サービスの立ち上げから業務を推進。自社と他社をワンチームにまとめる

新卒で入社した池田は公共領域部署に配属され、公共システムの開発に取り組みました。

3年ほどたった頃、全く新しい領域から声がかかり、2019年の6月頃に現在の部署へと異動になりました。新たに参画したのは、薬学生・教員・実習指導者の3者間における円滑なコミュニケーションをサポートするクラウド型のシステム「実務実習指導・管理システム」の開発です。

そして、その約1年後。新規サービス「薬学のレシピ」に、彼はプロジェクトの管理・推進をするメイン担当としてアサインされます。薬学のレシピは、質の高い薬剤師になるために日々学習に励む学生たちに向けたサービス。実習動画や国家試験対策、就業体験情報など、実践的なコンテンツを多数掲載しています。

池田 「ES事業本部のシステム開発部のソリューション技術グループでは、薬学レシピの開発だけでなく、その前身である実務実習指導・管理システムも担当しているため、薬学系領域の開発をどちらも担当していることになります」

サービスは2021年にリリースされたばかり。現在は、実際の利用者の声や、参画している企業の声を聞いて、随時改修を行っている段階です。

池田 「サービスに対するさまざまな声を集め、どのように改修すればみなさんの声に応えられるかを日々考えています。少しずつ、でも着実により良いサービスにしていくため、課題毎に優先順位をつけ、月に1回などの定期的なタイミングで改修を行い、サービス向上につなげています」

自社と外部ベンダーの双方に開発ラインを持ち、自社で行う業務と外部に委託する業務の切り分けを行うのも池田の仕事。

池田 「改修するべき要素に対し、その時々の状況に応じて、自社で改修するのか外部ベンダーにお願いするか判断をしています。サービスの開発や薬学に関する高いノウハウを持った外部のスタッフと連携しながら、自社・他社を問わずワンチームとなって開発を進めています」

薬学という新規領域で、ゼロからイチを生み出すことの面白さを知った

池田が薬学領域の新規事業に参画することになったきっかけは、多田さんからの誘いでした。

池田 「同じ領域で仕事をしていた多田さんから『一緒にやらないか?』と声をかけて下さって。私も新しいことに挑戦したいという気持ちがありましたし、新しい領域へ踏み出すことへの抵抗はなく、むしろウェルカムという姿勢でした。多田さんだけでなく会社としても私に任せてみようと思っていただいたようで、お互いの想いが一致した結果でもあります」

ゼロからイチをつくるようにシステムを生み出していくスタイルは、池田の性格的ともマッチし、その魅力に引き込まれていきました。

池田 「公共領域で仕事をしていた時は、既にできあがって数年が経っているシステムを担当していたため、ある程度システムが成熟していました。一方薬学領域では、そもそもシステムが生まれていないところから設計に携わることができました。形のないものをどうやって生み出していくか、そこにチャレンジしていくのはとてもやりがいを感じます」

ゼロからサービスを生み出すのも、開発案件のメイン担当を務めるのも、池田にとっては初めての経験。薬学のレシピはまさに手探りの状況での開発に向けて動き始めたことになります。

池田 「初期の開発フェーズのころから外部の開発ベンダーの協力を仰いでいましたが、私自身もPHPを勉強しました。どのような改修が行われたかをソースレベルで把握できるようにしていたかったからです。その一方で、インフラの部分の勉強もしました。インフラとウェブの両方を勉強し、双方が関連している一つのサービスをしっかり理解できる状態を作ろうとしていました」

上司からのアドバイスも受けながら、開発ベンダーとともにまずはサービスのフレームを作り上げた池田フレームができた次は、そこに薬学のレシピとして成り立つよう、コンテンツを入れていきます。

池田 「リリースまでの初期開発においては、私はプロジェクトを管理することに100%の力を注いでいました。リリース後の保守開発のフェーズになってからは、実際に手を動かし始め、どんなコンテンツを入れるか、それをどう見せるかなどを、企画チームと話しました。認識を合わせたら、それを外部の開発ベンダーに指示として伝え、開発を進めていきました」

