海外の協業先と進める製品開発プロジェクトに立ち上げ期から参画

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2017年3月の入社以来、三宅は臨床検査用装置の設計や製品開発に携わり続けてきました。

三宅 「通院時や健康診断で採血された血液を用いて、コレステロールやホルモン、腫瘍マーカーなど、診断に必要な各種成分の濃度や有無を測定する装置の設計や開発を手がけています。海外向けの製品開発プロジェクトに立ち上げから参画し、海外企業とコラボレーションをしながら製品を開発しています」

4年近く携わっている同プロジェクトでは、開発の初期のフェーズから経験してきました。

三宅 「最初は製品コンセプトや仕様決め、各要素技術が製品に適用できるかをフィージビリティスタディとして検証するといったことに取り組んできました。現在は、最終製品の一歩手前まででき上がってきており、それを評価しながら課題を解決しているフェーズです」

海外の協業先とも、オンライン、ときには対面で活発に議論を行っています。全体で50名ほどいるうち日立ハイテク側の主要メンバーは約7名、協業先は約8名の主要メンバーのチームでプロジェクトを進めています。

三宅 「日立ハイテク側のメンバーは、メカグループ、ソフトグループ、回路グループ、性能評価を担当する私たち分析ソフトグループというように大きく4グループに別れて業務に当たっています」

2022年4月からは、主任技師に任用された三宅。装置の性能評価や分析ソフトグループの意見の取りまとめを主導する役割を担うようになりました。

三宅 「1on1を設けて相談に乗ったり、メンバーが業務を行う中で困っていることや『こうなればいいな』という改善提案をヒアリングしたりして、より効率的に業務が行える環境づくりも行っています」

人財育成も重要なミッションだと捉える三宅。大切にしていることがあります。

三宅 「日立ハイテクは、年齢や経験に関係なく『やりたい』と声を挙げたメンバーがチャレンジしやすい会社。私としても、メンバーに対して『チャレンジしてほしい』と期待することがあります。

ただ、依頼する仕事内容(何をやるか)を単に伝えるだけでは、メンバーの理解・成長につながらず、モチベーションは上がりません。その業務に取り組む意味・目的や、どんな仮説をもとにこの実験・評価を実施するかといった理由・背景まで説明して、理解を深めた上で仕事に取り組んでもらうように意識しています」

海外赴任経験を活かしたいと転職を決意。直談判して今のプロジェクトに参画へ

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体外診断薬・検査装置をつくる国内のメーカーに11年弱勤務し、開発や基礎研究に従事していた三宅。3年間の海外赴任では、現地の研究者との共同研究の経験も積みました。

三宅 「前職では試薬を扱い、試薬をどうつくるか、開発においてどんなポイントを重視すべきかについて経験する機会がありました。今の協業先がこうした試薬開発に取り組んでいるので、前職での知見や経験が活かせています。

また、開発中の試薬を病院で評価していたので、ユーザー目線に立って開発する姿勢が身につきました。日立ハイテクで新製品の仕様を決める際など、『ターゲットはこの人たちだから、Aは必要だけどBは不要だね』という判断を下すのに役立っています」

三宅が転職を決意したのは、海外赴任の経験を活かせるような新しい経験を新天地で積みたいと考えたからでした。転職活動をする中で出会った日立ハイテクへの入社を決めた理由についてこう話します。

三宅 「面接官は当時の部長や本部長の方だったのですが、私からの質問に対して杓子定規ではなく深く考えた上でご自身の言葉で返答してくださいました。また、とても活気がある会社だという印象を受けたのを覚えています。前職の試薬開発とは少し違う業務となるため、入社前はどんな仕事に携わるのかイメージが湧いていませんでしたが、前職の経験を活かして、違う角度から医療業界に携われるならという想いで入社を決めました」

入社1年目は医用製品の設計部門に配属されて、国内製品を担当。装置の性能評価をする過程で、所員から採血の協力を得る必要があり、一人ひとりに丁寧に協力を依頼する中で社内のネットワークを築いていきました。また、日立ハイテクがどのようなプロセスで製品を開発していて、どんな観点から製品を評価すべきかといった仕事の基礎をこの1年間で身につけることができました。その後、三宅は海外向けの製品開発プロジェクトに立ち上げから参画することに。自ら志願したことがきっかけでした。

三宅 「海外勤務経験があることをご存じだった当時の本部長と懇親会でお会いしたときに、『新しく海外向けの製品開発プロジェクトが立ち上がるそうですね。とても興味があります』とお伝えしたところ、アサインしていただけることになって。入社からまだ1年ほどで、会社の戦力になれている自信もなかった当時の私に任せていただけたことに驚きましたし、思い切った決断をしてくださったことに感謝しています」

