20代後半で担ったCFOの役割。逃げ出したくなる毎日の先に得たもの

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私がM&Aに興味を持ったのは、大学時代のことです。経済学部で勉強をしていく中で、ビジネスの世界で好きなことをやりたいと考えて、ファイナンスや財務の仕事にチャレンジしたいと考えました。

M&Aは、当時からニュースで話題になっていましたし、学内で外部のM&A関係者の方が登壇する講座もありました。最初は「簡単に単位が取れるから話を聞いてみよう」という軽い気持ちだったのですが、受講したところ、その奥深さに魅力を感じました。

また、せっかく働くのであれば、会社の規模は問わず自分で意思決定できるポジションに就きたいと考え、マネジメントになるために一番の近道を考えました。そこで「証券会社や事業会社でM&A業務に従事してCFO(最高財務責任者)になる」というイメージを持つようになりました。

大学卒業後は、インターネット広告代理店でM&Aに関わる業務を担当したものの、リーマンショックの煽りを受けて部署が消滅してしまいました。2010年に転職した投資会社では、2年ほどM&Aの業務を手掛けたあと、企業投資や投資先への常勤経営参画による経営再建に取り組みました。

投資先に常勤して事業再生業務に取り組み、20代後半でCFOの役割を担うようになったのですが、大量の業務やタフなネゴシエーションをしなければならず、逃げ出したくなる気持ちになることもしばしばありました。

なにしろそれまで経営企画とM&Aしか経験がなく、初めてコーポレートに関わる仕事を経験したわけですから、当時の私にとってははじめての経験ばかりで辛い時や苦しい時もありました。

でも、今思うと、短期間で勉強と実践を繰り返し行える場を与えてもらえたのだと思います。赤字が大きかった会社を黒字にして、一緒に働いていた人たちから「会社が変わった」という言葉をもらったり、成長した社員の姿を見たりした経験は、私にとって励みであり財産にもなりました。

やはり、会社は人でしか成り立たないと思います。自分が変わって、会社を少しずつ変えていき、結果的に会社がよくなっていく。その中で一緒に変わっていってくれる人がいたら、とても嬉しいと感じました。

若いうちに「自分で決断し、責任を取る」経験を積むことに価値がある

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2010年には投資会社へとフィールドを移し、2016年には同社で取締役に就任しました。その後、2019年からコンサルティングファームの経営企画部長として中期経営計画・予算策定、資本業務提携、社内プロジェクト推進に取り組みました。

しかし、上場企業に籍を置いたものの「もっと自分自身で決断できるポジションで仕事がしたい」と思うようになりました。そうでないと、スピード感の点で満足できなかったり、「自分で仕事をしている」という感覚も持ちにくかったりすると感じたのです。

そこで翌2020年、取締役として株式会社グローバルウェイ(以下、グローバルウェイ)に入社しました。

グローバルウェイ入社当初、「赤字を出している会社を、うまく黒字にのせられるかも」と予測し、期待を抱いていました。赤字を出している会社の場合、それから良くなる可能性があるからこそ自分も成長できますし、仕事がうまくいって実績が積み上がれば見える風景も変わります。

会社を黒字にした上で次の成長のステップに入り、成長を支えられるようなコーポレート部門をつくりたいと考えました。現在は、その想いを胸に、経理・財務・人事・総務などコーポレート機能全般の業務を統括しています。

コーポレート部門の責任者として会社全体を俯瞰して見てみると、グローバルウェイには非常にまじめに仕事に取り組む人材がそろっていると感じます。とくにビジネスアプリケーション事業本部やセールスフォース事業本部は、東証一部上場企業である顧客のニーズを聞いてしっかり結果を出す人材がそろっていますし、ニッチで難しい分野や新しい分野に挑戦しながら成果を出せる人もいます。

大企業で大きな仕事をすることも良いですが、若いうちに自分でいろいろなことを決めて責任をとる経験を積むことも重要だと、私は考えています。

グローバルウェイには、自由度の高い仕事を手掛けたい、何かを生み出したいという考えを持った経営陣がそろっていると感じます。これも、グローバルウェイの大きな魅力のひとつです。