リリース=ゴールじゃない。より良いサービスのためにアジャイル開発で対応

薬学のレシピを開発する上で、池田が苦労したのが、タイトなスケジュールの中で効率よく開発の指揮をとることでした。

池田 「スケジュールに間に合わせるためにどんな風に最善を尽くせるか、とにかく頭を使いました。期間が短い中で品質を担保しながら進めるのは難しい作業で。国家試験問題のコンテンツが特に大変でした。問題を110問用意する必要があったのですが、その準備ももちろんのこと、ユーザーの回答に対する正誤判定がきちんとできているかをテストするのにとても苦労したのを覚えています」

制作の段階では、300問近くの問題をテストしたという池田。回答に対する〇×が出るシステムを短期間で作り込みテストをするには、手動では時間的に厳しい点があったため、最終的にはロボットを入れて検証を行ったといいます。

池田 「試験問題だけでなく、実習動画や医療品検索など、さまざまなコンテンツを組み込むこと必要があったため、納期に間に合うように調整や、随時確認を取ったり、それらの進捗管理がとても大変でした」

短期間での新規システムのリリースを経験した池田は、一連の業務を通じてある学びにたどり着きました。

池田 「サービス開発は、リリースがゴールではなく、リリースして使ってもらわないと、本当の結果はわからないということです。お客さんに使っていただき、フィードバックを得て、より良いものへと改修することこそが大切。このため、開発とリリースのサイクルは早めのほうがいいということを学びました。今もこの学びを活かし、どこかに改修を加える時はあれこれ大掛かりに時間をかけるのではなく、ミニマムで対応してすぐにリリースするようにしています」

改修に役立てるために、サイトの裏側のデータも注視しているという池田。どこで動線が止まるか、どこで画面の遷移率が下がるかなどのユーザーの動きを分析し、そのデータを活かして今後の改修につなげていきたいと意気込みを語ります。

池田 「今年はサービスをリリースした年だということもあり、手探りな部分がどうしてもありました。どういうものを用意すれば薬学生によく使ってもらえるサイトになるのか、薬学生へのヒアリングを通して仮説を立てていましたが、これからは、実際のデータを用いて学生たちのニーズを可視化することができます。この1年の利用状態を調べ、開発側としてこういう機能が必要なのではないかと提案できるのです。今後はその繰り返しにより、学生に利用したいと思ってもらえる機能をより充実させることができるようになるはずだと思っています」

年齢ではなく個人を見る風土があるから、失敗を恐れず新規領域に挑戦できる

ゼロからイチを生み出す新規のプロジェクトでは、開発に必要な一つひとつの要件管理や調整がとても重要です。こうした状況で、若くして多くの領域を任されている池田。価値あるサービスを提供するために、日々の業務と向き合う池田は会社についてこのような気持ちを抱いています。

池田 「入社してから6年目、今年28歳の私ですが、今の部署では多くの業務を任せていただき、推進しているといえる状態です。社員の年齢を問わず、信頼してもらえる柔軟な風土があることは、この会社の大きな魅力だと思います。裁量の範囲が広いと迷ったりすることもありますが、困ったことがあれば上司に相談をすればアドバイスをもらえるため、不安も解消できています」

未経験の分野に身を置き、知らなかったことや課題にぶつかる日々。小さな失敗は避けられませんが、池田は失敗についてこう考えています。

池田 「本当の失敗とは、納期に遅れるなど、対外的な影響があることだと思っています。そう思うと、それ以外の会社内でのちょっとした失敗というのは失敗ではなく、挑戦してちょっとだめだっただけだと考えています」

こうした毎日に向き合う現場では「新しいことに抵抗がない人」が合っているという池田。

池田 「何事にも失敗を恐れず、挑戦していく姿勢があること。たとえば、現状、当社で当たり前とされていることに違和感を抱き、こう変えたほうがいいのではと指摘できるくらいのマインドを持っている人は、ぜひ一緒に働いてみたいです」

そうしたマインドに加えて、チーム強化においては開発者も必要だと池田は前を見据えます。

池田 「今後の開発にも外部ベンダーとの連携は必要ですが、社内にもコーディングが得意など、開発の細部に手を回せる人材は必要です。実際に手を動かしてプロダクト開発ができる人が内部にいれば、当然業務のスピード感が上がります。それは、チームとしての強みになると思います」

若手でも新規領域という大きなフィールドで活躍させてもらえる富士フイルムシステムサービスの企業風土。絶好の環境を活かしながら、池田の挑戦は続きます。