2013年、より質の高いサービス提供のために組織変更を決断
私の所属するIT人材事業本部では、フリーランスとして活躍している経験豊富なエンジニアと、技術力を求めている企業を案件ベースでマッチングしています。ギークスにご登録頂いているフリーランスエンジニアへ、希望に応じて最適な案件をご紹介するというもの。現在では約9,000名のフリーランスエンジニアにご登録いただいています。
ギークスのIT人材事業の特徴は、その手厚いサポート体制です。ひとつの案件に対してクライアント企業の窓口となる営業部、エンジニアへのコンサルティングを行うエンジニアパートナー部、ご契約中のエンジニアへの様々なケアを行うカスタマーサポート部からそれぞれ1名ずつ、計3名体制でサポートしています。
このように、現在では3つの部門が連携しながら動いていますが、実は2013年以前は、これらの工程を全て1名で行う体制でした。
なぜ、3名体制に変更したのか? それは、私たちの手がける事業には、エンジニアの希望を叶えるミッションと、クライアント企業の希望を叶えるミッション、ふたつの側面を持っているからです。
エンジニアと、クライアント企業のどちらの希望も叶えることが、ギークスの理想です。しかし、この業務を1人の人間で担当すると業務に忙殺されがちです。これでは私たちのミッションを達成することは難しくなる……。
「利益ばかりを追求するのではなく、クライアント、そしてエンジニアの幸せを追い求める会社になろう」という思いから、現在の体制に移行しました。
具体的な流れとしては、まずはエンジニアパートナー部の担当が、登録して頂いたフリーランスエンジニアに要望を伺ったうえ、営業部の担当と連携して案件をご紹介。クライアントの要望に合った方であればマッチングが成立します。その後、企業との契約を締結するところから、私が管轄するカスタマーサポート部の仕事がはじまります。
カスタマーサポート部では案件に携わるエンジニアが、安心して日々の業務に集中できるように、契約締結までのフォローや、契約締結後に業務を進行するうえでのサポートを行っています。
相手にとって、ちょうどいい距離感にいるカスタマーサポート
ひとつの案件につき、3名で対応する体制に変更してから、カスタマーサポート担当は、エンジニアの専任担当として、これまで以上に深く対話することができるようになりました。現在カスタマーサポート部で働いている渋谷も、体制が変わってから良い変化が起きたことを感じています。
渋谷「体制変更後は、自分の役割が明確になったことで、全員が『エンジニアの人生をより良くしていこう』という意識が強くなりました。もちろんエンジニアとの対話量も増えましたね」
特に増えたのが、契約締結後、つまり実際に現場にエンジニアが入った後のコミュニケーションです。些細なことでも連絡を取り合い、今後のキャリアプランなどお仕事について話し合うのはもちろん、ときには、一緒に飲んでは趣味の話で盛り上がったりすることもあります。実は、一緒にバンドを結成したり、フットサルチームを組んだりするメンバーまでいます。公私にわたるコミュニケーションを重ねることで、渋谷はエンジニアの価値観に向き合い、信頼関係を築いてくれています。
業務面でのコミュニケーションはもちろん、ギークスが最も大切にしているのは、“ヒト”と“ヒト”としての関係性。仕事以外のことでも、相手を理解することで、仕事にも良い影響があります。渋谷も常にその点を意識し、担当するエンジニアと接しているそうです。
渋谷「エンジニア一人ひとりと、“ちょうどいい距離感にいる存在”であるように心がけています。腹を割って話したいという方とは徹底的に話し合い、そうではないという方には、その方が心地よく感じる距離感を保ちます」
このように、“ちょうどいい距離感にいる存在”でいられるメンバーが多いこともギークスの強み。渋谷の場合は、ヒトに応じた距離感の取り方を学生時代のアルバイトで身につけたそうです。
渋谷「学生時代にバーテンダーのアルバイトをしていました。バーにはお酒を飲みたい、雰囲気を楽しみたい、バーテンとの会話を楽しみたいなど、皆、様々な目的をもっていらっしゃいます。そんな彼らの希望を、やりとりや注文の仕方などから推測し、心地よく過ごせるようにする……。そこで学んだことが、今の仕事に大きく役立っているのかもしれません」
