「何でも相談できる住職」でありたい──人々の“心の拠り所”を目指して

真言宗豊山派・円光院(千葉県八千代市)では、檀家様のご要望から「本堂葬儀」をはじめた。檀信徒様の声に真摯に耳を傾ける住職には、そのお人柄溢れる“想い”と住職としての“ありたい姿”がありました。

藤間住職 「『葬儀セミナー』を今回開催した理由は、この度父から住職を受け継ぎ私が務めさせていただく中で、『何でもご相談ください』ということを皆さんにお伝えしたかったからです。宗派、寺院、住職によって『葬儀』のやり方は異なります。

しかし、私は何よりも“悔いのない葬儀”をするべきだと考えています。故人、ご親族、ご友人が『良い最期だったなぁ』と思える終わり方をするために、私も出来る限り何でもしたいと思っています」

なぜ、エータイとイベントを共催しようと思っていただけたのか。そこにはエータイ商品への“共感”があったからだと住職は語ります。

藤間住職 「ご縁あってエータイの永代供養墓を当院でも契約させていただいています。それに加えて、葬儀信託『ぶりす』という商品が私の考えと一致していました。実際、『葬儀の時に困らないように、生前にお金を預かってくれませんか?』という檀徒の方もいらっしゃいました。その要望を叶えるためには、第三者のお力をお借りしなければ出来ないなと考えていました。もしも、エータイの『ぶりす』(葬儀信託)が無ければ、個人的に弁護士や行政書士の方に頼み公正証書を作成しなければいけないとも思っていました。

しかし、エータイの『ぶりす』は、メガバンクグループのみずほ信託銀行にお金をお預けいただけます。たとえ、円光院が廃寺になり、エータイが倒産してしまったとしても、みずほ信託銀行とのやり取りは可能と聞き、お檀家様もそうでないお客様もどなたでも安心できるサービスだと感じました。『ぶりす』のフリーコールに連絡すれば、ご親族のホテルの手配まで対応してくれるお客様第一の点も気に入りました。人が亡くなると本当に慌ただしくなります。今からできる事前準備をおすすめしています」

お檀家様から金銭保管を依頼されるほど、信頼されている藤間住職。「本堂葬儀」も檀信徒様からのご要望がきっかけでした。

藤間住職 「17年前に、皆様からのお力添えをいただいて客殿を建て直しました。その当時はお寺での葬儀は考えていませんでした。その後、『お寺で葬儀はできますか?』という質問をいただいたことが、『本堂葬儀』をはじめようと思ったきっかけです。当時の葬儀規模は、60~70名でした。

ところが、近年では『直葬』という従来なかった概念が定着しつつあり、1~2年前から家族葬も増えてきました。規模の縮小傾向により、収容人数30名程度の本堂葬儀が、円光院で可能となりました。『本堂葬儀』はセレモニー会場にはない、“寺”にしか出せない神聖な空気を創り出すことができます。実際に参列者の方にも『やっぱり神社仏閣からは、パワーをもらえますね』とよく言っていただけますし、寺院だからなせる空間で穏やかな気持ちになっていただけたらと思います。

困ったことがあれば『住職に相談しよう』という選択肢を持ってほしいと思っています。一般の方は、なかなか葬儀をご経験されることがなく、『分からないので葬儀会社にお任せします』という方が多いようです。加えて、住職には何かと話しづらい方も多く見受けられる。それは住職側にも問題があるのではないかと思います。そこで、今回のような『葬儀セミナー』の開催で、住職とも気軽に話せると思える機会を設けたいと思いました。『葬儀』は、扱いにくい話題ではありますが、いずれ誰もが“死”を経験します。

だからこそ、普段考えない“最期”について、今からどんな準備をすべきか、今回のセミナーに参加された方々の不安を少しでも解消できたら嬉しいです。近年は、情報社会と言われネットに情報が溢れていますが、全てが正しいというわけではありません。だからこそ、正しい現状を知るためにも、近くにいる住職に話が聞ける関係性づくりが大事だと思っています」

檀信徒様はもちろんのこと、地域住民との対話を大切にする藤間住職。これからは、「寺」や「住職」が人々の“心の拠りどころ”となることを目指すべきだと話します。永代供養墓だけでなく、八千代の土地柄と自身の経験から建立したペット葬「やすらぎ」にもその想いが込められていました。

藤間住職 「八千代市は酪農が盛んでした。円光院の付近にも昔は牧場がたくさんあり、牛や鶏等色々な動物が一緒に暮らしていました。そんな理由から、円光院には牛馬霊碑があります。また、私自身も飼っていたペットが亡くなった際、とても悲しい気持ちになりました。そんな風に苦しむ方々のお役に、少しでも立てないかとペット墓所を建立しました」

 

“ホテルマン”の経験が生きる瞬間──『おもてなしの心』を全ての人へ

お檀家様だけでなく、初対面のスタッフも名前で呼んでくださるほどに“おもてなしの心溢れる”ご住職。それは、前職までの経験からくるものでした。そして、その経験は“今”に活きていると言います。

藤間住職 「実は、前職まではずっとホテルマンをしていました。『シンフォニー』というクルージング船で接客業務をやっていた際には、披露宴等にも関わらせていただきました。披露宴や宴会は、本当にイレギュラーな事が起こり、次から次へとさまざまな要望に対応しなければなりません。そこで、“Noと言わずお客様のご要望を実現する方法を考える”、“急なことも即判断して対応する”、“常に段取りを考え進める”という『思考の癖』が身に着きました。

