プロジェクトを離陸させるプリセールス。ホワイトスペースを見つけて柔軟に対応する
入社時より保険業界担当のデリバリーチームに配属された村田は、入社8年目となる2020年にプリセールスのチームリーダーに抜擢されました。プロジェクトの数字を意識・管理するようになって、顧客が自分に支払っている金額を知り、自分が顧客の立場だったらどのようなパフォーマンスを期待するかを意識して仕事に取り組むようになったと言います。
村田 「プロジェクトチームは要件に応じて適切な人材を配置しますが、パズルのようにピースがはまって、その配置がすぐにうまく機能するわけではありません。形は人それぞれなので必ずできてしまうホワイトスペースを見つけて、柔軟に形を変えながらプロジェクトを進行させるのが私の役割だと思っています。
仕事をする上で大事にしている点として、営業だから、デリバリーだから、とはなるべく考えないようにしており、DXCという会社としてどうするべきなのか、という点にフォーカスするよう心掛けています。新卒のころは業務をこなすので精一杯でしたが、経験を積むにつれて、お客様が払う対価に見合ったパフォーマンスを出すよう意識するようになりました」
デリバリー経験があるからこそわかる部分もあり、線引きするのが逆に難しい立場の村田ですが、そこをポジティブにとらえて自分の役割を見極め、日々業務をこなしています。
村田 「私が担当するプロジェクトは基幹システムに関わる長期の大規模案件が多く、関わるプロジェクトすべてにやりがいを持って取り組んでいます。デリバリーはプロジェクトを着地させるのが仕事でしたが、それとは逆にプリセールスはプロジェクトを離陸させるためのフェーズをお客様と話すのが仕事になります。
プリセールスになって、テクニカルなところの説明などお客様への質問に回答する必要があるためデリバリー経験は必須であり、今の仕事にも活かせています」
ソフトウェア開発のおもしろさを知り、多くのシステムデリバリー経験が今に活きる
学生時代は物理学科に在籍し、半導体物性を専攻する研究室にいた村田。ハードウェアからソフトウェアへと興味が移り、進む道を決めたと振り返ります。
村田 「ハードウェアを作る研究工程の中でシミュレーションソフトを作成する機会があったのですが、すぐにフィードバックが出て、ハードウェアに比べて物を作るスピード感が圧倒的に早いことにおもしろさを感じました。ITシステム開発の方が自分の性に合うので進路をIT業界に決め、IT機器総合メーカーのヒューレット・パッカード(HP)に入社しました。
決め手は、研究室時代から馴染みのあるメーカーであったこと、そしてオフィスがとてもきれいだったことです。入社当時は、アプリケーション開発部隊の保険業界担当部署に配属され、それ以降は保険業界に携わっています」
その後、2017年にヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)とコンピュータ・サイエンシズ・コーポレーション(CSC)が合併しDXCが設立。保険事業部門へと配属されましたが、DXCの前身であるHPに新卒で入社していた村田にとって、DXC独自のIP(Intellectual Property)およびサービスを理解するのには時間はかかりませんでした。
DXCになって顧客の層が広がり、保険事業部門が主要業界として位置づけられ、最大のデリバリー組織になったのは大きな変化だったと言います。
村田 「この仕事をする上でやりがいを感じるのは、保険会社の業務を支える基幹システムの開発に従事をしているという点です。自分が加入している保険を提供する保険会社のシステムを作っていると思うととても身近に感じられて、業務で担当しているシステムの重要性を実感します」
キャリアを積み重ねる中で、ある保険会社のインフラ・クラウドプロジェクトのアプリ担当リードを任された時期は、これまでのキャリアの中で大きなマイルストーンだったと言う村田。多くのプロジェクトのデリバリー経験を経て、今はプリセールスのチームリーダーとしてベテランメンバーと共に活躍しています。
海外とも容易につながれる、フラットな会社。DXC保険事業部で働く魅力と課題
DXCの保険事業部門で働く魅力や印象に残ったことについて村田はこう話します。
村田 「一つめは海外チームとの連携レベルの高さです。IPの専属コンサル部隊が日本にも海外にもいて、POCや業務要件定義の段階から海外メンバーのブレーンも入ってきます。世界各地に各専属部隊がいて、日本の保険システムと違う部分もあり説明するのは大変ですが、プロジェクトを円滑に進めるには必要なコラボレーションです。
海外部隊の拠点は主にヨーロッパとアジア、保険チームには通訳・翻訳チームがいて、海外チームとの連携を長年サポートしてくれています」
所属するチームやポジションにもよりますが、海外との連携は日常茶飯事。専属コンサル部隊が海外にいるIPソリューションに関連するプロジェクトが始まったとき、海外からその専属部隊が日本にやってきたことには村田自身も驚いたと言います。
村田 「二つめは、社内を歩いていれば社長と遭遇し、普通に挨拶や会話をしたりするようなフラットに近い会社の組織です。もちろん会社の規模や役割もありますが、コミュニケーションが伝わりやすく、会社全体の中で自分がどう動いているかが見えやすいです」
また、DXCには課題もあると指摘します。
村田 「保険会社様からの視点で、DXCは保険IPベンダーと認識されていることが少なくありません。東京オフィスのデジタル工房で某損害保険会社のお客様とワークショップを行った際、DXCの提供サービスが保険IP以外にも多くあることに驚かれました。損害保険会社のお客様だったこともあり、自動車業界の事例に強く関心を示されていました。
今後はお客様にDXCが総合ITサービスプロバイダーとして認識してもらえるように、いろいろな情報を発信できたらと思います」
キャリアを積んで日々成長。めざすは、保険システムのすべてを語れるアーキテクト
システムのデリバリーから始まり、キャリア8年目にはプリセールスへ。村田は、今後のキャリアビジョンをどのように想い描こうとしているのでしょうか。
村田 「もともとアーキテクトのロールをめざしているので、今後もきちんと保険システムを語れるようなスキルを身につけたいと思っています。お客様に提案する際に、システム全体を把握して説明し、設計・実装できる。そうした幅広いスキルを身につけることで、成長していきたいです」
また、保険事業部門に10年在籍しているプロフェッショナルの目線で時代の流れを読み、求める人材像についてこう語ります。
村田 「保険事業部門は、保険システムの運用が現行から次世代のものへと切り替わっていく中で、新旧両の運用サポートが可能な人材を求めて積極的な採用を行っています。
ベテランが多いのですが、この5年で若手も増えてきています。それまでは経験者採用の方が多かったのですが、新卒社員も増えてきて若手を育てようというマインドセットや環境もできてきました。
業界経験が浅くても、システム運用・開発経験があれば活躍できる場所があると思います。とくにオープン系システムやデジタルネイティブの方々には、ぜひとも入ってきてほしいです」
最後に、多忙な日々を送っている村田ですが、プライベートでは5歳、3歳、1歳の3児のお父さんでもあります。ワークライフバランスの大切さも理解し、公私ともに楽しむことを忘れません。
村田 「複数のプロジェクトが重なって仕事の比重が大きくなり、ワークライフバランスを取ることが難しいときも正直あります。ただ、コロナ禍の影響で在宅勤務が主流になったこともあり、保育園の送迎、子どもとお風呂に入ったり、家で一緒に食事をしたりすることが当たり前になってきています。
また、趣味で会社仲間と平日ナイターテニスを月1~2回楽しんでいます。DXCとして、テニスの実業団に2023年4月から参加することも決まっており、参戦できることを心待ちにしています」