車載システム開発のグループサブリーダー兼ブリッジSEとして現場で活躍

富士ソフトは1996年から自動車ビジネスを手掛け、組み込み開発では日本のトップクラスであり、特にCASEといわれる先進技術に強みを持つ。システム事業本部 コンシューマデバイス事業部 車載システム開発部に所属している近藤は、自動車メーカーや、部品などをつくるサプライヤーをお客様とし、さまざまな車載システムの開発に携わっている。そんな近藤は入社3年半後の2021年10月、モデルベース開発を専門とするグループのサブリーダーに就任した。

近藤 「私が所属するグループは、約40名の社員が在籍しています。主な業務内容は、車の自動運転や運転支援、電子制御のサスペンション業務といった、車載システムの開発・検証です。現在私が手掛けているのは、最先端の自動運転支援システムの認識結果から、車両の動きを計算し、ステアリングの動きをモーターに指示する制御アプリのモデルベース開発です」

最先端の自動運転支援システムの開発には、ドイツ製のドライブシミュレーション環境を活用。ドライブシミュレーションを担当する別グループと連携し、運転支援システムのモデルベース開発とのシミュレーションを組み合わせたプロジェクトに近藤は挑んでいる。

近藤 「システムを検証する際、実際に車に載せるテストでは、開発中の車を公道で走らせることは基本的にできません。しかし、ドライブシミュレーションを使えば、一般車道で運転している想定でシミュレーションができることをお客様に説明しました。このようにプラットフォームを標準化することで、効率化を図れると思いました」

常駐先の自動車メーカーには、近藤を含めて40名が従事している。その中で近藤は、サブリーダーとして常駐先のメンバーを取りまとめるほか、ドライブシミュレーション担当のグループと連携した6名体制のプロジェクトのブリッジSEも務めている。

近藤 「私はサブリーダーとして、メンバーの取りまとめや新人の指導を行ったり、ブリッジSEとしてお客様とメンバーの橋渡しをしたりしています。

サブリーダーとしては、『現場にいるからこそわかる』、正確な進捗状況や温度感などを感じ取り、6名の仕事が円滑に進捗するように努めています。また、営業担当がお客様にご提案する前段階で、『他にもできることや持ち帰れる案件はないか』といったことを、課長や営業担当と相談し、連携しながら進めています。
ブリッジSEとしては、認識のズレが生じないように、当社とお客様の間で橋渡し役となり、仕事を円滑に進めることも私の役割です。お客様の側で働いているからこそ、密にコミュニケーションをとり、正確な情報を社内に連携しています。お客様側で知っている話と当社側で知っている話では違う部分があるので、双方に対して翻訳するようなイメージで、わかりやすく伝えることを常に心掛けています」


近藤は常駐先で働く環境を生かし、仕事が円滑に回るための要として活躍している。

「2020年度優秀社員賞」を受賞。入社1年目から急成長を遂げる

専門学校では、WebシステムやAndroidアプリの開発などを学んでいた近藤。在学中に国家資格である「情報処理安全確保支援士」の資格を取得した。

近藤 「この先、どんな分野でもセキュリティは必要になってくると思い、情報処理安全確保支援士の資格を取得しました。たとえば、車の分野ではコネクテッドカーが話題になっていて、コネクテッドになるということはセキュリティの必要性が高まります。現在の業務にも生きているので、資格を取っておいて良かったと思います。富士ソフトが掲げている重点技術の一つにセキュリティ分野があり、社内でも情報処理安全確保支援士の資格の取得を推奨しています」

2018年4月に新卒入社した近藤。近藤が富士ソフトへの入社を決めたのは、学生時代に学んだ知識を活かせるだけでなく、趣味だった車に携われることも大きな決め手になったという。

近藤 「学生の頃、車載システム開発について調べていたとき、最先端の自動運転支援システムの開発に携わっている方の記事を目にしたんです。実際に私もそのシステムを使ったことがあったんですが、運転支援システムの中では世界でもトップレベルの性能があることを知りました。そのとき、『こういう仕事に関われたらいいな』と夢くらいに思っていたんです。
会社説明会で富士ソフトを知り、いろいろと調べていくうちに、車のシステム開発に強いことがわかったんです。好きなことに携わりながら自分の知識を活かせることに魅力を感じました。また、車以外にもさまざまな分野があったので、大きな会社に入っていろいろな業界を見てみたいというのも決め手になりました。
今では実際に最先端の自動運転支援システムに携わることができ、入社前に描いていた夢を実現できていることに自分でも驚いています。自分の夢で社会に貢献できていることに大きなやりがいを感じています」

入社1年目に担当した自動車メーカーでは、ハンドリング性能向上を狙った制御モデルの開発に従事。また、システム設計・開発やビューテストといった一通りの作業を担当し、開発の流れ、実験車両や制御理論の扱い方、お客様の考え方等を習得した。通常なら3年かかる工程をわずか1年で習得した近藤には、当時から意識していたことがあったという。

