異職種から飛び込んだ、エンジニアの世界

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クラウドインテグレーション事業部でSalesforceをベースとしたシステム構築案件のPM兼アーキテクトを担当する石井 政宗。担当案件以外でも、社内のメンバーから設計やセキュリティーに関する相談を受けたり、アーキテクチャ構築の支援をしたりしています。

石井 「私が担当する主な業務は、システムの開発案件でお客様から上がってきた要件をもとにシステムの将来の姿を構想して、アーキテクチャ設計を行うことです。お客様の業界は多種多様なので、抱える課題や要求事項も多岐にわたります。お客様のビジネスの課題を聞いて、システムの力で解決して『とても便利になった』という声をいただくのが一番の喜びです」

その一方で、石井はメンターとして新入社員のオンボーディング活動にも取り組んでいます。

石井 「中途採用で入社した新入社員は、入社後すぐにSalesforceの研修を受けますが、どうしても一人で黙々と勉強する時間が続きます。孤独を感じてしまうこともあるので、定期的にコミュニケーションを取り、煮詰まっている兆候があったら、早めに解決に向けて社内で動けるように配慮しています」

アーキテクトとして活躍中の石井が、最初にプログラミングに触れたのは小学生の頃。しかし、石井がエンジニアとしてのキャリアを歩み始めたきっかけは別にありました。

石井 「実家が飲食店を経営していたこともあって、大学では商学部で産業組織論を学びました。大学卒業後は、食品や衛生管理などを学ぶために大手流通企業に入社。その後『おもてなしを学びたい』と考え、高級レストランを多数運営する企業に転職しました。そこでは接客のほか、オーダーシステムの導入についてエンドユーザ側の立場から関わるという経験をしました」

数年の修行期間を経て2001年に実家に戻り、家業の飲食店の運営に携わることになった石井でしたが、不景気による業績悪化にともない、2003年に退社。『これからどうしよう』と将来を考える日々が続いたと当時を振り返ります。

石井 「そのときに思い出したのが、以前勤務した企業でオーダーシステム導入の際に、現場の担当者としてシステム開発会社の方と仕事をした経験でした。次第に『お客様に対してシステムをつくる仕事もおもしろいな』と思い、ITエンジニア育成スクールに通ってJavaを習得し、システム業界に転職したのです」

2004年、パッケージベンダーに中途入社し、パッケージのカスタマイズ案件を手掛けたのち、2014年にフレクトに入社しました。SalesforceだけでなくAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといった、あらゆるクラウドをミックスして開発を行い、課題解決ができるという強みに惹かれての入社でした。

マネジメントの挫折で学んだ体制固めの重要性。キモは早めのアクション

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フレクト入社当初は、慣れないSalesforceに苦戦することもあったという石井。

石井 「当時は、ビジネスの場でモバイルアプリが活用され始めたころ。Salesforce側もアプリへの対応に取り掛かっている真っただ中でした。ベストプラクティスがあるわけでもない中、モバイルアプリでお客様の業務をきちんと回せるような形でまとめ上げるのはなかなか大変でした。

私自身もまだ、Salesforceの標準機能でできることやできないことをきちんと肌身でわかっていません。困っている点をSalesforce社のサポート担当者と相談しやり取りを何度も繰り返しました」

入社当時こそ苦戦したものの、徐々に成果を出すようになっていき、3年後にはチームマネジメントも任せられるようになりました。しかし、そこで大きな挫折を経験することになったのです。

石井 「実は、ふさわしい人材を確保できないままプロジェクトをスタートしなければならない場面がありました。見立ての段階でうまくいきそうにないなら、すぐに人員を増強するアクションを起こすべきです。ですが、私はそこを心得ておらず、『自分が頑張れば何とかなる』と考えていました。当初のメンバーのままでやり繰りしようとして作業が遅れてしまうこともありました。

『プロジェクトがうまくいくような体制づくりが肝心。リスクがあることに気づいたのであればアラートをあげることもマネージャの責任』と、上司から強く指摘され、はっと気づいたのです」

それ以降は、プロジェクト全体と各メンバーの状態を細かく把握するように心掛けていったという石井。リスクが高く苦しくなりそうな場合は、状況を迅速に共有し、自分からアクションを起こしています。

石井 「チームメンバーにも苦しい状況があれば早めに自分に伝えてもらい、きちんとアラートが上がってきやすくなるように信頼関係を結ぶことも大切だ、と実感しました。早めに手を打つことで問題が大きくなる前に解決する手段を身につけられた点が、チームマネジメント面での学びにつながったと考えています」

周囲の協力も得て勝ち取った快挙 Salesforce認定資格の頂きへ

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もうひとつ、石井を成長させた出来事があります。それはSalesforce のエキスパートとして認められる「Salesforce 認定テクニカルアーキテクト(Certified Techinical Architect、以下CTA)」を2021年6月に取得したことです。2021年8月時点での国内の資格保有者はわずか16人(Salesforce社員は除く)という狭き門ですが、社内のメンバーに支えられたことで、試験を突破することができたと語ります。

