結果と向き合いたどり着いた―「売れる」デザイン

エータイの制作物全般を担ってきた海老根。“デザイナーになったきっかけ”は、意外なものでした。

海老根 「実を言うと、私自身デザイナーになるなんて、夢にも思っていませんでした。きっかけとなったのは、父に勧められ入社した印刷会社。そこで“デザインオペレーター”をしたことです。

初めは、簡単な名刺のデザインからでした。デザインと言っても当時は、切り取って組み合わせる版画のような作業が主でした。当初は“デザインをしている感覚”はあまりなく、デザイナーに指示されたことをただ作業していました。ところが、技術革新とともにデザインの幅が広がったことで、デザインにのめり込むようになりました。

その後2社目は、旅行、スーパー、企業パンフレットなど、さまざまな印刷物を扱う印刷会社へ転職しました。3社目を経て、4社目でエータイに入社。入社当初、デザイン担当者は私一人だけだったため企業ロゴ、チラシ、看板、パンフレット、新聞、名刺、封筒などエータイの制作物全般をデザインしました」


会社のほぼすべてのデザインを担ってきた海老根は、それまでの経験が「今」に活かされていると言います。

海老根 「印刷会社や広告代理店では、主にレスポンス広告(折込チラシや新聞広告)のデザインを担当しており、そこでは、イメージ広告とは異なる“常に反響を意識したデザイン”を心がけてきました。そのため今も常に反響を意識して制作しています」

そして、これまでの経験は、海老根がエータイに入社しようと思うきっかけにも繋がっていました。

海老根 「代理店勤務では“反響が分からない点”が悩みでした。クライアントの依頼により広告を作成し、クライアントからはお褒めのお言葉もいただけていましたが、『結果は、本当に良かったのか?』という実感を得ることはなかなか難しかったんです。自分がデザインしたものの、“どこか他人事になりがちな自分”が居た気がします。

しかし、エータイに入社してからは反響が数字として見えてくるため、“やりがい”が増えました。“創るから『売る』がメイン”になり、売れたかどうかが顕著に現れるようになったんです。現在は日々、自分が果たす役割を強く実感できています」

やりがいと強い責任感を持って業務にあたる海老根。“エータイ入社の一番の決め手”について、聞いてみました。

海老根 「自分のいた業界は紙媒体がメインで将来性に不安を感じていました。もともとインハウスデザイナーに憧れていたこともあり、メーカーのデザイナ―職を探していた時にエータイと出会いました。当時『永代供養墓』が注目されはじめていて、実際に話を聞いた時、“これからの会社の成長”にワクワクしたんです。

実際に入社してからも、エータイはどんどん規模が大きくなっていて、あの時の決断は間違ってなかったなと思っています。そんな風に夢を膨らませながら、今も業務にあたっています」

“販売促進は、全社で取組む”―1件でも多く反響を得る自覚とその工夫

永代供養墓という特殊な商品広告の制作を担当してきた海老根。撮影やデザインをする上で気をつけていることがあります。

海老根 「“どうしたら反響がとれるか”を考えながらつくるように心がけています。制作物にもよりますが、“インパクト&分かりやすさ”を大事にしています。ユーザーは、紙でもWebでも『数秒で、目を止めるか流すか』を決定します。だからこそ、広告を見る人が『これはメリットがあるぞ!必要だ!』と、瞬時にわかる広告を目指しています。

また、当社の提携寺院は、55カ寺となりました。着々と寺院から信頼を獲得しつつあると思います。55カ寺ある寺院もすべてに『個性』があります。また、お寺は何百年と代々にわたり継承されてきたものです。だからこそ、ユーザーにその個性と歴史を伝えるために“風情を感じられ、各寺院の魅力が一番引き立つアングル”で撮影することを心がけています。お客様の声アンケートで『パンフレットが分かりやすい、チラシを見て見学に行った』という回答をいただけていることからも、自分の制作した広告の成果を感じています」

 さらに、制作物全般を担う上で注意していることを教えてもらいました。

海老根 「たとえば、パンフレットは、“資料請求の後に手に取る”お客様がほとんどです。その場合、“インパクト<美しさ重視”のデザインをしています。新聞広告やチラシでは、他社広告と混ざってしまうことを考慮して、差別化を狙います。そこでパンフレットとは逆に、“インパクト>美しさ”の制作を目指しています。それらの大前提として、パンフレットもチラシもデザインをする上では、『分かりやすさ』は絶対的に必要となります」

仕事の苦労とやりがいは表裏一体、海老根の考えるデザイナーとしての心得とは。

海老根 「仕事に対しては、“諦めず模索すること”を大切にしています。コストをかけ広告を出稿していますし、『エータイ』という名前が世に出る“責任”があります。だからこそ、少しでも反響をいただけるような広告を最後まで諦めずに模索し続けています。

そんな私にとっては、“やりがいと苦労に感じることは一緒”なんです。同じデザインでも場所や掲載日が違うと反響が変わることがあります。これが最もやりがいに感じる点であり、最も苦労するポイントでもあります(笑)。

『正解のない問い』に頭を悩ませながらも、完成後には反響をいただけているので20年も続けられているのかなと思います」


“1件でも多く反響を得る”ために、自らはじめたチラシのポスティング。そこには「全社員協力体制の構築」という販促への想いがありました。

海老根 「前からやりたいと思っていたのですが、デザイン担当が増員されたことでポスティングができるようになりました。自分がつくったものに責任を持ち、1件でも多く反響を得るためにポスティングをはじめました。

