「StyleHint」は、ファーストリテイリングの新しい時代と可能性を切り開く新しい取り組み

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ファーストリテイリンググループの主要ブランドである、ユニクロとジーユーが、スマートフォン向けの“着こなし発見“アプリ「StyleHint」のサービスを、2019年秋からスタートしている。

「パシャっと見つかる、新たなスタイル」とキャッチにあるように、直感的なアプリの操作で、他のユーザーのコーディネートを素早くチェックでき、簡単に投稿できると、ファンの輪が広がっている。

「StyleHint」と他のSNSや画像共有アプリとの大きな違いは、画像検索機能だ。雑誌などで気になる服を写真に撮ると、それに似た服の着こなしや、ユニクロとジーユーで販売している近しいデザインの商品が表示される。さらに、その商品画像をタップするだけで、その商品をオンラインで購入できるしくみだ。現在、日本とアメリカで展開しており、今後は世界各地に広げていく予定だ。

この「StyleHint」をリードするひとりが、グローバルデジタルコマース部 スタイルヒントチーム マネージャーの安留 良治。グローバルデジタルコマース部は、EC事業のグローバル展開のヘッドクォーター(本部)機能と、日本におけるEC事業の推進を担っている。

安留 「『StyleHint』は新しい発想から生まれた新しい取り組みであり、今後、グローバル展開して成長させる『服のプラットフォーム』です。当社が服づくりのコンセプトとして掲げているLifeWearとは、あらゆる人の生活をより良くするための服です。

このLifeWearを通して、服そのものを提供するだけではなく、服を通して着こなしやコーディネートの楽しさや喜びなども提供していきたいと考えています。

『StyleHint』は、ユーザーやインフルエンサー、当社の店舗スタッフや商品開発部門など、多方向から服を着こなした画像を発信し、世界中のあらゆる人に、服を着る楽しみや発見をシェアする『服のプラットフォーム』を目指しています。システムから、提供する体験まで、既存のSNSやWebサービスとは異なる、新しいコミュニケーションです」

アパレル業界で世界№1を目指す、ファーストリテイリング。「StyleHint」はそんな会社の大きな構想から生まれた、新しい時代と可能性を切り開く新しい取り組みである。アプリの操作性の良さやわかりやすさの裏には、同社のグローバル戦略が秘められている。

世界の先進企業やトップクリエイターとのコラボレーション

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「StyleHint」を使ってみると、その画像検索の速さに驚かされる。これは、Google Cloudとの緊密な協力体制よる成果だ。両社がワンチームになって、AIや機械学習など先端技術の事業活用に取り組んでいる。

また、「StyleHint」にクリエイティブ・ディレクターとして企画段階から参画しているのは、レイ・イナモト氏。デジタル時代のコミュニケーション戦略や新サービス開発、そしてグローバルで高い評価を得ているI&CO創業パートナーのひとりだ。米国Forbes誌で「世界の広告業界で最もクリエイティブな25人」に選ばれた人物である。

グロースハッカーを束ね、IT技術やデジタルコミュニケーションのグローバル戦略と「StyleHint」をつなげているのが、グローバルデジタルコマース部 サイト・アプリイノベーションチーム マネージャーの府内洋平だ。

府内 「『StyleHint』は『アパレル×テクノロジー』の最先端です。ファーストリテイリンググループには、全世界で13万人の社員がおり、3500以上の店舗があります。

2019年度の売上は、約2兆3000億円。これだけの市場と事業規模、タッチポイントを持つ会社が、『StyleHint』をはじめ、デジタル技術に大規模な投資をしています。

常に新しい技術を求めて、最新のものを取り込み、ユーザーエクスペリエンス(UX)を強化していきます。これだけのリソースを使える環境は、他にはないと思います。リアルとバーチャルの融合のおもしろさに引き込まれている私には、最高の環境です」

2020年春にオープンする「ユニクロ 原宿店」では、世界で初めてStyleHint専用の売場となる「StyleHint原宿」を新設。このことからも、同社が、リアル(店舗)とバーチャル(SNSやEC)をシームレスにするサービスを具体化させようとしていることがわかる。それだけ、このコマースサービスアプリへの期待は大きいのだ。

「StyleHint」の大きな特徴は、プロジェクトの企画段階から、本当に“スタイルのヒント“になるという視点を大事にしてつくられていることだ。単に画像を共有するSNSとは、成り立ちからして異なる。