意志を伝えることで、掴み取った新たなチャンス。立ち上げメンバーには若手社員が多く、製品の仕様やコンセプトを決める過程に携わったことのあるメンバーはほとんどいなかったものの、みんなで議論してプロジェクトを前に進めていきました。

三宅 「社内のメンバーや協業先と、製品のあるべき姿や『どうすれば検査装置を使う検査技師の方や採血結果を受け取る患者さんがハッピーになれるのだろうか』と考える過程はとても楽しかったです」

復職後に高まったのは、“チームでミッションをクリアする”意識

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やりがいを感じていた製品開発プロジェクトの最中、三宅は2021年に1年間の産休・育休を取得。当時のことを次のように回想します。

三宅 「復帰後に自分のポジションがあるとは限らないですし、別の部署やプロジェクトに配属される可能性もあります。ただ、もし同じプロジェクトに戻れなかったとしても、やりたいことや希望を上司や会社に伝え続けていれば、いつかかなうだろうと思っていたので、それほど大きな不安はありませんでした」

復職前の面談で、「できれば、関わっていたプロジェクトに戻りたい」と希望を伝えていた三宅。その1年後の2022年1月、無事に同プロジェクトに復帰します。産休・育休前後で、仕事の取り組み方が変わったと言います。

三宅 「以前は必要があれば残業することもありましたし、『時間はつくることができる』という考えでしたが、今は育児のため時間が限られる分、業務効率をより意識するようになりました。事前準備にしっかりと時間をかけたり、自分じゃなくてもできる仕事はほかのメンバーに引き継いだり。チームでミッションをこなしていく意識が強くなりました」

復職から3カ月後に主任技師に任命されたことは、三宅にとって想定外のこと。人財育成に対して苦手意識を持っていましたが、いざ主任技師という立場に立つと、おのずと視野が広がったと言います。

三宅 「チームで製品を開発するという意識が高まったことで、『この人にここまでできるようになってもらいたい。そのためにはどのような働きかけをすればいいか』『どうやって仕事をアサインするのが最良か』と考えられるようになり、今はそこに楽しさややりがいを感じています。

メンバーから相談を受けた際に自分の体験談や意見を伝えたところ、『すごく参考になりました』と言ってもらえたときは、私にも役立てることがあるのだと感じられて嬉しかったです」

開発や研究分野のプレーヤーとしてキャリアを積んできた三宅。マネジメントのやりがいも感じながら、充実した気持ちでプロジェクトに取り組んでいます。

所員の意志を汲んでくれる会社だからこそ、自分らしいキャリアを

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前職から現在に至るまで、一貫して医療業界に携わってきた三宅。医用製品開発に関わる醍醐味について次のように話します。

三宅 「健康診断や人間ドックのような検査があることで、早い段階で病気を見つけられることがあります。早期発見ができれば、早期に治療に取り組むことができますし、手術をすることなく投薬で治せる病気もあります。こうした予防医療の分野で、人々のQOL改善に貢献することが大きなミッションであり、やりがいを感じています」

現在携わるプロジェクトが終盤に差しかかる今、三宅は今後のキャリアプランを描く真っ最中。軸となるのは、日立ハイテクで働くメンバーのひとりとして、キャリアに妥協したくないという想いです。

三宅 「自分のキャリアにおいて、どんな選択肢が広がっているのか、自分の強みはどこにあるのか、自分は何をしているときに一番やりがいを感じるのかといったことに、あらためて向き合っているところです。日立ハイテクは、所員のやりたいことに耳を傾けてくれますし、自分の意志を伝えれば聞いてくれる会社。

だからこそ、『これをやってみたいです』と堂々と言えるようになりたくて。正面から自分に向き合い、自分らしいキャリアを築いていきたいと思っています」

主任技師に任命されて立場や仕事内容が変わったことで、新たな視点が養われたり、自信がついたりした三宅。さらに上位階層のマネジメント職への挑戦にも意欲を見せますが、こうして前向きにキャリアプランを描けるのも、日立ハイテクというチャレンジングで安心感のある環境があるからだと言います。

三宅 「こんなにも挑戦の機会が与えられるのは、上司が部下に対して『たくさんの経験を積んで成長してもらいたい』という考えがどの階層にも浸透しているから。また、周囲からのサポートがとても手厚く、復職後もスムーズに仕事ができているのは、育休や産休から復帰された女性所員や男性の育休取得者が多く、理解があり、『誰かが休んでも互いにカバーし合えるよう、属人化しないような体制をつくろう』という考えが軸にあるからです。日立ハイテクなら、キャリアアップと育児の両立が実現できると思っています」

「やりたい」と自ら手を挙げた所員の意志と情熱に耳を傾け、成長機会を与えてくれる社風のある日立ハイテク。理想的な環境のもとで、三宅はこれからも製品開発に全力を投じます。