私ども住職が葬儀を務めさせていただくには葬祭関係者各位、ご親族の方のご意向を伺うためお打合せの時間をいただき、ご要望の確認及び実現に向けた方法を考えます。急な参拝者の方の対応が重なることも日常茶飯事ですので、対応方法を即判断し皆様のご要望を実現していきます。同時に3組の対応が重なってしまっても、それぞれの方に対して一対一で対応する技量が鍛えられました。他にも、お通夜と葬儀が続いた際は『このお通夜はこうして、次の葬儀はこのように務めよう』と、先のことを考えられるようになったのもホテルマンとして“現場管理”をしていたからだと思います」

先を見通す段取り。それは、お客様がどうすれば居心地良くお過ごしいただけるかを考えるおもてなしの心。そして、その「おもてなしの心」はお客様だけに向けられるものではないと言います。

藤間住職 「ホテルマンとして、お客様のお名前を覚えるのは基本中の基本。その名残りから、お檀家様、葬儀や法事などで関わるスタッフの方をお名前でお呼びし、お話するようにしています。住職一人では、『葬儀』は成り立ちませんし、何もできません。設営、搬送してくれる方が居て、はじめて式場が出来上がります。そこにお花屋さん、料理人の方、お食事を配膳してくれる方などもいますよね。

自分は皆さんに凄く感謝をしていて、だから少しでもそういう方々が気分よく働いていただきたいと思っています。そうでないと、仕事にも影響が出てくると思いますし、お客様にご迷惑をかけることを一番避けたいと思っています。だからこそ、たとえ一度限りのメンバーであっても、スタッフとの連携、“ワンチーム”精神を大事にしています」

 

“ホテルマン”に憧れて ──すべての人を救いたい「菩提の心」

“ホテルマン”になりたいと憧れを抱いたご住職。その根底には、すべての人々を救いたいという菩提心(ぼだいしん)がありました。

藤間住職 「中学、高校からの時から『ホテルマンになろう』と決めていました。そのきっかけは、小学5、6年生の時に従兄弟に素敵なレストランのティータイムに連れて行ってもらった際に感じた“憧れ”でした。ウェイターの方が小学生の私のことを“一人のお客様”として扱ってくれたことに、とても感動しました。

紅茶やケーキの説明等も凄く丁寧にしてくれて、なんてかっこいいんだろうと思いました。それから、ずっとホテルマンになることが憧れでした。住職をする親からは猛反対されましたが、それを押し切ってその道に進みました。急に父が入院し、僧侶の資格は持っていたこともあって住職になろうと決めました。まさか、人生で“慶弔”の両方に関われるとは正直、想像もしていませんでしたね。

これは、サービス業をやっていたからだと思うのですが、世間一般的にサービス業の従業員の接客態度が悪ければ、お客様はおかしいと思いますよね。それなら、住職の態度が悪いから、来山者がおかしいと思うのも、普通のことではないかと思うんです。ホテルマンの経験があるからこそ、そういう風に思えるようになったのかもしれません」

サービス業の経験が活かされているだけではなく、接客業と住職には意外な共通点を話す藤間住職。そこにはサービス業を経た、“ならではの想い”がありました。

藤間住職 「お客様が抱いている不安や悩みを少しでも取り除いたり、一緒に発見して、私ができることをご提案させていただく点に、接客業と住職の繋がりを感じます。私と話をしても悩みはあまり解決できないかもしれませんが、今回セミナーを開催したきっかけでもある一般の方が抱く“聞き辛い”という現状を、『円光院の住職ならどんなことでも聞いても大丈夫』に変わればと、切実に思います」

時代と共に変わるもの、変わらないもの

セミナーで扱ったのは、葬儀に関する「今更聞けない」と思われがちな用語。誰もが理解できるよう、『葬儀』『戒名』等を歴史から紐問いて説明した住職。何百年と続く「寺」だからこそ変わるべきこと、変わってはいけないことがあると話します。

 藤間住職 「宗教儀礼の理由や由来がわからないと、誰だって何をしているか理解ができないと思うんです。でも『住職にそんなこと聞けない』という方が多いと思います。例えば、サービス業で言うと、ウェイターになら誰でも声をかけますが、住職だとそうではない風潮があるんです。だからこそ、住職の私たちから先に説明してあげることが大切だと思い、心がけるようにしています」

その心がけは、お客様第一の考えだけでなく、時代に合わせて変化することの重要性からもきています。

藤間住職 「どんどん時代は変化していきますよね。今後、時代がどんな風になっていくか、誰も読めなくなっています。そんな中で、『寺』という文化が何百年と継承され続けているのはとても凄いことだと思います。実際に真言宗は、平安時代から続いてきた歴史ある宗派です。しかし、『時代が変わっているのに、お寺は変わらなくて良い』なんてことはないですよね。

実際に昔は、馬で移動していたところを今では車で移動するようになりました。でも、今も昔も“人を偲ぶ気持ち”は変わらないと思います。だからこそ、宗教的な儀礼は継承しつつ、時代に合わせて変わっていけると良いのではないかと思います。実際に円光院では、少子高齢化、ライフスタイルの多様化という時代背景からエータイの永代供養墓を取り入れました」 

お客様の声に耳を傾け、未来を見据える藤間住職。時代と共に「寺」と「住職」の在り方について考えながら、これからもお客様第一で人々に寄り添い、関わるすべての人をおもてなしていきます。