定期的な情報発信や啓発活動で社内外の環境意識を高める
2022年7月現在は、企業活動においてもESGやSDGsに配慮した活動が重要視されるようになりました。エコスは「環境」を社名の由来にもしている通り、早い段階から環境活動に力を入れています。
その環境全般の取り組みの指揮をとっているのが、私が所属する本社の総務部環境資源担当です。環境に関わる業務や広報活動などを行っており、チームには2名のメンバーが在籍しておりますが、主任である私が一番若手です。
具体的な仕事内容としましては、社内のサステナビリティ推進委員会の事務局としてさまざまな施策の企画や立案を行ったり、各店舗に資源の使用状況を定期的に発信したり、場合によっては改善案を出すこともあります。環境への取り組みは、これまでの積み重ねによって多くの基盤ができているので、社内外にその内容を周知することが大切だと考えています。社内向けには、毎月1回発行している社内報の制作や、電気・レジ袋辞退率などのデータを適宜配信しています。
とくに店舗で使用する資源の中で、大きな割合を占めているのが電気です。食品スーパーマーケットは、冷蔵冷凍ケースが使用電力のおよそ6割にもおよびます。気温が少しでも上昇すると、庫内を冷やすための動力が増え、それが電気使用量の上がる要因になっています。電気などのエネルギー使用は地球温暖化の原因の一つであるCO₂排出量の増加につながってしまいます。
そういった現況を知ってもらうため、私たちは各店舗に向けて1週間ごとに電気使用量を取りまとめて発信しています。さらには、適切な温度管理のお願いや、フィルター掃除といった節電に関する情報をお知らせするなど、環境対策の啓発も心がけています。
環境といっても幅広く、廃棄物関係の業務も行っております。発生した廃棄物は、分別をすることで再び資源としてリサイクルすることができます。廃棄物が出ないことが一番ですが、店舗では必ず廃棄物が発生してしまいます。できる限り発生抑制した結果、出てしまった廃棄物を、より多くリサイクルされるように自治体ごとに異なった分別一覧表を店舗の各作業場に掲示し、分別の徹底を促しています。
最近では、既存店舗への周知活動に加えて、新規オープンやリニューアルオープンをした店舗に対して、環境に対する啓発活動も行っています。業務の中でどういった環境活動をしてもらいたいかということを、説明会を開いて従業員の方々にお話させてもらうこともあります。
私は大学時代に環境経済学のゼミに入っていました。そこで環境について勉強していたため、もともと環境への興味は強かったのです。大学時代に学んだことを活かしながら、さらに専門的な知識を増やせるように、本やテレビなどさまざまなところに常にアンテナを張っています。
2年間の店舗勤務を経て、大学での学びが活かせる環境資源担当へ
私が就職活動をする上で軸となっていたのは、「長く働き続けられるかどうか」という視点です。そのため職種を絞らず、まずはたくさんの企業を知るところからスタートしました。
エコスの説明会では、当時の環境資源担当の方から、創業当初より環境を意識してきた企業姿勢についてお話を聞く機会がありました。会社の中に環境専門の部署があることが素晴らしいと思い、ここなら自分の学んでいたことが少しでも活かせるかもしれないと思ったのです。
また会社の雰囲気や社員の人柄にも惹かれ、長く働き続けられる会社だと思ったことも入社の決め手となりました。面接の際には、将来的に環境活動に取り組みたいという想いは伝えましたが、もしその部署に配属されなくても、環境を意識して働くことで少しでも貢献できればと考えていました。
入社後は、店舗でのレジ・サービスカウンター業務を担当するチェッカー部に配属となり、2店舗経験しています。店内が混雑してくると、お店の中がまるでお祭りのような状態に感じられ、私はそんな活気あふれる雰囲気が好きで、いつもワクワクしていました。たくさんのお客様が来店され、スタッフの「いらっしゃいませ」の声が飛び交い、レジは大変でしたが楽しみながら働いていました。
私はそんなチェッカー部にとてもやりがいを感じていて、当時はこの道しか考えていませんでした。そんなときに環境資源担当への異動のお話をもらい、少しは迷いもありました。しかし、入社前からの「環境に携わりたい」という強い想いがあったため、異動先でも頑張っていこうと決意しました。
