大手ではなく「これから」成長する会社でキャリアをつくる

私は現在、エコスグループの食品工場で工場長として、惣菜の食品工場全般の管理業務責任者を務めています。1999年に入社して今年で23年目になりますが、その間に惣菜部門のチーフやバイヤー、店長などを経験し、今年4月に工場長として着任しました。

学生時代は教職課程で学び、漠然と教育に携わる仕事がいいかなと思っていたのですが、アルバイトで飲食関係を経験し、だんだんと自分に向いている仕事は何か考えるようになりました。

性格的に飽きっぽいところがあり、自分がやっていることの成果がはっきり出るような仕事の方が向いている、逆に成果が明確ではない仕事では続かないだろうなと考える中で、日々売上という数字が明確になる小売業がおもしろいかもしれないと。そこで、志望を小売業界に定め、就職活動を始めました。

就活をしていたのは、エコスの前身の会社がちょうど店頭公開されたころ。将来的に成長が見込める会社だというところに大きな魅力を感じました。自分が就職して10年後、20年後にその会社がどうなっているだろうか。会社の成長過程の中で自分も頑張ってキャリアを積んでいけるのはいいな、と思ったのです。大手スーパーやコンビニなども受けましたが、最終的に共に成長できるエコスが一番いいと考えました。

入社後は、店舗の惣菜部門に配属となり、3年間で4店舗を経験しました。最初は自ら鍋を振るイメージを持っていましたが、実際のところは、惣菜商品を店舗に並べてお客様にどう買っていただくかが大切でした。その発想の転換が自分にとって非常に新鮮でしたね。2店舗目に配属されたころから、周辺にあるスーパーをこまめに見て回るようになり、自分の店と他の店の違い、たとえば商品の種類や並べ方、順番などを分析しました。

その結果をもとに、自分なりに「こうしてみたらどうか」と売場を提案していったところ、数字も上がっていったのでどんどん楽しくなりましたね。今思えば、この経験が新人時代のひとつのターニングポイントになったと思います。


売り手目線ではなく、お客様目線。商品開発を通して見えた世界

2006年から店舗で惣菜部門チーフになりましたが、一番変わった点は単に売上だけ伸ばせばいいのではなく利益という指標が入ったことです。それによって原価、人件費、工数などを意識するようになりました。小規模店舗から始まり、試行錯誤の末に自分の求める店舗運営のイメージへ近づけるようになったころ、4店舗目で大きい店を任されるようになりました。

しかし、1年も経たないうちに「バイヤーにならないか」と声をかけられ、本部へ異動することになったのです。正直なところ、仕事内容もよくわからない状態だったのですが、求められるならば応えようという気持ちでしたね(笑)。

それから、主に仕入先メーカーさんとの価格交渉や、イメージした商品をつくっていく開発業務を担当していきました。交渉力がカギだったので、取引先と良好な関係を築きながら交渉術を磨かなければなりません。なかなかハードでしたがおもしろくもあり、手応えも感じられました。

6年半ほどのバイヤー経験の中で、ひとつだけ「売れた」商品があります。バイヤーにとって売れた感覚を持てる商品というのはひとつあるかないか、というくらい難しい世界ですが、「冷めてもやわらかいとんかつ」という特徴がお客様に受け入れられて、売上トップになったのです。

私たちは常に、質の良いものを売らなければいけないと思ってしまいがちですが、お客様目線から見れば、食べるときの体験が大切です。○○産の岩塩を使いましたとか、上質な小麦からできたパン粉にリニューアルしました、といっても意外と購買意欲は掻き立てられないらしく、「柔らかい、薄い、軽い、重い」といった、ストレートに伝わるキャッチフレーズで、体験を想像させることができる商品が強いようだと実感しました。

売り手の思い込みではなくお客様目線が大切なことや、商品の魅力を訴求するためのポイントを学んだ、とても貴重な経験だったと考えています。


大切なのは主体性。一人ひとりの考えを軸にした店舗づくり

入社して10年以上経ったころ、ふと、自分が店舗でも本部でもずっと惣菜部門を担当してきたことに思い至りました。そうすると、せっかく食品スーパーの会社に入ったのだから惣菜以外のところもいっぱい見てみたい、という気持ちが湧いてきたのです。本社ではなく店舗に出たい、という気持ちもありましたので、たまたま社長とお話する機会があったときに、その気持ちを伝えました。社長は気さくに話しかけてくれる方ですし、「じゃあ1回経験してみる?」という話になって。再び店舗に出ることになりました。

副店長として1年間店舗を経験し、店長になってからは3店舗で働きました。2店舗目では、改装オープンに携わりました。改装を機にまったく新しいお店に作り替え、既存のお客様だけでなく新しいお客様の来店も促していきます。そのために、ターゲットの客層やメイン商品を決めるなど、店長になってから一番経験を積ませていただけたと思っています。

