人材を活かす組織作りへの興味の原点。留学を経て、戦略人事の道へ

株式会社グロービスのコーポレート・ソリューション部門のコンサルタントとして、顧客企業の人材育成や組織開発に従事する篠田。キャリアのスタートは、意外にも大手法律事務所のアシスタント職でした。

篠田 「新卒時の就職活動では、お客様に高品質な価値を提供することに関与できるかという軸で探し、大手法律事務所に入社しました」

そこで働く中で、組織マネジメントに興味を持つようになったという篠田。数年勤めた後、人事領域の勉強をするために海外留学を決意します。

篠田 「その法律事務所は、高品質サービスへのこだわりという点では本当に素晴らしいものがありました。一方で、組織マネジメントについてはより良いものにできる可能性を感じる時もあって、多様な人材が活躍できる組織作りに興味を持つようになったんです」

留学先では1年間、人事について徹底的に学びました。ひと口に人事といってもさまざまな領域がある中、篠田が興味を持ったのは戦略人事でした。

篠田 「『人事のミッションは、経営が掲げる事業戦略をきちんと実現する組織を作ること』と学び、いずれは戦略人事に関わる仕事をしてみたいと思いました。なので、留学後にはまず人事領域の仕事を幅広く経験しようと考えました」

帰国後に入社した外資系企業では採用を担当しました。

篠田 「将来的には戦略人事のポジションに就きたいという思いもありました。しかし社内の事情を知るうちに、『ここで自分のやりたい事を叶えるのは難しいかもしれない』と思うようになったんです。

というのも、人材・組織戦略策定は海外本社を中心に行っていましたし、制約や社内のしがらみにより本質的にやるべきことを推し進めることが難しい側面があるとも感じていました」

それであれば、外から組織を変えていこう。そう考えた篠田が出会ったのが、グロービスでした。

篠田「たとえ制度や組織体制が変わっても、社内の人材そのものが変わらなければ組織は変わりません。グロービスでは人材育成を通じて組織変革に注力できる。それが、入社の決め手のひとつになりました」

大手IT企業の営業変革を推進する大規模プロジェクトに参画

現在の篠田の仕事は、会社の戦略を実現できる組織作りに尽力する顧客に寄り添い、伴走しながら組織を変革すること。そのための人材育成の仕組みの設計や提案を行っています。

篠田 「とある大手IT企業のフロント変革プロジェクトに携わった際は、フロント業務、つまり営業の方々に対して、提案の組み立て方から実行までを根本的に変えていくための研修を設計・提案しました。

もともとは顧客企業からの依頼に基づいて開発したシステムを納品するという受託型システム開発が主力事業のお客様でした。そんな中、顧客企業が抱える経営課題解決のために新たな価値を創造する提案型営業スタイルへ変革したいという意志をお持ちだったんです。営業活動を提案型にシフトしていくためのご支援を行うことが、私たちのミッションでした」

研修内容に関しては顧客から具体的な要望を示されなかったという篠田。営業が顧客の課題を把握し、それに対して適切に提案できるようになるには、どんな育成内容を行うべきか──上司とともに考えていくことになりました。

篠田 「従来、その企業の営業担当者は、主に顧客企業のIT部門に対し提案を行っていました。しかし、新しい戦略においては、経営トップ層や事業部門にアプローチできる力が必要になります。そのためには、顧客のビジネスを経営目線で理解し、『そのビジネス戦略であれば、こういったシステムが必要ですよね』という具合に、納得感のあるストーリーを構築し、また語れなければなりません。フロント変革プロジェクトでは、それが実現できる状態を目指して研修内容を組み立てていきました」

結果を率直に伝えることへのこだわり。目に見える変化を生んだ半年間のフォローアップ

顧客は変革をスピーディーに進めたいとの想いがあったので、通常であれば半年以上かけて実施するような研修プログラムを3カ月に凝縮して設計。研修終了時には受講者のマインド・スキルセット双方アップデートされた状態を目指すというものでした。

篠田 「スピード面でも内容面でもチャレンジングでした。プログラム設計においては、顧客の営業活動のあるべき状態を理解し、営業が向き合うその先の顧客に対してどのような提案を行うべきかを踏まえた設計が必要でした。また、限られた時間の中で高い目標に到達するために受講者が得るべきさまざまな刺激や視座をプログラムに落とし込む必要があったのです。インテンシブな内容だったので、プログラムの受講者も苦労されたと思います。

