AI技術を活用したシステム開発を通じて、電子顕微鏡の高性能化に取り組む

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半導体メーカーとの共同研究・開発によって、世界水準のソリューションを提供している日立ハイテク。奥田が所属する事業開発本部 システム開発第一部 第三グループでは、半導体計測・検査装置のためのシステムを開発しています。

奥田 「当社は、半導体検査装置、とくに電子顕微鏡を使って半導体のサイズなどを計測・検査する装置に強みがあります。私が担当する開発領域は、AI技術を使った電子顕微鏡の高性能化および新機能の追加。

たとえば、顕微鏡によって撮影する画像処理を改善したり、撮影にかかる時間を短くすることで測定・検査の効率を上げたり。半導体製造の工程を改良・改善するためのシステム開発を担っています。

2022年11月現在、第三グループには13名が在籍しています。マネージャーおよびアドバイザー的なポジションのメンバーが3名。あとは私を含むいわゆる中堅層のメンバーが4〜5名、残りが若手メンバーという構成になっています」

事業開発本部に限らず、日立ハイテクでは中途採用として入社し活躍するメンバーも増えています。

奥田 「私を含め、さまざまなバックグラウンドを持った人が集まっているのが当社の特徴。グループの中核・日立製作所との結びつきも強く、研究の一部を同社に委託するなど、日々連携しながら業務を進めています。

そうした背景もあってか、社内には互いに協力し合おうとする雰囲気がありますね。他部署の方に『こんなことできませんか』と問い合わせると、誰もが快く応えてくれるんです。ほかの会社なら面倒がられそうなことでも、歓迎してもらえるというか。『外からやってきたもの同士、力を合わせてやっていこう』という意識が浸透していて、中途採用のメンバーにとっても働きやすい環境だと思います」

AI技術を通じて社会貢献ができる場を求め、日立ハイテクへ

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日立ハイテクに入社する以前、奥田は航空測量を手がける企業に籍を置いていました。

奥田 「さまざまな装置を使って集めたデータから必要な情報を抽出し、AI技術を適用して地図を作成するような仕事をしていました。データを精査するという点ではいまと同じですが、ずいぶんスケールの違うデータを扱っていたことになります」

また、前職時代、会社に所属しながら大学院の博士後期課程に入学。社会人ドクターとしてAIを専門的に学んでいます。

奥田 「当時はAIが話題になりはじめた時期。せっかくならおもしろい研究がしたいと考え、AIが学べる大学を選びました。論文執筆の作法を含め、そのころに勉強したことや経験したことはいまも生きていると感じます」

前社には、装置やサービスを外販する事業がなかったと話す奥田。仕事には前向きに取り組めていたものの、製品やサービスを通じて広く社会に貢献したいとの想いから転職を考えるようになります。AIに関する知識やスキルを活かしたいと考えていた彼の目に止まったのが、日立ハイテクでした。

奥田 「半導体の検査装置の領域において、世界で戦える強い製品を持っているところに惹かれました。AI技術に関わりたいと言っても、生活に身近な製品に関してはアメリカの大手IT企業による寡占状態。日立ハイテクのように専門的な領域で活躍している企業であれば、開発の面で存在感を発揮し、広く社会の役に立てると考えたんです」

そんな奥田が入社後とくに大切にしているのが、人とのコミュニケーション。

奥田「社内の誰かから何か問い合わせがあったり相談されたときは、ていねいに対応するように心掛けています。たとえ、同じことを2回聞かれたとしてもです。もしチームの中にぞんざいな態度を取る人がいると、周りの人は相談したいことやうまくいかないことがあっても声を掛けづらいですよね。

その結果、チームとして良いパフォーマンスが出せないという状態はあってはならないこと。チーム全体でより良い開発を手掛けるためにも、メンバー同士が話しやすい環境づくりを大切にしています」 

コミュニケーション重視の仕事術で大きな成果。社会貢献できていることを実感

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2021年の11月に入社した奥田。約1年にわたり技術開発に携わってきた中で、印象に残っている出来事があります。

奥田 「AI技術を活用して電子顕微鏡の性能向上する技術に関して、昨年まで実現できていなかったことに取り組み、大きく進展させたことがありました。問題の原因を深く調べる必要があったのですが、部署をまたいで動く必要があり、誰も踏み込むことができていなかったんです。そこで、私が他部署との連携を主導。他部署がつくったシステムを使って、それまで手がつけられていなかったところを掘り下げ、詳細な情報を引き出すことに成功しました」

