スピード感、社風、ローコード開発。ベテランエンジニアが惹かれた3つの魅力
大学院を修了後、新卒で鉄道系の情報システム会社に入社した上野。通信事業者向けの業務支援システムを担当しました。
上野 「1社目を選んだ理由は、社会に貢献できる仕事がしたいと思ったこと。入社当時の1990年代後半は携帯電話ビジネスの成長期で、新しいことに挑戦する機会を与えてもらいました。
携帯電話の事業者には、サービスの申し込みや開通処理、料金請求、問い合わせ対応などの実務をサポートするBSS(Business Support System/ビジネスサポートシステム)と呼ばれる業務支援システムがあります。その開発・保守・QAなどの業務に約20年間携わりました」
その後、上野はソフトウェアテスト会社に転職。そのときの経緯をこう振り返ります。
上野 「通信事業者向けシステム開発から撤退することになり、当時所属していた部署が消滅することに。その会社の別の部署で新しい仕事をするか、ほかの会社で今までと同様の仕事をするかという選択を迫られ、私が選んだのが後者でした」
その後、携帯キャリアの立ち上げにともなうBSSのQAを担当しますが、開発ベンダーに戻りたい気持ちが途切れることがなかったと話す上野。そんなときに出会ったのがフレクトでした。
上野 「入社を決めた理由は三つあります。一つ目は選考でのレスポンスの早さ。二つ目が選考面接で会った取締役や執行役員と息が合うと感じたことです。上場したばかりでまだベンチャー気質が残る中、ガツガツしたところがまるでないところに好感を持ちました。
三つ目は、フレクトがローコード開発を得意としている点です。フルスクラッチではなく必要に応じてコードを書く手法を積極的に取り入れている点に惹かれました」
コードを書くこと自体は好きである一方、書かずに済むならそれに越したことはない、と言い切る上野。前職の経験からシステム開発に対して譲れない持論があります。
上野 「テスト工程を担当していたとき、『自分ならこうはつくらない』と思う場面がよくありました。ユーザテストで欠陥が見つかっているようではシステムとしてはダメ。ローコード開発を基本にどうしても手で書かないといけないところだけ書くのが、システム開発のあるべき姿だと考えています」
MuleSoftでシステム再構築。目指すのはお客様自身が内製化できる仕組みづくり
2023年2月現在、上野が担当するのは大手航空会社様のMuleSoftを活用したDX支援プロジェクト。PMとして約20名のメンバーを束ね、役割分担の決定や品質基準の設定などを行っています。
上野 「MuleSoftでつくるのは、顧客情報などのデータを格納したり取り出したりする仕組みの部分。たとえば、航空券を購入する際、データベース側に情報を渡して照合したり、データベースから登録情報を取り出して、ログインした状態の画面を表示させたりといった、システム間での円滑なデータ連携を実現するためハブのような機能を果たしています。
現在は、MuleSoftで構築したAPIプラットフォームによって、航空旅客系の情報システムの再構築を進めている段階。予約・発券・搭乗などの情報が格納されているデータベースからデータを取り出す仕組みなどを刷新中です」
現状のシステムの課題は、APIとフロントの切り分けができていない点。上野のチームでは、これを整理して将来的にはお客様自身が内製化できるような仕組みづくりを目指しています。
上野 「画面を表示するだけとして、画面から入ってきた情報をAPIがデータベース側に渡すという具合に、きれいに切り分けができているのが本来あるべき姿。それが実現できれば、Webアプリ用に開発したAPIをそのままモバイルアプリにも転用できるなど、開発にかかる手間を大幅に削減することが可能になります。
そうすることで、複数の類似APIが作成されず、アプリケーション資産が集約され、いずれは外部ベンダーに頼ることなく、お客様が内製化できるようにするのが狙い。ローコードでAPIを組み上げることができるMuleSoftが選ばれている理由のひとつです。
また、現在は航空券やチェックインの情報など、国内線と国際線をそれぞれ別のシステムで管理していてシステム開発も別個に行っていますが、数年後にはこれを統合する計画も進んでいます」
プロジェクトの立上げから参画でき、ゼロからチームをつくり上げていくおもしろさ
入社前まではゼロからコードを入力して開発を行うことが多かった上野ですが、ローコード開発が中心のフレクトでも、前職での経験が大いに活かせていると話します。
