前例はないけれど、やるしかない──プロジェクト発足

▲インタビューもZoomで行いました

ビジョンとして「4方よしを追求し続け世界中と関係性を広げ深める」を掲げているギャプライズ。新型コロナの流行を機に、新たなワークスタイル方針を設定しました。実施と浸透に取り組んでいたのが管理部 部長の土井愛己、業務推進担当である工藤寛子、人事担当の並木未来です。

土井 「緊急事態宣言中は私を含めて数名しか出社しておらず、今までの『みんなが出社する前提の制度』が完全に崩れ去りました。ただ、その前提が崩れてくれたおかげで思考の自由度が上がったんです。

もともと『日本最高のバックオフィス』をスローガンとして抱えていましたし、それなら『できることはなんでもやろう』と思うに至りました。私は管理部長という立場だったこともあり全体統括や青写真をつくる担当となりました」

並木 「私の担当は人事なので、各種人事制度、それに関連する具体的ルールの作成および運用を担当しました」

工藤 「土井のフォロー役や、全般的なチェック、Zoomなどのシステム関係の導入に至るまでの、候補出しからルールづくりまで行いました」

こうしてプロジェクトは発足。しかし、それとは別に通常の業務も行わなければなりません。当然のことながら、不安が付きまといます。

土井 「業務的には結構しんどかったです。とくに、ワークスタイル改革の第一弾となるリモートワークは、新型コロナ対策の一環というもあり、早急に立ち上げないといけませんでした。他の新型コロナ対策もセットで実質1営業日くらいでルールや資料をつくって全社展開しました。

不安は相当ありましたね。当然はじめてのことでしたし、他社事例もそれほど豊富にあったわけではないので、正解がはっきりわからなかったので」

工藤 「事例がたとえあったとしてもそれがすべて成功したかといえばそうでもないですしね。前例がない中会社にフィットするやりかたを考えるのは非常に大変でした」

並木 「とにかくスピードと正確性、現場に負荷がかからないものをつくろうと考えていました。ただ、方向性が以前から自分がやりたいものと一致していたので不思議とストレスは感じませんでした。不安はありましたが、いつかやりたいと思っていたことの実行が早まったことへの喜びも大きかったです」

改革にともなう苦労は、社内の風土が埋めた

▲弊社もリモートに切り替えたため、日中のオフィス出社率は30%以下を保っている

ワークスタイル改革の取り組みが始まっていく中で、それぞれが感じていた課題とは──

土井 「人的リソースの不足が何よりの課題でした。弊社はベンチャーで人数が限られています。しかし制度を変えるためには、何をするにしてもやらなければならない手続きが多数あるので、それを少人数かつ短時間でやらなければならないのが大変でした」

工藤 「固定観念を取り払うのにも苦労しましたね。大前提として会社に来なくてもできるという状態は過去なかったので、一回も会社にこなくてもできるフローの構築、取り組み方法が必要でした」

土井 「固定観念という意味では、とくに捺印はオンライン上でやるという文化がありませんでした。しかし、有事の環境だからこそ他社も協力してできるようになっていきました。電子契約も徐々に市民権を得ていきましたしね。リモートワークや電子契約前提で世の中が動いていった気がしています」

並木 「スピード優先なので、システムの刷新をしている時間がなく、今使っているシステムで、とりあえず運用しないといけない点が大変でした。限られた選択肢で、というところが例えるなら冷蔵庫にあるもので料理する、のような状況でした」

しかし、そのような不安とは裏腹に、プロジェクトは円滑に進んだと言います。

土井 「並木の尽力と社員のみなさんのご理解・ご協力の賜物ですね。本当に新規施策がやりやすい土壌だと思います。とくに手当系の話は検討から1カ月程度で導入できたのは非常にスムーズでした。

導入後も環境整備手当で購入したモニター、チェアを報告する社内グループが盛り上がりをみせて、みんな喜んで活用をしてもらえたなって思います」

並木 「現場に負担がなるべくかからないしくみにする点は最も気を付けた点です。あくまで事業を遂行する上でより仕事のしやすい環境をつくっていくことがわれわれの役目なので、手間が増えるものだと本末転倒ですから」

工藤 「方針に対して会社全体が、素直に受け止めてくれたのもスピード感を持って取り組めた理由のひとつとして挙げられます。そのおかげで、トライアル&エラーを繰り返して修正するような進め方ができましたから。

