IoTでサービスのあり方が変わる。PMの立場で推進する新技術

IoT案件のPMとしてプロジェクトを推進する尾野は、クライアントとの交渉や、プロジェクトメンバーへのタスクの割り振り、品質管理などを行っています。尾野は、IoT化を進めるメリットは“省人化”にあると話します。

尾野 「印象的なIoT案件は、業務用食洗機や野菜洗浄機のプロジェクトに携わったことです。この案件は、食洗機や洗浄機に対して洗剤を流し込む機械をIoT化するという内容です。

IoT化する前は『洗剤が出ないみたいだけど』といった問い合わせや、『そもそも洗剤が出てないことに気が付かず、正しく洗浄できていなかった』といった問題が発生していました。この問題に対処するために、定期的に在庫確認の電話をしたり、定期的にメンテナンスとして現地を訪問して対処したりという手段を取らざるを得ない状況でした。

IoT化することで“洗剤の在庫管理”や“機械の使用状況”は、現地に行かなくても遠隔で現場の状況を確認することができるため、問題に対する電話や訪問が不要になり、人的なコストを抑えることが可能になりました。また“洗剤の在庫管理”が容易になるため、洗剤が減ってきたタイミングで『そろそろ洗剤少なくなってきていませんか?』といった適切な営業活動も可能になり、消耗品を販売する機会を逃さないといったメリットも期待できるようになりました。

働き手不足をどの業界でも課題としているなかで、少ない労力で確実に販売機会を見極める“省人化”を目的とし、それらを達成することができたプロジェクトでした」

IoTプロジェクトの基本は“省人化”にあると話す尾野ですが、サービスの提供価値そのものを変える経験をしました。

尾野 「洗剤の例と近しい事例になりますが、ある企業にとって、いままでは機械そのものを売るというビジネスが主流でした。そこにIoTを組み込むことで、IoTで機械の稼働状況が計測され、機械を使った時間に対して料金を設定し、新たにサブスクリプション型(SaaS)のサービスとして提供することができるようになりました。IoTは、企業にとってのビジネスの構造そのものを変えることもできると経験した案件です」

このような大きなサービス転換の事例はまだ少ないものの、今後増えていく可能性は十分あると尾野はいいます。フレクトではIoT案件を進行するにあたり、ナレッジの蓄積と社内での共有を進めています。 

尾野 「フレクトはIoT案件の実績が豊富にあるのと同時に、モビリティ業務を最適化する車両向けIoTサービス『Cariot(キャリオット)』を自社製品として提供しています。IoTの開発実績だけではなく、サービスの運用実績があります。

IoTのナレッジを社内に蓄積・共有をし、社内で横展開することで、IoTプロジェクトにはじめて取り組むクライアントに対しても、具体的な提案ができる点がフレクトの強みです」

お客様の声を聞きながら進めるモノづくりを目指して

フレクトではプロジェクトマネージャーとしてIoT案件を推進する尾野ですが、フレクト入社前は組み込みソフトウェアエンジニアとして4年ほど経験を積みました。

尾野 「組み込みソフトウェアエンジニアを志したのは、パソコンなどの機械がどのように動いているのかなどを調べるのが好きだったからです。ハードに近い部分から学んでいこうと考え、組み込みソフトウェアエンジニアとして働ける会社に入社しました。

前職での経験は、装置の基本の仕組みを知ることができ、どのような情報を機器から取り出し、クラウド側でその情報をどのように処理をするべきかというIoTの基礎を経験できたため、現在の案件に活きていると考えます」

組み込みソフトウェアエンジニアとしてのキャリアを歩んでいた尾野が、視野を広げるきっかけになったのは、スマホアプリの制作に携わった経験です。

尾野 「組み込みソフトウェアというのは、モノの中で動くソフトウェアをどうやって作るかに集中して考えていて、端的にいえば、つくったら出荷して終わりという考え方をしていました。

ところがコンシューマー向けスマホアプリでは、『どのようにすればユーザーにウケるのか』という第三者視点をもつ必要があります。良い点も悪い点もユーザーからフィードバックがあって、使ってくれる人のことを考えながら作ることが好きだということに気が付きました」

