地域の経済発展と個々人のキャリアの充実に貢献するパートナー

グロービスのコーポレート・ソリューション部門は、法人のお客様向けに個社ごとの状況に応じてテーラーメイドした研修や組織開発を手掛けています。

この大阪チームのメンバーは、リーダー、サブリーダーの池田、コンサルタント6名のほか、研修オペレーション担うメンバー2名を合わせた10名。池田はサブリーダーとなって4年目で、リーダーとともにチームのマネジメントを行います。

池田 「大阪チームでは中四国のお客様も担当しているため、チームのWAYを『関西中四国の持続可能な成長を導くパートナーとして、創造と変革を支援・共想し、地域の経済発展と個々人のキャリアの充実に貢献します』と置いています。

チームの頑張りがエリアの企業の組織・人を元気にできるかどうかを決める。そしてグロービスのプレゼンスを決める。そんな気持ちで取り組んでいます」

池田は前職で東京での勤務経験があるからこそ、地域により顧客の特性が異なることを感じています。

池田 「関西のお客様は、人と人のつながりや信用を大事にする方が多いと思います。信用できたらとことん深く付き合うという気質があり、人と人との関係の中で仕事が成り立っているとより強く感じられるのがエリアの特性でしょうか。実際にチームのメンバーもお客様への思い入れが強く、『お客様の気持ちに応えたい』という気持ちで日々取り組んでいます」

リーダーをはじめチームメンバーは、お客様の信頼に応えることを何より重要視しています。その上で池田が目指すのは、自立した個人が活躍できるチームです。

池田 「メンバーの方々が、それぞれがやりたい事に近づき刺激しあえるチームにしたいと思っています。外で思い切りチャレンジしながら、チームに戻ると安心を得られる。そんな場所であることを大切にしています」

葛藤を抱えながらも、キャリアを中断することなく次のステップへ

池田は前職の総合人材サービス最大手企業で、次世代経営者幹部の育成研修の企画・運営チームのリーダーを務めました。

池田 「関西で法人営業をしていた私が、東京本社の人事部門に異動し、会社全体に関わる仕事を経験させてもらいました。経営幹部候補になる方々の研修企画の仕事だったので、現場にいる時には接点のなかった経営陣とも会話するようになったんです。

この経験により視座が高まったと感じる一方、自分は本当に何も知らないんだな、もっと学ばないといけないなと思うことが多い時期でした」

仕事にやりがいを感じていた中、プライベートの事情から、池田は地元の関西に戻ることになります。

しかし、この仕事に携われるのは東京だけ。関西に戻って別の部署に移るか、一度組織を飛び出すのか、決断を迫られることになりました。

池田 「自分の会社が大好きだったので、会社に残ることも考えていました。ですが、自分はもう少し広い世界を見た方がいいのではないかという思いと、地元に戻るのであれば骨を埋める覚悟で、地域の経済により貢献できる仕事をしたいという思いもありました」

そこで出会ったのが、経営教育で第一線を走るグロービスだったのです。

葛藤もありつつグロービスに入社した池田が最初に携わったのは、法人顧客向けに研修のパッケージプログラムを提供する法人営業。大学院に通いながら新規顧客の開拓を担当するのは決して楽ではなかったものの、この仕事が「めっちゃ楽しくて」と語るほどに没頭します。

1年ほどたつ頃には顧客の課題意識に合わせた提案もどんどん行うようになりました。そうして池田は、顧客の変革にもっと深くかかわってみたいという思いをもつようになり、コンサルタントとしてコーポレート・ソリューション部門へ異動することになります。

ところが、その新たな仕事は池田自身も予測していなかった形で幕を開けることになりました。

池田 「新しい仕事に移ることが決まって、意気揚々としていたタイミングで、第一子の妊娠がわかりました。新しく仕事を覚えるべき時に、子どもがいる状態でスタートすることになったんです」

2015年当時はリアルの顧客訪問や研修対応が主流。出張当日に子どもが熱を出して行けなくなってしまったときには、講師に泣きながら電話をして代わりの対応を頼み込むことも──

仕事を早く覚えなくてはいけない。産休中の遅れを取り戻したい。早回しで経験を積みたい。でも、できない。そんな焦りとジレンマが募り、復帰1年目は順調だった感覚はない、と振り返ります。

池田 「当時、子どもがよく熱を出しました。仕事で迷惑をかけられない、という気持ちが出てくると、仕事のブレーキを踏むんです。一方で、ブレーキを踏んだら周囲に迷惑をかけるし、アクセルも踏まないといけないときもある。

アクセルを踏んでいるときに子どもが体調を崩すと、子どもに無理をさせているような気持ちにもなりました。子育ても仕事も初めて尽くしの中だったので、加減がわからなかったのです」

仕事と育児とマネジメント。葛藤を経て手に入れたもの

新しい仕事と子育てが同時進行する中、慣れない状況に葛藤を抱えつつも池田は新たな一歩を踏み出します。2016年にはコンサルタントとしての仕事に加え、研修講師としてもデビューを果たしました。

池田 「当時は自分の仕事もままならないのに、講師としての準備の時間をどうやって割いたらいいのか見当もつきませんでした。無意識のうちに、仕事に対しても子育てに対しても、臆病になっていたと思います。

