どこか他人事だった、フジトラ。実態を肌で感じたくて、Jobチャレ‼に挑戦
2017年に富士通株式会社に入社した青島。開発部門に配属され、クラウドサービスの保守運用や設計開発に2年ほど携わりました。3年目からは、自ら希望する形でソフトウェアの拡販を担う技術営業、お客様にサービスを提供する技術支援を担当。当時発売したばかりの新製品だった、デジタルビジネス向けサービスの開発やアプリケーション実行のためのプラットフォームを手掛けました。
青島 「開発を担当する中で、ソフトウェアを作っても売れない状況がしばしば起きていることに課題を感じていました。作ることは大事ですが、それが売れなければ意味がない。そこで、ビジネスの観点からも事業に関わっていきたいと考えたんです」
その後、5年目の春にJobチャレ‼を利用してCDXO Divisionへ異動。そこでフジトラやDXの推進に携わり、半年後に元いた開発部門に戻りました。
青島 「Jobチャレ‼から戻った後は、本部ビジネスの新しい成長領域のサービスを検討するワーキンググループ(以後、WG)に、半年ほど参画しました。6年目の春の組織変更にともなって部署異動になり、2022年6月現在は、以前から売り出しているアプリケーションサーバー系製品の拡販を行うビジネス推進チームのリーダーを務めています」
青島がJobチャレ‼を利用した当時は、現在のような挙手制とは違い、会社側からJobチャレ‼に応募する機会が与えられるという形式。その機会を行使するかどうかはもちろん、さまざまな部署や社外研修など、行き先を決めることも本人に委ねられていました。
青島 「せっかく機会があるのなら、やってみようと。CDXO Divisionを選んだ理由は、フジトラを肌で感じてみたいと思っていたからです。富士通がフジトラを推進していることは知っていましたが、開発部門の現場ではその波を感じられず、どこか他人事のような気がしていて。フジトラが実際に何をどのように実施しているのか、確かめてみたいという思いから、CDXO Divisionへの応募を決めました」
全社DX推進の真ん中へ。雰囲気も仕事のやり方もまったく違う環境で得た、新たな視点
開発の現場にいたときは、フジトラとの距離を感じていたという青島。実際にCDXO Divisionに入ってみて、想像していたよりも手広く、また深くDXに着手していたことを知って驚いたといいます。
青島 「全社DX推進の大旗振り役として、いろいろなDXプロジェクトに携わっているだけでなく、プロジェクトの細かいところにまで手を入れているケースもあって。富士通がDXによって本気で変わろうとしていること、CDXO Divisionがその中心となって大いに活躍していることがわかりました」
CDXO Divisionでは、人事に関するチームにジョインした青島でしたが、さまざまな業務に携わりました。
青島 「フジトラの変革テーマのひとつ、『人を活かしあう制度・環境』に取り組むチームに入りました。ほかにも、開発部門出身ということで、デジタル化を進めるプロジェクトに参加して社内のDX進捗状況を調べたり、Division内に新しいツールを導入する際のサポートをしたりもしました。
ひとつの業務にだけ深く入り込んでいくわけではなかったので、半年という短い期間でも、同時並行的に幅広いプロジェクトに携わることができたと思っています」
CDXO Divisionでの業務は、人事や総務などコーポレート系の部門に関わるものが多く、仕事のやり方も開発部門とは全く異なるものだったといいます。
青島 「開発の業務であれば、最初から何をどのようなスケジュールで作るかがすでに決まっていることがほとんど。ところが、CDXO Divisionの業務には答えがないものが多く、『何が必要なのか』というところから考え、自分たちでスケジュールを切りながらアウトプットしていく必要がありました」
部内の文化や雰囲気も異なっていました。「本当に同じ会社なのかと、疑いたくなるほどだった」と青島。
青島 「CDXO Divisionは、積極的なチャレンジが推奨される雰囲気で、ベンチャーのような風土があると感じました。もともとそういったカルチャーを持っている人、もしくはそういうことに進んで取り組める人たちが部門の立ち上げに携わり、そこにチャレンジ精神旺盛な人が集まることによってできた雰囲気なのだと思います。
元の部署に戻ったとき、まるで宇宙から帰還したような気持ちになって、『開発部門ももっとこんな雰囲気になれば、どうなるだろう』と思わずにはいられませんでした」
企画運営業務に初期段階から参加。裁量が大きい環境が成長のきっかけに