府内 「ファーストリテイリングは、世界最高の顧客体験の提供を、全社のミッションに掲げています。そのため、表層的なUXではなく、ユーザーの行動を深く掘り下げたシームレスなUX構築を行っています。

たとえば、Google Cloud の画像解析技術を用いた画像検索機能も、『StyleHint』特有のものです。画像をタップすることで、ユニクロとジーユーの商品が表示されるのも、いちいちユーザーが#(ハッシュタグ)から検索する手間をはぶくためです。

ユーザーが最速で新しい着こなしを発見できれば、これまでとはまったく異なる体験ができます。そこにこだわって、『StyleHint』の世界観と可能性を広げていきたいです」

新しい時代の流れをとらえ、アプリを通して事業の変革に挑戦する

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ファーストリテイリンググループは、「情報製造小売業(Digital Consumer Retail Company)」への変革の真っ最中である。常に新しい時代の流れをとらえ、企業としての変革と新しい事業に挑んでいるからこそ、これまでの急成長とグローバル展開を可能にしてきた。

大手出版社の女性ファッション誌編集長だった岡野まかみも、そんな同社の企業姿勢に引かれて転職したひとりだ。現在は「StyleHint」編集長であり、クリエイティブの内製化を推進するグローバルクリエイティブラボ東京の部長として、同社に新しい風を吹き込んでいる。

岡野 「今後、グローバルで展開し、成長していく『StyleHint』というアプリの新しい取り組みに、初期段階から携われるのは大きな魅力です。

コンテンツチームで働く際、ファッションエディターやライターの経験はあったほうが望ましいですが、基本はファッションが好きで、リアルな世界においても、イベントなどの企画力がある方に加わっていただきたいですね」

また、岡野はWebエディターだけではなく、他の職種も幅広く活躍できると話す。

岡野 「私が編集長として率いるチームのメンバーは、Webエディターも、インフルエンサーマーケティングも、グロースマーケティングも、End to Endで当事者として関わり、自らの手でプロジェクトを動かしています。

すべての職種がワンチームになり、デジタルマーケティングからCMの企画まで、当社の組織力、商品力、ブランド力を使って実現するのが、『StyleHint』というチームです。

これは他社にはない環境ですし、いろいろな可能性を秘めたダイナミズムがあり、成長したい方にとって、必ずや貴重なキャリアとなるのではないでしょうか。私自身、新たな挑戦にわくわくしています」

「StyleHint」の成長とグローバル展開で着こなしの楽しさを拡散する

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ファーストリテイリングの精鋭たちが集まる「StyleHint」だが、成長スピードを上げ、グローバル展開していくために、足りないものがある。それは、新しい仲間だ。

府内 「『StyleHint』は始動したばかりです。めちゃくちゃ大変ですが、これから成長していく取り組みだからおもしろい。単純なアプリだけの世界に閉じるつもりは、まったくありません。リアルとバーチャルを融合させ、世界中で、どの企業も実現したことのないユーザー体験を提供していきます。

そのためには、デジタルマーケティング領域でも、グロースハッカー領域でも、データドリブンでPDCAを高速回転させ、サービスグロースをしてきた方、データ解析やアナリスト業務、プロジェクトマネジメントの経験のある方と、ぜひ一緒に『StyleHint』をグロースさせていきたいです」

安留は、これからの「StyleHint」の広がりとともに、自己成長のチャンスが無限にあると強調する。

安留 「私は最大手ECから転職してきましたが、ファーストリテイリングの新しい発想への欲求と挑戦への希求は、想像をはるかに超えていました。事業変化が激しく、経営トップの意思決定に驚愕することもありますが、そこから必ず得られるものがあり、目指す姿を実現できる“何か“が確実にあります。

何かを成し遂げたい人や自己成長にどこまでも貪欲になれる人には、年齢・性別・国籍など、あらゆるバッググラウンドに関係なく、活躍できる環境がここにはあるんです。

私たちは『StyleHint』での成長を通して、世界中のあらゆる人に、着こなしの楽しさを拡散しています。そこには、デジタルネイティブの人たちの感性と、事業に成長させていく力が活かせるのではないでしょうか。」

誕生したばかりの「StyleHint」だからこそ、やれることが無限に広がっている。