ひとり法務担当として事業をサポート。大切なのは相談しやすい環境づくり

私はゼネラルパートナーズ(以下、GP)のコーポレート本部経営推進室法務グループに所属し、法務担当として社内規程の整備や契約書のチェックなどをしています。

GPは、社会問題の解決を起点に事業を創造しています。中でも主となるのが、「atGP(アットジーピー)」という、発達障がい、うつ症状、難病者など、障がいのある方を対象とした就職・転職サービスです。人材紹介のエージェントサービスという形で、障がいのある方の雇用支援をしています。

日常業務の中で一番大きなウエイトを占めているのは、契約審査業務です。自社サービスに沿った各種ひな型の整備や、取引先企業との契約締結に向けて、契約書面のドラフト、リーガルチェック、修正交渉などを行います。実際に交渉の前面に出るのは法人営業担当者なので、事業部の協力が不可欠です。

GPのサービスをご利用いただいている個人のお客様から法的な問い合わせや個人情報の取り扱いに関する問い合わせがあった時は、法律の専門家として対応しています。

また、法人・個人を問わず、お客様からのご意見やご要望に対応する文書等を作成するケースもあります。トラブルに発展しそうなケースでは迅速に対応することが必要なので、同僚から幅広く・気軽に相談してもらえる環境づくりが大切です。

そのほか、新入社員研修、個人情報保護に関する研修、マネージャー研修の企画・実施などを担当しているほか、マニュアルやルールブックといった社内規程を整備することも重要な仕事です。

2021年6月現在、法務は私ひとりが担っています。いわば「ひとり法務」です。今は、契約書作成や法律的な相談などはすべて私が対応しています。弁護士資格を持つ専門家が法令にのっとった回答ができるので、社内でも気軽に法律的内容を確認できる体制が整いつつあります。まだ完全とは言い切れませんが、アップデートして改善を進めているところです。

正義もワークライフバランスも叶えたい──事業と環境に惹かれてGPへ

▲司法修習生の頃、ロースクールで一緒に勉強会をしていたメンバーと沖縄へ

私が最初に弁護士を志したのは、中学2年生の時です。中高一貫の女子校に通っていたので高校受験がなく、中学に入学した後の目標は大学受験でした。当時、学校のホームルームのテーマとして「進路を考える」というものがあり、将来どういった仕事に就きたいか考える時間がありました。

私はもともと、説明されないと納得できない、納得できないと従えない、という性格で。文系だったことやロジックで物事を詰めていく部分が面白そうだなと思い、法学部を目指すことに決めました。職場体験で弁護士事務所に行ったことで、弁護士さんから直接仕事内容を聞くことができて、さらに弁護士という職業に興味を持ちました。そこから、法学部に入るために本気で勉強を始めました。

弁護士資格を取得した当初は、企業で働くことは考えていませんでした。離婚や相続といった誰しもが直面し得る問題を解決したり、訴訟対応をしたりする「ザ・弁護士」に憧れていたので、まずは小規模な弁護士事務所へ入所しました。弁護士登録から3年ほど経った頃、改めて自分のキャリアを考え直すようになり、いつかは独立し経営者にならなければならない事務所弁護士としての将来にイメージが持てず、企業の中で働く(インハウスローヤー)という選択肢を考えるようになりました。

それで企業への転職活動を開始したんですが、そのころ偶然ボランティアとして参加していたNPO団体で、一緒に活動していた友人にその話をしたところ「うちに来ませんか?」と誘われました。その会社がGPだったのです。

企業に転職する際に軸として大切にしていることとして「自分が思う正義にかなう仕事がしたい」という想いがあります。企業法務の分野では、金額の大きな案件やM&A、渉外事案などがまず頭に浮かぶかもしれません。

そういった華やかな分野への憧れがないわけではありませんが、それ以上に、自分が携わる仕事の一つひとつが世の中のためになる、自分が考える正義につながっている、と誇りを感じられる場所で働きたい気持ちが強かったんです。

実は、GPと並行して内定をいただいた企業がありました。GPを選んだ決め手は、知り合いがいたことと、面接でお会いした役員のみなさんがフランクで、会社の自由度が非常に高いなと感じたからでした。

私はもともと体力的に頑丈ではなかったこともあり、ワークライフバランスを保ちながら仕事をしたいと考えていました。フルフレックス制度があるGPは自分のペースで働けるのでその部分もとても魅力的でした。

