学生、大学からの声に向き合い、チームメンバーとサイトの向上に取り組む

同社が2021年2月にローンチした、薬学生向けの新規サービス「薬学のレシピ」。サイト上で会員向けに、実務実習、国家試験対策、インターンシップなどのコンテンツを提供しています。

奥 「『薬学のレシピ』は、日々時間に追われている薬学生の効率的な学びをサポートできればという思いから始まったサービスです。プロジェクトの立ち上げから参加し、ローンチ後もユーザーである学生さんや、大学の方々の声を取り入れながらより良いサービスへの向上に力を注いでいます」

営業というポジションではあっても、奥の役割は広範囲に及びます。

奥 「コンテンツを提供いただくパートナー企業とのアライアンスの他、チームメンバーと一緒にサイトの改善を行ったり、新しく追加するコンテンツについて企画をしたりもします。ステークホルダーが多いサービスということもあり、学生さんにインタビューをしたり、大学の先生方にご意見を伺ったりと、さまざまな検証を行いながらより良いサービスになるように進めています」

思い描いた企画を形にするために、外部パートナーとの協業にも乗り出す奥。様々な企業との協業を模索し、医療・ヘルスケア領域をリードする企業と業務提携を開始した時の気持ちをこう振り返ります。

奥 「業務提携のプレスリリースを発表できた時、ヘルスケア業界で実績のある企業様との取り組みができたということを改めて実感し、嬉しい気持ちでいっぱいになったのを覚えています。業務提携が決まった瞬間も、役員の方から私たちのビジネスの可能性に期待の言葉をかけてくださり、私たちがまだ描けていない未来についても一緒に取り組んでいきましょうという前向きなご提案をいただけて。とても印象に残っています」

自分で立ち上げた事業を成長させる。強い思いが多忙な業務のエネルギーに

奥が富士フィルムシステムサービスに入社したのは2014年。「薬学のレシピ」との関係は、社内で新規事業を立ち上げる動きを受け、奥が立候補した時から始まります。

中途入社という形で同社の門を叩いた彼は、民間領域で営業職に就いた後、マーケティング部門に異動となり、新規サービスの企画に従事。その後も部署異動を経て、さまざまな業界で新規プロジェクトや新サービスの立ち上げに関わる機会が多くあり、新しいことに挑戦したいという気持ちを強めていきました。

奥 「入社して半年ごろ、マーケティング部門に配属されたのですが、当時の上司が新規事業の立ち上げに長く取り組んできた方でした。その方にマンツーマンで指導をしていただくうちに、私の中でも新規事業に携わりたいというマインドが大きくなってきたんです」

2019年、自らの望みが叶って「薬学のレシピ」のチームにアサインされた奥。

サービスがローンチするまで日々奮闘をしてきました。

奥 「リリースするまでの期間は、かなり大変な思いをしました。納期が先に決まっていたため、突貫工事に近い状況で業務を同時推進する毎日で。コンテンツを提供いただくにあたって、複数のパートナー企業様と連携し、制作に必要な情報を集めるのですが、スケジュールどおりに進行できないトラブルもあり、ヒヤヒヤする状況もありました」

全力で駆け抜けて無事リリースした今も、多忙な日々は続いています。2月のローンチから半年が経つ現在も、サービス向上のためにブラッシュアップを重ねる奥。新規事業の立ち上げに関わることはこれまでもありましたが、ローンチの後により良いサービスとして改善し続けるといった経験は初めてでした。

奥 「正直めちゃくちゃ大変ですし、この大変さがいつ終わるかわからないという苦しみもありますが、これまで関わってきた新規事業は、途中で異動になってしまったこともあり、今度はやりきりたいという思いを強く持っているんです」

事業を継続し、成長させるために、スケールを意識したマネタイズプランにも取り組んでいます。

奥 「早く結果を出してイチから10、そして10から100というところまでビジネスを育てたいです」

自分のワークスタイルを変えるほどの大変な日々を過ごしながらも、奥は自らのキャリア選択に胸を張り、目の前の仕事に向き合っているのです。

“役立つ=利用される”という単純な図式を捨て、学生のニーズに寄り添う

奥のチームが目下取り組んでいるのは、ユーザーの登録促進です。

奥 「薬学生の負担を減らし、学ぶ環境を改善するために力を注いだサービスなので、より多くのユーザーに使っていただくために周知し、登録いただけるよう地道な活動を進めています。大学を訪問してチラシを配ったり、大学のポータルサイトに情報を掲載していただくように働きかけたり、学生連盟などにアプローチしたり、と泥臭い活動も行います」

