デジタルセールスは「おもしろさが詰まっている職種」

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▲次のキャリアとして富士通を選択した武居。その理由とは……

営業として10年以上のキャリアを持つ武居ですが、外資系2社を経て、日系企業で働くのは富士通が初めて。転職を決意したときのことを、彼女は「ピンと来た」と振り返ります。

武居 「それまでのキャリアで、ソフトウェアのアプリケーション領域の営業はおおむねコンプリートできたと感じていたんです。インサイドセールスとしてのキャリアをこれからどうしようと考えていたときに、『富士通に新設されたデジタルセールスの部門で、マネージャーのポジションにチャレンジしてみないか』というお話がありました。

今までPLM(Product Lifecycle Management)といわれる製造業向けのシステムやERP(Enterprise Resources Planning )といわれる基幹系情報システムを中心に経験してきましたが、富士通に来れば、それらをすべて扱えることに魅力を感じました。富士通のビジネスはかなり多岐にわたるので、お客様に提案した商材との相性が良くなかったとしても、別のソリューションがたくさんありますので、新規開拓したご縁をいろいろな形でビジネスにつないでいけると考えています」

武居はインサイドセールスについて、「おもしろさが詰まっている職種だ」と目を輝かせます。

武居 「ひと口に営業といっても、最初にお客様とコンタクトを取り案件を生み出すフェーズ、クロージングさせていくフェーズを扱う二種類があると思います。中でも私が強みとおもしろさを感じているのが前者です。富士通では、デジタルとの融合を念頭に『デジタルセールス』と名付けて、インサイドセールス機能の実装に取り組んでいます。デジタルセールスは、スナイパーのようにお客様のキーマンや商談を発掘していく醍醐味に満ちた職種。クロージングとはまた違うスキルが活かせるのではないかと常々思っています」

先輩に同行して少しずつ振る舞いを学べる営業と違い、デジタルセールスは毎回の商談が1対1。「受話器を手に取ったら、頼れるのは自分だけ」という緊張感の中、成長の仕方も独特だと言います。

武居 「デジタルセールスの成長曲線は、いわば階段状。お客様と的確な会話ができる段階に至るまでが長く、何回も経験を重ねて『この商材ならどの方とも会話できる』という状態になります。そして、また新しい業種や商材を担当するようになり、実績を積み重ねて開花する。その繰り返しです。

仕事に対するマインド、スキル、素養、成長の余地は人それぞれ。そこを見極め、『ここを磨くとこの子は光るかも』と思ったところをゴシゴシ磨くことで結果が出始めます。かたわらでメンバーを見ていると、踊り場を越えてパッと光を放つ瞬間があるのがわかるんです。これまでは自分の成長を実感することが楽しみでしたが、今はメンバーの成長が楽しみでなりません」

「社内のハブ」となって、案件化へと導く

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▲当初は会社の規模の違いに戸惑いつつも、2022年11月現在はさまざまな部門との人脈ができたという武居

武居がマネージャーを務めるBDR(Business Development Representative)部は、彼女が入社する1年半ほど前に立ち上がった新しい部署。それまで富士通ではBDRを外部に委託していましたが、社内を巻き込んだより柔軟な提案を実現するために専門チームを立ち上げ、内製化に舵を切ったのです。

武居 「BDRのミッションは『真の課題を顕在化し、社内のハブとなって、ビジネスを推進していく』こと。このうち『社内のハブ』の部分が、内製チームならではの介在価値です。

富士通は巨大な組織。各商品の販売推進担当や事業部門、お客様と接するビジネスプロデューサー(BP)……いろんな関係者がいる中で、それぞれに役割分担を設定してお客様先への初回訪問へと導かねばなりません。その部分も含めて、私たちの腕の見せどころです」

これまで武居が在籍していたのは、富士通に比べれば規模の小さい外資系ベンダーでした。手を伸ばせば必要なものに届いていたのが、今では目当ての技術者を探し出すのもひと苦労。最近ようやく、会社の全体像が見えてきたと言います。

武居 「最初は人探しに苦労しましたが、最近は組織図を見て、詳しい人に直接連絡できるようになりました。富士通は大きな会社なので、いろいろな技術を持った人がたくさんいます。探していたソリューションのスペシャリストがいるとわかるとワクワクしますし、『このソリューションについて教えてください』とお願いすると、皆さんもいきいきと話してくれるんです。BPの中にも優秀な方がたくさんいるので、そのような出会いがおもしろく、人脈づくりの原動力になっています」

またBP部門との連携のため、BDR部として独自に「テリトリープラン」を作成。デジタルセールスの稼働状況とホワイトスペースの見える化を進めています。

武居 「各企業のどの部門に対してどの商材を当てていくか、ひと目でわかるマップ、『テリトリープラン』をつくっています。BPによってはヒートマップをつくっているところもあるのですが、誰がどこまでアクションしたのかまで反映できるのが、この『テリトリープラン』の特長です。

