これまで、株式会社ZOZOのアーキテクトとして、ZOZOTOWNのモダナイゼーションに取り組んできた岡 大勝が、2022年5月より株式会社ギックスの上級執行役員 Chief Technologist 兼 Chief Architectに就任。ギックスの中で、クライアント向けの価値提供および、社内業務の改善のために、テクノロジーを活用する役割を担っています。
ギックス参画に至った経緯、今後成し遂げたいことなどについて、ギックスの代表取締役CEO網野 知博との意見交換の内容をお伝えします。
日本企業をテクノロジーで強くしたい
網野:岡さんとは、知り合ってから、もう10年近く経ちますが、実はもともとの思想の部分が非常に近いなと思っています。
岡:同感です。20年前くらいから考えている「日本の企業の競争力を強くしたい」という想いは、ギックスのめざすところと非常に近い。日本企業が伸び悩む大きな要因のひとつに、システム投資に対する考え方があります。
大きくて重いシステムを、大金を投じて構築しているが、その費用に見合った成果を得られていない企業がとても多いんです。今もその傾向は続いていて、その結果、相対的に日本の国力、国際競争力は、どんどん低下してしまっています。
網野:まさにそうですね。日本企業を強くしたい、世界で戦える強い日本を実現したい、という想いで創業しましたので、とても共感できます。
岡:企業を強くするためには、テクノロジーを最大限に活用することが極めて重要です。テクノロジーで企業・事業をエンパワー(empower)する。今を基準にするなら、コンテナに代表されるいわゆるモダンなテクノロジーを使い、変化に対応できる仕組みを作っていく必要があります。
大切なのは一度作って終わらせないこと。その時点での最善のものを作っても、放っておくと時代遅れになってしまいます。常に、新しいテクノロジーを理解し、その中で、最善のものを選択し、「その時点のベスト」を作る。それを使って事業を運営する中で、また新しいテクノジーが出てきたら、そちらを使うことを検討する。検討さえもしないのは、まっすぐに陳腐化の道をたどることを意味します。
来るべき変化に、対応できるか
網野:このお話は、最初に聞いたときには本当に衝撃を受けました。私の知っている「システム専門家」の見解は「システムは重要。最新テクノロジーは重要。したがって、大きな投資をしてでもお金と時間をかけてしっかり作るべき」というものでした。
しかし、岡さんは「システムは重要。最新テクノロジーは重要。だからこそ、投資額を押さえて機動的に変化する前提で組み立てるべき」と話されていたんです。前半は同じなのに後半が全然違うじゃん!と。
岡:システムというものの成り立ちに起因する部分もあります。もともと、システム部門は「電算室」と呼ばれ、データ処理を行う部隊でした。そこではデータ処理を滞りなく実行することが使命だったため、変化が入る余地が極めて少ないんですね。「定型的な処理」を行い、「定型的な業務」を回す。正確に、着実に、実行することが求められます。
網野:なるほど。
岡:そうなると、新しいことにトライするのは難しい。新しい技術を入れようとすると、既存の仕組みにどんな影響が出るかわからない。滞りなく動いているから今のままでいい。この発想では、設計思想もシステム構築目的も、何もかもが硬直的になってしまいますが、当時はそれでよかった。
しかし時代の変化に伴い、テクノロジーの活用目的が劇的に広がった。「決められたことをきちんとこなす」から「人間の能力を補完する」へ、テクノロジーの担うべき役割が大きく広がったと言えます。
今のテクノロジーを活かした新たなイノベーションが期待される一方で、それが実現できていない。ここを変えていきたい、というのが私の願いですね。
(※ 本記事は2022年5月時点のものとなります )
※ 本記事の続きは、当社HPに掲載しております “テクノロジーこそが、データインフォームド実現の鍵”をご参照ください。
目次
1 日本企業をテクノロジーで強くしたい
2 来るべき変化に、対応できるか
3 テクノロジーを駆使するための準備は整いつつある
4 安く、早く、正確に、を実現する
5 最新テクノロジー➡「早・正確・安」の3拍子揃った仕組み➡データインフォームドな判断
6 ギックスが、テクノロジーで、世界を変える