スマホアプリ制作の経験をきっかけに、より使ってくれる人に近いモノづくりをしたいという思いのもと、転職を考えるようになった尾野。モノがどのようにして動くのかというかねてからの興味を軸に、注目を集めていたIoTプロジェクトに関心を持ちました。

尾野 「当時IoTの分野は流行でもありましたが、組み込みソフトウェアの経験を活かせると考えていました。IoTプロジェクトはあまりうまくいかないケースが多いことも知っていたので、きちんと運用されるプロジェクトに携わりたいという点にはこだわりました。フレクトの案件は実際に『現場で使われる製品』としてリリースできており、また、自社製品としてCariotに取り組んでいるところが印象的でした。

そして、単につくるだけでなく、お客様の声を聞けてシステム開発をしているということが、私の求めている状況に合致したのが入社の最終的な決め手となりました」

こうして2017年にフレクトに入社した尾野。新たなフィールドでの挑戦がスタートしました。

技術面、マネジメント面の双方のスキルアップが必要だった入社当初

入社当初ははじめてのプロジェクトマネージャー。はじめてのWebアプリケーションで「マネジメント」と「技術面」の双方で苦労があったと当時を振り返ります。

尾野 「はじめに担当したPM案件では、チームメンバーにうまく仕事を任せることができず、上手くいったとは言えないプロジェクトになってしまいました。その時に、取締役からアドバイスをもらったことが方向転換のきっかけで、マネジメントのフレームワークを学び、それをベースにプロジェクトで実践するという形を心がけるようになったのです。

技術面に関しても入社当初はプロジェクトを進行しながら学んでいたので大変ではありました。ただ、フレクトのほかの社員は、みんなに情報を発信しようという姿勢が強く、刺激になりました。またフレクトの文化として社内勉強会や資格取得制度などがあり、技術を高めていく環境が整っていると入社当時も今も変わらず感じています。

これまでもクラウド関連の資格を中心に取得してきましたが、今はAWSのプロフェッショナル資格のコンプリートを目指しています」

現在、尾野はプロジェクトマネージャーとしての立場で6人のチームを率いており、メンバーに自立して動いてもらえるよう工夫を凝らしていると語ります。

尾野 「単にタスクとして割り振るのではなく、一人ひとりの責任範囲を決めて、自らの意思で自立して動いてもらえるようにチームの仕組みを考えています。私自身はクライアントとのやり取りに注力しつつ、メンバーそれぞれがしっかり自分の責任を果たすことで、プロジェクトがしっかり回るようになってきました。

もともと自分ひとりでやってしまうという性分だったので、メンバーを信頼して任せることができるようになってきたのは私自身が成長した点でもあります」

ビジネス視点を持ったプロジェクト進行でIoTを次のステージへ

マネジメント面、技術面の双方を学びながらプロジェクトを推進している尾野。クライアントと直接相談しながら進められることにやりがいを感じ、転職前に目指していた働き方である“使う立場の人の声を聞きながらモノづくりをしたい”をフレクトで実践できていると話します。

尾野 「フレクトで請け負っている案件はほとんどが一次請けのため、クライアントと直接話して、どういうことに困っていて、どのようなモノを作りたいのかという具体的な相談ができるのは、やりがいを感じる部分です。

IoTのプロジェクトにはじめて取り組むというクライアントが多い分、クライアント自身がどうすべきかわかっていないこともあり、大変でもありますが、そこがこの仕事の面白いところだと感じています」

フレクトでの多くのIoTプロジェクトでの経験を踏まえ、次のステップは“データの収集と分析”にあると前を見据えます。

尾野 「IoTプロジェクトの第一歩は、どのように使われているのかを可視化し集めるところ。次のステップは、可視化し集めたデータを基にどのような使い方をしてもらえばより良いのかという分析にあると考えています。

グラフでデータを見せることはできますが、よりクライアントのビジネス視点を持ってデータの活用を提案できるようになることが、ワンランク上のIoTプロジェクトになるのではないでしょうか」

組み込みソフトウェアエンジニアから、IoT案件のプロジェクトマネージャーへとキャリアチェンジした尾野は、転職前に自身が目指していた“お客様の声に寄り添ったモノづくり”をフレクトで実現しています。プロジェクトを完了させるだけでなく、どのような付加価値を提供し、現場に使ってもらうシステムにするか。尾野の挑戦はこれからも続きます。