慣れない相手とコミュニケーションを取ることに、あまり抵抗を感じないという奥田。やりとりをうまく進めるために心掛けているのは、相手に対して敬意を払うこと。

奥田 「相手をリスペクトして、礼儀を持って接すること、ていねいに対応することを大事にしています。つまらないことで相手に嫌な思いさせ、関係を悪くしてしまうともったいないですから」

一方、コミュニケーション上で課題に感じていることも。

奥田 「研究や開発業務の一部を社外に委託することも多いのですが、限られた時間の中で意見を擦り合わせていくことの難しさを感じています。そのため、すばやく製品・サービス化につなげたいものは技術開発から製品化まで部署内で行い、研究要素が強く先行的なものなど、時間的な猶予のある場合に関しては外部の協力を得るという具合に、今後は棲み分けをしていく必要があると考えています」

入社以来、半導体の測定・検査装置に関わってきた奥田。2年目を迎えるいまも、社会貢献できていることを日々実感していると言います。

奥田 「いまや半導体は、交通・通信など社会インフラに欠かせない存在になっています。AI技術を使った半導体デバイスの改良・改善が小さなものだとしても、世界中の人が恩恵を受けていることを考えると、そのインパクトは絶大です。社会に貢献できる意義ある仕事に携われていることに、大きなやりがいを感じています」

技術を大事にしてきた会社だからこそ、エンジニアが正当に評価される土壌がある

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強力な製品群に魅力を感じて日立ハイテクにやってきた奥田。同社でシステム開発に関わる魅力について、次のように話します。

奥田 「一般的なSIerや大手IT企業でも技術開発を手掛けているケースはありますが、個人の裁量が小さかったり、プロジェクトマネジメントのような立ち位置だったりと、必ずしも技術者として開発業務に携われるとは限りません。

その点、日立ハイテクには強い製品があります。世代を更新するごとにシステムを改良・改善していく必要があるので、おのずと新しい技術に触れながら研究開発に携われるところが魅力だと思います。

また、日立ハイテクは技術を大事にしてきた会社です。技術に対して敬意を払う風土があって、高い技術を持った人が正当に評価される土壌があります。価値のある研究をしたり、技術的な成果を出すことで評価や報酬が上がっていくのは、エンジニアとしてスキルアップしていきたい人にとって理想的な環境ではないでしょうか」

奥田が所属する第三グループでは、在宅勤務が基本。テレワーク下での社内コミュニケーションにとくに問題を感じることなく、環境面でも恵まれていると言います。

奥田 「フレックスタイムが導入されているので、かなり自由な働き方をさせてもらっています。残業時間も月20時間弱。とても働きやすいと感じています。また、入社直後に1、2週間だけ出社したとき、上司らが一緒に食事する機会を設けてくれたんです。名前と顔を覚えた後は、持ち前のコミュニケーションスキルを発揮して、わからないことを積極的に聞いたり、連携が必要なときは働きかけたり。とてもスムーズにやりとりできていると思います」

今後は、AI技術に関する知識やスキルを活かしながら、半導体の測定・検査装置という専門的な領域で質の高い製品やサービスを提供し続け、日立ハイテクがプラットフォーマーとなることを目指したいと話す奥田。

奥田 「業界内では、半導体工場内でAIを活用する流れが本格化するのはこれから。そこのシェアを確実に取っていきたいと思ってます。その領域でプレゼンスを高め、日立ハイテクを業界の第一人者と目されるような存在にしていきたいですね。

個人としては新しい技術を積極的に学び、研究開発したものをどんどん実装して、製品やサービスのかたちで世に出していきたいと思っています。また、今後は論文執筆にも力を入れていく予定です」

そんな奥田から見て、日立ハイテクに向いているのは、チームプレーができる人。次のように続けます。

奥田「『こうしたらいいんじゃないか』『こういうふうに変えたらいいんじゃないか』と積極的に働きかければ、周囲がちゃんと応えてくれます。チームを意識して動ける方と一緒に、技術面でも切磋琢磨していけたらうれしいですね」