34歳の夏、セールスを基軸にして生きていくことを決めた

▲前職時代の吉崎

新卒でアクセンチュアに入社して以来、パソナグループ、インターワークス、アミューズキャピタルと転職を重ねてきた吉崎。

自分の気持ちに正直になることを大切に、折々の選択をしてきました。

吉崎 「新卒入社したアクセンチュアではコンサルティングを、2社目のパソナではセールスを担当していました。

さらに3社目のインターワークスではCOO、4社目のアミューズキャピタルグループではM&Aなどにも関わりました。

『現場で働いてみたい』『会社全体に影響を与えられるような仕事がしたい』『資本の側から社会と関わってみたい』といった、その瞬間に抱いた気持ちを優先して転職してきましたが、後になって考えると、それぞれの前職で実現できないことを実現するための『反動』のようなものもありました」

2010年、アミューズキャピタルグループからGoogleに転職したときの動機は、今までのものとは異なっていました。

吉崎 「アミューズキャピタルでの仕事は非常に責任とやりがいがありましたが、もともと金融系のキャリアではなかったので、ずっとこの分野で生きていくことに違和感がありました。そこで34歳の夏、少し視座をあげて、自分が人生において本当に何がしたいのか考えたんです。

行き着いた答えは『セールスを基軸にして生きていく』ことでした。理由は、もともとお客さんの話を聞くのが好きなので性に合ってると思ったし、『セールスの売上が上がる=会社の成長にダイレクトに繋がる』ことに楽しさを感じていたからです。

そのためにはまず、自分のセールスとしてのキャリアを立て直す必要がありました。環境を変えて1から鍛え直そうと思っていた矢先、人づてに紹介されたGoogleに転職することにしました」

セールスとマネジメント面で大きく成長した

Googleで大手広告主向けのセールス、マネジメントを担当した吉崎。務めた11年間は非常に充実していたと言います。

吉崎 「Googleでは、クライアントのトップに会うことが多くありました。日本を代表する企業の経営層やマーケッターに真正面から提案をぶつけ、共に多くの仕事をできたことは自分の財産となっています。

また大手対大手のBtoBなので、役職がマネジメントになってからも直接商談に行く機会が多くありました。お客様に何度も会って深いところから課題を理解し、一緒に成長していくスタイルだったので、学ぶことも多かったです。

Google以前は感覚や反射神経で判断してた部分もあり、地力が付いていないなと感じていました。Googleでは充実した研修に加え、多くの優秀なお客様、同僚たちと仕事をさせていただけました。これにより自分なりのフレームワーク、判断軸が形成されたことで、セールスとしても一歩前へ進めたと思います」

吉崎は、マネジメント面でもGoogle時代に培ったことがあると言います。

吉崎 「Google以前は、部下に対して『指示したことをやって欲しい』と思っていました。例えばクライアントへの提案書を作る場合、全部レビューして細かいチェックまで行なっていたんです。

一方Googleでは、こういったマイクロマネジメントとは正反対のものが求められました。マネージャーは性善説に立って、チームのメンバーがパフォーマンスを発揮するための必要なサポートを届ける立場で、それが総和として会社のパフォーマンスに繋がるという考え方です。

正直、マネジメント職になった時は従来のやり方が全く通用せず、評価もよくありませんでした。ショックを受けた私はGoogle流にガラリとマインドチェンジし、仕事を任せることを覚えました。メンバーを信用してやりたいようにやってもらい、その過程をサポートすることに注力し始めたのです。ダメだったらあとでフォローしたらいいやと、良い意味で気持ちが楽になりました。

その結果、チームのパフォーマンスも劇的に良くなって評価も上がり、何より仕事がとても楽しくなりました。これは私の中で大きな成功体験の一つになっています。

また、このときに一緒に仕事をした仲間とは今でも親しくさせてもらっており、一生の財産になったと思っています」

日本企業で、日本の社会によりダイレクトにインパクトを与えたい

充実したGoogleでの日々の中、吉崎が転職を考え始めた理由はコロナ禍にありました。

吉崎 「コロナ禍では完全リモートワークで出社できず、ずっと家にいたのですが、仕事の充実感のなさがすごかったんです。気がついたら45歳から46歳半になり、このまま過ごしたら後悔が残るだろうなと感じていました。

またコロナを罹ってしまい、10日間の入院を経験しました。病床ではやることもないので、これからの生き方についていろいろと思考をめぐらせ、このままGoogleの良い環境に浸かり続けていたら後悔するだろうなとも思ったんです。