これまでも風通しの良さスピード感は感じていましたが、コロナでよりそれが顕著に現れた気がします。みんなにわかりやすいルールをつくろうと一致団結できたのがプロジェクトの促進につながりました」

得られた好感触。そして浮き彫りになる課題

▲環境整備手当で購入したものを報告する社内グループ

社内の協力もありながら、新しいライフスタイルの実装は徐々に現実のものになっています。実際に運用する中で、社員からの反応も上々であると言います。

とくに、環境整備手当には「助かった」との声が多く寄せられているのです。モニターやチェアなどのデスク周りの備品購入に使っている人が多く、リモートワークに関するアンケートでは86.6%が満足したと答えています。

このようなレスポンスを受ける中、取り組みを行ったことで3人にはそれぞれに得られた発見や気付きがありました。

土井 「私自身は普通の取り組みだったと思ったのですが思いのほか反響が大きかったのには驚きました。バックオフィスの施策は『できて当たり前』『できないと怒られる』業務が多いのですが、未完の状態から改善を繰り返すこういう形がポジティブにとらえられたのは新鮮でしたね。

あと、生産性が上がったかどうかちゃんと測るしくみが必要だと感じました。生産性向上には肯定的な意見が多かったです。コミュニケーションが増えた実感もあります。しかしアンケートで、“自分の“生産性が上がったと答えた人は63.4%、下がったと答えた人は3.8%いましたが、“チームの“生産性が上がったと答えた人は42.3%、下がったと答えた人は15.4%。自身とチームとでだいぶ差がでてしまったんです」

工藤 「英語を生かせたのは大きな発見でした。最初のころはZoomや、ハングアウトミートなど日本のサポートが時間外でも海外のサポートは24時間対応していました。われわれは海外とのやり取りがなれていることもあり、アレルギーもなくスムーズに利用することができた印象があります」

並木 「今後も新しい人事制度をどんどん取り入れていく予定で、来月にはフレックスの導入を予定しています。各種システムも、現状に満足せずに、良いものがあれば乗り換えを検討していかないと、とも思っています」

真に「自分で働き方をデザインする」ができる会社をつくるために

▲多くがリモートによる働き方を好意的に捉えている

3人は、これまでの施策を通して多くの気付きを得てきました。それを生かし、コロナ禍に対してどのように取り組んでいくのでしょう。キーワードになるのはワークスタイル改革のコンセプトである「時間や場所の制約を無くして、最大の成果を出すために自分で働き方をデザインする」という言葉です。

土井 「みんなバックグラウンドや人生において大切にしていることもバラバラだと思います。今まではそれを同じ型にはめて会社は回っていましたが、もっと仕事も自由であるべきだと思います。もちろんプロの仕事をするという前提ではありますが」

並木 「働きやすさや自由さってどこまででも追求できますが実際まわらなくなる点もでてくると思います。『自由に働いた結果、何も成果が出ていない』なんてことになりたくないので、みんなが慣れるまではコントロールしなければいけないという必要性も感じています。客観的に見ていけたらいいなと思っています」

工藤 「ギャプライズだからこそできることを大事にしたいです。『なぜうちなのか』もこれからより大事になっていくのではないかと感じています。ユニークな取り組みもバックオフィスから打ち出していきたいですね」

また、今回の経験は会社のみに還元されたわけでなく、3人の糧にもなりました。3人はそれぞれ何を得て、どのように生きていきたいと考えているのでしょう──

土井 「新しい施策はやってみるもんだ、ということを学びました。まずは実行あるのみ、ですね。新しい施策をやってみるのは気持ちいいことだと思いましたので、会社や人の役に立つような施策を今後も打ち続けていきたいです」

工藤 「アンテナを張っておく──情報収集を常にしておくと、いざというときに生きるなとあらためて気付きました。何も情報がないところから始めていたら、こんなスピード感ではできませんでしたから。なので、ちょっとだけ先をみながら想像力を働かせて動けるように精進します」

並木 「たとえば給与の計算などぜったい自宅でできないなって思っていましたが、実際やってみるとできたんです。思い込みをすてるのが大事だな、と。

また、現状リモート化を早急に進めてはいますが、まだ陰ながら出社してくれている人のおかげもあって実現しているところが大きいです。努力をしている人がいるからこそ、成り立っていることに気付きました」

コロナ禍という非常事態を、働き方を改革する好機ととらえ、これからもギャプライズは制度の改革を続けていきます。