店舗での経験が今に活きる。大きな責任感とともに芽生えた達成感
2022年現在、私はエコスに入社して4年目になります。当社では、ある程度の確認は取りながらですが、自由に意見を盛り込んでいける社風があります。若手でもしっかりと裁量権が与えられ、私も本社では最も若い主任として、仕事をしています。
若手のころから多くの仕事を任せてもらえるのは嬉しい反面、環境資源担当になったときに、真っ先に感じたのは責任の重さでした。これまでは一店舗の中での活動でしたが、これからは会社としてより多方面の人々と関わりながら活動しなければいけません。会社として情報発信するという責任の重さに、最初は気が引き締まる思いでした。
とくに環境についてのPRやIRなどを周知する場合、会社として公表するため、細かなところまで関係者に確認を取り、何かあればきちんと訂正する必要があります。店舗にいたときとは違った大変さはありますが、そういった作業が滞りなくできたときに大きなやりがいを感じます。
現在は、株主様向けの会社の環境活動に関するPR動画を作成していますが、細かい言葉のニュアンスにも気を使いながら、何度も何度も修正を重ねました。個人的にはナレーションに胸を張って語ってほしい部分も、企業としては謙虚に伝えた方が良いこともあります。
それぞれの要望を盛り込んでいくのは、とても大変な作業です。業者の方とやりとりしながら一緒に作り上げているのですが、少しずつできあがってきた動画を見ると達成感がありますね。目に見える素晴らしい成果物になるのは、仕事をしていて本当に楽しい瞬間です。
こうやって仕事が順調にできているのは、やはり入社後に店舗勤務を経験し、実際に店舗の環境を自分の目で見ることができたからだと思っています。電気や水道といった資源の使用削減をお願いする場合でも、大変な状況を理解した上で具体策を提案できるため、現場を知ることができたのは今に活きていると感じています。
食品リサイクルの可能性を広げ、業界の先駆けとなる環境配慮型スーパーマーケットへ
最近では、社長のお話をはじめ、社内でも「環境配慮型食品スーパーマーケット」というキーワードを多く耳にするようになりました。たとえば屋上に太陽光パネルを置いて自家発電をする、または出てきたゴミを循環させて間接的にゴミをゼロにするなど、さまざまな策が考えられます。
こういったスーパーマーケットは日本ではまだ少ないですが、今後はその先駆けとなるような取り組みにも挑んでいきたいと思っています。そのため情報収集は必要ですから、業界が行っている環境活動や世界的な環境問題など、いろいろな角度から環境について学んでいきたいですね。環境資源担当として、できる限り会社に貢献していきたいと思っています。
環境の中でも、私が今注目しているのが「食品リサイクル」です。スーパーマーケットでは食品を売っているため、食品ゴミはどうしても出さざるを得ません。本来なら食品リサイクルに回せるものが、可燃ゴミとして出されているケースもまだ見受けられます。こうした状況を改善するためには、各店舗の従業員の方たちにも、食品リサイクルについて理解してもらう必要があります。
今まで食品ゴミは、リサイクルされることで堆肥や飼料となり、そこからお米の栽培や豚肉の販売につながるという食品リサイクルループとして使われていました。食品ゴミはバイオマス発電といった電気の発電もできるので、今後は食品以外にも転換できる新たなループを形成していきたいと思っています。こういった食品残渣からリサイクルできるのは、食品スーパーマーケットの強みであり責務でもあるため、いろいろな可能性を探っていくつもりです。
私は入社前から環境活動に携わりたいという想いがあり、それが今実現できていることに喜びを感じています。エコスグループは社員一人ひとりの意見や想いに耳を傾け、やりたいことに挑戦させてくれる社風があります。若手でも裁量権を与えてもらえるので、そのぶん責任も大きいですが、やりがいも感じています。そのためこれから入社をされる新入社員の方も、どんどん意見を発信していただきたいですね。