障がい者雇用に向き合うスタッフの法的な後ろ盾に──必要なのは想像力

▲GPの仲間とオンラインランチ会

GPに入社してみると、そこには私の知らない世界が広がっていました。実際に仕事をしてみて「障がい者の就職は差別の問題とは切っても切り離せない」のだと強く感じることがあります。社会の側の理解不足や思い込みが雇用の場面でも現れていて、障がい者の方にとって超えることの難しいハードルが見えてくることも多いです。

法務は法律の条文から出発して、裁判例や文献をもとに思考を重ねていくことが仕事です。事業部での経験がない私が、法律の専門家として、事業部やお客様の役に立つためには、想像力を働かせ続けることが大切だと思います。

障がい者の就職にあたっては、障がい者の就職・転職に精通したキャリア事業部のメンバーが、登録された方の転職相談を通して求人企業とマッチングさせます。GPのキャリア事業部のメンバーは、障がい者雇用にかける想いが非常に強く「もっと世の中を良くしたい」「世の中を平等にしたい」という想いを持って働いている人が多いです。そんなメンバーが抱える悩みに対して、法的な後ろ盾として解決策を提示することで、役に立ちたいと考えながら仕事をしています。

「梅本さんが入ってくれて助かったよ」と言ってもらえた時は、GPに入社してよかったと思う瞬間の一つですね。会社と弁護士の関係といえば、「顧問弁護士」という立場が一般的ですが、事業部の若手スタッフが日々直接連絡を取って詳細な質問をすることは正直難しいと思います。だからこそ、弁護士資格を持っている人間が社内にいることの意義を肌で感じます。「聞けてよかったです」「いつも気軽に質問ができて助かります」と言ってもらえると、また頑張ろうという想いが沸いてきます。

私自身は、障がい者雇用や障がい者福祉に関する知識があって入社したわけではありません。なので、GPで就職先を探している障がいのある方たちが今どんなことで困っているのか、法務として各部署にどんなアドバイスが出来るのか、などの想像力を働かせるためにも、情報をこまめにチェックするようにしています。プレスリリースやSNSなどを見ると、日々世の中に発信されている一般的なニュースだけでは気づかないこともたくさん書かれています。社内で他のメンバーが行っている情報発信も貴重な情報源です。常にアンテナを張っていたら、入社するまで知らなかったような情報に目が行くようになってきました。

また、企業の事業活動にかかわる法令は幅広く、度々改正されますので、法律の勉強も怠っていません。例えば、個人情報保護法は3年ごとに改正されます。最新の法制度を知っておかなければトラブルにもなりかねません。そうした法改正も常にキャッチアップし、情報をアップデートすることが重要です。司法試験に合格しただけでは法務の仕事はつとまらないなと実感しています。

熱い想いを持つ仲間が「安心して全力投球できる環境」を目指して

GPの今の課題は、個人情報の取り扱いやコンプライアンスについてのさらなるアップデートです。

取引先企業からも、高いセキュリティ条件を求められることが増えています。そこで、情報セキュリティ部門の同僚とともに、社内のルールの整備や取り扱いの標準化について、2020年度から重点的な取り組みを始めています。そういった社内ルールの整備は、非常に大切ですが、その分手間もかかります。私が持っている知識と情報セキュリティ部門の専門知識とを合わせて、土台固めを進めているところです。

「ゼネラルパートナーズ」という社名は「広まっていく」を意味する「General」と「仲間たち」を意味する「Partners」を合わせた造語です。社名の通り、スタッフが自由自在に組み合いながら成長し続けていく社風だと感じています。私が行っている業務は、いわゆる裏方業務ですが、他の部門の仲間たちを通じて社会全体に貢献できるものと信じていますので、プライドを持って仕事をしています。

GPのビジョンは「誰もが自分らしくワクワクする人生」です。何でもやってみよう、という気持ちで、当社に関わる一人ひとりが新しいチャレンジを続けています。障がい者雇用だけでなく、うつ病、LGBT、不登校、ひきこもり、難病、働く女性、高齢者など、不自由を感じる人の役に立ちたい、という熱い想いを持っている同僚を間近で見ながらサポートできることに、非常に喜びを感じます。

法務担当は裏方ではありますが、自分がサポートしている仲間は、信念を持って働いている人ばかり。そういうメンバーの法的な後ろ盾として関われるのはうれしい限りですね。