日本の農業と農家のために。一貫して持続可能な生活・社会の実現に取り組む

▲農業をテーマにした展示会で、プレゼンを行った際の様子

テクノロジーの力で農業や農家の人たちの力になりたい——そんな想いを抱き、2018年富士通に入社した吉岡。入社以来、日本の農業が抱える課題解決に取り組んできました。

吉岡 「最初に配属されたのは、スマートアグリカルチャー事業本部。生産者向けにITシステムを販売する部署で、新商品の拡販や顧客開拓などを担当しました。半年ほどして、食農領域で新しいシステム開発を行うAgriTECHビジネス開発部が立ち上がったのを機に異動。クライアントと共に新しい事業を企画・検討する業務に携わりました」

現在は、Digital Solution事業本部サステナブルシティ事業部に所属する吉岡。『持続可能な生活・社会の実現』を目指して食農領域における新規事業企画を担っています。

吉岡 「生産された農産物が消費者の手に届くまでの流通工程が主な担当領域です。産地から卸売業者、食品加工メーカーなどフードチェーンに携わるプレイヤー同士をデータとテクノロジーでつなぎ、青果流通のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現したいと考えています。

フードチェーン間の取引業務をデジタル化することで、業務効率化による労働力不足の解消や付加価値業務へのシフトを実現するとともに、フードロスの削減、商品トレーサビリティによる安心安全の提供、事業者同士のマッチング等の新たな価値創造を目指しています」

提供価値の最大化を目指して。新規事業の企画検討にあたって感じた課題

▲農業に関わりたくて当社に入社した吉岡。情熱をもって「食農」に取り組む

祖父が農業法人を経営していたこともあり、幼いころから農業を身近に感じていたという吉岡。食農領域の仕事のやりがいについて、次のように話します。

吉岡 「人が生きていく上で欠かせない『食べ物』に、自分がどう関わり、テクノロジーを通してどう貢献していくか──いわば手触り感のある活動ができることこそ、大きなやりがいになっています。

また、食農業界には高齢者が多いことから、電話やFAXといったアナログな手段で業務を回しているケースが未だ少なくありません。効率化や現場が抱える課題解決のためにテクノロジーが貢献できる範囲も大きく、当社の提供価値が活きる領域だと考えています」

新規事業企画を進めるにあたり、まず大切なのが、その事業にニーズがあるかどうかを確かめること。吉岡はこれまでも、消費者アンケートなどを実施することで、市場ニーズを正しく理解するよう努めてきました。

吉岡 「AgriTECHビジネス開発部時代、お客様と一緒に考えたビジネスアイデアを実行するか否かのジャッジをする必要があり、市場規模やターゲット層の仮説検証をするために消費者アンケートを実施したんです。その結果、市場にはしっかりニーズがあること、ある年齢層に刺さるサービスだとわかり、お客様に対して自信を持って説明することができました。

このときのアイデアはサービス化まで至りませんでしたが、お客様とディスカッションするうえで、消費者の実際の声を集めることの有効性、重要性を実感しましたね」

現在携わる持続可能なフードチェーンの構築を目指したプロジェクトにおいても、「声」を集めて分析することの大切さは変わらないと話します。

吉岡 「新しく事業を始めるとなると、お客様がまだ触ったことのないシステムや、想像できていないような業務を作り上げていく必要があります。そのため、実際にシステムのプロトタイプを使っていただいたうえでアンケートを取り、そこから得たフィードバックを素早く反映させていく、というサイクルを回すことが欠かせません。

ただアンケートの専門家ではないので、お客様の声を正しく拾い上げるための設問づくりが大変です。そのうえ一般的なアンケートフォームを使うと、回答結果を取りまとめる作業にかなり手間がかかっていました。お客様の声をどうサービスに反映させていくかを議論する、いわば本題に至るまでの工程に時間がかかりすぎていたんです」

PDCAサイクルが劇的に加速。「VOICE」を活用しシステム開発・改善に取り組む

▲商品開発には「フィードバックと改善の繰り返しが重要」と語る吉岡

顧客のリアルな声を集めることの重要性は理解しながらも、それをどう集め、分析するかという工程で苦労していた吉岡。他のアンケートツールを探していたとき、富士通が全社で推進するDXプロジェクト「フジトラ」の施策のひとつである「VOICEプログラム」を知ります。

