プロジェクトマネージャーとして、ITシステム刷新プロジェクトをけん引
2023年5月現在、菊池はプロジェクトマネージャー(以後、PM)として大手水処理用薬品、装置製造・メンテナンス会社のITシステムを一新するプロジェクトに携わっています。
菊池 「水質や装置に関する情報など、さまざまな基幹システムに散在している大量のデータを一元管理して活用できるようにするため、MuleSoftを中心としたクラウドインテグレーションによる基盤化を進めています。
現在は検証やデモンストレーションを行っている段階ですが、MuleSoftを使ってAPI基盤を構築することで、各アプリケーションから必要に応じてデータを取り出したり可視化したりと、自由に利活用できるようなしくみにしていく予定です。
水質データや計器が示す値をグラフ化してわかりやすく表示する、膨大なデータの中から異常値だけを特定するといったデータ活用に、これまで個別最適のシステム群から時間や手間をかけて行っていた作業の負担を大幅に軽減することを将来的にめざしています」
MuleSoftを導入する強みは、開発から運用までトータルでサポートできる点。マイクロサービス志向で再利用性が高い点、開発時の生産性向上だけでなくその後の運用/拡張含めたTCO改善に寄与できる点、仕様が可視化されたAPIサービスを提供できる点など、 あらゆる面でアドバンテージがあると言います。
菊池 「MuleSoftを使ってデータを取得するためのAPIをカタログ化しているので、データとメソッドを効率的に管理することができます。アプリケーションの改善や拡大がしやすいのも利点です」
MuleSoft、Webアプリケーション、認証プラットフォーム、バックエンドで使用するSalesforceをそれぞれ担当する4つのチーム、延べ8人のメンバーを統括している菊池。PMの仕事のおもしろさ、やりがいについてこう話します。
菊池 「大きな裁量権を与えられ、自由にやらせてもらっています。また、提案資料をつくったりお客様とシステムについて話したりと自分が得意とする仕事をする機会も多く、楽しく取り組めています。
提案を積極的に採用してくださるほか、新しい案件も次々にいただくなど、お客様ととても良好な関係性が築けていることも、やりがいを感じている理由です」
一方、入社して半年足らずで菊池はチームマネージャー(TM)に昇格。チームマネジメントにも力を入れています。
菊池 「この4月からプロジェクトに参加するメンバーの育成も任されています。マネージャーに期待されているのは、メンバーのキャリアパスを見据えながら成長を後押しすること。メンバーがやりたいこと、伸ばしたいと考えているスキルを意識しながら、チームとして、会社としての総合力の底上げに取り組んでいます」
大企業で培ったPMとしての経験。やりたい仕事ができる環境を求めてフレクトへ
学生時代、工学部で化学を学んだ菊池。新卒で入社したのは大手電気通信会社でした。
菊池 「情報システム部門で大規模な社内システムのアプリ開発に携わりました。5年ほどSEとして関わり、チームリーダーやPMを経験した後に外販部門へ。そこでSAPシステムのプリセールスや開発などを担当するうちに、新しいことがやりたくなって転職を考えるようになりました」
2社目のシンクタンク系SIerでは、プリセールスからコンサルティング、アプリ開発までを担当。コンサルタントやチームリーダー、PMなど主に上流工程を経験する中、本来の仕事に集中できないもどかしさから、菊池はふたたび転職する道を選びます。
菊池 「前職を離れる直前は、30人規模のSalesforceプロジェクトの統括を任されていました。PMという立場ではあったのですが、プロジェクトを通してお客様と未来を考えることよりも、障害報告やトラブル対応といった火消し役のような仕事がメインとなってしまい、今一度自分のやりたいことについて考えるようになったのです」
前向きな仕事を探していて出会ったのがフレクト。選考の過程で相性の良さを感じたことが入社の決め手になりました。
菊池 「カジュアルな面談の場で、組織としての取り組みや企業理念について役員から説明されてまず好感を抱きました。
その後の面接では、かなり突っ込んだことまで聞かれて腰が引ける場面もありましたが、深いところまで理解し合えた感触があって。面接が終わると同時に、『ぜひうちに来てほしい』と言われ、自分のことを心から求めてくれているのがわかりました。『こんな人たちと一緒に仕事したい』とその場で入社を決めています」
入社後、菊池が配属されたのはフレクトにとってグロース領域であるMuleSoftの部隊でした。PMとしての高い手腕を買われてのことでしたが、同プラットフォームはまったくの未経験。ゼロからキャッチアップしていきました。
