自分の仕事に反応が得られる環境にいたい。一次請けに惹かれてフレクトへ
高校進学時、大学に入るためだけに勉強はしたくないと考えていたという池田。当時大好きだったゲーム作りが卒業制作の課題だと知り、情報技術科を選びました。
池田 「情報系の基礎を学び、1年生からC言語に触れることができました。プログラミングだけでなく、データベースやネットワークなどインフラ関連、論理回路の配線などハードウェアの勉強もしています」
より体系的に情報系の知識を身につけ、整った読みやすいコードを書けるようになりたいと、池田は大学へ。指導教官に勧められるかたちで進学した大学院では、認知科学の研究に励みました。
池田 「プログラミング自体はずっと楽しかったのですが、ゲーム業界で働くためには、ゲーム作りの実績が欠かせません。学びを深めるにつれて、ゲーム作りへの夢はソフトウェアをつくるエンジニアになりたいという想いへと変わっていきました。
その後、やり切ったと思えるだけの成果がほしくて大学院へ進学し、比喩表現を人間が理解するときの仕組みについて研究しました。有力な理論の提唱者との共同研究に参加する好機を得て、シミュレーション実行のために理論をプログラムに落とし込む作業やデータ収集などを担当。学会発表や論文として実績を残すことができました。
自らPythonでコードを書いていきましたが、最終的には、後輩たちも読めるようなかたちに整えて研究室に残してきました。大学入学当時の目標は達成できたと思います」
池田が就職先を決める上で重視していたのは、自分の仕事に対して顧客から直に反応が得られる環境かどうか。そう考えるに至った背景には、こんな出来事がありました。
池田 「論文審査の過程で戻されてきたのは、A4にして10ページ以上の査読結果。自分が書いたものをこんなにもきちんと見てくれている人がいることを知って、とてもうれしい気持ちになりました。
そんな経験から、ソフトウェアを作る企業の中でも、自分が作ったものに対してお客様から直接反応がもらえるようなところで働きたいと考えるようになっていきました」
就職活動で複数社から内定を得た池田。フレクトを選んだ理由をこう振り返ります。
池田 「フレクトの仕事の多くは一次請け。その上、業務システム以外にも、エンドユーザー向けのアプリケーションを数多く開発しています。お客様はもちろん、その先にいるお客様の反応を知ることができるのはとても魅力でした。
社内のカルチャーも入社の決め手のひとつです。先輩社員から、仕事の進め方やチームの雰囲気について話を聞く機会があり、学び合いや助け合いなど、横のつながりを大切にする風土があることを知りました。FLECT WAY(行動規範)にある通り、“チームの成功にこだわる”文化が、ベテランだけでなく若いメンバーにも浸透していることに強く惹かれたのを覚えています」
MuleSoftを使ったAPI開発の基礎を修得。社外イベントではスピーカーも経験
入社後、池田が最初に配属されたのは、MuleSoftを使ってAPI開発を行う部署。そこで開発業務の基礎を学びました。
池田 「最初に携わったのが、とあるビジネスチャットサービスの申し込みサイトのためのAPI開発。その後、通信大手のお客様の案件に参加し、パートナー会社さんが参照しているドキュメントの類を指定フォルダに集約したり、一定期間を過ぎたものを削除したりするための仕組みを作成しました。MuleSoftを使う案件が続いたことで、ベースとなる知識が身についたと思います」
池田が入社した年はコロナ禍の真っ只中。リモート下でコミュニケーションの距離感をつかむのに苦労したと言います。
池田 「わからないことがあったときに、周囲に遠慮するあまり、質問することを躊躇することが少なくありませんでした。入社当時、出社していたのは週に1回程度。チームメンバーの顔が見えず、誰が何をしているのかもわからない状態の中、『立て込んでいるかもしれない』『会議中だったらどうしよう』となかなか声をかけられずにいました。
そうやって悶々とするうちに気づいたのが、本当に怖いのは、質問のタイミングを間違えることではなく、自分の仕事を終わらせられないこと。タスクを終えるために最善を尽くすべきだとわかってからは、質問するのをためらわなくなりました。
実際、チャットで何かを質問して突っぱねられた経験は一度もありません。皆さんとても温かく教えてくれるので、今となってはとりこし苦労だったと思っています」
1年目から案件以外の活動にも積極的に関わってきた池田。MuleSoftが主催するイベントでは、スピーカーを経験しました。
池田 「MuleSoftのプラットフォームの新バージョン“CloudHub 2.0”がリリースされたことを受け、何ができて、逆に何ができなくなったのかを、同期や先輩社員3人を含めた検証チームで1カ月ほどかけて検証。2022年に開催されたMuleSoft Meetupに登壇して、先輩ふたりを加えた4人がそれぞれの担当領域について検証結果を発表しました。