エンジニアの期待に応えたいから、本気で向き合う
皆、様々な目的をもっているーーそれは、ギークスの門を叩いてくれるエンジニアも同じこと。渋谷は、カスタマーサポートという仕事の醍醐味は、その方が何を求めているのか汲み取り、フォローの中でそれを実現していくことだと感じています。
渋谷「ありがとう」と言われることや、誰かのお役に立てる、ということはやはり嬉しいですね。カスタマーサポートの仕事を通じてエンジニアの期待に応えられるよう、本気で向き合っています」
渋谷のその真摯な姿勢は、私の目から見ても明らかです。
たとえば、渋谷が担当していたエンジニアが、業務系システムの開発に携わっていたときのこと。渋谷はその方が本当に得意とすることが何かを見抜き、ウェブ・アプリ系へのスキルチェンジを薦めて案件サポートを行いました。その結果、そのエンジニアはこれまで以上にパフォーマンスを上げることができ、クライアントにも高い評価を受けています。
さらには、仕事探し以外でもエンジニア個人で企画しているサービスにまで「もっとこうした方がやりたいことを実現できるのではないか」などアドバイスして、新たな道を一緒に切り開いたことも。
渋谷「その方が、どうやって夢に向かって進むことができるのか、壁打ち相手になり、一緒に道を拓いて行くのが僕の役目。あなたならきっとこういうことができる。こういう視点を持つと絶対いいものができますよ。と、一緒に話をしながら、夢や将来像をブラッシュアップしていきました」
このような“二人三脚”のサポートが、エンジニアからの信頼につながります。なんとその方から、「渋谷さんにならお任せできます」と、新たにご友人エンジニアを10名以上もご紹介頂けたのです。
エンジニアから寄せられるこの信頼こそが、私たちカスタマーサポート部にとって最高の“対価”であり、ギークスを信じてくれるクライアント企業への提供価値となっています。
“点”のお付き合いと“線”の動きを繋いで、“面”のカスタマーサポートを
現在、私たちギークスでは、フリーランスエンジニアの方々にこれまで以上に満足頂けるような、より良い“仕組み”を強化しています。これは、渋谷が行ってくれているような“ヒト”対“ヒト”のコミュニケーションを最大限に生かすためのもの。
どれだけオンライン上でコミュニケーションをとれるようになっても、対面でのお互いの距離を縮め、信頼関係を築くことは欠かせません。だからこそ、私たちカスタマーサポート部は、月1回は担当しているエンジニアの方と仕事の話から雑談まで、直接会って対話することを大切にしています。
また、このクラウドエンジニアリング事業を行うにあたって忘れてはいけないのが、クライアント企業、フリーランスエンジニア、そして私たちギークスの3者が、ともに幸せになること。
渋谷「ギークスの事業は、いわば『WIN-WIN-WIN』の関係性を築くもの。誰か1人だけが幸せになるのではなく、3者を幸せにするという本質から外れてはいけないのです」
このようなWIN-WIN-WINの関係性を築くために、チーム全体で意識していることが情報共有の徹底。週1回のチームMTGでは、各自が感じている課題を持ち寄り、解決した情報を一元化しています。そうすることで、仮に担当者が変わっても、同じ価値を提供できる“仕組み”となるのです。
渋谷「クライアント企業にしても、エンジニアさんにしても、伝えるべきことはすぐに伝える。ギークスは何事にも常にスピードと誠意を持った対応を意識する文化が定着しています。だからこそ、情報の共有を重要視しています」
これから私たちが目指すのは“面”のサポート。フリーランスエンジニアの方に対して、案件ベースでの“点”のお付き合いだけでなく、キャリアプランを一緒に考えていく“線”の動き、そして交流会などを通じてフリーランスエンジニア同士のつながりを強化することで“面”になると考えています。
渋谷「ノウハウを共有しあってお互いを高め合うために、フリーランスエンジニア同士、横の繋がりも大事だと感じています。個人で活動していると交流会などを開催するのはなかなか難しいと思いますので、そういう機会を僕らが提供して、フリーランスエンジニアのコミュニティを盛り上げていけたら」
日本にフリーランスという新しい働き方を普及させるーーギークスがクラウドエンジニアリング事業をはじめるにあたって掲げた約束を、私たちは“面”のサポートによって果たしていきます。