利用者数を増やすヒントを得るためには、実際にサービスを利用している学生たちの声が重要となります。学生へのヒアリングを進める中で、奥にはある学びがありました。

奥 「薬学生たちは、とにかくやらなくてはいけないことが多いんです。就活、実習、卒論、国家試験、バイト、研究……多くのことに追われるように毎日を過ごしています。そうした学生さんにとっては、役に立つサービスというだけではなく、操作に難しい点がなくスムーズに取り組めるといった要素も必要だと気付かされました。“役立つもの=学生さんが使うもの”という単純な図式ではないということですね」

学生たちのリアルな声を取り入れて、サービスの内容を見つめ直す日々。新しい事業領域でビジネスを推進するには、細やかで迅速なアップデートのため、プロジェクトの進め方にも工夫が必要です。

奥 「全社としては、歴史がある会社ゆえに、一定のルールを守って進めるような社内文化もありますが、私たちはスタートアップのパートナー企業から新しい常識を教えてもらう機会も多く、とても刺激を受けています。新しいビジネスを切り開くためにスピード感を持って走り抜けてきた彼らが持つ常識と、自分たちの常識を照らし合わせ、思考を最適化する――今までの常識を疑い、もっと良い方法はないか、それを実現するためにはどうするべきかなど、少しずつ見直しながら仕事に向かえるようになったことは大きな学びです」

サービスを育てる過程で、奥自身も自分の成長を実感しているといいます。

奥 「新規事業を立ち上げるというプロセスは、複雑な要素がいくつも絡み合い、臨機応変な対応が求められる、機械に置き換えることのできない領域だと思うんです。かつての上司が私に新規事業の話を熱心にしてくださったのも、今のうちから新規事業でしっかり自分を鍛えておきなさいというメッセージだったのかなと思うことがあります。そんな気持ちに感謝しながら日々を過ごしています」

時代のニーズに合わせてサービスも進化が必要。完成形がないのがおもしろい

「薬学のレシピ」は、まだまだ発展の途中段階と語る奥。

奥 「当初は、ゼロからイチを生み出す仕事に挑戦したくて志願しましたが、今はイチを10に仕上げていく仕事の方がチャレンジが大きいということを実感しています。サービスはローンチするのがゴールではなく、その後に育てていくもの。今後もユーザーとなる学生さんは入れ替わっていくため、その時代に応じてニーズを追い続け、コンテンツを更新していかなくては陳腐化してしまいます。私たちのサービスに終わりというものはないのだなと思いますし、その点におもしろみを感じることも多いです。いつか会社の収益の柱になるサービスにできるように、丁寧に育てていきたいと思っています」

奥たちがさらなるサービスのアップデートに取り組むためには、新しい戦力も必要です。

奥 「WEBマーケティングの経験やWEBサイトのデザインスキルを持っている仲間がいれば、活躍の場がたくさんあるのではないかなと思います。もちろん、他の経験を積んできた方も、前向きに積極的に取り込むマインドがあれば、私たちの新規事業に関わり、育てるプロセスを楽しめるはずです」

社内の期待を背負って誕生した新規事業である「薬学のレシピ」は、社内ベンチャーにチャレンジしたい人に最適だとも話す奥。

奥 「新規事業に向いているのは、“自分の責任はここまで。だからあとは知らない”というマインドではなく、足りない能力をチームで補おうとできる方だと思います。みんながみんな万能なわけではない中で、それぞれが得意なことを身につけていけば、最高のチームとしてビジネスをつくっていけると思うんです」

完成形のないサービスでは、あらかじめ決められたアウトプットに向けて動くのではなく、目指すアウトプットそのものが都度変化します。

奥 「試行錯誤を繰り返す手探りな部分もありますが、そのようなプロジェクトを安定した企業の中でチャレンジできるというのは大きなメリットだと感じています。大変なこともあると思いますが、事業とともに自分の成長を感じられる場所であるとは自信を持ってお伝えできます」

プロジェクトのさらなる成長に向けて、多忙な毎日を全力で駆け抜ける奥。ゼロから1、1から10、そして100まで見届けるという強い思いを胸に、まっすぐな熱意で課題に挑み続けています。