お客様の要望に応えながら、自社に利益をもたらすことが営業の役割

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富士ソフト 札幌第2オフィスに勤務する桐木

エリア事業本部 北日本事業所の北日本営業グループに所属する桐木。2023年2月現在は、北海道のユーザ開拓と道外のお客様の持ち帰り開発を推進している。

桐木 「今年度特に力を入れているのが、地場の企業をターゲットとした新規開拓。北海道での地盤を強固なものにしたいという想いがあるので、地盤構築に向けてグループ一丸となって取り組んでいます。

一方、持ち帰り開発では、新規事業の開拓と既存事業の深掘りを並行して進めています。北海道に拠点があり開発から評価まで一気通貫して道内で担えることや、組み込み系の領域に特に強みがあることなど、私たちの特性を最大限にアピールしながら、新事業における軸の創出を目指しています」

事業の拡大に向けて、市場を開拓するための活動にも積極的だと言う。

桐木 「たとえば、農業の領域では、大学や研究機関に足を運んでトレンドや課題を把握した上で、国の研究推進事業にも参画していました。そうした実績を農業関連の企業に対するアピール材料にしながら、道内の新規開拓、持ち帰り開発の取引拡大につなげようとしているところです」

現在、課長として5名のメンバーを束ねる桐木。自ら営業活動も行いながら、メンバーの管理や活動のフォローに奔走している。

桐木 「メンバーは全員が北海道の出身。キャリア採用で入社した20〜30代の若手が中心で、音楽配信事業、旅行会社、人材会社、コンビニチェーンなど、他業界の営業経験者が集まっています。メンバーのマネジメント以外にも、営業を担当したり、部長と一緒になって戦略戦術を立案したりと、仕事内容は多岐にわたります」

桐木以外は全員が業界未経験。メンバーとコミュニケーションする上で心掛けていることがあると言う。

桐木 「一方的にならないマネジメントを心掛けています。チームとして仕事していく上で最も大事なのは、互いを尊重して理解すること。誰もが遠慮なく意見が交わせる職場づくりを意識しています。その上で、営業の成功体験などをチーム内で共有してナレッジ化し、営業力を底上げするよう努めています」

また、仕事をする上で譲れないことがあると話す桐木。次のように続ける。

桐木 「要望や課題を解決することで、お客様から対価をもらっていることを常に肝に命じています。一方、業績を向上させることが営業の目的。お客様の要望に応えることと、自社に利益をもたらすこと。そのふたつを同時にかなえることが、私たちの役割だと思っています。

そうしたいわばWin-Winの関係を構築するためには、お客様の課題やニーズを的確にとらえた上で、富士ソフトのリソースを生かした付加価値の高い提案が欠かせません。現場のニーズを汲み取るだけでなく、決算や中長期方針など、お客様のビジネス全体をしっかりと把握するよう心掛けています」

持ち前のコミュニケーション能力を武器に、技術職から営業職へとキャリアチェンジ

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技術職として奮闘する桐木(前列左)

大学卒業後、富士ソフトに技術職として入社した桐木。その背景についてこう話す。

桐木 「自分の将来を考え、手に職をつけたいという想いがあったんです。まったくの未経験でしたが、ソフトウエアがなくなることはないだろうと考え、IT企業への就職を考えるようになりました。

中でも富士ソフトを選んだのは、幅広い事業を展開している印象があったからです。業務系から組み込み系まで、開発と名のつくものはなんでも取り組んでいて、プロダクトも持っている。この会社なら自分の可能性が広がると思ったことが決め手になりました」

入社後に配属されたのは札幌事業所。以来、約7年にわたり開発に携わった中で、特に印象に残っていることがあると言う。

桐木 「技術者としてそれなりに知識が身についてきたころ、携帯電話に付属するカメラのソフトウエア開発案件にアサインされました。当時、社員はプロジェクトマネージャーと私のふたりだけ。お客様先にひとりで出張して品質評価をしたり、協力会社様をまとめるような仕事を初めて任されたり。多くの壁に直面しましたが、なんとかやり切ることができました」

当時、一人前と言えるほどの技術を持ち合わせていなかった桐木。プロジェクトの成功を支えたのは、持ち前のコミュニケーション能力だったと振り返る。

桐木 「たとえば、プログラミングしたものの思うように動かないとなったとき、社内の誰かに助けを求めるにしても、頼み方ひとつで解決の速度が圧倒的に変わります。自身の力が及ばなくても、チームワークがあれば解決できる課題は多く、相談できる関係性をしっかり構築しておくことが大切です。