3店舗目は、駅前立地の店舗でした。客層もほかの店舗とは異なっていたので、改装店での経験を活かして店舗独自の条件を活かした発想を具体化していきました。たとえば、みんなでチーズの展示会に行って、興味を持った製品を店舗でも売ってみたり、お正月にはお菓子で鳥居を作るという企画をしたり。遊び感覚のあるパートナーさんが多かったので、すごく心強かったですね。大学が近かったこともあって、学生のお客様も「この店、おもしろいな」と反応していただけました。土地ごとの客層に合わせた売場を作ることを始め、たくさんの挑戦ができた店舗です。

店長にはメンバーのマネジメント責任がありますが、基本的に「この店はこうしたい」「こういう売場をつくりたい」と伝え、あとは自由にやってもらうという進め方をしていました。私自身が飽きっぽいので、自分が楽しくないとつまらなくなってしまう。だから「この売場は本当におもしろいのか?」ということだけ、しょっちゅう問いかけていましたね。一方通行になりがちなミーティングも好きではなかったので、各部門のチーフと直接意見交換し、あとは信頼して任せる方針でした。

私は店長という立場になっても、自分が偉いと思ったことはありません。一番偉いのは現場で数字を作っている人たち、つまりチーフでありパートナーさんたちですから、店長はそれ以外のことをする人なのです。現場のメンバーもそう思っているからか「店長はヒマでしょ。レジ入って」なんて、よく言われていました(笑)。

店長として一通り業務を経験したあとは、再び本部の惣菜部門に戻り、スーパーバイザーをしていました。担当のエリアを持ち、惣菜部門の従業員教育を行うという役割でした。各店舗に優秀なパートナーさんがいる中、社員として働くメンバーに対して伝えていったのは「自分で考えることの大切さ」ですね。私がやり方を教えて手を動かして、そのとおり覚えていくのではなく、あくまで自分主導でやるようにと教えていきました。

いまバイヤーで活躍している若手のひとりは、出会った当初「間違ってもいいから、わからないというのだけはやめなさい」と何度も叱っていたメンバーです。その言葉にめげることなく食らいついて、成長していった姿を見るのはすごく嬉しいです。あくまで彼自身の努力だと思いますので、自ら結果を出してきた足取りに頼もしさを感じています。


さまざまな職種を経てたどり着いた、架け橋という役割

これまで幅広い職種を経験してきましたが「工場長をやってくれないか」とお声がけをいただいたときは、さすがに驚きましたね。まったくの未経験の領域だという不安もありましたが、逆にいえば自分が持っていない新しいスキルを得られるチャンスなんだろうと思い、引き受けることにしました。

配属期間も短くまだ実績はありませんが、工場としての考え方や、「こういう取り組みをしたい」という私からの発信を、店舗や本部のスタッフ、バイヤーやスーパーバイザーなどこれまで一緒に仕事をしてきた仲間が理解してくれて、共に動いてくれることは非常に嬉しいです。

また、このポジションになってから、各部門の架け橋となるような仕事ができるかもしれないとも感じています。いま、私がいる工場では惣菜商品しか取り扱っていませんが、鮮魚や青果といった方面にも対象が広がっていく可能性があるかもしれません。誰とでも話せる性格を活かしながら、これまでの経験や繋がりを発揮できたらと思っています。

私は、仕事に費やす時間は長いからこそ、その時間がつまらなかったら人生がつまらなくなってしまうと考えています。「仕事の楽しさ」とは、友達と遊ぶ楽しさなどとは異なり、達成感や充実感ではないかと思うのです。だからこそ、「結果を出したほうが人生楽しくなる。なるべく目標を達成できるように頑張っていこうよ」と部下とも話しています。

何をやるにしても、結果は良くも悪くも付いてくるので、そこにこだわれるかどうかは大きい部分です。それから大切なのは、悩むのではなく考えること。結果にとらわれ過ぎて悩んでしまうと、うしろ向きな答えしか出てきません。そうすると、「どうせ自分なんて」という感覚になりがちです。一方で、考えることは、答えを見つけようとする前向きな行為です。だから、仕事は悩まず考えなさいと言ってきましたし、私自身もずっとそうしてきました。

その上で、環境も大切だと思っています。自分のことを頑張ったと思ってくれる人が周りにいるのはとても嬉しいことです。そう思ってくれる人が大勢いるからこそ、いろんなことを任せてくれるようになる。その結果、いまの自分があるわけです。

これからもエコスという環境を大事にしながら、一緒に働く仲間のために何ができるか、結果を出すためにはどうすれば良いのか、考え続けていきたいです。