横断的な活動から、新たなバリューを生み出す

▲在宅勤務中の尾形 一博

クラウド&ソリューション営業部は、特定の事業本部だけでなく、横串で全社組織として活動できる営業・企画部門として発足した。 

尾形 「私は、AWSを活用してデータ収集や蓄積、分析および可視化の4つのIoT基盤を提供したり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を支援したりするほか、セールスフォースのSaaSアプリケーションを組み合わせ、新しい価値を生みだすための試みを行いながら、さまざまな領域で活動しています」 

尾形の主な役割は、案件醸成、アライアンス、情報共有、人材育成の4つだ。 

尾形 「案件醸成はお客様との関係構築を行いながら、ニーズに合わせて適切なタイミングで適切な情報を提供し案件化へとつなげています。また、メーカー様やパートナー様とのアライアンス関係の強化や、社内の人材育成やビジネスアイデアに対して情報のインプットとアウトプットを繰り返しビジネスモデルづくりに取り組んでいます」 

富士ソフトは開発が主体の会社だ。最先端のテクノロジーや多様なサービスを組み合わせてお客様のデジタル変革に貢献できるよう、新しいビジネスの創出を常に考える。 

尾形 「近年、デジタル変革に向けて既存システムのクラウド移行を進める企業も着実に増えています。リフト&シフトという言葉を耳にすることがあると思いますが、意味としてはクラウドにリフト(乗せ換え)して、クラウドネイティブなしくみにシフト(再構築)するということです。

ひと昔前は、オンプレミスからクラウド上に移行するだけでよかったのですが、今ではコストや生産性の効果を高めるために、アプリケーションをクラウドネイティブなしくみに改修したり、運用プロセスを効率化したりして、『クラウド移行のさらに先』を考えなくてはいけなくなりました」

新しい常識に対応するため、業務とシステムを包括的に見直した尾形。 

尾形 「お客様の付加価値を新たに創造し、新しいビジネスの価値を提供するためには、幅広い知見を持った部署と共同で案件に取り組むことが必要だと考えました。

そこで、マニュアルやデザイン制作を行ったり、お客様と一緒にサービスを共創したり、課題解決するためのサービスデザインを活用します。そして企画支援している当社の『たかきデザインオフィス』という部署と一緒に案件を進めたりしています。その結果、リサーチから企画立案、推進までを行えるように変わっていきました」

AIS-CRM(アイスクリーム)戦略を掲げている富士ソフト。その中でAIやIoT、クラウドなどを含めて、どうやってお客様の価値をつくっていくかがミッションだ。

挑戦を推奨する環境が、今の自分を育んだ

前職もSIerの尾形にとって富士ソフトは2社目になる。入社の決め手は、幅広い開発ができ最先端技術に触れられそうだと感じたからだ。 

尾形 「入社して最初に担当したのは、インターネットゲートウェイ周りのインフラ技術の設計・構築や保守業務です。富士ソフトは新しい分野に次々と事業を拡大している時期だったので、新しい部門も次々と新設されました。そのおかげで、アウトソーシング事業やデータセンター事業などいろいろな技術に触れることができたんです」 

新たなチャンスに恵まれた尾形が転職後に感じた富士ソフトの魅力は、きちんと結果を出せば責任のあるポジションを任せてもらえるということ。 

尾形 「前職は年功序列だったのでポジションが決まっていました。しかし富士ソフトでは、頑張ったことをきちんと評価してくれるので、モチベーションが上がり夢中で仕事に取り組むことができたんです。その結果、入社3年目でリーダー、6年目で主任に昇格することができ大変やりがいを感じました」 

また、やりたいことにチャレンジさせてもらえることも富士ソフトの特徴といえる。 

尾形 「私は技術者としてさらなる高みを目指し、大型プロジェクトの経験を積みたいと思い、富士ソフトのコアビジネスである受託ビジネスの案件を担当することを熱望していました。

入社して数年後にチャンスをもらい、メーカー様に常駐してエンドユーザー向けの大型プロジェクトを経験しました。そのおかげで視野も広がり、プロジェクトの進め方なども勉強できました。また、規模が大きいほど携わる人の数も多く、あらゆる立場の方々と交流し、意見交換をできたことは私の財産になっています」

一方、さまざまな経験から富士ソフトの魅力や技術力の高さを再認識した尾形は、さらなる高みを目指したいと考えるようになっていた矢先、タイミングよく転機が訪れる。 

尾形 「2010年ごろ、当時の上司が突然『富士ソフトでクラウド事業をやるぞ』と声をあげたんです。

まだクラウド基盤やクラウドサービスが日本に浸透していない時代に『クラウド市場は大きく成長する』という方針が打ち出され、2011年に世界のトップ企業であるアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)様とパートナーシップ契約を締結し、クラウドビジネスへ参入する足掛かりができました。そして私は翌年の2012年に、クラウドを企画推進する部署へ異動することに」