上野 「入社するまで、ローコード開発やクラウドの経験はありませんでしたが、完成させるのは同じソフトウエア。コードを書くかコード以外のツールを使うかの違いだけでつくり込んでいく点では変わりありません。ソフトウエア開発の経験が役に立っていると感じます」
また、1社目で取得したPMP(Project Management Professional)資格が助けになる場面も多いと言う上野。
上野 「PMP資格の勉強をする際にPMBOK(Project Management Body of Knowledge)を通じて学んだことを必要に応じて見直し、現在のプロジェクトに適用することがあります。数値化によってプロジェクトを管理して停滞して原因を探ることもありますが、これもPMP資格を取得する過程で学んだことです」
そんな上野にとって現在の仕事のやりがいは、プロジェクトの立上げから参画し、自分の裁量で意思決定ができること。次のように続けます。
上野 「フレクトには新規のお客様が多く、立ち上げ直後からプロジェクトに関わる機会が多いのが特徴です。いま取り組んでいる案件もそうですが、私は何もないところから自分で決めていくことが好きなので、チーム体制やルールづくりができるところにおもしろさを感じています。PMという立ち位置ということもあって、途中からよりも、立ち上げからプロジェクトに入るほうが仕事が進めやすいですし。
ただ会社としては、もちろん本人が希望すれば、すでに開発が進んでいる案件に参加することもできますし、数人のものから10人以上のものまで、プロジェクトの規模もさまざま。キャパシティや志向性に合わせて自分に合ったものを選べるので、仕事のやりがいを感じやすいと思います」
フラットな社風の中で 「技術力では負けない」仲間たちとともに成長し続ける
PMとして活躍するいまも開発への意欲が衰えない上野。技術に関心の高いメンバーが多いことがフレクトで働く魅力だと話します。
上野 「フレクトは勉強熱心で頼れるエンジニアが多い会社。技術のことが好きな人が集まっていてエンジニア同士の専門的な会話が当たり前にできるので、エンジニアにとってこれほど楽しい職場はそうないと思います。
また、資格支援制度が充実しているのも特筆すべき点です。取得後に報奨金が出るITベンダーはほかにもありますが、試験の傾向や対策に関する情報が社内にナレッジとして蓄積・共有されていることに驚きました。私もPMという立場ながら、入社して9カ月のあいだに資格をふたつ取得できました。
技術面で困ったことがあると、解決してくれるエンジニアが必ずいるのもフレクトならでは。最近は技術が進化するスピードがますます速くなっていて、IT系のあらゆる分野に通じることはほぼ不可能なので、身近なところにそれぞれの得意領域で詳しいエンジニアがいるのはとてもありがたいことだと思います」
技術力に長けたエンジニアが多い環境が、フレクトでPMとして働くおもしろさにもつながっていると言う上野。
上野 「私が先端技術に詳しいわけではないのに、『フレクトは技術力では負けない』と思えるのはメンバーのおかげ。いまのプロジェクトでも、お客様から意見を求められるとエンジニアに回答を考えてもらうのですが、チームの誰かが必ず解決してくれるという安心感があります。PMとして頼もしい限りです」
そんな上野のいまの目標は、プロジェクト立上げから完了までの流れをフレームワーク化すること。
上野 「ローコード開発では、通常の開発に比べてスピードを求められることが少なくありません。プロジェクトの立ち上げから完了まで、よりスピーディーでローコストなローコードならではの開発の仕組みづくりをしていきたいと思っています。
一般的に成功するプロジェクトは全体の3割程度と言われています。それだけ開発には困難がともなうということ。ローコード開発に大きな可能性を感じています」
フレクトに入社し、有能なエンジニアが多く在籍している反面、管理職の人材が不足していることを痛感していると言う上野。自分と同年代の転職希望者に向けて伝えたいことがあると言います。
上野 「フレクトにはフラットな関係性が生まれやすい社風があり、これ以上に風通しの良い職場はほかにないのではないかと思えるほど。社員数がそこまで多くないからかもしれませんが、上司と部下の垣根が低く、困ったことを気軽に相談できる環境があります。
個人の裁量で仕事に取り組める点もすでに話した通りです。やり方が決まっていないので、自分でつくらなければいけない難しさはありますが、とくに自分なりのやり方が許されない傾向がある大手のシステム会社で歯がゆい想いをしてきた方はきっと楽しいと感じるはず。50代になっても成長意欲を持ち続けているような方と一緒に働きたいですね」