2022年5月に社内同好会制度「Collabo」が立ち上がりました。現在、17団体が登録し、活発に活動を行っています。制度がはじまって得られた思いがけない効果とは。同好会の設立に至った経緯や取り組みについて、運営に携わるコーポレート部門人事企画室の宇治川 聡子が語ります。
社員同士のコラボレーションを促進する、GPの「同好会制度」とは
▲各同好会の活動写真、案内などを一部ご紹介
大きな枠組みとして、趣味の集まりの場としての「同好会」、興味のある分野についての学ぶ場としての「勉強会」、ゼネラルパートナーズ(以下、GP)の事業の発展や創出に寄与する勉強会である「シードラボ」の3つに分かれています。現在は17団体が登録されていて、同好会が10で、勉強会が4、シードラボが3団体になりました。
申請の条件は、参加者が3人以上集まること。社員の交流を主目的としているため、部署などの縛りはなく、自由参加が基本的なルールです。同好会であればとくに審査はありませんが、勉強会やシードラボは社員の自律学習や事業創発を促進する活動であり、業務時間内の活動や会議室の使用も考えられるので、活動の目的や継続性などを審査しています。
同好会の中でももっとも大きいのがゲーム部で、部員は約30名。ほかにもゴルフや登山などのスポーツ系、漫画やアニメなどのカルチャー系、ワインや激辛などのグルメ系、変わったところではガチャガチャ愛好会というのもあります。
シードラボでは、障がいのある方についての学び合い・理解を深める団体が最初に活動を始め、現在は手話部や難病のある方の就労について考える団体も設立されました。それに対して、勉強会はGPの事業に直接的な関わりがなくても、とにかく勉強したいというテーマを取り上げています。
たとえば、制度開始後すぐに登録してくれて、活発に活動しているのがジェンダーに関する勉強会です。GPは、事業としては障がい者の就労支援を行っていますが、「誰もが自分らしくワクワクする人生」というビジョンを掲げるからにはジェンダーも重要な問題なので、とても意味のある勉強会だと考えています。彼ら、彼女らは社内勉強会も開催してくれて、その内容を社員向けのE-Learning教材として活用させてもらっています。
新しく同好会の登録があると、全社チャットで告知するほか、月次ミーティングでは新規登録団体にPRの時間を設けています。昨年、バーチャルオフィス上で開催した全社キックオフミーティングで各団体にそれぞれ1~2分の紹介を行ってもらったところ、どの団体も個性があっておもしろくて。チャットが大盛り上がりでした。以前は新人社員の自己紹介で趣味の話をしても、聞くだけで終わっていましたが、今ではすぐに関連の同好会から勧誘の声がかかるような状況です。
運営の煩雑な部分は事務局が担い、社員は活動を楽しんでほしい
▲同好会からは続々と活動報告が上がります
同好会の設立のきっかけとなったのは、コロナ禍でのリモートワークによるコミュニケーションの希薄化です。GPではコロナ禍以前からリモートワークはできる環境だったため、業務にはほとんど影響がなかったものの、雑談がしづらくなり、他の部署の人と交流する機会も少なくなってしまいました。この問題を解消し、社内のコミュニケーションを活性化させることをめざして同好会の設立が決定されたのです。
実は、これまでにもGPの「やってみよう楽しもう」というカルチャーを実現するために、総務・人事・広報がさまざまな取り組みを行っていました。社員にとったアンケートでも、「部活動をやりたい」という意見が出ていたのですが、具体的な企画は進んでいなかったため、それに着手してみようと考えたのです。
そして、私が企画を進めたことから、その後も事務局の役割を担うことになりました。福利厚生の側面もあるため、広報や運営の窓口は人事企画室の私が担当し、キックオフの際には広報部が場所を提供してくれたり、経理部と協力して予算の使い方に関するルールを作ってもらったりして、コーポレート部門を横断して運営を行っています。
最初は、同好会として発足する見込みがある団体がどれくらいあるかリサーチすることから始めました。実は、同好会制度の導入前から、障がいのある方について考える勉強会などの自主的な活動が存在していたんです。そういった活動の参加者数や活動内容を調査した結果、制度を導入すれば5つほどの同好会はすぐに立ち上がるだろうと確信しました。
