関心の的は国外から国内へ。解決すべき問題が身近にあると気づいた学生時代
幼少期は、誰とでも仲良く、楽しく、元気よく遊ぶ子どもでした。そんな折、たまたま観たテレビ番組で、子ども兵士の存在を知ります。何不自由なく暮らしていた私にとって、武力紛争に参加させられている子どもたちがいることは大きな衝撃でした。以来、発展途上国の貧困や紛争問題に関心を持ち、厳しい状況下で生きる子どもたちの助けになりたいと思うようになりました。
その思いを温め続け、大学では国際問題について学べる学部へ進学。入学当初から学びの総まとめとなる卒業論文まで、一貫して子ども兵士について調査・考察しました。
大学3年の夏には、難民キャンプなどを訪れる目的でアフリカ渡航を計画。ゼミの仲間4人でアフリカを訪れ紛争問題の実態について学ぶ予定でした。
ところが、思わぬアクシデントに見舞われます。体調を崩し、行きのフライトに乗車したものの離陸する前に降りることになり、結局私ひとりがアフリカへ行くことができませんでした。
実行しようとして実現できなかったことは、これが初めてだったかもしれません。それまでずっと国外に目を向け続け、そこが自分の活躍する場所だと疑わずに突っ走ってきましたが、この挫折ともいえる経験を機に、「夢を叶えられないかもしれない」と不安を感じるようになりました。そこで「私が本当にやりたいことってなんだろう」という問いを、もう一度自身に投げかけてみたんです。
思い返してみれば、大学の授業では、国外だけでなく国内にあるさまざまな社会問題も取り扱っていました。その中には、日本の子どもの貧困問題ももちろん含まれます。少なからず衝撃を受けていたはずですが、使命感のようなものを持って国外の事例に取り組んでいた私の関心を引くことはありませんでした。
アフリカ渡航を断念したことがきっかけで、大きな夢を追いかけていた自分を冷静に見つめ直すことができたと思っています。それ以来、身近なことがらにも目を向けるようになり、興味の幅が大きく広がっていきました。
迷走した先でたどり着いた、“本当にやりたいこと”ができる場所
「私が本当にやりたいことってなんだろう」という問いになかなか答えが出せず、就職活動中はとても苦労しました。私が就職活動の軸にしていたことはふたつ。
ひとつは、自分の存在そのものが価値になるような仕事に就くこと。有形のものを売ることにあまり興味が持てず、誰かの幸せにつながるような無形サービスを自分の力で売りたいという思いがありました。
もうひとつは、誰かの生活の質を上げられるような仕事に就くこと。困っている人の生活にじかに関わり、それを解決するお手伝いがしたいと考えていました。
最初は大手企業を中心にエントリーし、ありがたいことに内定をいただいた企業もありました。ところが、それらの会社で自分がやりたいことができるとはどうしても思えず……。いざ入社を決めるという段になって、すべてお断りしたんです。
就職活動のふりだしに戻り、もう一度自分と向き合う中で、“社会的弱者”というキーワードにたどり着きます。就職活動を再開して出会ったのが、ゼネラルパートナーズでした。
はじめに惹かれたのは、「やってみよう、楽しもう」というキャッチフレーズ。額面通り受け取って、率直に「楽しそう!」と思ったのを覚えています。また、GPは主要事業である障がい者雇用以外にも、シングルマザーやLGBTQなど、さまざまな社会問題を手がけていて、幅広い事業を行っていることにも魅力を感じました。
面接ではとても良い印象を受けました。他社の面接では、一問一答式で淡々と進んでいく印象がありましたが、GPは違っていて。「そうなんですね。じゃあこうなんですか?」という具合に、私という人間にとても関心を持ってくれているように感じました。
ベンチャー企業などからも内定をいただいていた中、GPに入社する決め手となったのは、社長面接でした。社長の進藤は横柄なところがまるでなく、とても話しやすくて。「私もこんな大人になりたい、こんな人が社長をしている会社で働いたら楽しそう」と思い、入社を決意しました。