技術のプリセールとしてAWSの企画提案にまい進した尾形は、1年がかりで取った初めての受注の重みは今でも忘れられないと語る。 

尾形 「企業が本格的にクラウド利用に向けて導入を検討しはじめた時代でした。海外のクラウドベンダーであるAWSは国内での実績がほとんどありません。なのでクラウドへのデータ移行をはじめセキュリティやガバナンスなどお客様の不安は大きく、なかなか受注にいたりませんでしたね」 

しかし、AWSの豊富な機能を活用したソリューションの提案やクラウド環境の安全性強化、移行後の安定的な運用体制を支援することなど、お客様の課題払拭に勤しんだ。その結果、『画期的な提案であり将来性を感じる』とお客様に評価していただき初の受注にいたった。 

尾形は、粘り強く提案し続けることで実績を積み重ねていく。

ソリューション化から事例化まで。組織で取り組むサイクルづくり

▲AWS Summit Tokyo 2019での富士ソフトブース

クラウドサービスは、データの情報収集や蓄積、分析や可視化ができる。そのため、成果がクライアントの目にも明らかなほどに分かりやすい。 

尾形 「たとえば、インフラの調達期間、拡張・縮小の迅速さ、セキュリティ、既存のデータセンター環境との連携の利便性など、自社サーバーでは難しかったことが、クラウドサービスなら解決することができます。

それに、ハードウェアの導入に伴う予算や、リソースの調達、メンテナンス、容量の使用計画といったわずらわしい作業などを大幅に削減できるため、お客様に大変喜んでいただけます」

数多くのお客様へAWSを活用したソリューションの導入を支援し、お客様のDXをAWS で推進したことを評価された。 

尾形「1,000 台以上のサーバーを有するデータセンターのAWS 移行やサーバーレスアーキテクチャを用いたIoT 基盤の構築実績を持つDX技術などの実績と技術が評価され、2020年5月にAWSパートナーネットワークの最上位である『APN プレミアコンサルティングパートナー』に認定されました」

AWSの数々の認定を取得している富士ソフトは、また一つ実績と信頼を積み重ねた。

尾形 「私は当社の実績や技術力を広めるために、AWS Summitという国内の大規模イベントにAWSの導入支援を行ったお客様をゲストスピーカーとしてお招きし、導入事例について発表していただきました。

導入事例を紹介することで、信頼と実績をアピールすることになりますし、富士ソフトがどのような案件をクローズできるベンダーなのかを認識してもらうことができるからです。そして、いかに魅力的なソリューションであるかを広めることで、市場認知も上がっていきます」

地道な努力と戦略的な計画で着実にクラウドビジネスの導入展開を促進する。

尾形 「富士ソフトは、最新クラウドのアーキテクチャを使って常に最新テクノロジーを提案し、新たなソリューションを創出しています。そして日本初の好事例などをつくり、プロモーションを打って事例を公開し、信頼を得て案件受注につなげるという好循環ができているんです」 

富士ソフトは部門ごとに独自の技術力とノウハウを備えている。 

尾形 「私の役目は、部門ごとの特色や強みを活かし、お客様のニーズや市場価値のあるソリューションを提案していくことです。そのためには、技術部門の協力が必要不可欠になります」 

付加価値の高い仕事ができるしくみづくりを目指す尾形は、部門の垣根を超えた組織へ、全社にその意識を浸透させるために奮励している。

幅広い業務から得た、「諦めない」スタンス

技術と営業を経験した尾形がもっとも大切にしていることは、「諦めないこと」 。

尾形 「技術をしていたときは、要件が合わなければお断りされても仕方がないという思いがありました。ですが営業を経験して、『仕方がないと諦めてはだめなんだ』と気づいたんです。

諦めてしまったら受注することができないだけではなく、反省することも成長することもできないので、たとえ失敗しようが諦めずにチャレンジすることが大事だと思っていますね。実際に諦めずにチャレンジしたことで、受注につながったケースは数多くあります」

立場によって視点が違うことを強みに変えた尾形。 

尾形 「技術と営業を経験した立場だからこそ、『この状態で案件を提案しても技術側の方に相手にされないだろうな』ということがわかる反面、どのような提案をすれば技術者に響くのかもわかるようなりました。営業活動による案件醸成を推進するために、技術と営業の両者が納得して仕事ができるようにお互いが理解しきれなかった部分を橋渡ししていきたいと思っています」

諦めない精神は、成果を上げて数字をつくることや中長期的な視点で新たなビジネスをつくることにも生かされている。 

尾形 「すぐに利益につながるものを生み出すのはなかなか難しいことです。なので、先陣を切ってやっていくことが必要なのだと思っています。今まで人材の確保や育成は各本部の技術部門に任されていました。しかしクラウドビジネスという市場やニーズがあるので、そこに対して3年後5年後を見据えています」 

各本部が利益を生み出すことは簡単な道ではないが、尾形は強固な組織づくりのために今日も根気強く向き合っていく。