そんなとき、『アクセルを踏んでみないと結果がどうなるかなんてわからないんだし、やってみたらいいじゃん』と、上司が助言してくれたんです。『失敗したらその時に考えたらいいんだよ』と。この言葉によって、母になってから強く縛られていた『失敗したくない・迷惑をかけたくない』という守りの思いから解放されました」

考え方を変えることで活躍の幅を広げてみることにした池田は、2018年にサブリーダーを任されます。そして2019年には、第二子の出産で産休を取得しました。

今は出産を経て復職するコンサルタントも増えていますが、当時は多くなかったなかで、孤独な気持ちを感じたこともありました。

池田 「異動してすぐ子供が生まれたので、皆が東京で集まるイベントなどに参加できず、他のエリアの方々を深く知る機会が最初はなかなか持てませんでした。それで勝手にマイノリティ感を抱いていた時期がありました。ですが、今思えば、自分が輪の真ん中にいると見えていなかったものが肌感覚で理解できた、大切な出来事だったと感じます。

振り返るとこれまでは『自分が何をするか?どうやって周囲の役に立つか?』ばかりに目が向いていました。しかし、子どもができ、新たな役目も得る中で、仲間やお客様に助けられて仕事をしているんだと、与えてもらっているものに目が向くようになりました。

自分には見えていない、気づいていなかったことがたくさんあると気づけたことは、リーダーになっていく上でも貴重な経験だったと思います」

子どもがいることで初めて持った感情は、池田にとって大きな気づきとなったのです。また仕事と子育てを両立する中で、意識の変化もありました。

池田 「二人目の子どもが生まれて、今の仕事にも子育てにも慣れ、少し俯瞰して考えられるようになってからは、自分をよいコンディションに保つことに重点を置くようになりました。

以前は何とか遅れを取り戻そうと焦って、あれこれやろうとしてしまっていたのですが、そういう状態ではいい仕事にならないなと思うようになりました。よいコンディションを保つことが、前向きで正しい判断にもつながるし、結局仲間のため、お客様のため、家族のためであると思うようになったのです」

コンサルタントとしての仕事、育児、そしてマネジメント業務に講師といった新たな挑戦。それらを両立することを、池田はポジティブに捉えています。

池田 「子育てなどと両立しながら仕事をする人にとって、マネジメントの仕事はむしろ挑戦し甲斐があると感じています。リーダーの役割はチーム全体を俯瞰して見ること。一人で行う仕事が少ないため、緊急時も仲間と協力して乗り越えやすくなりました。もちろん助けていただいた分はちゃんと価値を乗せてお返ししたいと強く思います。その気持ちがあるから、また頑張れるという側面もあります」

リモートワークが進む今日においては、子育てをハンデととらえず仕事に挑戦できる環境が以前よりも整い始めています。

池田 「子育てとの両立で思い切り働けないと負い目に感じてしまうこともあるかもしれませんが、私はチャレンジをするように先輩から引っ張ってもらいました。負い目を感じる必要はありません。子育てする人には、ぜひ仕事でもより高みを目指してほしいですね」

失敗を恐れず、チーム全員で新しい一歩を踏み出す

育児の経験は、池田のマネジメントのあり方にも影響を及ぼしています。

池田 「これまではメンバーをサポートしたいと思っていましたが、互いに助け合う関係であると感じるようになりました。2回目の産休に入るときに、先輩だけではなく、私より後に入社したメンバーにも励まされ、助けてもらったことが非常に印象に残っています」

そんな池田にとってのやりがいは、メンバーの成長に立ち会えること。

池田 「入社時からマンツーマンでサポートして、私も助けられながら二人三脚で取り組み、お客様を引き継いだメンバーが何人かいます。そういったメンバーが、この仕事を面白いと感じてくれている瞬間が本当に嬉しいです。

この仕事は非常に奥が深く、価値発揮を実感できるまでには少し時間がかかります。でも、思い入れを持って取り組み、知恵を絞って、お客様と『ああでもない、こうでもない』と話し合う、そんな経験を積み重ねることで、結果も成長もあとから必ずついてきます」

グロービスで歩んできた8年間を振り返り、自身の変化とともに、チームとして、また組織としても大きく進化していると感じています。

池田 「この数年間で、大阪の法人組織は大きく成長したと思います。大手のお客様とより深く経営にかかわる仕事がたくさんできるようになりました。一人ひとりがお客様に深く向き合っていく力は高まってきていると感じています」

一方で、めまぐるしく環境が変わる中、これまでにはなかった課題に直面する機会も増えてきました。たとえば、コロナ禍におけるリーダーの在り方とは。グローバル化を見据えた上で戦えるリーダーとは──。

これまでの定石を疑い、正解がない難題に踏み込む勇気が求められます。

池田 「お客様と話をするときに、『このお悩みには、私は解を持てていないな』と思うことがまだまだあります。これまで経験したことのない一段と難しいテーマに向き合うと、簡単には解決できないかもしれない。

でも、『一緒に試行錯誤しよう』とお客様に思っていただけるのであれば、ためらわずに頭から突っ込み、一緒によい解を探していく覚悟を私は持ちたいです。チームで励まし合いながら、皆でその勇気を持てたら嬉しいですね。新しいことにも挑戦し、手応えを得られるチームを作りたいと思います」

これまでの知見だけでは新しい世界に立ち向かうことはできません。池田は時代の少し先を見据えながら、ありのままの自分を認めてアクセルを踏み、チームの仲間と一段ずつ駆け上っていきます。