オーディエンスの数も多かったので緊張しましたが、自分の知見を共有し、それが誰かの役に立つのは素晴らしいこと。チームメンバーからも『とても良かったよ』と言ってもらえるなど、有意義な経験だったと思います」
未経験だったフロントエンド開発で手ごたえ。研修トレーナーとして教える側での学びも
2023年5月現在、池田は大手航空会社の案件に参加し、フロントエンド開発に携わっています。
池田 「APIとそれを呼び出すための画面の開発を担当しています。チケットの検索から、パスポートの登録や座席の選択といったチェックインの手続きまでワンストップで行える画面を作成していて、現在は本開発のフェーズを迎えています。
フロントエンドには、APIを通じて受け取ったデータをどう表示させるか、表示する条件としてどんなロジックがあるのかといったUI/UXの視点が求められます。また、音声読み上げソフトを使った場合でも理解しやすいような画面設計など、視覚や聴覚に障がいのある方への配慮も欠かせません。
デザイン会社さんがデザインツールを使って表現する画面をhtmlでどう実現していくのかなど、試行錯誤の連続です」
入社以来ずっとバックエンドに関わってきた池田。未経験での挑戦に重圧を感じながらも、楽しみながら取り組めているといいます。
池田 「Angularに関する知識が不足する中でのSPA開発だったため、わからないことだらけ。上司と常時通話をつないだ状態でサポートしてもらいながら、なんとかプロトタイプ開発を終えることができました。
苦労も多いですが、実際に画面ができあがるにしたがって、なかなか解決しなかったエラーがクリアできたり、仕様書に書かれた通りに動かせたりと、達成感を感じる場面も少なくありません。
また、ユーザーがチェックインのフローへ外部から直接入ってくることもあれば、そうでない場合もあり、事前に指定されたパラメータに応じて条件の振り分けを正しく行う必要があるのですが、ページ表示の許可を制御するガード機能によってルーティングがうまくいったときは、大きな手ごたえがありました」
こうした一連の活躍が評価され、2023年4月に池田は1年で昇格。やりがいを感じながら仕事ができているといいます。
池田 「プロトタイプ開発で得られた知見をガイドラインとしてまとめてチーム内で共有し、本開発で参照できるようにしました。そのあたりを評価されたのかもしれません。
また、プロジェクトの不安を直属の上司に伝えたことがあったのですが、部長からもねぎらいの言葉をかけられました。チーム全体が自分のことを気にかけてくれていて、とても良い環境で仕事ができていると感じています」
一方、自ら志願してトレーナーとして後輩の教育にもあたる池田。教えるだけでなく、学ぶことも多いと話します。
池田 「コードをレビューしていると、研修が進むにつれて後輩たちがだんだんうまくなっていくのがわかります。成長の助けになれていると思うとうれしいですし、後輩からの指摘がきっかけで議論に発展することもあるなど、こちらも存分に吸収させてもらっています」
壁にぶつかっても、一歩ずつ前進あるのみ。より良いソフトウェア開発を目指して
学生時代からこれまでいくつもの逆境を経験してきたという池田。大切にしてきたことがあります。
池田 「とりあえずやってみようと考えるタイプなので、くじけそうになることは何度もありました。そのたびに心がけてきたのは、なんとかこなせそうだと思えるまでタスクを小さく分解することです。
大きな壁を前にひるみながらも、何もしないより、小さいことでもいいから手を動かして、少しでも前に進もうと自分に言い聞かせることで、なんとかここまでやってこれたと思っています」
また、入社後は周囲に助けを求める場面も増えてきました。フレクトの環境が仕事を人に任せることの大事さを教えてくれたといいます。
池田 「プロトタイプを作っていたとき、自分ひとりで抱え込むのをやめて周囲を頼るようになってからずいぶん楽になりましたし、うまくいくようになりました。
有能なエンジニアにはコミュニケーションが苦手な人が多いと思われがちですが、フレクトにはそれは当てはまりません。チャットで質問を投げると、凄腕のベテランたちがすぐに答えを返してくれるなど、“チームの成功にこだわる・仕事や学びを通じて育み合う”といったFLECT WAYが社内にしっかり浸透していると感じます」
この1年でエンジニアとして目覚ましい成長を遂げた池田。めざすのは、ソフトウェア開発のスペシャリストです。
池田 「アーキテクトと呼ばれる、アプリケーション全体の設計者になりたいと思っています。アプリケーションは作って終わりではありません。きれいで読みやすいプログラミングによって、持続的に価値を提供できるソフトウェアを作っていきたいです」
※ 記載内容は2023年5月時点のものです