変化の時代を突き進む“第二創業期”に、コーポレート部門が果たす役割

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グローバルウェイは2016年に東京証券取引所マザーズに上場しましたが、新規事業への先行投資の拡大などによって赤字経営となり、現在“第二創業期”として事業改革に取り組んでいる最中です。

新しい経営理念である「“人” と “技術” を新しい時代のために」を掲げ、人事制度・社員文化・福利厚生も見直しを進めています。新しい時代において各方面から信頼を勝ち取るためには、土台作りが大切だからです。

しかし、ただ経営理念を変えるだけでは、人がついてきません。しっかりと理解してもらい、浸透させることまで考えなければなりません。

たとえば、人事領域でいうと、今後の働き方改革に合わせて新しい制度構築やフォローアップをしていくことが必要です。財務経理なら、予算を作って数値管理するという意味でも、経営基盤の強化が必須だと思います。

また、従来は各事業が独立採算となる傾向が強かったのですが、それぞれをうまく連携させ、新しい時代に合わせたサービスソリューションを提供することが、経営理念に沿った展開だと考えています。技術も人も、新しい時代にアジャストできるようにどんどん変わっていくからです。

今の時代、いろいろなものが昔よりも速いペースで変化している一方で、「人」が財産であることは揺るぎません。ですから、信頼関係がベースにあって初めてビジネスが成り立つという考えも大事にしています。顧客や従業員に納得してもらえるものを常に提供していくことが、信頼感を積み上げるために重要なのだと思います。

コーポレート部門の役割は、社内の様々な仕組みを整えたり、社内外のリレーションを改善したりして、信頼関係や経営基盤のベースを築くことです。関係構築にあたっては、様々な制度をつくることも手段のひとつですが、「毎日のやりとり」を大切にすることも重視しています。

相手をリスペクトして話し、ちょっとしたことから軌道修正していく。そういった一つひとつの行動の積み重ねが、信頼関係の醸成につながり、会社の基盤を構築できるのだと考えています。

チャレンジを通して自己成長する人材こそ、組織活性化の源になる

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私自身が描いている3年後、5年後のグローバルウェイの将来像のひとつが、いろいろな人に「グローバルウェイで働きたい」と思ってもらうということです。そのためにも、まずは黒字化してしっかりと利益を出し、アピールできることを整理して伝えていく必要があります。そのためにも、グローバルウェイの良さを伝える機会を増やすことが大切だと捉えています。

今いる社員やこれから入社するメンバーには、「チャレンジして会社を変える」というくらいビッグな思いを持ってもらいたいです。対顧客でも、社内の取り組みでも、チャレンジすることでこそ自己実現が達成できると思います。

グローバルウェイはそういうチャンスがたくさんある会社なので、メンバーになったらぜひ、即チャレンジしてほしいです。会社を変えていけば、新しい仕事や大きな仕事も舞い込んできますし、役職や報酬面でもうまく循環していきます。そうすれば、社員も会社ももっと成長できるはずです。

グローバルウェイで働く仲間には、目指すところややりたいことを見つけ、実現する方法を模索しながら進んでほしいと考えています。目標なしで筋トレをしている人よりも、目標を持って筋トレする人のほうが得られる効果が大きいのと同じで、毎日少しずつでも変えていく努力をする人は、やはり強いと思うのです。

新しいことをして失敗するのは仕方ないことですが、まずはチャレンジしてみなければ、チャンスを無駄にしてしまうことになると思います。

自らチャレンジする文化や環境を社内に根づかせることが、今の私の仕事です。魚釣りにたとえるならば、最初は魚を一緒に釣りながら教える。そして、だんだん自分ひとりで釣れるようにやり方を伝授しながらサポートする。

自分にできることを考え、アイデアを出しながら物事を進めていくことで人は成長していくと思うので、それを実行できるように万全のサポートをしていきたいと考えています。