石井 「きっかけは、2020年夏に上司から『CTAを受けてみないか』と声をかけられたことです。入社した頃は、ごく狭い範囲しか理解できなかったSalesforceでしたが、いろいろなプロジェクトを経験し、資格を取得しながら知見を広めてきました。そんな時にCTA受験を打診され、『頂点を目指せるところまで来たんだ』『あと一歩ここを踏ん張れば、また違う景色が見えてくるかも』と考え、受験を決意しました」

CTAは試験内容の難しさもさることながら、受験資格を得るだけでもハードルが高い資格です。受験のためには最低7つの認定資格を取得していなければなりません。石井が当時取得していた資格は4つ。慌ててスケジュールを組んで月1つのペースで資格試験を受け、3カ月ほどかけて必要な資格をそろえました。

石井 「CTAの試験はプレゼン形式がメインです。企業の抱える課題がケースとして用意され、その課題に対してSalesforceを中心とした解決方法を提案します。そして面接官から解決方法の妥当性について質疑を受けることになります。出題される企業の課題は多様です。

また、Salesforceプラットフォームは、コアとなるCRM部分だけでなく、HerokuやMarketing Cloud など多岐にわたり、Salesforce外の製品と組み合わせるやり方も含めると、課題の解決方法も様々に考えられます。

こうした幅広いケースに対応するために、今まで自分で経験したケースだけでなく、社内でこれまでに対応した様々なケースを調べ、さらに機能の使い方から、ソリューションの組み合わせ方などの知識を広げ、対策しました。

IoTの案件など私は経験が少なかったため、社内の知見があるメンバーに積極的に聞いて情報収集しました。フレクトには、誰かが得た経験をみんなでシェアして役立てるという文化があるので、気軽に聞ける社内の雰囲気に助けられた部分も非常に大きかったです」

同時期にCTAを受験した同僚と、何度もプレゼンを披露しあい、ソリューションの引き出しを増やしていきました。また、フレクト受験者のメンターであり、CTAの資格を保有しているSalesforce社の方にも模擬プレゼンの手助けを依頼しました。試験が近くなると毎週のように模擬プレゼンとフィードバックを繰り返す日々が続きました。

石井 「合格した際には、役員から事業部全員が参加する場でお祝いのメッセージをいただき、社内のメンバーもとても喜んでくれました。『頑張った甲斐があった』という達成感とともに、この時に嬉しさが押し寄せてきて。これまで十分身に付けられていなかった技術やいろいろな領域など足りなかった知識を広げる本当にいい経験をさせていただきました」

石井の知識や経験、努力が形となったCTAの獲得。しかし、その受験経験自体も石井の成長をさらに後押ししたのです。

失敗も強みも武器に、新しいソリューションのマスターと後進育成に全力投球

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チームマネジメントやCTA獲得への挑戦。成功だけでなく、失敗や苦労があったからこそ、今の石井が成り立っていると言っても過言ではありません。それらの経験は石井にとっても一つの軸になっています。

石井 「上司の考え方でもあるのですが、失敗経験を通して『こうすればうまくいかなくなる』という知見を得ることも大きな収穫。失敗を必ずしも後ろ向きにだけとらえなくても良い、と考えています。メンターとしてオンボーディング活動時に新入のメンバーと接する際にも、失敗は必ずしも悪いことではないのだ、という考え方を伝えています」

失敗をしながらも、諦めることなく挑戦し続ける石井は、自身の強みは物おじせずに積極的に行動するところだと自負しています。この自己認識が石井を更なる高みへいざなってきました。

そんな石井の挑戦を支えたものとは──

石井 「いま、何かしら行き詰まりを感じているという人には、ぜひ周りに積極的に相談することをおすすめします。相談相手は同僚や家族、友人の場合などさまざまだと思いますが、自分が進むべき道を模索するにあたって、いろいろな意見を聞くことは非常に重要です。自分だけで解決できないからといって、恥ずかしいことはまったくありません」

その経験から、今後は自分が受けたことの恩返しをしていきたいと石井は前を見据えます。

石井 「私自身がCTAの資格を取る上でSalesforce社の方や他のCTA資格保有者の皆様からいろいろとご指導をいただいた経験から、今後CTAの資格取得を希望する人たちへのサポートなども積極的に行っていきたい。自分が受けてきたご恩を、後進に返していくような取り組みを続けたいです。

また、Salesforce自体も今後、どんどんソリューションが増えていくでしょうから、新しいソリューションを組み合わせてクライアントやカスタマーの皆様に対して、さらに利便性を提供できるようなシステム構築に貢献したいです。

Salesforceについても、システム間連携のパッケージなど、自身で知見が足りていないところはまだまだ多い。資格などを取って基礎知識を吸収しながら、しっかりと提案できるように成長していきたいです」

Salesforceの認定資格において、最高峰と言われるCTAを獲得した今も、貪欲に成長の意思を見せる石井。 これからも自身の強みを活かし、活躍のフィールドを広げていきます。