グローバルネットワークを活かしたアプローチと共創力でクライアント企業のESG経営を支援
21世紀に入り、私たちを取り巻く世界は、気候変動や資源問題、都市化の進行、人口動態の変化、技術革新の進展といった動きが加速し、持続可能な社会の実現につながる価値観の重要性と変革の必要性を認識してきました。ESG(環境・社会・ガバナンス)は、こうした背景から生まれてきた企業経営および投資活動の大きな流れです。今やすべての企業がESGに対して真摯(しんし)に向き合い、自社の考えと行動について、ミレニアル世代などの投資家の関心を意識した丁寧な説明を行う必要があります。
EYは、2013年より「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をグローバル全体のパーパスに掲げ、クライアント企業のESG経営をサポートしています。気候変動リスクの高まりを受け、とくにE(環境)に関する議論を深めてきましたが、S(社会)とG(ガバナンス)についてはこれから議論を進めようと検討中の企業が少なくありません 。また、日本では企業のトップになる後継者不足の問題など企業のGへの対応が問われており、EY Japanが積極的にサポートしています。
2022年はコロナ禍が続く中で世界情勢が不安定となり、原材料・エネルギーコストの高騰や食糧不足、インフレ進行などのマイナス影響が広がりました。その動きはESG経営およびESG投資にも波及し、サステナビリティに対する企業活動が経済的リターンを犠牲にするといったトレードオフの関係が顕在化しています。環境配慮を偽装する「グリーンウォッシング」の動きも指摘され、ESGに関する透明性の高い開示が求められています。
このような時代において、EYは、アシュアランス、税務、コンサルティング、ストラテジー・アンド・トランザクションの連携によるチームアプローチを通じて、多岐にわたる経営テーマをカバーするとともに、EYの強みであるグローバルネットワークとの技術や知見などの共有を活かしたソリューションでクライアント企業のニーズに応え、事業の成長・発展を支えてきました。
とくに2022年は、地政学リスクを受けたサプライチェーン上での対応や、経済安全保障に関わる事業戦略面の検討など、企業支援のさまざまな局面において、こうしたEY独自の強みを発揮する機会が増えました。将来、発生する恐れがある地政学リスクを踏まえた事業分析においても、引き続き支援していきます。
このほかにEYの特色として挙げられるのは、社外のアライアンスパートナーとのプロジェクトを通じて、長期的価値に資する共創力を発揮している点です。さらにサステナビリティへの取り組みにおいては、クライアント企業へのソリューション提供にとどまらず、気候変動や生物多様性などの領域で第三者機関との枠組み作りに関与しています。
パーパスをメンバーの行動で具現化し、クライアントの長期的かつ幅広い価値創造につなげる
「Building a better working world」というEYのパーパスの策定から数年をかけ、メンバーが個人として目指す「My Purpose」を自らの行動で具現化していくための取り組みを進めました。
そこで私たちが築いたものは、個々のメンバーのパーパスと専門性が結び付くことから高められる情熱が、クライアント企業へのサービスにつながり、社会にどのようにインパクトを与えるか思考するというマインドセットです。こうした従業員と企業のパーパスをつなげる取り組みを、コンサルティングを中心としたサービスへと広げています。
私たちが社会に与えるインパクトとは、一時的なものではなく、長期的視点からより良い社会を構築するという、終わりなきゴールを目指すものであり、その点がEYの独自性であると自負しています。
一方、社外との連携では、テクノロジー企業などのアライアンスパートナーと共に、企業価値につながるソリューションを生み出し、その拡大に努めています。マイクロソフト社とのアライアンスでは、企業が従業員に伝えたいカルチャーや理念、新たな戦略などを社内に浸透させるために、オピニオンリーダーとなる素質を持つ人材を識別するシステムを開発しました。これは、従業員の業務における行動データを分析し、その資質を把握するもので、同社のテクノロジーとEYのノウハウを組み合わせた成果の一例です。
このように私たちは、組織内および社外との共創を通じて独自性を強化しながら、各種サービスやソリューションの提供を社会全体の価値創造へ発展させていきます。
仕事を通じてメンバーの人的価値を高め、グローバルに活躍できる人材を育成
私たちの「より良い社会の構築を目指して」というパーパスは、EYが「なぜ」世の中に存在するのか、その理由を示すものです。そして「何を」私たちが行うのか、それを示すのがClient value、People value、Social value、Financial valueを価値基準とするAmbition(目指すべき姿)です。
クライアント企業の成長に寄与し、価値を最大化するために、EYは業務を通じてメンバーの人的価値を高め、より良いサービスの提供につなげています。それはクライアント企業とEYのメンバーが社会を変えていく原動力となっています。
その起点となるのは、人的資本への投資であり、私たちはプロフェッショナル・サービス・ファームとして、グローバルに活躍できる人材の日本における育成に責任を負っています。EYはメンバーに対し、グローバルなコミュニケーションや多様なカルチャーへの理解力・対応力を求め、そうした資質の形成やマインドセットを促すための職場環境を整備しています。
具体的な取り組みとして、EY Japanのメンバーファームの人材がグローバルで働く機会を設けることで、キャリア形成プログラムとしての海外駐在や、プロジェクトベースでの海外派遣などを活発に行っています。また組織内の連携が強いEYでは、こうした人材がバーチャルでチームを組み立て、グローバルコミュニケーションやマインドセットなどを形成する機会を広げています。同時に、EY Japanのメンバーファーム内においても、プロジェクトベースでの連携によって人材交流を広げており、チームワークの充実を通して人的価値の向上につなげています。
EYは、メンバーが自らの知識やスキルを活かして自発的に参加する、企業としての責任(CR)プログラム「EY Ripples」や「My Purpose」を重視しています。それは、一人ひとりの価値観や情熱と、自身が携わる業務とを整合させ、強く結び付けることが長期的価値創出の原動力になると考えているためです。とくにミレニアル世代などの若い層は、自分の個性や能力と業務が整合していることを非常に重視し、それを確認することで大きな力を発揮する面を持っています。
私たちは「MeからUsへ」の考え方を基に、個人からチームワークへ、そして社内から社外へ価値の提供を広げ、仕事の中で自分自身の情熱を感じ、EYのパーパスとの結び付きをさらに深めてほしいと思っています。
クライアント企業の要望に応えるソリューションを提供し、世界が直面する問題を解決
EYはパーパスに基づき、クライアント企業の要望に応えるソリューションを提供し、事業の成長・発展を支援しています。そして世界が直面する状況に対し、的確な課題提起を行い、新たな解決策を導きます。冒頭に述べたように、私たちを取り巻く社会は、地政学リスクや気候変動リスクの高まりを受け、この数年で大きく急速に変化し、企業はさまざまな脅威への対応に迫られています。私たちは、先進的なテクノロジーの活用やグローバルなノウハウ・知見の共有により、企業の存続を支え、持続的社会の実現に寄与します。
EYのメンバーファームに入社した社員の多くは、EYのパーパスに共感して集まった人たちです。そのことを感謝するとともに、私たちは独立性、信頼性かつ透明性をさらに深め、サービス提供を広げていくためのディスラプションを次世代のあり方として推進します。より良い社会の構築に向けて進化し、さらなる飛躍を目指すEY、そしてEY Japanのチャレンジにご期待ください。