近藤 「日々変化のある環境で忙しいお客様に対応すべく、スピード感を大切にしていました。そのため、なるべく手作業ではなくツールを活用して効率化を図りました。自ら作ることもあれば社内の人に頼むこともありました。
また、お客様は自動車業界の方ですから、ちゃんと話ができるように、参考書を読んだり社内の詳しい人から話を聞いたり、業界の知識を身につけようと必死で勉強しましたね。車の運転が趣味なこともあり、実際に最新のモデルをレンタカーで借りて運転したこともあります」

こうして近藤は、入社1年目から車載モデルベース開発技術者として急成長。お客様と交渉し、信頼を得て大型案件の開拓に成功。今後の案件拡大にも寄与した近藤は、「2020年度優秀社員賞」を受賞した。

近藤 「自動車メーカーによって業務内容は異なりますが、次の担当先でもスピード感と効率化を意識しました。制御知識やハードウェア知識だけでなく、自動車業界の知識を身につけていたことも信頼につながったのではないかと感じています。実力を認めていただき、また優秀社員賞をいただけたことを光栄に思います」

近藤のスピード感を持った仕事ぶりと、専門知識の習得が評価され、さらに重大な任務を任されるようになった。

半年の戦略設定期間をわずか3カ月で達成。コロナ禍でも入念な準備が功を奏す

近藤 「ブリッジSEとして、システム開発を円滑に進めるために、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。自身の業務もありますし、お客様もお忙しいため、打ち合わせの隙間時間を活用して、お客様に率先してご要望をお聞きしました。現場にいると部署の動きを把握しにくく素早い連携ができないこともあるため、課長と密に連絡を取り合うことも心掛けました」

コロナ禍の影響により、苦労したこともあったものの、近藤はモデルベース開発とドライブシミュレーションの機能を組み合わせた、車載シミュレーション環境の導入をお客様に提案。初となるドライブシミュレーション案件の受注達成に貢献したのだ。近藤の円滑な橋渡しにより、当初の戦略設定期間は半分に短縮でき、3カ月という短期間で受注達成が実現した。

近藤 「コロナ禍ということで、常駐先でもお客様と席を離して仕事をしており、なかなか話す機会を持てなかった点が一番困りましたね。お客様がどういうものを求めているのかがわからないと動けないので、こちらから『富士ソフトではこういうこともできますよ』と積極的にお伝えするなど、事前に引き出したい内容を決めて取り組みました。加えて、いざお客様からご要望があったときに、すぐに回答できるよう入念に準備していたことも、早期の受注達成につながったのではないかと考えています」

ドライブシミュレーション案件は、富士ソフトの他部所が連携して取り組んだ初の試みだったという。ここでも近藤は、持ち前の行動力を活かして知識の習得を図った。

近藤 「お客様から、ドライブシミュレーションでどういうことができるのか説明してほしい、というご要望があったんです。実は私自身もほとんど触れたことがなかったため、ドライブシミュレーションに詳しい社内の人に聞いたり、実際にツールを使ったりして、必死に勉強しました。その結果、お客様にも魅力や可能性を理解していただけて、大変なこともありましたが良い経験になりましたね」

近藤が所属するモデルベース開発の部所とドライブシミュレーション担当のグループが連携し、その体制のもと提供する車載シミュレーション環境は高い評価を獲得した。自動運転制御の有効なテストツールとして、業界から大きな注目を集めている。

今後は技術力とマネジメント力の二刀流を目指す

今後、運転支援の分野が拡大していけば、さらにシミュレーション環境の拡充が求められると予測する近藤。その上で、直近の目標をこのように語る。

近藤 「プロジェクトの目標としてはシミュレーションの検証範囲をより拡充していきたいです。今後運転支援が拡大していけばハンドル支援だけではなく、アクセルブレーキの前後方向を含めた複合的な確認項目も出てくると思います。
個人的には、ほかの自動車メーカーの案件に挑戦したり、同じ自動車メーカーでもまた違うシステムに関わったりするなど、経験値をもっと高めてさらに上を目指していきたいです。車の電動化にも制御の技術はたくさん取り入れられていますし、いろいろとチャレンジしながら、キャリアの幅を広げていきたいと思っています」

富士ソフトには、それぞれの分野に精通している社員が多数在籍。それこそが、富士ソフトの強みであると近藤はいう。

近藤 「幅広い領域で開発実績を持つ富士ソフトには、その道のエキスパートが多数在籍しています。お客様から『こういうことをやりたい』とご要望があったとき、自分の技術以上のご提案ができるというのが大きな強みだと思っています。私の所属する車載システム開発部以外にも車のことを手掛けている部隊があるので、社員同士で技術交流をしながらレベルアップできるのも魅力です」

今後は技術力の向上だけでなく、マネジメント業務にも携わっていきたいと語る近藤。

近藤 「後輩を指導する立場になったときに、技術力だけでなくマネジメント力も必要になってくると思います。これはお客様にご提案する際にもいえることなので、どちらも磨いていきたいですね。職場に技術力もマネジメントにも長けている上司がいまして、私もそうなりたいと思っています」

富士ソフトに入社後、近藤は豊富な知識と高い技術力を活かし、自身も成長しながら会社に大きく貢献した。そんな近藤の強みは、状況に応じた臨機応変な対応とスピード感だ。今後もさまざまな分野にチャレンジし、さらなる大きな目標に向かって邁進していく。