2022年3月現在はコンサルティングセールス室に所属し、企業と求職者をつなぐ、いわゆる法人営業をしています。具体的には、障がい者雇用に関する課題を企業にヒアリングし、共に解決できるようサポートする仕事です。中には障がい者雇用について誤解していたり、積極的ではなかったりする企業もあり、コンサルティングの過程でその意識を変え、雇用につなげていく。その点が仕事の一番難しいところであり、やりがいを感じるところでもありますね。
企業に一途に寄り添い、業界全体にも目配りできるビジネスパーソンでいたい
学生のころ、社会人の先輩から「社会人は大変」「学生に戻りたい」という声をたくさん聞きました。自分も社会人になったら同じように思うのかなと不安でしたが、今は毎日がとても楽しいです。職場の雰囲気がとても良く、先輩方も可愛がってくれて、入社して約1年が経った今、GPへの思いは、入社時と変わっていません。
仕事も充実しています。たとえば、障がい者雇用に積極的ではなかった企業を担当したときのことです。障がい者雇用について、丁寧に情報提供したところ、「競合他社さんと比較してサービスを導入するか検討します」とお答えをいただきました。その後、「きちんとフォローしながら話をしてくれた」と評価いただき、受注につながったんです。企業に一途に寄り添い、要望をかなえながら結果が出せたときは格別の気分になります。
先輩たちの働く姿から学ぶ中で、最近は“企業と求職者の方にとって最適な雇用の糸口を見出すこと”を心がけるようになりました。まだ採用は考えていないけれど情報がほしいとフワッと相談のあった企業との打ち合わせに同席したところ、先輩は必要な情報を出し惜しみせずに提供していて。理由を聞いたところ、「そうやって企業のためになることを続けるうちに、困ったことがあればGPを頼ってもらえるようになればそれでいい」と言うのです。
無理にサービス受注を行い雇用をあっせんするのではなく、本当に企業が受け入れ可能な状態になるまで寄り添い、求職者が入社後も配慮を受けながら活躍できる土壌作りを行い、企業が障がい者雇用を行ってよかったなと思ってもらいたいです。
また、競合他社とGPのサービスを併用する企業に対して先輩は、「他社サービスも同時に使用してもらっても構いません」と言うんです。最初は理解できませんでしたが、そうすることで障がい者雇用全体が活発になること、そして他社サービスと併用して利用しても、GPの丁寧なフォローや障がい者雇用全体に対するノウハウ等の自社サービスに自信があることを知って、心を打たれました。
目先の受注や売上にとらわれず長期的視野に立ち、企業はもちろん業界全体のことも考えながら行動する。そんなビジネスパーソンになりたいです。
GPの一員として社会問題の解決に取り組み、社会にもビジネスにも貢献したい
今、一番大切にしているのは、“感謝の気持ちを絶対に忘れない”ということ。そうすることで、私と接するすべての人が、不快な思いをすることなく、ポジティブな気持ちになってくれたらいいなと思います。相手の立場に立って考え、対話し、行動することができれば、おのずと自分の中に感謝の気持ちが芽生えてくると考えています。
今の目標は、社会貢献とビジネスの両面でGPに貢献することです。社会貢献の面では、企業が障がいのある方に対して抱いている誤った先入観を少しでも取り除くためのお手伝いをしたいです。
以前、ある企業が障がい者に対する偏見を口にしたことがあったんです。ところが、私はそれをうっかり聞き流してしまって。そのとき先輩から「障がいのある方への認識を変えるのがGPの使命。決してそこをスルーしちゃいけない」と指摘されました。障がい者に対する偏見のない社会の実現に向けて、まずは私自身が障がいのある方についての知識を深めなくてはいけないと思っています。
ビジネスの面では、ソーシャルビジネスへの理解を深め、会社の発展に寄与したいという思いがあります。GPは慈善事業でもNPOでもなく、事業収益による社会問題の解決を目指してビジネスを展開する企業です。その一員として、一人前の営業職と周囲から認めてもらえるよう商談のスキルも磨いていきたいですね。