「VOICEプログラム」とは、顧客や従業員の「声」を収集・分析し、業務や組織を変革する施策のこと。吉岡は、この施策のコアにある「声」を起点としたDXフレームワーク「Fujitsu VOICE」(以下、VOICE)に着目しました。

吉岡 「2021年12月、お客様にシステムを試用いただく実証実験の際に、初めて『VOICE』を活用しました。システムを使うことで業務改善ができたか、UIなどに使いづらい点がなかったか、ほかに必要な機能はないかなどをお聞きしたところ、非常に具体的な声を得ることができました。

お客様が知りたい情報やその見せ方など、これまでのやりとりのなかでは出てこなかった、機能に対するより細かいニーズを吸い上げることができたんです。リリースまでに改善・追加すべき機能を知ることができ、大いに役立ちましたね」

また、「VOICE」でアンケートを実施することで、大幅な工数削減・スピードアップにつながったと語る吉岡。

吉岡 「『VOICE』では、アンケート回収後、結果がすぐにグラフで可視化されるので、Excelを使って加工する手間がいりません。アンケートの実施から回答の収集・分析までをスムーズに行えるため、回答期限の翌々日には分析結果をお客様にお見せできました。これにより、スピード感を持ってプロジェクトを進めることができましたね。

現在は、『VOICE』で集めた声を反映させながら、商品開発を行っているフェーズです。改善のためのサイクルをすばやく回せるのが『VOICE』の最大の魅力。商品として正式にリリースできた後も、『VOICE』を活用して継続的・定期的にお客様の声を吸い上げながら、システムの改善につなげていきたいと思っています」

社内外の課題解決に向けて。「声」を集め、改善に活かすことの重要性

▲自分の強みを活かし、仲間とともに様々な課題に取り組む吉岡

「VOICE」を使う意義は、時間的・工数的メリットだけでなく、アンケートの本質を理解し、改善に役立てられる点だという吉岡。それはまさに、富士通が「VOICEプログラム」で目指す姿でもあります。

吉岡 「『VOICE』では、採用しているアンケートツールの使い方だけではなく、アンケート全体をサポートするためのフレームワークがきちんと整理されています。アンケートの目標設定の仕方から設問の立て方など、アンケートフェーズに沿ったワークシートが用意されていて、なおかつ自分で学習できる環境が整っているんです。

アンケートを自分で設計するという本質的な部分の知見がなかったので、『設問でこういう聞き方をした方がいい』など、実践的に学べたのはありがたかったですね。そこを理解できたことで、改めてアンケートの重要性=お客様の声を聞くだけでなく、それをきちんと改善に活かすことの重要性に気づくことができました」

多くの人の「声」をもとに変革を進める──その取り組みは、社外だけでなく社内でも重要だと考える吉岡。そして、アンケートを実施する側だけでなく、回答する側にとっても大きな意味があるといいます。

吉岡 「いま富士通社内では、新しい働き方や働きやすい環境を作り上げる取り組みが進んでいるので、それに関するアンケートに回答する機会も増えてくるでしょう。アンケートという形で課題に向き合い、自分の意見を書くことで、自分の頭のなかを整理できる面もあると思うんです。実施する側は社員の声を正確に把握でき、回答する側は課題に対する自分の考えを整理できる。双方にとって有効な手段だと思いますね」

「フジトラ」の活動やYammerを使った社内コミュニティが活性化したことで、社内の風通しが以前に増して良くなってきているのを感じるという吉岡。

吉岡 「富士通のような大きな会社では、ある社会課題に対し、様々な切り口でアプローチしているプロジェクトや部署があります。私たちの部署とは直接関連なくとも、食農に対する課題認識を持っている社員は少なくありません。

そんな人たちが、もっと気軽にアイデアを持ち寄ったり、製品を共有したりできるような仕組み作りを進め、社内の人的交流や技術交流を活発にしていけたらと思っています。そのためにも、たとえば『VOICEのことなら吉岡に聞こう』と言ってもらえるような自分の強みを増やし、さまざまな活動にチャレンジしていきたいですね」