しかし、同好会を立ち上げてもらうためには、会社がどのようにサポートするか考えておかなければなりません。社員にはあまり見せないようにしていますが、運営の裏側には人事労務や経理の観点で複雑な要素が絡んでいます。
実は、事務局側はけっこう大変なんです。ですが、要望が出てきたら事務局がその都度対応し、解決策を考える覚悟で運営しています。もっとも重要なのは、「やってみよう楽しもう」という社員の気持ちを活性化させる枠組みを提供すること。それによって、社内のコミュニケーションが活発化し、社員たちがより充実した職場環境を築けることを願っています。
活動により、業務では見えなかった社員の新たな側面を発見
▲ランチタイム勉強会の様子(バーチャルオフィスで手話勉強会を開催)
今では、団体のメンバー数に応じて活動費を出していますが、これは後になって追加された仕組みです。お金が絡むと運営が格段と複雑になりますし、会社のお金というのは、お客様からいただいた対価なので、趣味の要素も含まれる活動にそれを使うのは適切なのかという不安もあったのです。
ある日、社長から「同窓会の取り組みは良いと思うが、現状では広がりに限りがある。何らかの援助をしたらどうか」と提案を受けました。背中を押してもらえたと感じて、「やります」と返答した上で、それならぜひ社長にも同好会に参加してほしいと伝えたんです。そこから経理などの助言を得て、活動費の制度をプラスしました。
もちろん、社長も有言実行で、ゴルフ部の活動に参加してくれました。メンバーには入社1年目の社員もいて、社長と社員が一緒に並ぶ楽しげな写真が活動レポートとして社内で共有されてきたときは嬉しかったです。同好会の活動を会社が応援しているというメッセージが社員にしっかりと伝わって、この頃から登録団体数も増えました。
同好会の導入によって、さまざまなプラスの効果がありました。社員同士のつながりとしては、業務の上下関係が同好会内ではフラットになるという新たな関係性が築けています。対外的に会社の雰囲気を伝える際に、「和気あいあいとした会社です」という文言を見かけますが、同好会活動はまさしく和気あいあいとした雰囲気です。
思いもよらない効果もありました。仕事の中では見えていなかった社員の新たな側面が見えたんです。月次ミーティングでの同好会紹介をお願いしたところ、資料作成やプレゼンテーションのスキルが優れている人がいたり、活動の様子をYouTubeで配信してくれる人もいたりするなど、驚くような才能が発揮されることもありました。
正式に入部していなくても参加できるランチタイム勉強会も行われています。スケジュールを事前に告知すると、バーチャル空間に社員のアイコンがたくさん集まってくるので、社員の関心や意欲の強さを感じますね。このような自由参加の取り組みは、事務局側としても機会を増やしていくつもりです。
同好会活動の効果が、なんらかのかたちでお客様に還元される将来をめざして
▲社長も参加したゴルフ部の記念写真
各同好会には、活動レポートを全社チャットに上げるようにお願いしています。ゴルフ部の写真をはじめ、登山部の山頂での集合写真など、本当に楽しそうな写真が共有されているので、社員同士のつながりに貢献できていると実感しています。もちろん、同好会は自由意志による活動なので、社員全員が参加しているわけではありません。参加の状況にも、GPの自由な社風が現れていると思います。
このような活動がなんらかのかたちでお客様に還元されることが、事務局としての最終的な目標です。趣味を通じてお互いを知ることで、仕事がより円滑に進み、生産性が向上する可能性があるはず。また、集まる機会があれば、趣味の話だけでなく仕事の話題にも触れることもあると思います。部門を超えたリラックスした集まりで会社や仕事に対する考えを共有し合うことで、新たな視点や異なる考え方を得ることができるのではないでしょうか。
その結果、新しいアイデアが生まれ、よりGPらしい価値提供がお客様に実現できたらすごくいいですよね。この制度が「やってみよう楽しもう」という組織文化の土台となり、そうした志を持つ人々がますます集まる会社になることを期待しています。GPのクレドのひとつに「挑戦・成長し続ける個人×多種多様なチーム」がありますが、同好会活動を通じてその理念を体現できるはずです。
私たち事務局としては、この制度を引き続き大切に育てていきたいと思います。そして、同好会に参加する社員の意欲と熱意が、GPのより大きな魅力につながると信じています。
※ 記載内容は2023年7月時点のものです