CDXO Divisionでの業務で印象的だったことのひとつが、デジタル化推進のプロジェクト。フジトラで取り組んでいるDX企画の進捗状況が一覧化できる「FUJITracker(フジトラッカー)」というツールの企画や運営に携わりました。
青島 「現時点で、フジトラの取り組みはコーポレート系の部門が中心になっているため、事業部の中には、フジトラを遠い存在のように感じている人もいます。まさにCDXO Divisionにやってくる前の自分がそうだったので、ペルソナとして以前の自分を設定し、どんなものだとみんなに見てもらえるか、さらには『見たい』『参加したい』と思ってもらえるにはどうしたらよいかを考えながら、ツールに落とし込んでいきました」
そんな視点に立てるのは、事業部の実情をよく知る青島ならでは。開発部門の同期との食事の席などでも声を拾い集め、反映させていったといいます。
青島 「機能追加やアップデートを行うことで、見る人が爆発的に増えたということはありませんでしたが、ツールを少し改善するたびに見てくれる人が増えたり、工夫したところを集中的に見てもらえたりと、相応の反響がありました。自分が考えてきたことは、あながち的外れでなかったのかもしれません」
そうやってプロダクトオーナーのような立ち位置でツールの企画、運営に携われたことが、貴重な経験になったという青島。
青島 「開発部門で企画を行うのは主に幹部社員で、一般社員が携われるのはその補佐まで。CDXO Divisionの業務で、企画の初期段階から関わることができたのは収穫でした。この経験は、将来的にもきっと役に立つだろうと思っています」
Jobチャレ‼を機に、キャリアが前進。異動先での経験が起点となってチームリーダーに
現在、青島は開発部門で新しく立ち上がった「SOFTRA」(ソフトラ:ソフトウェアプロダクト事業本部で進めるトランスフォーメーション活動)と呼ばれるDXプロジェクトに参画しています。
青島 「『SOFTRA』は、私と同じタイミングで開発部門に戻って来た、前CDXO Division長が立ち上げた新しいプロジェクトで、現在は主にふたつのテーマに取り組んでいます。ひとつは、開発部門内で誰とでも話せる機会を提供しようというもの。もうひとつは、開発業務の改善に関するものです。
前者に関しては、『この人の話を聞いてみたい』という人と会話する場を設定し、キャリア形成に活かしてもらうことを企画しています。後者では、開発のための社内向け資料などについて部門内でヒアリングを実施し、過剰な部分があれば効率化していくことを目指しています」
CDXO Divisionでは、Jobチャレ‼で参加したメンバーが主体となってプロジェクトを回していく機会が多かったという青島。その経験が「SOFTRA」でも活きているといいます。
青島 「フジトラでは、役員や本部長らと一緒に、全社的なイベントの企画運営にも携わらせてもらいました。そのおかげで、今プロジェクトの進行を任されるとき、さほど苦労せずに済んでいると思います。
また、CDXO Divisionで仕事をする中で見聞きしたことをもとに、『こういうことをやっていたよ』『こんなことをやってみるのもありだよね』と提案したりアイデアを出したり。インプットしたことが役立っているとも感じています」
CDXO Divisionでの経験が起点となり、仕事の幅も大きく広がったという青島。
青島 「2022年4月から、製品の拡販を担当するビジネス推進チームのリーダーに着任したのですが、初めて担当する製品にも関わらず抜擢されたことにびっくりしました。CDXO Divisionや、その直後に参画したWGでの活動で、役職のある方が多数いる中でも自分の考えを積極的に発信してきたことが評価され、期待してもらっているのかなと感じています」
そのきっかけとなったJobチャレ‼。参加したいという意欲がある人には、ぜひ挑戦してみてほしいと青島はいいます。
青島 「未経験の部署への挑戦には、それなりに苦労をともないますが、新しい仕事や大きな仕事に携わったことで、経験値は格段に上がるはずです。所属する部署にまったく関係ない仕事だったとしても、知見や経験を見込まれて、思わぬ方向へとキャリアがつながっていくこともあると思います。もし、挑戦を迷っている人がいれば、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいですね」
所属部署やJobチャレ‼、WGで経験・吸収したことを糧とし、驚くほどの速さで成長している青島。富士通のDX成功の鍵を握るのは、紛れもなく、人。キーパーソンのひとりとして、今後組織を変革していく原動力となっていくはずです。