契約数、数百万人の大型案件を担当。大切なのは「エンドユーザーの立場で考えること」

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石が所属するのは、大手セキュリティ会社をクライアントとするチーム。その中で石は、Web契約システムの開発・保守、連携するSalesforceのカスタマイズなどを担当しています。

「個人にも法人にも提供しているセキュリティサービスなので、サービスの契約数は数百万人以上にのぼるという、フレクトの中でも大型の案件です。影響範囲が大きいのでやりがいを感じる分、慎重に進めなければならないという難しさもあります。

たとえば最近で言うと、クライアントから『ユーザーが緊急連絡先の情報を変更したときに自動送信されるメールの仕様を変えたい』という相談がありました。現在の仕様だと、複数契約をしているユーザーの場合、すべてのアカウントに同じメールが送られてしまいます。同じユーザーであれば、送付メールが1通になるように変更したかったのですが、終始動いているシステムの中で複雑な修正をするのは難しく、リスクもあります。大きな案件の場合、設計段階からクライアントとしっかりコミュニケーションを取って仕様を決め、修正する場合もさまざまな影響を考えながら進めなければならない、と学びを得ました」

石の所属するチームのメンバーは5名、プロジェクト全体では約20名の体制で仕事に取り組む毎日。組織の雰囲気について、石はこう話します。

「チームメンバーはみんなそれぞれの個性や強みを持っていますが、共通しているのは助け合いの精神を持っていること。自分の知識やスキルを周りに惜しまず共有していくスタンスなので、困ったときに支え合える関係です。

とくにSalesforceの機能は複雑で、自分の知識だけではどうしても対応できないことがあります。そんなとき、Slackのチャンネルで質問するとみんながコメントしてくれるので、スピーディーに解決策が見つかるんです」

そんな石が仕事の中で強く意識しているのは、「エンドユーザーの気持ちを最優先に考えること」。

「実は以前、上司からあるフィードバックをもらったことがありました。私はプログラマーとして、システムに何か不具合があったとき、それをユーザーにいち早く知らせたいという気持ちがあり、そうしたアナウンス機能をつくったらどうかと提案したんです。

でも上司から『それを実装したとき、エンドユーザーにどう役に立つのか?クライアントは喜んでくれるのか?』と聞かれ、ハッとしました。それ以来、プログラマーの思考だけで考えるのではなく、エンドユーザーの立場に立ち、相手が叶えたいことやニーズをしっかりと理解した上で、開発を進めることを大切にしています」

アニメがきっかけで香港から来日。プライベートと両立できる環境を求めてフレクトへ

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▲ 出身地である香港や観光で行ったマカオでの写真です。ワークライフバランスも取りながら働くことができています!

20歳までは香港で暮らしていた石。日本に留学しようと思ったきっかけは、子どものころから大好きだったというアニメでした。

「とくにドラえもんが大好きで、広東語に吹き替えされたアニメをよく見ていました。高校を卒業するとき、友だちから『一緒に日本語を勉強してみないか?』と誘われ、香港の日本語学校に入学しました。そこで出会った先生から日本への留学を勧められ、大好きなアニメの発祥地である日本に行きたいと強く思ったんです」

留学を決めた石が学びの舞台として選んだのは、静岡県浜松市の日本語学校でした。

「東京や大阪を選ばなかったのは、2つの理由があります。1つは、日本のアニメでは田舎がとてもきれいに描かれているので、せっかくならその雰囲気を感じたいと思ったこと。もう1つは、香港出身でずっと都会で生活してきたので、賑やか過ぎない町でのんびり暮らしたいという思いがありました」

日本語を習得した後、石が進んだのはITの専門学校。高校時代も専攻していたITをさらに本格的に学び、開発の基礎を身につけます。また、在学中からオンラインゲームのModderとしてゲーム開発にもトライ。データベース構築の仕方など幅広い知識を身につけた石は、卒業後にSEとして働き始めました。

「担当したのは大手建設会社の案件で、工事現場の安全を管理するために、メールで危険を知らせるシステムを手掛けました。建設業界とはまったく接点がなかったので、最初は知らない専門用語がたくさんあって戸惑いましたが、クライアントと密にやりとりしながら理解を深めていきました」

丁寧な仕事ぶりでクライアントからの信頼を集めた石ですが、結婚を機に妻の地元・浜松からリモートで働くことのできる会社を探すことに。そして出会ったのが、フレクトでした。