菊池 「同部門のほかのメンバーと同じように、基礎的な研修を受講した後、MuleSoft認定開発者のLevel1の資格試験(MCD1)を受けています。MCD1では、私にとってほとんど経験のないプログラミングの素養が問われるため、JSONやXMLの書籍を購入してかなり勉強しました。社内で開催されるMulesoft関連の勉強会には、当時もいまもなるべく顔を出すようにしています。
上位資格を取得している有能な技術者とは知識もスキルも比較にならないレベルですが、私のポジションはPM。彼ら、彼女らと問題なく会話できるだけの基礎知識は身につけられたと思っています」
大企業での経験があってこそ感じる、フレクトならではの魅力
菊池が入社してまず驚いたのが、フレクトの組織文化でした。
菊池 「研修が充実していたり、私のようなベテランにもフォローする人をつけてくれたりと、教育体制の手厚さにまず驚きました。わからないことをチャットで質問すると、ものすごい勢いで反応があるのもフレクトならでは。ほかにも、職位に関係なく誰もが社員を“さん”付けで呼び合う習慣があるなど、人に優しい組織だと思います。
また、チャレンジングな風土も魅力に感じましたね。リスクをきちんと計算する一方、保守的になることもなく、挑戦することを重んじる企業風土があるのもフレクトらしいところだと感じました」
2023年3月期のフレクトの売上高は前年比で45.7%増。成長期を迎えているからこそのおもしろさもあると言います。
菊池 「フレクトくらいの規模であれば、社員が成果を出すとそれが会社の業績拡大に直結します。大きな組織にいると、功績を残しても会社の規模が変わることはないため、特別給や昇格というかたちで相対評価されるのが普通。ところが、小さな組織で大きな成果を挙げれば、会社が大きくなって新しい人も入ってくるため、成果を上げた人は絶対評価されやすい傾向があります。
実際、前職ではプロジェクトで年間数億円単位の売上を計上していましたが、全体からみれば微々たるものでした。一方、いま取り組んでいる案件は、いずれ会社の売上高のうちの数%を占めることになるはず。社員一人ひとりの努力や成果をみんなで分かち合い、功績にスポットライトが当たる環境はとても魅力です」
これまでなかなか手が届かなかった実装に近い部分に触れられるなど、自分のやりたいことができている感触があるという菊池。入社後、リファラル採用にも積極的に協力してきました。
菊池 「自分の転職満足度がとても高いので、転職先としてフレクトをすすめたくなるのは当然のこと。以前の職場から引き抜くようなことはもちろんしませんが、転職を検討している優秀な人材から相談を受ければ、当社を提案するようにしています」
強い意志だけあればいい。新たな挑戦に必要なたったひとつのこと
現在取り組むプロジェクトでは、マネジメントや顧客の調整役など、上流工程のタスクをすべて菊池がひとりで担っています。本格構築のフェーズに向けて、チームを良いかたちで拡大させていくことが当面の目標です。
菊池 「フレクトには高い技術を備えた技術者が数多く在籍している一方、お客様とのやりとりに長けた人が多くないと感じています。
技術はあくまでお客様の業務を便利にしたり進化させたりするための手段です。なすべきことを正しく理解するためには、誰よりも業務を良く知るお客様とのコミュニケーションが欠かせません。その上で、どの技術を用いるのが最善かを考えていくのが、私たちの仕事だと考えています。
進行中のプロジェクトのお客様は新しい技術への関心が高いので、信頼関係を維持していくためには、私たちも常に成長し続ける必要があります。アウトプットの品質や付加価値をいま以上に高めていくためにも、当社の高い技術をお客様の要件と噛み合わせられるような、上流工程をうまくさばける人材を育成していきたいです」
大企業での30年以上にわたるキャリアを経て、大胆な挑戦を遂げた菊池。かつての自分と同じように大きな組織の中で懸命にもがくベテラン社員に向けて、次のようにエールを送ります。
菊池 「この年齢になると、新しい技術に取り組むことに気後れしてしまうものですが、今回の転職を振り返って思うのは、挑戦に必要なのは気持ちだけだということ。フレクトは学ぶための機会も時間も与えてくれるので、強い意志さえあれば、無理なくキャッチアップできるはずです。
やりたいことができずにモヤモヤを抱えている方は、いまの組織を離れる選択肢も検討してみてください。フレクトへの転職を考えている方からのご相談は、いつでもお待ちしています」
大企業で培った高い管理技術を武器に、フレクトがさらに成長するための推進力として重要な役割を果たしている菊池。そのリーダーシップとモチベーションが花開くのは、これからです。