ただ、正直なところ、3カ月間で受講者が研修内容をきちんと消化し、ご自身の営業活動を変革させるところまでは、十分到達させられませんでした」

顧客のオーダーの一部は達成できなかったという篠田。その現状はありのまま顧客に伝えるとともに、研修後の行動プロセスを変革するための打ち手まで伝えました。

篠田 「プログラム設計や受講者に問題があったのではなく、これだけの変革をごく短期間で実現させることに限界があったと考えています。それを顧客に率直に伝えるのは簡単ではありませんでしたが、プログラムを通じて受講者が変化した点・しなかった点を頻度高く報告するなど丁寧なコミュニケーションを心掛けていたので、施策の成果に対する共通認識は作りやすかったと思います。

加えて、これで育成施策を完了させてしまうと変革が中途半端なままになってしまうという懸念も正直にお話ししました。その結果、顧客からの理解もいただいて、研修後のフォローアッププログラムも任せていただくことになったのです」

その後、半年かけてフォローアップを実施。知識のインプットは前段の研修で達成できていたため、実践の営業活動が変わるようにフィードバックしていく場を持ちました。

篠田 「フォローアップを始めた当初は、受講者の中で、研修で学んだ知識と実践の活動が上手くつながらず、行動変容に至っていない場面が見られました。そこで、受講者が営業シーンで知識を活用する具体的なイメージをつかめるよう、他社事例の紹介や、『こんなケースではこのように動くと良い』といった具体的なアドバイスを講師から繰り返し伝え、徐々に浸透させていきました」

そのような取り組みの結果、受講者の行動が目に見えて変化していったという篠田。

篠田 「フォローアッププログラムによって、以前は商談においてシステムの機能面を主に話していた方が、顧客企業の戦略に基づいてシステムのあり方を語るようになるなど、受講者の多くに変化が見られるようになりました」

人材育成の効果を出すために篠田がいつも心がけているのは、受講者の状態をきちんと観察し、状態定義すること。

篠田 「研修プログラムを通して、どのような変化が起きたのか、あるいは起きなかったのかを、できるだけ正確に言葉にすることを意識しています。受講者の発言やアウトプット内容など、さまざまなファクトを交えながら顧客に示し、施策の達成度合いの共通認識を作ることで、顧客が成果についてより深く理解できるよう努めています。

結果の良し悪しにかかわらず、成果に対する事実をごまかさずに伝えようとする姿勢は、グロービスの特徴だと思います。顧客が抱えている課題、耳が痛いと思われるようなことであっても、忖度せずにはっきりお伝えするからこそ、信頼をいただいているのかなと思っています」

お客様に最高品質の価値を。考えを率直に伝えることが推奨される文化が、成長を後押し

グロービスに入社して以来、新卒時から大切にしてきた“高品質の追求”を実践できているという篠田。

篠田 「研修は講師を介して行うものではありますが、お客様に提供する人材育成の品質に自分も貢献することができる点におもしろさを感じています」

また、グロービスに入社して初めて携わるようになった営業活動についても、少しずつ自身の成長を感じられていると話します。

篠田 「営業についてはスキルセットがない状態で入社しましたが、時間をかけて丁寧に育成してもらったことと、多様な案件にチャレンジする場を与えてもらったおかげで、自分なりの型がある程度できてきたように感じています。もともと話すことは得意ではなかったのですが、徐々に形になってきていることに自分でも驚いています」

そうやって営業活動にも無理なく対応できるようになってきた背景には、グロービス特有の文化がありました。

篠田 「お客様に対して変に媚びるのではなく、自分の考えを率直に伝えることが推奨される文化があるからこそ、無理せず仕事ができていると思います。そしてお客様からも、ポジティブな部分だけでなく、課題点や伸びしろがあれば率直にお伝えすることを期待されているように感じています。その課題をどう乗り越えていくのかを一緒に考えられるパートナーでありたいと考えています」

これから産休・育休を取得する予定だという篠田。私生活においても新たな局面を迎えようとしている彼女が目指すのは、顧客の真のビジネスパートナーになることです。お客様に最高品質の価値を提供するために──これからも前進を続けます。