「フレクトは、フルフレックスかつフルリモートができるという珍しい会社で、社内には北海道から九州まで、日本各地からメンバーが集まっていると聞いて興味を持ちました。ワークライフバランスが取りやすそうだし、浜松にいながらこれまでのSE経験を活かして働きたいと考えていた私には理想の環境でした」

前職時代から続けている「仕事日記」の習慣。一歩ずつの成長がわかり、自信につながる

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2022年にフレクトに入社した石は、まず化粧品ブランドのBtoC管理システムの開発を担当。その後、現在のセキュリティ会社のチームに参加し、日々経験を積んでいます。

「一番注力しているのは、Salesforceに関するキャッチアップです。システムを使うこと自体が初めてなので、自分が持っている技術をどう活かせるのかを必死で勉強しているところです。

また、前職ではクライアントが仕様を決め、依頼された通りにつくれば良かったのですが、現在は仕様の段階からこちらで決めていく必要があります。お客様にヒアリングし、どんな機能を欲しがっていてどう実装していけばいいのか。Salesforceは制限も多いので、それを避けながらお客様の希望をどう実現するのか考えながら進めています」

開発や顧客とのやりとりで迷ったとき、石を支えてくれるのは頼りになる上司の存在。

「SalesforceやMuleSoftについての知識がまだまだ少ない私を今の案件にアサインしてくれたのは、上司が勉強する機会を与えてくれたのだと感じています。何かわからないことがあったらすぐに教えてくれるし、設計した仕様についても適宜レビューをくれます。レビューについては、間違っている部分をただ指摘するのではなく、まずは『なぜそう考えたのか?』を聞いてくれるんです。そこから話を進めると認識の齟齬は9割以上解消できますし、コミュニケーションの取り方自体も非常に勉強になっています」

そんな石には、実は長く続けている仕事の習慣があります。それは、自分がこれまで取り組んできたタスクの内容をリスト化した、いわば「仕事日記」を書くこと。

「前職時代、最初は単に自分がやるべき作業をメモしていたのですが、それがいつの間にか習慣になって今もずっと書き続けています。

リストを見返してみると、フレクトに入ってすぐや、セキュリティ会社の案件に入ったばかりのころは、右も左もわかりませんでしたが、少しずつ不具合の修正などを担当するようになり、上司からの信頼を獲得できたのがわかります。今では設計から任せてもらえるようになったのですが、リストを振り返ると一歩ずつ前に進んでいるのがわかってうれしいし、自信に繋げることもできています」

これまで周囲に助けられたからこそ、今後はチームリーダーをめざして仲間を支えたい

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自分に足りない技術や知識をしっかり把握し、それを埋めるための努力をひたむきに続けて成長してきた石。今後の目標を次のように語ります。

「現在はメンバーの1人として開発・保守を担当していますが、いつかは今の上司のようなチームリーダーになりたいと思っています。自分がこれまで周囲に助けられてきたからこそ、今後は周りの困っている人に手を差し伸べられる人間になりたい。そのためには、もっと広い視点を持つ必要があると考えています。

たとえば今は自分が担当する設計が終わればそこで業務としては完了かもしれませんが、チームリーダーであれば、その設計書を1年後・3年後に別の人が読むことまで想定して進めていかなければなりません。私にはまだそういった視点が足りないので、周りの人の知恵を借りながらリーダーとしての姿勢を身につけていきたいなと思います」

最後に「フレクトという会社の魅力は?」と聞くと、「ありすぎて答えるのに朝までかかりますね」と笑う石。候補者に次のようなメッセージを贈ります。

「フレクトは、本当に働きやすい会社です。私は浜松からリモートで業務をしていますが、会社で業務がしたい人は地方からも出社ができるし、自分に合うワークスタイルを選べるので、ワークライフバランスが取りやすいと感じます。また、福利厚生も充実しているし、ジェンダーギャップもなく等しく活躍できる環境があります。

さらに、社員が自分の持っている知識をシェアする文化があり、Slackを通して違うチームの人とも知識や経験を共有できるので、新しく入る社員にとっても心強いと思います。取りたい資格があれば、会社が全面的にサポートしてくれるし、特定の資格取得者にはインセンティブが出ることも。とにかく社員たちの成長を望んでくれるあたたかい会社なので、エンジニアとしても、チームリーダーとしても成長したい方にぜひ来てほしいなと思います」

周囲を照らすような笑顔が印象的な石は、「自分がいつも明るくいられるのは、フレクトの仲間が楽しい人たちばかりだから」と謙遜します。これからも「仕事日記」のページをどんどん増やしながら、さらなる成長を遂げていくでしょう。

※ 記載内容は2023年8月時点のものです