お客様先でも同じ。本来であれば、依頼元であるお客様にも不甲斐ない相談はしにくいものですが、これも関係性と伝え方次第。お客様に助けていただいたこともありました」

そうやって困ったときに助けてもらう上で欠かせないのが良好な関係性。お客様との信頼関係を構築するために、特に心掛けていることがあると言う。

桐木 「お客様とコミュニケーションを取る中で特に重要だと考えているのが、“共感”。『わかります。そうですよね』という具合に同調が得られると、互いの距離感が縮まるのがわかるんです。

そのためにも、雑談をとても大事にしています。他愛もない会話の中から共感や信頼の種が生まれることがあるからです。たとえば、要件の話が終わった後に仕事とは関係ないことを話したり、メールではなく電話したりすることもあります。

あとは、嘘をつかないことですね。わからないことはわからない、できないことはできないと率直に伝えるようにしています」

その後、入社8年目で技術職から営業職へとキャリチェンジを果たした桐木。その経緯についてこう話す。

桐木 「父が営業をしていたこともあり、営業職に対して憧れのようなものを感じていたんです。また、コミュニケーション力には自信があったし、技術職として現場でお客様とやりとりすることも好きでした。

そんな気持ちを食事の席でそれとなく周囲に打ち明けたことがあり、それを覚えていてくれた上司が、営業職が不足したタイミングで声を掛けてくれたので、『ぜひやらせてください』とふたつ返事で営業に異動しました」 

技術職を経験してきたことが営業としての大きな強みに

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技術職から営業職への異動について語る桐木

営業職へとキャリアチェンジするにあたって特に不安はなかったと言う桐木。むしろ技術職を経験したことが強みになったと言う。

桐木 「まず言葉を理解できたことが大きかったです。お客様は必ずしも私たちにわかりやすく噛み砕いて話してくれるわけではありません。要望を伝えられる際など、技術用語がすんなり頭に入ってきたのは、技術職をしていたからだと思います。

また、開発現場の困りごとを推測しやすいことも強みのひとつ。『こんなことで困っているのではないですか?』、『こういうものを求めているなら、これで代替できますよ』といった感じで、技術目線で提案できるのも現場経験があったからこそですね」

しかし、念願の営業部門に異動を果たしたものの、当初は目先のことしか考えられず、いわゆる“モノ売り”になってしまっていたことも。そうした状況を打開するため、新しい分野の開拓をしようとして桐木が着眼したのが農業だった。

桐木 「北海道ならではの武器が必要だと考えるようになり、農業に目を付けました。とはいえ、農業は当社にとって前例がない分野。ノウハウも知見もゼロの状態から大学や研究機関を訪問したり、フォーラムに参加したりして、少しずつ知識を蓄えていきました。そうしてお客様との接点をつくっていくうちに、『コンソーシアムを立ち上げないか』というお話をいただいたんです。

農場では、農閑期に土壌を採取して状態や病害虫の有無を調査するのですが、人が広大な土地を歩いてその作業にあたっています。そのプロセスをドローンを使って自動化しようという取り組みで、ドローンを扱う企業や農協の方とともに研究開発をスタートしました」

こうした活動が起点となり、新たな事業につながっていると言う桐木。

桐木 「実績を提案書に起こし、さまざまなイベントに積極的に参加して提案活動を行ってきた結果、新規開拓できたケースもあります。中には年間で億単位の取引となっているものもあって、順調に育ってきていることを実感していています」

強みを“売る”だけでなく、“つくる”ことができる営業を目指して

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創業者の野澤 宏(中央)と北日本事業所の皆さん

営業として積極的に新しい分野を開拓してきた桐木。2018年に営業本部長特別貢献賞を受賞している。

桐木 「富士ソフトでは、全社的にVMwareによる仮想化ソリューションを提供し、多くのお客様のインフラ基盤を刷新してきました。当時、北日本事業所にはまったく導入実績がなく、VMwareに通じた技術者もいない中、お客様先へ何度も足を運ぶなどして、道内で初となる大型案件を早い段階で受注することができたんです。そのことが評価され、賞をもらいました」

当案件が獲得できたのは、実際に作業を担当する関東の技術部の高い技術力への信頼があったからこそだと話す桐木。富士ソフトの魅力についてこう続ける。

桐木 「守備範囲が限られるSIerが多い中、業務系から、組込/制御系まで、当社はソフトウエア開発のあらゆる分野に対応することができます。会社全体で各部門の得意分野を連携して多角的な提案をすることで、お客様により高い付加価値を提供することができます」

そうした強みを“売る”だけでなく、“つくる”ことにも積極的でありたいと話す桐木。

桐木 「当社の強みを売るだけでなく、生み出すような活動をしていきたいと思っています。技術職の経験も生かしながら、従来の営業の枠に収まらないような動き方をしていきたいです」

お客様とともに、メンバーも自分も、そして会社も成長していけるために。桐木の挑戦はこれからも続く。