また、『販促活動は一部の人間が考えるのではなく、全スタッフ協力のもと推進していくもの』と、私は考えています。その中で自分は、デザインを通して販促活動に携わっているという認識です。他の社員の方が販促の意識を持つきっかけになればいいなと思いながら、取組んでいます」

コミュニケーションから生まれるもの―デザインという正解のない問いを求め

社内でのコミュニケーションを大事にする海老根。そこには、デザイナーとしての責任がありました。

海老根 「私の業務内容は、デザインを通して『エータイがどういう想いでサービスを提供しているのかをユーザーに伝える』仕事だと思っています。デザインは、ただ、綺麗なものをつくるだけではありません。デザインとは、コミュニケーションを形にするためのものです。

たとえば、エータイの企業ロゴで説明しますね。『A-tie(エータイ)』という企業名には、ひとつひとつの事象(冠詞「A」を使用)を結びつけ(動詞「tie」を使用)、“永続的な成長と発展を遂げていきたい”という想いが込められています。そこで、ロゴデザインでは『A』に着目、エータイの右肩上がりの成長を描くことで、会社の想いが伝わるようにデザインしました。会長、社長だけでなく、社員の方にも気に入っていただけているようで良かったです。

普段のコミュニケーションでは、二つのことに気をつけています。一つめは、相手が話しやすい雰囲気をつくること。二つめは、目的意識の共有です。相手がどういう目的意識を持って仕事をしているのか理解し、その目標を達成させるには自分に何ができるか考えながらコミュニケーションをとるようにしています」


そんな普段のコミュニケーションが、思いがけない情報となることもたくさんあると言います。コミュ二ケーションが反響に繋がった成果とは。

海老根 「すべての広告は、常にいろいろな人の意見を集約して制作してきました。だから、一人だけで作れたものは何一つないと思っています。また、全てのデザインは“コミュニケーションから生まれたもの”なんです。

たとえば、お寺のチラシで営業担当とのちょっとした会話から文字を変更したことがありました。群馬県太田市にある『大慶寺』は地元住民の方から“ぼたん寺”と呼ばれ、親しまれているそうです。これは、営業の方から教えていただきました。それを受けて、チラシに正式名称ではなく、『ぼたん寺』と記載したことでお客様が手にとってくれるようになりました。

そういったワードも他部署の方からヒントをいただいています。だからこそ、営業、事務、現場スタッフとの“意思疎通”は仕事上、不可欠なんです。これからも、社員一丸となり販売促進をしていけたらと思います。私自身も伝道師として、提携寺院・会社を支えるデザインをしていきたいです」

デザイナー歴22年のその先―未来を見据えた今後のビジョンとは

「ABテスト」、「ドローン撮影」と、新たな取組みを進める海老根。そこに込められた想いとは。

海老根 「ひとつの指標ができればと思い、ABテストを新たに導入しました。ABテストを行うことで、『どういうデザインがいいか?』誰もがわかる指標をつくりたいと考えています。テストを繰り返すことで、正解に少しでも近づきたいんです」

一方、「ドローン撮影」のきっかけは、新たな寺院の魅力を伝えられないかという寺院開発部からの打診でした。

海老根 「ドローン撮影は寺院コンサルティング会社として、よりお寺の魅力を伝える手段に適していると思います。今回、主に業者の選定・動画編集のディレクション等に携わりました。上空100mから撮影する技術に私自身、ただただ驚かされることばかりでした。ここでも新たな発見が沢山あり、楽しかったです。また、今回ドローン撮影を試みたことで、平面画像では表せない『寺』を表現できると確信しました。今後も、新たなお寺の魅力を引き出せたらと思っています」

今期から「販促物リーダー」に就任した海老根。最後にその意気込みと、これから挑戦したいことを語ってもらいました。

海老根 「今まで一人でデザイン担当をしてきたので気づきませんでしたが、必ずしも自分の仕事の進め方が一番やりやすいわけではないと知りました。これからは仕事の進め方も制作メンバーと相談しながら新たに構築していく必要があると感じています。また、販促物リーダーになったことで、これまで以上に反響数/率を追うようになりました。今期中に目標が達成できるか不安ですが、なんとか達成できたらと思っています。

これからは、“やったことがないこと”にもどんどんチャレンジし、『失敗をおそれない』という言葉を大切にして業務にあたりたいです。失敗をおそれて無難なことばかりしていくより、時には大きな失敗をした方が、得るものが大きい場合もあると考えます。なかなか実行するのは難しいですが、今年から少しずつやっていけたらと思っています。

具体的に言うと、ドローン撮影ですね。自社の提供寺院は現在だけで55カ寺。コスト面を考えても、自社制作できた方が良いと感じています。具体的には、動画編集・ドローン撮影の技術を習得したいです。ドローンの操作技術は思っていた以上に難しく、専門的な学校や講座もあるほどです。また、墓域の付加価値を高められるような提案ができたら良いなと、思っています」

デザイナー、社会人歴がともに22年を迎えた海老根。ベテラン社員となった今も未来を見据え、会社と自分の成長を惜しまない姿がありました。エータイの伝道師として、会社を支えこれからも飛躍していきます。