株式会社エフアイシーシーでは、クライアントへ価値提供をする上で「リベラルアーツ」の考え方を大切にしています。リベラルアーツとは一体どういった学びなのかご存知でしょうか。FICCの実際の取り組みや考え方を紹介しつつ、「リベラルアーツ」の理解を深め、あらためて「学び」について再考するための7つのアイデアを代表取締役の森 啓子が全4回にわたって、ご紹介いたします。第3回となる今回は「知恵のアウトプット」というテーマでご紹介いたします。

有限な時間の中、学びを加速させるのはアウトプットの過程で経験する「無知の知」

第1回では、そもそもの「リベラルアーツとは?」というお話。第2回では、学び続けることでまだ見ぬ「ありがとう」を生み出すというお話をご紹介してきました。

▼これまでの記事:
【第1回】働く上で自分の「興味」とどう向き合うべきか。リベラルアーツの視点から考える
【第2回】「ありがとう」を生み出すには相手への理解が重要。人生を豊かにする学びとは

しかし、自己の可能性を広げることだけが価値ある学びではありません。関わる相手の可能性をも広げるのが価値ある学びであり、人に知恵を提供する過程での「無知の知」が新たな学びを加速させます。それはどういうことなのか、見ていきましょう。

4.「再現性」のある学びこそ価値がある

人に提供して初めて「知恵」になる

第1回の記事にて、学びを分野の枠だけで捉えるのではなく、自由に融合させ、新しい発見や価値を見いだしていくことがリベラルアーツの本質であるとご紹介いたしました。はたして価値ある学びとは一体なんでしょうか。新しい知識を得ることや、新しい発見をすることだけが価値ある学びなのでしょうか。

価値ある学びとは、学びを自分の中にとどめておくのではなく、人に提供する知恵へと転換させることです。そして知恵とは、得られた知識や発見そのものを他人へ渡すのではなく、相手の視点に立ち、相手の行動に影響を与える、再現性のある形で渡すこと。つまり、「ありがとう」と感謝される価値を創造して初めて、価値ある学びとなるのです。

知恵の交換があるからこそ、新たな価値創造が可能になる

リベラルアーツの考えをもとに多様性を受け入れられる組織では、お互いを尊重しあい、お互いの興味に興味を持てる風土が形成されるため、それぞれが興味の交換だけでなく、知恵の交換も可能になります。

そして何か新しい情報や発見と出会ったときに、「この発見はあの人のためになるかもしれない」といったアンテナに引っ掛かり、自らの興味と掛け合わせてアウトプットすることにより、受け手は自分ひとりでは知り得なかった新しい視点を持つことが可能になります。

つまり、リベラルアーツのすばらしさは、自らの可能性を広げるだけでなく、こうした知恵の交換によって受け手自身に多様性をもたらし、価値創造の可能性を広げることができることにもあるのです。

ノウハウを属人化させない、ビジネスにおいて重要な「知恵の交換プロセス」

「知恵の交換」という考え方は、個人単位だけではなく、ビジネスの現場においても極めて重要です。FICCでは、メンバー個人やチームが案件などを通じて学習したことや経験したことを情報としてとどめるのではなく、他案件や他チームでも取り入れられるよう実用化させることを重要視しています。

そのため、専門性を持ったチーム間の連携がスムーズになることはもちろん、情報を実用化させ、さらにモデル化された再現性のある状態に落とし込むことで、新たな価値を組み合わせ、クライアント企業に対して常に新たな価値創造が可能になります。

ビジネスの現場においては知識やノウハウが属人化してしまうケースも多く見受けられますが、「知恵の交換」という文化のもと、概念を実用化、モデル化させるプロセスを取り入れることで、組織として価値創造の可能性を広げていくことができるのです。

5.「無知の知」という経験が学びを加速させる

リベラルアーツの学びに終わりはない

人を自由にする学問であるリベラルアーツは、「自分はこういったことにも興味を持てるのだ」と自分自身を再発見することでもあります。それはすなわち、自らの興味の対象を広げていく限り、リベラルアーツの学びに終わりはないことを意味します。

学生時代のイメージもあり、学びに対して苦行のようなイメージを抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、自分自身を再発見する行為は、新しい喜びを知ることです。そのため、「未来の自分は興味を持っているかもしれない」という可能性を持ち続け、日々触れる情報に対して、自らの興味や未来の可能性を掛け合わせて思考することが重要です。

時間は有限だからこそ、「無知の知」を経験することが重要

学校教育を終えて社会に出ると、多くの時間を働くという行為に費やします。終わりがない学びと言えど、時間は有限です。そのため、いかに学びの領域を深めていくかが大切になってきます。

そこで重要なのは、「無知の知」の経験です。「無知の知」、すなわち現時点で自分が知らないことを客観的かつ継続的に認識することで、新たな学びが生まれ、学びの喜びを実感することができます。

そして「無知の知」を実感するのは、「知っている」と思っていたことをいざ「実践する」「使ってみる」というタイミングでしょう。得られた情報・知識を、相手の視点に立って価値ある知恵としてアウトプットする、その過程において「無知の知」を経験し、さらに学ぶこういったプロセスを繰り返すことが学びを加速させるのです。

実案件だけではない、知恵をアウトプットするためのFICCの取り組み

多くの企業で、研修制度やトレーニングプログラムを導入されていることかと存じます。しかし、上述の通り、「知っている」のと「使えるようになる」のとは大きく異なります。

FICCにおいてもさまざまなトレーニングプログラムが導入されていますが、当社では「自らの興味を掛け合わせること」「学んだことを使えるようにすること」を意識した設計となっております。そして学んだことをアウトプットできる論題設定を行い、さらに実案件でも使えるよう、適切な評価基準を設けて展開しています。

実際にトレーニングプログラムに参加したメンバーは「アウトプットする前提で学ぶのはもちろん、全体戦略を俯瞰してみることができるようになった」「自分の興味を掛け合わせることで、学びの喜びを感じ、これまで以上に主体的に学んでいく姿勢になった」と話します。

また、FICC自体が常に学びをアップデートしているため、既存のトレーニングプログラムが完成形だと考えず、常にトレーニングプログラム自体もアップデートさせ、継続的に価値ある学びを進化させています。

全4回にわたる<「学び」について再考するための7つのアイデア>の連載【第3回】はいかがでしたでしょうか。

最終回となる【第4回】は【変化の激しい現代において「働く」ことを通じて、いかに人生を豊かにするのか】と題し、近日公開予定です。