同時に、私は日本が大好きなので、日本企業で日本の社会によりダイレクトにインパクトを与えられるような仕事がしたい、という気持ちが芽生えていました。

その観点で次のチャレンジを模索し始めたところ、知人にCEOの佐々木 大輔を紹介してもらったのがfreee入社のきっかけです」

佐々木も前職はGoogleですが、面識はあってもお互いを深くは知らなかった二人。そんな中、吉崎は佐々木とのカジュアル面談で単刀直入に尋ねます。

吉崎 「『今から入ってやることあります?』と聞きました。というのもfreeeってIRを見ても業績はかなり伸びていて、戦略も洗練されている印象がありました。既に上場も果たしていて、今から入社してもおもしろくないのではと思っていたんです。

しかし佐々木から『これってどう思います?』とさまざまな課題を打ち明けられ、ディスカッションが始まりました。それがおもしろかったんですよ。

その後、CBO川西、CXO尾形、CFO東後にも会い、より具体的に課題を聞くにつれ、外から見るのと違って、まだまだ成長途中で伸びしろが多いのだなと思いました。何より全員とフラットに議論できたことが嬉しく、自分に貢献できることがあると感じて入社しようと決めました」

吉崎は、他にも入社の理由があると言います。

吉崎 「卒論はキャリア論で、その後アクセンチュア・パソナ・Googleでも、志望して人材業界向けのセールスの責任者をやらせてもらっていました。これまで一貫してBtoBで働く人を応援してきたつもりです。

また実家が中小企業をやっていて、私が小学生の頃、会社が傾いたことがあるんです。それまでほどほどに裕福な家庭だったのですが、一転非常に貧しい環境になりました。子どもだったのでよく分かっていませんでしたが、今から考えるとゾッとするような状況でした。子どもながら、仕事って人生において影響力が大きいなと思ったのを覚えています。

だからfreeeの『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションにも共感したし、人生の中心である『仕事』に関わっていくことで社会貢献につながればいいなと考えました」

日本の中小企業を元気にしたい

2021年10月、freeeに入社した吉崎。中堅規模向け事業本部の責任者として参画し、セールスとマーケティングを管轄しています。

その中で大きく3つ、挑戦していることがあると言います。

吉崎 「1つは、引き続きfreeeのプロダクトを届ける挑戦です。freeeはもともと個人事業主やスモールビジネス向けに始まったので、中堅企業にはまだまだ届いていません。我々は社員300名規模の会社までは価値を届けられるポテンシャルがあるので、届け方を考える余地があります。

2つ目は、freeeを会計&人事労務の一本足打法から脱却させて、クラウドERPとしてプラットフォームにすることです。それはプロダクトが揃えば実現できるわけではなく、やっぱり届け方を考えないといけません。メリット・デメリットを精査しながら、組織改革を含めての挑戦が必要になります」

3つ目は、違った軸での挑戦でした。

吉崎 「会社の在り方へのチャレンジですね。freeeはGoogleのDNAを持ちながら、日本人や日本社会によりフィットした新しい企業の形を作ろうとしているように感じるんです。

また業績や社会へのインパクトだけじゃなく、働くメンバーの満足度や成長も両立して目指しています。

これからの日本企業の在り方としてモデルケースとなりえるのではないかと考えたんです。そんな貴重な会社に『中の人』として関われているのはとても大きなやりがいになると考えたんです」

足元の課題に挑戦しながら、会社としての在り方を模索している吉崎。入社して半年が経過した今、freeeに入社した自身の選択を振り返ります。

吉崎 「正直freeeに行くと決めた時には『すでに上場しているのに、今さら?』と言われることもありましたし、今でも言われます(笑)。その時、Google入った際にも同じこと言われたことを思い出すんです。

2010年時点ではGoogleもほぼ検索の一本足打法でしたが、そこからYouTube、Google Display Network(GDN)、Android等にサービス、ビジネスの幅を広げ、プラットフォームとして確固たる存在になりました。

この経験から、会社のその時点のステージは、どれだけ大きなビジョンを持っているかで決まるなと思ったんです。

freeeも会計と人事労務だけでなく、プロジェクト管理、福利厚生等、新規プロダクトを展開していて、プラットフォーム化に向けて伸びしろがあり、そういう観点からも転職は正解だったなと思います」

吉崎がこれからを語ります。

吉崎 「人材業界向けのセールスを長年担当してきて感じるのは、人材業界が人材を紹介するのはやっぱり業績の良い企業で、人気ある企業はますます優秀な人を雇える構造なんです。一方で中小企業は生産性や売上がなかなか上がらないので、人をあてがわれない。

私はそういう状況を変えたいと思っています。優秀な若い人がどんどん中小企業に入るようになってほしい。そのためには賃金を上げる必要があります。日本人の平均賃金が下がる中で、freeeによって中小企業の生産性を向上させ、賃金アップに繋げたい。それが中小企業を元気にすることになるし、最終的に日本を元気にすることに繋がればいいなと思います。そんなビジョンに共感してくれる仲間を増やしながら、達成できたら最高ですね」