ステータスごとにどんどん色を塗り替えていって、完了になったもの、まだホワイトスペースのものという具合に、それぞれの進捗がわかるよう共通言語として設定しています。それによって『デジタルセールスはいまここまでやってくれているんだ』とBPにも伝わるようになりましたし、『ここまで頑張ってもらっているんだったら、渡してもらった商談をちゃんと進めなきゃな』と思ってもらえるようにもなりました。

そして、仕組みをつくっていくことと同時に、コミュニケーションの節々でも私たちの熱意を伝えるようにしています」

受話器を上げる直前までサポートしたい──マネージャーとしての決意

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▲メンバーには「会話はしりとり。相手の発言を踏まえた返しや提案が大切」と伝えているという武居

富士通に入るまでは、マネージャー経験がなかったという武居。新しい環境でいきなりの管理職。メンバーとの信頼関係を構築していった過程についてこう話します。

武居 「入社して2週間ぐらいは、メンバーと一緒に電話をかけていました。数日分の架電リストを渡されたのですが、1日目でかけ終わってしまって(笑)。『何やらすごい人が来たぞ』と、そこで実務の実力は認めてもらえたのかもしれませんね。

そこからは、相手のことをよく理解するように努めました。たとえば、10名のメンバー全員と週に1回行っている1on1の中で、本人のやる気、能力、マインドセットをじっくり引き出していきました」

「外資系からすごく勢いのある人が来たと思われていたようなので(笑)、なるべく柔らかいコミュニケーションを心がけました」とはにかむ武居。ソフトな対応と、1on1の積み重ね、そして自分自身が仕事をやってみせて、やらせて、褒める。その積み重ねの日々だったと振り返ります。

プレーヤーに徹していたころは自分の数字が達成基準でしたが、いまはチームの数字を伸ばす立場。目標へのアプローチ方法も変わりました。

武居 「通常、私たちマネージャーがさらに上のマネージャーに出している評価シートをメンバーが見ることはありません。でもみんなの数字の積み上げによって私が評価されるのに、それをメンバーが知らないのはどうなんだろう……という想いから、全部開示することにしています。

メンバー一人ひとりの数字が積み上がった先にある、チームの目標数字。そこにマネージャーの自分はどう貢献できるのかを常に考えていて、受話器を上げる直前までサポートしたいと思っています」

デジタルセールスのプロフェッショナルを、各部門に配置できる体制にしたい

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▲富士通に新しい風を吹き込む

90年近い歴史を持つ富士通の中で、新しく生まれたばかりのデジタルセールス部門。社内ベンチャーのような空気感で成長していますが、一方でBDRのメンバーは10人と少数精鋭。目下の課題は採用です。

武居 「短期的には、まず富士通がカバーしている業種と商材の知識をコンプリートしたいと思っています。そしてそれをメンバーにも広げていく。長期的には、各事業部門やフロント部門ごとにデジタルセールスの人員を置いて、それぞれの戦略や商材に基づいてカバーできるようなチーム体制にしていきたいですね。

今は富士通のすべての部署の新規営業ができているわけではなく、『デジタルセールスに任せてみよう』と思ってくれた部署から、プロジェクトごとにコールの仕事を受けているかたちです。どんどん新しい人に入ってもらってチームが大きくなったら、将来的には各部門にデジタルセールスのプロフェッショナルがいる体制にしたいと思っています」

そうした将来像を実現するためには、お客様の信頼を得ると同時に、社内からの信頼を集めることも欠かせません。「実績を積み重ねていく」という武居の言葉には、熱がこもっています。

武居 「BPとしても、これまで自分たちでやっていたことをすぐさま任せてくれるわけではありません。『ひとまずこの部門のこの商材で』とピンポイントで任せていただいている状況なので、そこで成果を出して次の依頼につなげ、信頼関係をどんどん広げていくことが大切です。

部門によっては、手ごたえを感じるところも出てきています。一緒にプロジェクトを進めてきて、徐々に良い結果が出てくると『BPのところでプールしておくより、デジタルセールスさんに任せたほうが早いね』と言って渡してくれることも。そういうときは本当に嬉しいですね」

富士通の中でも少し異色なカルチャーのデジタルセールス。「熱しやすくて冷めやすく、妄想癖がある人」が向いていると武居は言います。

武居 「熱しやすく冷めやすい人というのは、裏を返せばどんどん次のことに取り組めるんです。次はこの商材、この業種、この部門というふうに、どんどん新しいことにチャレンジできる。新規開拓に向いているのは、そういうハンターのような人だと思います。

加えて、電話の中では仮説提案も行います。お客様の有価証券報告書などを読み込んで、『今こういうビジネスをしているのであれば、こんな業務があるはずで、もしかしたらそこに課題があるのかもしれない』と一社ごとに考えていくんです。妄想する力がものをいうところがあって、通常の営業の提案力と遜色ない部分を磨いていけると思います。

富士通の魅力はカバーする商材の範囲がとても広いこと。デジタルセールスでほぼすべての業界や商材をカバーできれば、日本中どこに行っても、なんでも売れる営業チームになれると信じています」