進められる現在の仕事を、水口は心から楽しんでいます。一方で、人との関わりを重視する彼女は、さらに多くの人と一緒に仕事ができるポジションにも意欲を持ち始めました。

水口 「私は自分一人で仕事を完結するという働き方があまり好きではなく、つねにいろいろな人と関わりながら働きたいと考えています。そういう意味では、人に仕事を教えたり、リーダーやプロジェクトマネージャーとしてチームを率いるようなポジションにも、いつか就いてみたいと考えています。

今、当社は事業変革期にあり、お客さまに直接提案をするプロジェクトが急増しつつあります。マネジメントに挑戦するチャンスはこれからもっと広がるのではないか、と期待しています」

ふとしたきっかけで日立システムズエンジニアリングサービスに出会い、エンジニアという職業のおもしろさに目覚めた水口。これからエンジニアになりたい人、またエンジニアとしてキャリアアップしたい人に向けて伝えたい会社の魅力は、「仕事の幅の広さ」だと言います。

水口 「当社はシステムにまつわる幅広い業務を経験できる会社です。例えば現在の私のように、ほぼコードを書かずにお客さまをサポートする仕事もあれば、高度なプログラミングスキルを発揮する仕事や、プロジェクトを管理する仕事もある。そのため、すでに素養のある理系の学生や、さらなるキャリアアップをめざす経験者にとっては活躍の場がさらに広がるはずです。

そして、私のようにIT未経験者も、熱意を持って自律的に学習を続けていく意欲があればチャレンジできる職種があります。ぜひ皆さんも『IT企業といえばこういうもの』と決めつけず、当社で自分のやりたいことや得意なことを見つけてほしいですね」